闇はささやく(2021)
- ラーチャえだまめ
- 2021年5月3日
- 読了時間: 7分

【原題】Things Heard & Seen
【監督】シャリ・スプリンガー・バーマン ロバート・プルチーニ
【出演】アマンダ・セイフライド ジェームズ・ノートン ナタリア・ダイアーほか
【あらすじ】
マンハッタンから小さな町に引っ越した若い妻は、やがて、新居には忌まわしい過去が、そして夫には恐ろしい顔があることを知る。 (ネットフリックス公式サイトより)
【感想(ネタバレなし)】

『それでは聴いてください死神Winkで「淋しい熱帯魚」…』
どーもどーもおせんべいは口からボロボロ落ちるのが嫌なので必ず一口で仕留めますラーチャえだまめです。前回から引き続き早いスパンでの更新になりますかねー、まぁ時間のある時にドバっと放出しちゃおうという、そんな感じで早速ではありますが本日はこちらの映画を拝見させていただきましたー
【闇はささやく】……ささやくのはせいぜいリーアム兄さんくらいにしてほしい?ネットフリックスよりまたしても都心の電車ですらGWで本数減らしてるってのに相変わらずの“平常運行ゴシックホラー”臭がクンカクンカしてしまうようなホラー映画が配信されているではありませんかー?

主演は前回ご紹介した「レフト」にも出演する最近「ステイホームホラー」に引っ張りだこのマンマミーヤ・アマンダ・セイフライドと「次期ボンド候補」との呼び声高い笑いジワが全盛期のヒュー・グランドを彷彿とさせるジェームズノートン。そのアマンダ演じるキャサリンとジェームズ演じるジョージ夫妻が一家心中した事故物件的“呪われた屋敷”に越して来てしまったが故に??怪奇現象に悩まされてしまうという80年代が舞………おーっとここでウォーレン夫妻が楽屋裏でアキレス腱伸ばし始めたー!!となりそうな「死霊館」チックなホラー………??いやーもうこの手の映画をいったいいくつ観てきたと思ってんだよぉおおおー!!!と全国のホラーファンの皆さまにはまたしても真新しさゼロの予定調和の塊のような作品をご紹介するかもしれないと腹をくくり拝見させて頂いたわけでありますが
これがこれが悪霊が住み着いた家に越してきた夫婦の話かと思ったら?とっても“意外性のある”映画、だったんですねー。
■事故物件&歓迎ムードたっぷりな住人たち=はは〜んこれは全員グルですね?
夫の要望で都会のマンハッタンから田舎街に越してきた若い夫婦。妻のキャサリンは1人娘を育てながら家事労働に明け暮れる毎日。時々外の世界との繋がりが欲しいと切望するキャサリンとは反対に学校の教員を目指す夫のジェームズは越してきた先の学校で教授に就任。甘いマスクを武器に就任早々にして生徒(♀)たちから熱い支持を受けるようになります。新生活としては実に順風満帆に見える夫婦でありますが……そこへ夜な夜な起こる謎の怪奇現象。そこから次第に浮かび上がっていく夫婦の「本当の姿」……??

とにかくずっと家に篭りがちのキャサリン、気晴らしに夫以外の「話し相手」が欲しいなぁーなんて思っていたらそこへ近所に住む青年がキャサリンの前にやってきます。彼は以前機械仕掛けのイヌ型ロボットをお世話したこともあるアレックス・ニューステッターと知ったキャサリンは夫に内緒でその青年を娘のベビーシッターとして雇っちゃうんですねー。一方その頃ジェームズはと言いますと?近所の図書館で若い娘に出会います。ナタリア・ダイアーですよ皆さん!!「ストレンジャーシングス」を見たあとで「べ、別に彼女のことが気になったから借りて見たわけじゃねえからな……!!」と「ストレンジ・フィーリング アリスのエッチな青春白書」のタイトル詐欺にあった友人以下多数のエロ男爵の皆さまナタリア・ダイアーですy……!!そしてジェームズもまた愛する妻子がいるというのに?彼女のことが気になりはじめて、、、、、、
ほかにもジョーンズ博士ばりに知ってか知らずか呪われた屋敷を夫婦に提供してしまう不動産屋にカレン・アレン、横顔がリンカーンそっくりのF・マーリー・エイブラハムが「天国と地獄」とかいういかにも怪しい本をやたら夫婦にゴリ押ししてくる胡散臭い宗教団体の長みたいな??夫婦をとりまく「地元の人間」のまあ怪しいこと怪しいこと!?コイツら絶対ウラで結託してんだろ!!だから田舎の怪しい物件は安易に移住するなとあれほど……
■とりあえず「信仰心」持っといて損ナシってマ??
ホーンテッドマンションにいそうなワリとポピュラーなタイプの亡霊ですねー。ホラー映画の括りですが全然怖いシーンはありませんのでホラー苦手な方には安心出来るかと。そうではない人には物足りないでしょう。まあ怖いのは亡霊の方ではなくて……って話ですよ皆さん。本作はまさに「天国と地獄」の存在を強く認識させられるような、まあ全体的にキリスト臭が強い映画なんですよねー。「信仰心を持て」という強いメッセージが込められているみたいな。因果応報、他力本願……あ間違えましたシナリオ的には見ていて至極真っ当な展開、といいますか一周回って単純なテーマだからこそ?常に肝に命じておくんだぞ、と……信じるか信じないかはアナタしd…

テンポはいいんですけどねぇ、2時間越えの尺はちょっと長かったかなー。ホラーで2時間越えってのはなかなか疲れますね。まあアレがこーしてあーした後も描く必要があったっちゅうことでしょうが…。ラストは決していい気分にはならないかもしれません。いや納得のラスト、ではあるのですが。屋敷が「呪われている」からなのか…?それとも「呪われるようなことしたから」なのか…?人間の本性が炙り出される、皆さんは正しい行いをして生きていきましょうね……
【感想(ネタバレ)】
いやーこれまた意外なオチ、と言うよりか「呪われた屋敷に越してきた夫婦」の物語かと思いきやその実態は「呪われるようなことをしでかした夫が越してきた」そんな所でしょうか??OPの天井から滴り落ちる血にビックリしてすぐさま娘を家から救い出す___てバッキャロぉ〜!!!全部お前のせいだったのかよぉー!!という、そうです私がク◯な夫です〜と化けの皮が剥がれ始めた夫ジョージの衝撃的な姿。私てっきり不気味な言い伝えや風習のある“怪しげな田舎”に越してしまったが故に?妙に優しく近寄ってくる青年家事代行屋に?やたら「天国と地獄」の本をゴリ押ししてくる大学の教授に?同じく大学の同僚に?「周りが怪しい。」コイツら絶対クロや!!呪われた屋敷の事も知ってるだろ!!でもって極めつけが教授らが“親切心”でキャサリンに“降霊術”をジョージに内緒でするシーンですよねー!!もうコイツら絶対キャサリンに逆に憑依させるとばかり思って見ておりました___

本作はそんな「あるあるオカルト洋画ホラー」であると匂わせ視聴者をミスリードさせ意外なオチへと落とし込むことにある意味で成功していると言ってもいいかもしれません。屋敷に住む霊は決して夫婦に「危害」を加えるようなことはしませんでした。ちょっと大げさなお知らせメールくらいの“警告”をしていただけでしたよね?ラストにジョージが斧を持ってベッドに横たわるキャサリンを殺害するシーンは「シャイング」を彷彿とさせますが、優しい夫が悪霊により別人のように狂っていくのではなく「元から狂っていた」という点で似て非なるもの。確かにあの屋敷にはジョージにささやく“悪霊”の存在がありました。しかし最後はジョージを地獄へと誘います。嵐の海から地獄の門が開かれたその光景がそのまま絵画となるシーンは「ハウス・ジャック・ビルド」のようなある意味美しい終わり方だなと思いました。本編で出てきましたよね「悪霊は悪い者に憑き、善人には良い霊が憑く」と。
本作の核はまさにそこなのではないでしょうか。あの屋敷には悪霊が住み着いているがそれは善人であるキャサリンとは無縁のもの。縁があったのは罪を犯したその夫ジョージの方で過去の忌々しい事件、あの屋敷で「繰り返される悲劇」の真相は、まさに彼のような悪の心を持った者があの屋敷に吸い寄せられていたのが原因だった・・・。まぁそういう意味では「呪われた家」であることに間違いはないんですけどね。でも世の中犯罪レベルの罪はないにしろ、なかなか人生のゴールド免許持ってる人なんてそういないっしょー?
Comments