帰ってきた あぶない刑事(2024)
- ラーチャえだまめ
- 2024年6月5日
- 読了時間: 8分

【原題】帰ってきた あぶない刑事
【監督】原廣利
【出演】舘ひろし 柴田恭兵 浅野温子ほか
【あらすじ】
刑事を定年退職し、ニュージーランドで探偵事務所を開業していたタカこと鷹山敏樹と、ユージこと大下勇次が、8年ぶりに横浜へと戻ってくる。そんなある日、香港在住の日本人弁護士が何者かに殺害される事件が起こる。事件にひっかかりを感じた鷹山は、過去に2人と因縁のある男・劉飛龍(リウ・フェイロン)のもとを訪ねるが、鷹山はそこで出会った飛龍のビジネスパートナーであるステラ・リーが、かつての恋人に似ていることが気にかかった。その頃、2人の「T&Y探偵事務所」に永峰彩夏という女性が訪れ、母親を捜してほしいと依頼してくる。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『知らない人には激ムズ問題』
どーもどーも小3の時にT1000走りをマスターして陸上で県大会まで出場したラーチャえだまめです。あともう数年早く生まれていたら「恭平走り」で全国駆け抜けてたかも!?これが令和のオイルショック……!?(時代関係なくね?)

と言うわけでハマ生まれハマ育ちの人間なら「見ないわけいかないじゃない。」案件【帰ってきた あぶない刑事】!!ハマと言ったら「あぶ刑事」か「濱マイク」でしょうおおおがああああ!?ハマっ子としてこれは知らないでは済まされない邦画的「バディものの金字塔」「あぶない刑事」……リアル世代ではなくせいぜい聞いたことあるレベルの新参者ではありますが、2006年の「アブデカ」が地上波で流れた時に偶然チャンネルつけて「日産スタジアムの上で何してんねん!」とそれだけで「あぶない」映画であることは知っておりました……が
今年の横浜はすごいですよ〜つい先日まで「ハマフェス」でしょ?横浜市民の特権「開港記念日」でしょ?もう何かしら理由つけて花火撃ちたくてしょうがないんだから!?そんなハマを今年一“あぶない”街に仕立て上げたのは言うまでもなく?ハマの街でパレードしたり街の至る所でPRをワンサカしたり……ハマをマルっと“あぶ刑事”一色にした功績だったんじゃないか!?と思いたい、ということで私劇場版だけではありますがこの際“劇場版シリーズ全7作全部見てから”の参戦です。いやーもうはじめに言わせて下さい「感動しました。」一部回想シーンで「運命のダイヤル」のハリソンフォードばりにCGで顔を若返らせる画期的な技術もさることながら単純に

70代でこの色気、、、、関係ないね?
■日本の「ダンディ」&「セクシー」は永久に不滅です
御年75歳の“ダンディー・鷹山”と72歳の“セクシー・大下”いやいやいやいやどうなってんのぉおおお!?もうね、この2人を見ると宇宙刑事もビックリの「若さってなんだ_?」演じる舘ひろしと柴田恭兵の「変わらぬカッコよさ」いやー……歳を重ねて成熟しきったウレウレのダンディズム&セクシー。70代が出せる色気じゃありません。舘ひろしなんてTVドラマスタートから38年経って“なんにも変わってない”じゃん!?むしろ38年後の黒コート姿がさらにサマになっているし!?柴田恭兵も“スタイル全然変わってない”シュッとした体とスラッとした姿勢!?お二人の「維持」の努力にもう感動というか、まだまだ“アクションも現役”なんですよ。勿論スタントダブルやあの手この手のテコ入れ、たぶん敵も“めっちゃ気を使って襲ってんだろうな”くらいの配慮は当然のことながら、それでもお二人とも走ったり殴ったり殴られたり蹴ったり蹴られたり……保険会社もたまったもんじゃない“70代のアクション”とかいうパワーワードを生み出しているという……ほかにも劇中ユージが早口言葉を練習するシーンがあるんだけど、恭平さんちゃんと練習してんだなぁ〜。すげぇわ。

浅野温子も63歳と思えぬスタイルだからね?脚めっちゃ綺麗だし。並みの努力じゃここまでスタイルキープ出来ないでしょ……。ちなみにプロモーションで攻めたツーブロスタイルの髪型は撮影の為にしたのかと思ったら劇中全て「カツラ」姿であれは完全プライベート仕様だったようだ。仲村トオルの58歳もビックリだが演じる町田課長があと5年で定年ってのもビックリだし、それなのにタカとユージの前では「一生後輩感」出せてんのが一番ビックリだわ……。あとはお茶番の瞳ちゃんに落としのナカさん、シリーズお馴染みの顔ぶれが揃うが、シリーズを追う毎にオリメンが徐々に減っていくのは致し方なしとはいえやっぱり悲しいところ。港署なんて実質2人しかオリメンいないし。パパさん役の俳優は「さらば〜」の時点で既に俳優業を引退されていたようだし、松村課長役の木の実ナナは撮影が始まる前に怪我したとかで出演を降板したらしい。
前作「さらば〜」のラストで無事に(?)港署の刑事として定年を迎えた2人は“ラグビーが強い”ニュージーランドで悠々自適に“探偵”として老後を過ごしていた……たぶん前作ではちょっとしたお遊び程度だった設定をそのままひっさげ、今作ではそれから8年ぶりに横浜の街にカムバック。いくらなんでも老後の資金で借りれんのかレベルの冴羽獠も嫉妬するハマのおしゃれタウンのど真ん中に探偵事務所を構えたところ、早速依頼人第一号の“永峰彩夏”と名乗る女性が二人の前に現れ……
演じる土屋太鳳。歯が白いいいい〜!!!この人だって結婚して出産までしてピッチピチの24歳の役ですからね。「さらば〜」でトレンディエンジェル・タカとはいえ孫の代の菜々緒とタカがマジの真剣交際を模索するのは流石にちょっと……舘ひろしだから犯罪にならないんですよねコレ?(恋愛に年齢は関係な……はロマンの話)だったのが、今作でようやく?タカとユージ二人の“娘”疑惑のある??ヒロインの登場により、特にタカが色目使いじゃなくちゃんと優しい“パパの顔”になってちょっと一安心。ちなみに劇場版のゲストヒロインはみんな「必ず死ぬ」謎ジンクスありますよね?あれホントになんなんですかね……??
■究極の“横浜観光PR映画”
いやーコレは本当に感動しました。中華街や元町、関内から港の防波堤といったおなじみの場所でロケを敢行しているのは勿論のこと、結構「あ、ココ知ってる」っていう場所が?めっちゃ出てくるんですよねー!!クライマックスでコレットマーレが爆破されるって話出てきた時はもう笑っちゃったよ!先述した今作は横浜の街で大々的にPR活動をしたおかげで、映画と街とが誘致し合う最高の相乗効果を生み出しているかと!都心で観ればきっと横浜に行きたくなる、でも個人的にはやっぱり舞台の横浜で!みなとみらいだけでもシネコンが3つもありますから!?鑑賞することをオヌヌメします!!そして今作を見た後でも前でもいい、実際に横浜をぶらり観光すればきっと話が弾むことでしょう!?

毎回笑っていいのかわからなくなる「不吉な謎END」等、「シラける昭和ノリ」は排除、「昭和」の良い部分だけを抽出した……結果「エモすぎる令和版あぶ刑事」というここへ来てニュージェネの嵐を吹き込んだと言ってもいいのではないでしょうか!?
■若い人にこそ観てほしい「エモすぎる令和版あぶ刑事」
前作「さらば〜」は個人的に悪い意味で「昭和臭かった。」監督はTVシリーズから劇場版も最多で「西部警察」なども手掛けた村川透という監督なんだけど、先述しましたがどう見ても孫と祖父ほど離れたヒロインとのメロドラマはいくらタカがダンディだからってヒロインが殺されてワンワン声出して泣くのは流石にちょっと見ていてシラけるし、Mrシンバルキック吉川晃司がなんかカッコつけながら真正面でバイク合戦する「効率の悪さ」等、時代に「取り残された昭和感」が歪めなかった。そこは2016年なんだから「2016年版」の価値観に合わせるべきと言うか…。
それが今作では監督スタッフを一新しリアタイ世代じゃない比較的若い世代のクリエイターにバトンを渡したことで、昭和の良い所・悪い所の「仕分け」をして、シリーズのスパイスを損なわないレベルで「悪い昭和ノリ」はカット、「レトロ=エモい=カッコいい」の現代人にも響く「良い昭和ノリ」は逆に全面に押し出す。クライマックスで流れる「on the run」はシリーズの劇中歌でありながら、今の世代にもヒットするんじゃないか!?これが流れると往年ファンじゃなくてもあまりのカッコよさに身震いすることでしょう!

音楽だけではありません。今時刑事が埠頭でド派手なカーアクションや撃ち合いなんて、、、、なんて思っているのは実はリアタイ世代で、若い世代には「一周回って新鮮」に思えるんじゃなかろうか??それが実は本作の狙いでもあり、懐かしさと同時に今再びこのような「ごっこ系」をエンタメ界に呼び戻す機会を本作は担っているようにも感じました。
タカとユージ、お互い「リスペクトしあってる」のがまたカッコいい。歳を取るとどうしてもオレがオレが…って前に出しゃばったり意固地になったりするもんだけどこの2人は違う。すんごい謙虚なのよ。“見せ場”においても今回だってタカがちゃーんとユージの“ショウタイム”を演出する役目を買ってでれば、ユージはユージでさりげなくタカと彩夏を“親子”のように2人っきりにさせたり……てそれは演出家の力ではあるけれど、この2人に至ってはもはや映画の中で演じるキャラクターの枠を超えてるというか、番宣で舘ひろしが若い層に向けて「カップルで映画館来たけど見たい映画がなかった時にでも見てやって下さい」ってコメントするのよ?「若い人も是非見に来てね」って言わないところがもう顕著よね〜。「この歳で新しいことに挑戦したいことは?」って記者の質問には「この歳で?ないよそんなよ〜(笑)」って笑ってたけどプレミアイベントで浅野温子を軽々とお姫様抱っこしてんだよ!?おいくつになっても常に何かに挑戦してるんじゃあないんですかぁ舘さーん!?
お互いを認め合い尊敬し合っているから「人生のパートナー」やってこれたんだろうなーと。それがそのまま離婚しない「いい夫婦」にも全て当てはまるところがまた……これがホントのおっさんずラブ!?私事ですが最近心身共に不調和音奏でたぁ〜るだったんですが、なんかお二人を見てマジで元気貰いました。だって70のオジサンが走りまくってノーヘルノーハンドのハーレイまたがってショットガンぶっ放すんすよ?もう何ヘコタレてんだ俺は、、、って話ですよ!?
シリーズ恒例のストーリーは相変わらずメチャクチャで「リアルじゃない」、けどタカとユージ、いや舘ひろしと柴田恭兵というレジェンド俳優二人のスクリーン上の勇姿は間違くなく「リアル」そのもの。いやー今年は「伝説の刑事ドラマ」が2作品もスクリーンで見られるとは……上半期の「あぶ刑事」からバトンを受け取れるか

きりたんぽか熊鍋か悩んでる場合じゃないですよ室井さぁ〜ん!?
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