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女神の継承(2021)


【原題】The Medium

【監督】バンジョン・ピサヤタナクーン

【出演】サワニー・ウトーンマ ナリルヤ・グルモンコルペチ シラニ・ヤンキッティカンほか

【あらすじ】

タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族の血を継ぐミンは、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返すようになってしまう。途方に暮れた母は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。ミンを救うため、ニムは祈祷をおこなうが、ミンにとり憑いていたのは想像をはるかに超えた強大な存在だった。(映画.COMより)




 
【感想】

『結論:ウコンは魔除け=二日酔いは呪い』

 




どーもどーも実家のバランスボールで試しにエクササイズしてみたら途端に気持ち悪くなりましたラーチャえだまめです。早速ですが本日はこちらの映画を拝見させて頂きました



【女神の継承】ナ・ホンジンいよぉおおおおおおおッ!!!!!いやーついに日本でも公開されてしまいましたとさぁー!?今年は本当にホラー畑豊作の年ですなー!とりわけ“アジアンホラー”もなかなか興味深いものが……前回ご紹介したトンデモT(台湾)ウイルス「哭悲(コクヒ) THE SADNESS」が個人的に不発だったのは置いといてコチラも期待していた1本。筆者は韓国映画は詳しくないので殆ど知らないのですが「I LOVE 國村 隼」が露見してしまったハマ・オカモトならぬナ・ホンジン監督による「哭声/コクソン」がねぇ〜。國村さん無双というかどんだけ國村さんすっきやねん「上手く説明出来ないけど“なんとなく後味怖い國村映画”」として!?それはそれは面白かったワケでありまして、当然のことながらそのナ・ホンジン監督の新作……期待せずにはいられない














“悪い意味”で「哭声/コクソン」を期待すると大目玉を食らう







 











ただの“ドB級”じゃねえか






一体全体何がどうして「転生したら“超今風スタイリッシュ系”にしちゃった件」ならぬまさかマギカ前作と180度全ッ然違う系統……いや“POV映画”とかいう一昔前の流行りに安易にも乘ってしまっt……「?????」てかよく見たらこれナ・ホンジン“原案”じゃあああああん!?監督はタイ出身のバンジョン・ピサンタナクーンという方だったのか…。だから“こんなにも違う”映画になったんですね(汗)
















タイ版「哭声/コクソン」かと思って観たら「コンジアム」だった






ということですか!?今作に一体ナ・ホンジンさんがどれほど関わっているのかは定かでがありませんが____とにかく全くテイストが違う“「哭声/コクソン」みたいな映画が観たい”のテンションで行けばもう特大後悔しちゃうんじゃないか??いや日本版予告で國村さんナレーション入ってんだもん!!嫌でも“あの「哭声/コクソン」のテイストを踏んだ”って意識しちゃうザウルスですよ!?



言うなれば本作は「哭声/コクソン」というより同じくコリアンホラーの“呪われたら黒目むいて過呼吸症候群に陥る”恐ろしい映画「コンジアム」に近いと思いましたね!!「哭声/コクソン」って若いカップルがワーキャー楽しむ映画じゃないじゃないですか?でも本作はそっち系。なんか意外にも後味悪いっていうよりカラッとしたホラー?ジェットコースターMOVIEのような楽しささえ感じられる、タイトルからして難しそうな映画かな?なんて思ったけど全ッ然。むしろ本作は“身構えた以上にシンプル”なホラー映画、となっております。



物語はタイの田舎町で古より伝わる“祈祷師一族”の生活と文化を取材していたゾゾゾの撮影班みたいな若者がちょうどベストなタイミングで“次の祈祷師候補”が爆誕する瞬間をカメラに収められそうじゃん??その候補者で“神に選ばれし”一族の娘にもカメラを向けていたら____なんだか娘の様子が次第に“おかしく”なっていって?……というストーリー。



前半戦はなかなか田舎独特のブキミーな雰囲気アリストテレスといいますか、妙な緊迫感があっていいんですよね。あまり馴染みのないタイランドの、ずっとずっと田舎の方にある村に伝わる話……羽生蛇村並に外界から閉鎖された、まではないけど田舎に伝わる怪しげな儀式とか?そーゆーのに興味がある人の心は、少なくとも“掴み”はバッチリなんです。



でもって取材班がカメラを向けるのがミンという娘で、代々祈祷師の家計として生まれながらも“受け継ぎ”を拒否した(そんなこと出来るん??)3人兄妹の長女の娘。ちなみに長女が引き継がなかったので今は次女のニムがその役目を受け継いでいる、という状況。つまりミンのおばさんが祈祷師、というワケです。そしてミンの母、3兄妹の長女が嫁いだのが“呪われた一族”という……なぜ大事なことをサラッと言う!?



ミンは祈祷師が崇める“バヤン”というバーミヤンみたいな名前の女神様から“おめーが今日から祈祷師だハイ!!”と勝手に選定されちゃうんだけど当のミンはまだまだ仕事に遊びに余念がないギャルだからそんな田舎者みたいな職業やりたくない!!と母親と同じく“拒否”しようとするのですが……



どう見ても“バヤン”ではない何か別の“邪悪な存在”に取り憑かれてんじゃね…?と徐々に疑いの目を光らせるニム。このままではミンが危ない!姉さん私が早く除霊してあげるわ!!そう意気込むニムに反して“ニムのチカラ”に懐疑的な長女は娘のミンをニムに近づけさせないようなことしちゃうんですねー。あーあ。もう素直にニムのゴッドハンドに任せておけばよいものを……ミンの“取り憑かれた姿”はさながら「エクソシスト」「エミリー・ローズ」のまさに“ソレで特に捻りがない。そこはせっかくアジアなんだから、んな洋風な悪霊じゃないんだから真似しなくても……ちょっと残念でしたかねー。ただミンを演じてるタイの女優さんの演技が凄い。もう白目向いて頭グワングワン回しちゃって。伽椰子みたいにカラダ張ってんなー。ニム役の人もいかにも「現地の人です」みたいな……出る人みんな現地人っぽさはあったね。……単に俳優知らないって話かハハハ



ニムの儀式で卵を何度も割るヤツ(バケツが黄身だからけやないか)……あれ死霊館ユニバースの“近寄ろーな”ならぬ「ラ・ヨローナ」でも神父がやってましたねぇ。黄身の色が黒だとヤバいんでしょ?でもあの映画はスペインとか南米の話ですよね〜。東南アジアとかソッチ系で流行る儀式なのかな??



カメラも手ブレ感とかわざと出してリアリティーショーのような演出をしているのだけど、映像の切り替えとか魅せ方がそこまでうまくはないというか、本当にPOVにする必要あったのかな、とは少し思いました。てかカメラ何台あんだよ



登場人物もあんまり感情移入できなかった(まぁそれがタイの文化と言われればそれまでなのですが…)第一よ?“呪われた娘となんで幼い赤子を同じ一つ屋根の下に住まわせてんだよ!?”ホテルズドットコム使ってどっか近くにホテルとか知り合いの家に少しの間だけでも避難させてもらうとかさ、そーゆー発想には至らなかったのだろうか……(結果的にそれが原因で大きな危険が…!?)



クライマックスのシーンもちょっと歯切れが悪かったかな。いい所でカメラの切り替えが入って緊迫感が途中で途切れちゃうんだよね。130分という尺の長さもあって内容自体は“軽い”のに妙に取っ付きにくいというか、単純にカメラ酔いする可能性あるから、この手のPOV映画は手ブレ酷くなくても2時間以内に締めた方がX-GUNに見やすいんだよなー。確かに「哭声/コクソン」も長かったよ?でもあれは長くて逆に正解っていうか“ジワジワくる怖さ”を演出する上で、小説を読むみたいに長編の方が肌に合う。ただ今作は先にも言ったように“アトラクション系”だから単純に疲れるしダレるんだよね。



最後まで救いという救いがない残酷な話(18禁なのは“飼い犬を食す”シーンがあったからでした但し本作に登場する動物には一切危害は加えられておりまs…)なんだけど、最後の最後にニムが言うセリフね












「そもそも本当に“バヤン”がいるのか、私しゃわからなくなってもうた…」





どんなに信仰心を持っても“そこに救いの神がいなければ”意味ねーよ!!“拝めば神は存在するのか?”そしてたとえ神が存在していたとしても、それは必ずしもニンゲンの味方でいてくれる、とは……つまり我々ニンゲンが、ただすがりたいだけの“願望”に過ぎないのでは?という、この世の全ての信仰心を根底から全否定するかのような“残酷さ”。そして“全ては運命づけられている”それこそがナ・ホンジン監督の描くテーマ、“「答え」のない祈り”という部分では本作も共通しているのかもしれません。あとは“意味アリゲッティで伏線になってないシーン”とか……「想像に任せますキリッ」的な、あえて謎を残して終わる感じも「哭声/コクソン」っぽいかも。まぁ“似ていないようで実は似ている”そんな言い方の方が正しいのかもしれませんねー。



ちなみに現在本作のスピンオフ企画が進行中とのこと。あのイカくさ……キナ臭い祈祷師の前日譚でもやるのか?あるいは呪われた一族の元凶で赤いふんどし一丁の長身の男……て千原ジュニアかよ

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