【原題】Long Day's Journey into Night
【監督】ビー・ガン
【出演】タン・ウェイ ホアン・ジュエ シルヴィア・チャンほか
【あらすじ】
ルオ・ホンウ(ホアン・ジュエ)は、父の死をきっかけに、何年もの間離れていた故郷の凱里に帰省する。久々に戻ったふるさとは、彼に他界した幼なじみを思い出させ、同時に長い間心に残っていたある女性の面影を浮かび上がらせる。彼女は、香港の有名女優であるワン・ チーウェンと同じ名前だと彼に告げた。(Yahoo!映画より)
【感想】
『リンゴと言われて食べたけど実はタマネギだったとか今更聞けない件』
どーもどーも先日二日酔いで「テネット」を見て胃酸が逆行しかけましたラーチャえだまめです。早速ではありますが本日はコチラの映画を拝見させていただきました
【ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ】!!!……うまいもんとは一切関係ない中華映画でございます。私中華は横浜中華街と三国志くらいしか馴染みがない身なんでございますが、ちょっと前に都内でやっていて気にはなっていたんですよ。なんでも3D映画らしいという話……え、見た感じアチョー!!なアクション映画っぽくはないし?実験的映画、、、?実験……マウスになるのは御免だな、と結局観にいかなかったんですよねー。そしたらコレはじめちょろちょろ2Dの中盤から突然3Dパッパ映画だという!?史上初「2D&3D両方やっちゃえNIS◯AN映画」だったんて
それ、早く言ってよぉ……
自宅で見て泣きじゃくりながらそのまま海に航海して消えてしまいたいくらい後悔の念に駆られてしまいました、いやーしかしそんな2Dだけでもビックリな、究極の「考えるな、感じろ」映画、だったんですねー。
携帯の着メロでララバイを鳴らす研ナオコ推しの主人公ルオ・ホンウはその昔「白猫」の愛称で呼んでいた親友の死をお久しブリーフに帰郷したマイタウンで思い返す。と同時に彼にはもう一人、記憶の片隅でいつも「存在」し続けていた、忘れられない人がいた……。
とまあそんな感じではじまる序盤からなんとも言えない空気感の張り詰める、のっけから背中で哀愁語っちゃうような丸坊主のおっさん
いや正面の間違いだったわ
「背景」がもう時既に幻想的過ぎる素晴らしすぎるロケ地チョイス!?千と千尋の舞台もいいけどこの、、、雑居とした、、、汚らしい感じ(究極の言葉のチョイスミス)今は無き川崎のレトロゲーセンか!?しかもやたら梅雨前線が通過してるのか雨のシーンが多く「ブレラン」的SFチックさえ感じてしまうという!?いやこーゆー所行ってみたいけどツアーもない一人で行ったら現地人しかいないからちょっと不安になる“生活臭”プンスカプン感がたまらないですね〜
そしてめちゃくちゃこだわり抜かれた「アングル」。ムーディー勝山ばりにやたら右から左へ流すクセが強いゆーっくりゆーっくりミリ単位で緻密に計算尽くされた動き。かなり“画”にこだわりを感じます。ほぉーこれは繊細なA型臭がするぞ
そこへ被さる「音楽」。リゲインEB錠のCMでおなじみ世界の坂本龍一も絶賛したというこれまたどこか哀愁漂う(この言葉ホント便利)誰かを想う時に流したらもうそれだけでご飯3杯いけるかもしれない、かと思ったら今度は攻殻機動隊ばりの摩訶不思議な掛け声が聞こえてくる??「異世界BGM」がまた作品に見事にマッチしている。
ルオは過去に親友を殺した犯人を探るため男の愛人に近づきました。彼女の名はワン・チーウェン。香港の有名女優と同じ名の、黒ロングが似合うそれはそれは美しい女性でありました。そして彼女は過去にザボンの早食い選手権で優勝経験のあr
ルオは彼女に急接近した結果ものの見事に恋人関係にGOOOOOAL!!!しかし犯人の愛人を辞めたがっていた彼女はその後ルオとも別れ行方不明に。でもって数年ぶりに地元に帰ってきたルオは「アイツ今どこにいんだろなぁ…」と何をトチ狂ったのか忘れられない彼女に再び会いたくなり彼女の痕跡から足取りを追う……
過去と現在、区別するにはルオの白髪で判別するしかありません。と言うか凝った「画」に集中しているとルオの語りだけで進行するストーリーをうっかり見失いそうになるくらい若干わかりづらいかもしれません。まぁストーリーも無論捨てていいものではありませんが、しかし正直ストーリーがわからなくてもですよ?先にも言ったこだわり抜かれた「画力」だけでも好きな人にはガッツリ刺さる、いやむしろ内容よりそっちの好みで作品の評価が変わる映画だと思うんですよね。まさに「考えるな、感じろ」映画と言うか
ルオが中盤とある劇場へ足を運びポケットからおもむろにTMネットワークがGet WildのPVで掛けてたような真っ黒なドデカサングラスをかけ始め……あそれ3Dメガネなんですか
え、終わり!?
そう、「映画」はここで終わります。ここから先は………
60分ノーカットでデーンデーンデー……
レオナルドディカプリオも早く駒を回したい夢の世界はク◯生意気な卓球の神童やらショートカットの峰不二子にやたらビリヤードの上手いヤンキーのいる“ノーカット長回しな世界”だった!?いやーまさかマギカホンマの60分ノーカット。しかもその間バイクで移動したり空飛んだり馬は暴れ出すし……ここまでの“動き”さえ完璧に“計算通り”というべきなのか!?この“夢の表現”がこれまたとんでもなくクオリティが高い。
「夢は“忘れた記憶”である。」劇中そんなセリフが出てきます。映画とはシーンを繋いだものに過ぎず、記憶とはふいに眼前に浮かぶ点だ、とかなんとか言っているのですが我々の見る夢にはカットがかからない、しかもどこから始まったのか“起点”さえわからない。気づいたら夢の中にいて……それをまさに本作では“再現”することに見事成功していると言っても過言ではない!!
彼は夢の中を“徘徊”する。まさにそのルオの“記憶”から生まれた夢の世界を我々視聴者も一緒になって追体験する、うわーこれ3Dで見たらさぞゴイスかったんだろうなー!!直前で彼がメガネをかけたのが劇場では“3Dメガネをかける合図”だったらしく、その後に本作のタイトルがドーンと出てくる演出は、本作が映画としてではなく、本当の意味で“始まった”ことを意味していたんですねー。
おいおいなんで卓球のシーンでルオだけフレームアウトしてんだよ!!お主まさか……ドヘタか
そして現実、過去、そして夢……全てにおいて言えること
切なすぎるオッサン
会いたいけど会えない、忘れたいけど忘れられない、、、、あれもしかして西野カナの歌詞にいた人?それは夢の中でも一緒なのです。ルオはそれが“夢”であると確信する。だから切ない。それはいっときの夢の、いっときの「再現」に過ぎない。線香花火のように最後は必ず“終わり”が来る。なんと儚いものよ、オッサンForever……そんな時は家政婦になるのをオヌヌメしまs、
監督は随分ヘルシーなんですねビー・ガンという監督。処女作「凱里ブルース」を当時に、26歳!?という若さで発表し衝撃的なデビューを飾る。それから3年の歳月をかけ本作を爆誕させたシネマ第8世代、これからが期待される中国の超新星監督ですか?もうやんなっちゃうよなぁ〜、こんなバカな記事書いてる自分とは明らかに「人間の出来」が違い過ぎるぜポンポンポーン!!!……(そういうとこやで)キャナダにグザヴィエ・ドランあれば中国にビー・ガンあり。いやぁーその彼のデビュー作もなんだか見たくなってきました。いやぁホントに天才だと思いますよ、おれリンゴ貪り食いながら涙流せる自信ないわぁ〜
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