【原題】Lucy in the Sky
【監督】ノア・ホーリー
【出演】ナタリー・ポートマン ジョン・ハム ザジー・ビーツほか
【あらすじ】
NASAの宇宙飛行士のルーシーは、宇宙でのミッションを終えて地球に帰還するが、宇宙での超越的な経験をした彼女に、地上での生活はひどく退屈に思えた。再び宇宙に戻るため訓練に勤しむルーシーだったが、そんなある日、同僚のマークと出会う。日々の生活に物足りなさを感じていたルーシーは、社交的で野心的なマークにひかれていくが……。
【感想(ネタバレなし)】
『後のムスカ大佐である』
どーもどーも去年アメリカに一人旅したあと日本に帰国して自宅の最寄り駅に降り立った時の心の中の第一声が「街ちっちゃ。」これが私のアナザースカイ、ラーチャえだまめです。やって参りました「未公開映画を観よう」本日は第2夜でございますいやーずっと日本で公開されるのを楽しみにしていたのですがナゼダカDVDスルー案件になってしまった、不遇の映画と言ってもいいかもしれない??今宵ご紹介する映画はそんな海外旅行の比じゃない宇宙に飛びたった一人の女性宇宙飛行士が地球に無事帰還出来ただけでも勲章ものなのにいざまたいつもの日常生活に戻るなり「人間ってなーんてちっぽけなんだ。」広大な宇宙に比べればその中のほんの小さな“地球”の、ほんの小さな街で空を見上げるヒマもないくらいに忙しなく生きる全ての“人間ども”を見てフハハハハハハ!!!見ろ人がまるでゴミのようd……「自分の生きる世界はなんてちっぽけなんだ」と自問自答した挙げ句精神が崩壊し最終的に“被害妄想からきた傷害事件”にまで発展してしまうという??2007年にNASAの現役宇宙飛行士リサ・ノワックが不倫相手の恋人に暴行を奮った前代未聞の殺人未遂事件、通称“リサ・ノワック事件”を元ネタにした映画
【ルーシー・イン・ザ・スカイ】!!!コレコレ〜見たかったんですよ!主演はそりゃ遠い遠い遥か彼方の銀河系の王女じゃあ地球なんて狭苦しいはずだと妙に納得してしまう世界のナタリー・ポートマンであります。「ブラック・スワン」でアカデミー主演女優賞を受賞、最近では「アナイアレイション」でレジスタンスのポーのせいでワケワカメな世界にも果敢にもトライし次回作にビール腹の北欧神との再共演が控える銀河一の王女がですよ?幸か不幸かアナキンもビビってミディクロリアンが収縮してしまう程の
ついにただのヒステリックババアを演じてしまった
いやーこれまたとんでもクライシスな映画、だったんですねー。
見てください早速OPからもろグーグルマップから引っ張り出したような美しい地球!!今回宇宙から帰還した後がメインですのでそこまで宇宙のシーンは出てこないんですけども、宇宙ステーションに吊るされ宇宙服を身にまといながら幻想的な地球を眺めておもわずウットリなルーシー……そりゃ見惚れちゃうよね
地球にある自宅には魔法が解けた後は妻のサポート役に徹しまくるダン・スティーヴンス演じる夫と姪っ子の姿が。ルーシーはNASAの優秀な宇宙飛行士であり自宅に帰れば3人の家族と過ごす一人の“妻”なのです。
しかしルーシーは宇宙に行った時の感動がいまだに忘れられません。今さっき宇宙に行ったってのにもう行きたい、次の“ミッション”も参加したい!!そんな想いだけが募る中、彼女の中で僅かな“変化”が起き始めていたんですねー。ちなみに役が夫と逆転していたら夫は確実にエイリアンです
次のミッションに向けた訓練初日、そこへやってきたのが最近大作映画に引っ張りイカ過ぎて足抜けてたこのザジー・ビーツ演じる新人訓練生のエリン。負けず嫌いなルーシーにとってはもう「若いやつ来た→絶対に負けられない」が自然の流れのめちゃくちゃライバル視するんですよね。ナタリーももうそんな若い子に嫉妬しちゃう年齢かぁ…そしてある日同僚からボーリングに誘われるルーシー。そのお相手はハリウッド一の野球好き俳優、お歳暮にジョン・ハム演じるマーク。渋々参加したルーシーだったがバツイチ子持ちマークお得意の“密ですコーチング”によりまんまと虜になったルーシーは早々と
レッツ不倫タイム
まぁルーシーさんなかなかのク◯ですよねーいやそれがナタリー・ポートマンがやってしまうことで「こうも違うのか」という??確かにルーシーの独りよがりの無鉄砲さと言いますか、もうやることなすこととにかくむちゃくちゃなんですよ。NASAの敷地内で密かにマークと車のトランクの中でビール片手に密会しながら「私たち校則破りの悪いティーンエイジャーみたいね」ってルーシーさん完全にそれリターン10代症候群発病しちゃってるじゃないですか……!?献身的な夫がいるのに?ルーシーは完全にマークに夢中。こんな胸糞悪い展開を世界が認めたナタリー・ポートマンの美貌で7割くらい帳消しされちゃうんだもの、ホント世の中って不公平ですね
なんか画面がさぁ〜、基本アナログ比率、ていうか比率がちょくちょく変わるんですよね。わざと古臭い感じにしたいってこと?(ただし本作の時代設定は不明)しかもよく見ると上下だけピンボケさせてるんですよねー、ナタリー・ポートマンはそこまで身長高くないからいいんだけどマーク役のジョン・ハムなんて身長高すぎて顔ボヤケちゃってけどこれでええの……?
「宇宙行ったらイカれちゃう」なんて現役宇宙飛行士にはあまりに無礼な極論過ぎのような気もするのです。しかしルーシーは宇宙に行き“明らかに人が変わって”しまったんですよね。神を信じる夫との価値観、地球に生きる人間との距離感、人類で限られた人間だけが見ることが出来る世界を私は観たんだ、私にはNASAの掲げる「世界を変える」壮大なミッションを成功させる「義務」があるんだ。そして今その「軌道」がズレ始めた。私は「軌道修正」をしなければならない。いや「私の軌道修正」を………
とまあこんな感じでですね、後半はもう完全にルーシーさんぶっ壊れます。「これは私を救うミッションなんだああああああ!!!」とか一人で唱え始めちゃって……あなたにとっては壮大なミッションでも我々からしたら「ただのコメディ」っすよルーシーはん……これには姪っ子も何やってんだと呆れ顔ですよね
まあ事実を元に……とは言っているものの、主人公の名前も違うし当然ここまでドラマチックなワケではないだろうし先に言った宇宙で狂っちゃった、という「憶測」でなんとなくルーシーも被害者みたいな感じで描いている時点でフィクションとして見たほうが全然楽しめるんじゃないかな、とは思いますね。ちなみに本国アメリカではあまり人気が振るわなかったそうで、その理由として事実をかなり改変している点、リサ・ノワックが不倫相手の愛人を誘拐した時トイレに行かなくてもいいよう「宇宙用オムツをつけていた」有名な話が入ってないじゃないか!!……え、そこ?
【感想(ネタバレ)】
画面比の話。これ見終わってから気がついたのですがこの画面が変わる演出、全画面つまり通常画面になる時は「ルーシーがミッションを受けている時」だけなんですよね。そしてこれをルーシーの「視点」として考えると
ルーシーがミッションを受けている時(水中訓練も同じ)だけ全画面表示される→ルーシーにはミッションを受けている時だけ「視界が最大」である→「全てが見えている」→「正常」の状態だと、彼女はミッションに“全てを捧げて”いましたよね?その状態こそが彼女がある意味「平常心でいれる」時なのではないか。彼女のベストの状態はミッションを遂行している時だけなのです。そしてクライマックスに訪れる傷害事件、あれもルーシーにとって大事な「遂行しなければならないミッション」ですので画面は通常比に戻されています。
ではそれ以外のシーンは?彼女の日常のシーン全てにおいて画面の比率が小さいのはルーシーが日常生活に「息苦しさ」や「窮屈さ」を感じていてそれを画面の比率で表現しているんじゃないかと。上下ピンボケするのも我々視聴者の時点を中央に持っていく意味もありそうですが、ルーシーが中央しか集中していなかったから、と捉える事も出来ます。つまりそれだけ彼女の視野は狭く中央以外は特に眼中になかった可能性も。彼女にとってミッションが生きる全て。だからクライマックスで自分が不正に候補から外されたとして「自分自身を救うミッション」に病的なまでに取り憑かれそして冷静さを失いあのような事件を犯してしまった……。
ただ哀しきかな本人も警察に追われるまでは非常にイキイキしているんですよね。完全に常識を逸脱してしまっておりましたが…。ラストは蝶の如く「第二の人生」をエンジョイしてるみたいですし?しかしなぜミツバチ畑で働いているのかは謎ですがミツバチがびゅんびゅん飛び回る中ヘルメットを脱ぎ捨てる行為→宇宙と同じ“人類未踏の快挙”で感動出来てるんだからまぁめでたしめでたし……ソンゲバソナ
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