ミッドナイト・スカイ(2020)
- ラーチャえだまめ
- 2021年1月6日
- 読了時間: 5分

【原題】The Midnight Sky
【監督】ジョージ・クルーニー
【出演】ジョージ・クルーニー フェリシティ・ジョーンズ カイル・チャンドラーほか
【あらすじ】
孤独な科学者オーガスティン(ジョージ・クルーニー) は、地球滅亡の日がすぐそこまで迫っているというのに、北極から動こうとしなかった。一方、宇宙船の乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)は、任務終了にともなって地球に帰還しようとしていた。そんな中、オーガスティンはサリーたちを乗せた宇宙船が地球に戻るのを、どうにかして阻止しようとする。(Yahoo!映画より)
【感想】

『だからとりあえず今を楽しく生きよう』
どーもどーも本田翼を抱き抱えるホームズくんになる夢を見ましたラーチャえだまめでございます。早速でございますが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました

【ミッドナイト・スカイ】___。えーご存知な方もおるやもしれません去年12月にネットフリックスで配信され日本では一部劇場公開もされたSF映画、レプリカントのいない2049年の近未来で何の因果か破壊され人間が住むことが困難になってしもうた“アース”を舞台に、北極圏にたった一人残ったヒゲモジャの男と地球外で探査調査を行う宇宙船クルーとの“通信”の記録が描かれる……とそこへ別の惑星から持ち帰った未知の卵が船内でかえっt……なんて余計な“ライフ”を生み出す余地もない(……。byジェイク・ギレンホール)なんだか“硬派”なSFなのかな、という雰囲気アリストテレスでお送りしております
主演はご存知11人のハリウッドスターを詐欺師に転職させた張本人ジョージ・クルーニー。俳優として活躍する傍ら制作、脚本そして監督と“造り手”としても活動するマルチな俳優であります。そして本作でも主演のほか制作と監督を兼任というまさに“つま先からかかとまでジョージでクルーニーづくし”な1本、いやーこれまたク◯寒い時期に見るもんじゃない……間違えました

年明けからなんだか“しみじみとぉ〜♪”しちゃったじゃないの
パァ〜!!と明るい正月映画をご紹介しようとあたしゃあ……!!いや“良い映画”であることには変わらないのですが。。。。
天文学出身ジョージ演じるオーガスティン博士は人々が北極圏から脱出する中何を思ったのかたった一人基地に残ったツワモノであります。しかし持病を抱え老いぼれたそのカラダをひきづりながら毎日1回血を入れ替える日々……まぁ元ER医師なのでお手の物なのですが

宇宙探査ミッションを終え地球に帰還しようとする宇宙船に「今帰ってきてもアナタたちのふるさとは住めましぇんッ!!!」と悲しい現実をお伝えするべく彼は動いていたのです。すべては“人助け”のため。ある日逃げ遅れた見知らぬ少女を基地内で発見したオーガスティン。そこから少女と奇妙な生活が始まってしまう……。

一方その頃銀河系を漂う宇宙船のクルーたち。そこには過去に地球ではなくデススターを破壊したフェリシティ・ジョーンズ演じるサリーをはじめとした死霊館のシスターと死闘を繰り広げたデミアン・ビチル、同じくゴッジーラ相手にカイル・チャンドラー、そろそろ日本での呼び名をなんとかしてほしいデヴィッド・オイェロウォなどそうそうたるメンツが揃っております。本作はオーガスティンのいる滅亡寸前の地球とサリーのいる宇宙船、2つの視点を交互に交えながら物語が展開されていくんですねーって

全体的にやや説明不足
原作は「世界の終わりの天文台」というSF小説らしいのですが、おそらく詳しい世界観や筋書きはその小説でも読んで補完しろ!!って話なのかもしれません。オーガスティン博士の詳しい職歴「なぜ地球が滅亡の危機に?」宇宙クルーたちは一体宇宙で何をしていたのか??サリーはなぜ妊娠しているの??(それは後に判明します)全体的な説明がやや不足。よって物語の“何もかもがちょっとずつ説明不足”という、見ていてすんなりストーリーに入っていけないんですよね……。
では初見さんお断り映画なのか?サクッと観たい、そんな客層にはウケない映画なのかといいますか、そこは“かろうじて回避”されていると言いますかジョージ・クルーニーが本作の特徴的な要素の一つとして挙げているズバリ本作は

“音楽映画”であると
確かに劇中よく流れるBGM、しかも1曲1曲平原綾香の「AVでぇ〜♫」の歌詞がついてもおかしくないかのような、わりとしっかりとした曲調のサントラが流れるんですね。ネックスピーカーから聴くとそれがよりわかるというか、非常に心地よいサウンドでございましたねー。このBGMに“かなりのこだわり”を感じましたね。それに合わせて宇宙空間を漂う巨大なスペースシップ、この宇宙船がまた完全な無機質というよりどこか植物っぽいカタチといいますか変に曲線とか入れちゃった高輪ゲートウェイ駅みたいなデザインでなかなかいいんですよ〜。ほかにも登場人物たちの「感情の動き」なんかもBGMで表現していましたね。少女と食事中におもむろに“グリーンピース合戦”やり始めた時でせさえ音楽切り替わりましたからね?

そんなBGMに本作が助けられている、、、、と言ってはなんですが、素晴らしいBGMによりかろうじて見やすい、世界観に没頭しやすいような工夫、大衆映画大好きっ子の強い味方“万人向け”でギリイケていうというか……(それでも合う合わないはあると思います)
クルーが船の修繕のため宇宙空間にポ〜ン……からの流れを見るとあージョージ・クルーニー監督「ゼロ・グラビティ」やりたかったんだなー、というのがなんとなくわかる(監督宇宙に投げ飛ばされてたし)と思ったら

一瞬「インターステラー」かと思ったら違うんかーい
ネタバレなのでこれ以上は言えませんが仕事一筋うん十年、フィアンセよりも仕事を優先してきた爺さんが年老いてやっと気づく、あの時「“幸せな家庭”を築きゃあ良かった。」その想いだけがただただ虚しい“後悔”として残る、だがもう時既に遅しヤスシな爺さん。残された命、爺さんは最後のチカラを振り絞って“誰か”の役に立とうと奮闘する。非常に“人間ドラマ”に重きを置く「重厚なスペースドラマ」と言ったところでしょうか??なんだかそのまま沈んだまま浮上しない宇宙戦艦みたいな盛り上がらなさではございますが、下手にエンタメしてないSF映画がお好きな方にはオヌヌメしたい、そんな映画でございます。
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