ヘル・レイザー(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2024年10月6日
- 読了時間: 5分

【原題】Hellraiser
【監督】デヴィッド・ブルックナー
【出演】オデッサ・アジオン ジェイミー・クレイトン アダム・フェイソンほか
【あらすじ】
依存症に苦しんでいた若い女性が古いパズルボックスを手に入れた。何も知らない彼女はパズルボックスを解き、異次元から究極の快楽をもたらすセノバイトを召喚してしまう。同時に失踪した兄の行方を捜す彼女は、パズルボックスに原因があると気づき…。
【秋のホラー映画祭りNo.1】

『「今時の若者は…」欲がないから趣旨変わる?』
どーもどーも「秋のホラー映画祭り」へようこそ。エントリーNo.1は出ましたよ皆さん!!今年はもはや縁起もクソ喰らえなシネマート新宿で前代未聞の“「ヘル・レイザー」で年またぎ”という!?たぶんピンヘッド本人が一番ビックリしたことでしょうその4Kリマスター版が3部作連続公開されるという“珍挙”ではじまった2024年でありましたが__実はそんな「ヘル・レイザー」も2022年に“リヴート”されていたんですね〜!!いやずっと見たかった作品なのですがアマプラだと500円というビミョーに手が出しづらいレンタル料ゆえずっと渋っておりました……が、10月のセールでまさかマギカの99円でレンタルできちゃう!?ということで早速拝見させてもらいましたんですねー。

「ヘル・レイザー」と言えば1987年クライヴ・バーカー原作&監督の1作目を皮切りに、これまで通算7度もシリーズ化された人気ホラー映画。“ルマルシャンの箱”と呼ばれる(要は…ルービックキューブです汗)ボックスを組み替えた者を“究極の快楽”へいざなってくれるというタレコミを信じた快楽オバケ改めド変態の皆さまがホイホイ組み替えたら地獄の扉が開いてですね、アッチの世界から“セノバイト(魔道士)”が快楽を与えにいらっしゃるのですが、早い話が地上と地獄では「快楽」の“解釈”がまるっきり違うということに気づいた時はもう遅しヤスシ状態でリアルに身ぐるみ剥がされる“地獄のSMプレイ”にヒーハーしちゃう……
リヴート版は舞台を現代に置き換えて安定のティーンホラーとして仕上げてはいるものの、昭和と比べて今の若者は車も買わんのか!!という一種の現代病?“欲のなさ”(=金のなさ、なんですけど…汗)これは何もジャパニーズだけの話ではなく!?そもそもこの「ヘル・レイザー」的にはこの現代人の“欲のなさ”が死活問題なんでありまして!?では一体どうやってピンヘッドさんたちを地獄からお呼びするか……もう自ら危険な賭けだと知りつつも快楽を求めようとしない“保守派”な若者たちへ!?ピンヘッドさんたちを“無理やりぶつけたろか”感が凄いんですねー!!
監督はネトフリ映画「ザ・リチュアル」のデヴィッド・ブルックナー監督ということで、失った人への“後悔の念”や“罪悪感”に悩まされる女性が主人公なんですけど、何をトチ狂ったのか“ルマルシャンの箱”を色んな人に見せびらかして半ば殺しに回るという!?ヤバい、久しぶりに

主人公が草タイプ、あいや「ク◯タイプ」
疫病神すぎんだろおおおおー!?
今回シリーズ初となる“ピンヘッドの性別が変わった”とか主人公の兄がゲイだからとかLGBT要素に問題があるわけじゃないんです。今回1作目のリヴートですよね?

「趣旨」変わってない??
いや「ヘル・レイザー」ってさ、「人間の貪欲さ」がテーマじゃなかった??1作目では快楽を“欲した”男、その男を愛し“欲した”女、その女を性的に“欲した”ヤ◯チン共……そんなヤツらがセノバイトに痛々しくやられていく様を見ても悲惨だなとは思えど「可哀想」とは思わない。「自業自得」だな〜、でも理解できるなー、だって人間って欲深い罪な生き物だから……って妙に納得できる映画だったわけよ!?逆に言えば“貪欲でなければ基本的には無縁”な話だったわけです。(1作目のヒロインみたく身内に手出したバカとかいなきゃ)まず巻き込まれることがないですから。邪悪なものだとわかっていても、それでも手を伸ばしてしまうことこそが「罪」であり、あくまでセノバイトは中立的なディーラーという立場。
リヴートの本作はそうじゃないんですよね。まぁ主人公たちが“ルマルシャンの箱”を手にする理由こそ質屋に売って金にしたい“お金欲しさ”という、ある意味現代テーマにガッチリハマってはいるものの、セノバイトに痛ぶられる被害者は欲とは無縁な者ばかりで、じゃあどうやってボックスを変形させこの快楽の世界に引き込むのか、みんな“騙され”たりさっき言った主人公によって“事故”るだけなんですよ。もう欲とは全く関係なくて、そうなるとセノバイトはただ無関係な人を襲う“モンスター”みたいになっちゃうわけですよ。そうなるともう本来のテーマ性が薄れてしまうというか……。

のっけから全否定しちゃいましたが、セノバイト達のデザインはめちゃくちゃいい。乳製品大好きかよお前“バターボール”みたいな太めのヤツは排除されなんだかみんな細身でスタイリッシュ……全員女性なのかな?神出鬼没なのに屋敷の外で律儀に待ち続けるピンヘッド“姐さん”……可愛くないですか?
他にもオリジンになかった“新ルール”によりクチャラーがえらい目に遭ったり、胸にハーモニカブッ刺さったありゃなんだね?最後まで主人公の行動理念には“偽善”の2文字が抜けきれずこれっぽっちも感情移入できませんでしたが、よりスタイリッシュになった現代風のカッコいい「ヘル・レイザー」になっていて世界観は割と好きでした!!
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