ブルー・マインド(2017)
- ラーチャえだまめ
- 2019年9月2日
- 読了時間: 5分

【原題】Blue My Mind
【監督】リサ・ブリュールマン
【出演】ルナ・ウェドラー ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン レグラ・グラウビラーほか
【あらすじ】
15歳のミア(ルナ・ヴェドラー)は、両親の事情で新しい街に引っ越してきた。親への苛立ちと思春期の不安を抱える中、彼女は派手なクラスメートのジアンナたちと親しくなり、アルコール、万引き、異性との付き合いなどを体験する。ある日ミアは、自身の体の不気味な変化を感じる。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『結局遊園地行ってもMDMAでラリッちゃ意味ねーだろ!!』
どーもどーも人よりすね毛が濃いと言われ短パンが履けませんラーチャえだまめです。今日見た映画はコチラの作品、スイスのアカデミー賞で3部門受賞したらしい【ブルー・マインド】でございます。いやーこれずっと劇場で見に行きたかった映画だったのでありますがなかなか時間が合わずにスルーしていました。いつも詳しい事前情報は入れずに見るのですが……「実は◯◯だった」ってのは言わない方がいいのかしら?まぁー思春期の訪れと共にこれまたとんでもクライシスな“超変身!!byオダギリジョー”を遂げる少女の物語、だったんでございますねー。
15歳のミヤは両親と共に最近越してきた転校生。はじめは学校でも誰とも馴染めなかったミヤ。彼女は喫煙者で(※15歳です)クラスのクソビ◯チ集団の仲間に入る為沢山タバコを渡しますいやいい加減お前ら買えy……唐突に始まった謎の“首絞めゲーム”、ショッピングモールで皆で仲良く“万引き家族”、出会い系で知り合った男と◯◯◯、遠足にMDMA持ってきてパラッパラッパー……ミヤにとって経験したことのない新しい環境、新しい友達、そして新しい遊び……そんな楽しい思春期の思い出に忍び寄る“影”。ミヤはもうすぐ16歳になろうとしていた。“何か”がミヤの中で変わろうとしていた……。

ミヤ役の子が“ストシン”のマックスに激似でいつになったらビリーが出て来るんだろうと思っておりましたがいきなり砂糖水がぶ飲みとかIMBのゴキブリですか?自宅でママンが大事に育ててた水槽の“金魚の踊り食い”するなんてせめて生シラスだけにしなさいよぉ!!明らかにおかしな行動を取るようになるんですねー。そりゃママンに「トイレに流した」って言うしかないよねッ!!
「少女が人ではない“何か”にヘンゲする系」の映画と言いますと正直な所最近だけでも「ココにいるよ」と言いながらサイコキネシスブチかます系ではなかった「テルマ」や“カリバリズム”に目覚める姉妹の「RAW」とかまぁまぁ“よくある話”なんでございまして、そういった意味ではビジュアル的な“真新しさ”はありません。しかしそんなオカルトホラー的映画でありながら“何か”に変化する=思春期の心とカラダの悩みに見事にリンクさせている、異世界思春期……と全然違う某アニメが今チラつきましたがそんな“ティーン映画”でもあるんですねー。
思春期に抱える“孤独感”。コレですよコレ。監督はリーザ・ブリュールマンという女性の監督だからなのか少女の内面の描き方がとてもリアル。カラダの変化って親とか大人に言いづらいもの。「どうせ言ったって理解されやしない」ましてや人ではない何かになろうとしているんだから説明したってわかってくれないのは目に見えていますしねッ!!ミヤがカラダの異変に気づいて産婦人科に駆け寄るシーンがあるのですが、そこで彼女は部屋の外で医師が困惑しながら誰かに電話しているのを見て病院から抜け出してしまいます。大きな病院に移されれば当然両親にバレてしまう、だから彼女は逃げたのです。

♂だと肉体的な変化にもあまりデリケートにはならないけど、例えばイジメにあってるだとか何か大きな病気になったとか、ホントは虫歯になってちょっと痛いけどそれ言ったら強制的に歯医者に連行されるから言いたくないとかあるじゃないですか?ね?
大人は「親身になって聞いてあげるよ。だからなんでも話してよ」とか言って近寄ってきます。お年頃だとそれがそれがめっちゃ嫌で嫌で仕方がないんですよね。それがたとえ自分一人だけでは到底解決出来ないような問題だとしても。ましてや内気な性格なら仲のいい友達にも言えずに結果ずっと一人で問題を抱え込んでしまう

“孤独感”
思春期が抱える一つの“病”と言ってもいいこの“孤独感”とオカルトホラーを見事に融合させた1本でありますッ!!
【感想(ネタバレ)】
パーティーってそこら辺の段差でやんのかよ!!(笑)ミヤがカラダの変化と共にどんどん色気がハンパなくなってきて男どもを虜にしていく様は完全に“人魚特有のソレ”でしたねー。いやーしかし序盤と同じ人物とは思えない演じるルナ・ウェドラーという女優さんの“少女から女に変わる”瞬間といい上手かったですね〜。その美しさと引き換えにどんどんやさぐれていき次第に自暴自棄になっていく、“心が壊れていく”のも見ていて辛かったですねー。結局のところミヤは養子……下手すればそこら辺の川からどんぶらこ~どんぶらこ~流れてきた疑惑さえある両親も最後までその事を口に出そうとしないからミヤはそのことでずっと苦しみ続ける。地味に“救われない”系映画にも食い込んできそうなくらい哀しい物語でもあります

てココで唐突なB級感(笑)
肝心のお姿になった途端にものすごく安っぽくなるという(笑)いやーそこはもうちょっと特撮に気合入れて欲しかったですねーあ、別にそこがメインじゃないからいいか…。
ミヤの家庭では魚料理は出ないんですかね?普段の食事に影響が出るシーンがないので彼女が金魚やら解剖した生魚を無性に欲しがるのがイマイチわかりずらかったですね。あとは家族要素は本作にはいらなかった?家族とのシーンはカットしてその分もっとテンポを上げて欲しかったなーとも思いました。

ビ◯チギャルのジアンナが実は作中唯一の良き理解者であり親友になるのはホントに良かった!!それまで一緒につるんでいてもなんか3人組+ミヤみたいな、ミヤがいつも仲のいい3人の後ろをついていく感じで完全に仲間として認められていなかったのが、自宅に泊まるシーンでお互い“似た境遇”であることがわかって、そこで初めて“意気投合”するんですよね。まぁその後も酔っ払って溺れかけた所を救ってもらったりするのですが、ジアンナもミヤの正体を知っちゃってミヤに突き放されてもそこで縁を切るんじゃなくてちゃんと最後までミヤのそばにいようとする、女性の視点から見たティーンズの“友情”もリアルに描かれていますね〜。
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