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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022)


【原題】Black Panther: Wakanda Forever

【監督】ライアン・クーグラー

【出演】 レティーシャ・ライト ルピタ・ニョンゴ ダナイ・グリラほか

【あらすじ】

国王ティ・チャラを失い、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に座り、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな脅威が迫っていた。(映画.COMより)







 
【感想(ネタバレなし)】

『アバター(第2形態)』

 





どーもどーも昔新宿のとある喫茶店でワカンダ産のコーヒーを飲みそびれましたラーチャえだまめです。今行ったらまた飲めるかな…??そんなわけで本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー】!!!!いええええええええい!!!やって参りましたついにこの日が!!!本来ならば手を叩いて壮大に楽しみたい……と言いたいところなのですが?



「ワカンダよ永遠に……」の副タイトルを全面に強調するのは、本作の主役がもはやたった一人のヒーロー伝説ではないアフリカの秘境は22世紀だった“ワカンダ”に住む全ての住人たちが「主役」だと言うこと。そう、たとえ「キング」不在の王国でも、残された主役たちが歴史を後世に紡いでいく……前作「ブラックパンサー」で国王ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンの死去から2年、彼が主演だった脚本をゼロから書き直し「代役を立てず」に続編製作をスタートさせた本作、公開前から彼の俳優人生へのリスペクト、キャスト・スタッフのインタビューで生前彼と交わした言葉が語られ、彼が作品に宿した「スピリット」の継承……などなどが小出しに公表され続けました。そこで私は本作を待ち望んでいた上である一つの不安を覚えました












「彼の死をビジネスにしていないか」






ホント、これだけが本当に不安だった。無論マーベルスタジオが彼を讃えリスペクトしているがゆえであることは承知の上で、疑いたくはないが彼の死を“話題性の一つ”として売りにしている、そんな風にも見えてしまったんですね。だからこれはもう実際に本作をこの目で観て確かめてみるしかない、そんなわけで初日に拝見させていただいたわけなのですが…



まずはじめに先程言った発言をどうか撤回させて下さい。いやこれは言い方悪いですが「ブラックパンサー」を愛する全てのファンへ、映画的なやり口でチャドウィック・ボーズマンを優しく「お見送り」しよう、そんな作品です。それはつまり作中ではっきりと「喪に付す」瞬間が訪れるんですね。彼への愛が詰まった、とても「優しい」映画だなと感じました。ただ本作は「エンドゲーム」の比ではない













マーベル史上、最も「重く」そして「暗い(色んな意味で)」







少なくとも「純粋に楽しめるか」というと、これがまたちょっと違うんですよねー。






 





いやー、こんなにも「リピートしたくない」MCU映画は初めてかもしれません。もう二度と観ないかも。ただこの一回に賭けた想い、作品に対する気合い度は、他のMCU作品とは段違い。多くは語りません。ネタバレは避けて少しだけお話させて下さい。公開前から話題になっていた「誰が次のブラックパンサー」なのか___ここでは言及は控えます。本作の主役は先に言ったワカンダの住人、ティ・チャラの妹シュリ、恋人のナキア、母親のラモンダ……ほかにも“ドーラ・ミラージュ”の隊長オコエにティ・チャラとライバル関係だったエンバク、そして前作でティ・チャラに命を救われたCIA捜査官のエヴェレット・K・ロス……前作キャストが勢ぞろいで彼らが全員“主役”級の活躍をする。それぞれの人間模様も前作以上に深堀され、見せ場もパワーアップ。そんな中妹のシュリの















彼女の成長が“凄まじすぎ”て涙出た。






まぁ今回シュリが流石のエンバクも心配するレベルで「色んなものをいっぺんに背負いすぎる」運命にある___。これがですねぇ、観ていてちょっと胸が苦しくなると言いますか、まだ10代のティーン女子であるシュリが、兄の死を筆頭に様々な苦悩を経験してですね、もう研究所で好き勝手メカいじくってるだけの小娘に戻れなくなるんですよね…。これが本当に観ていて辛い。はっきり言ってMCUらしからぬ「重さ」



ただこの140分間で彼女は「凄まじい成長」を遂げるのです。それはもう劇場で観て下さいとしか言えませんが。そして重い「暗い」と言えば……ストーリーだけではなく















「映像」も全体的に暗すぎる。






今回夜と深海(?)のシーンが多くてですね、まぁIMAXとか高画質で見れば問題ないっちゃあないんですけどね?これ見ちゃうと上映前に観た「アバター」の水中シーンが都内某所のプールに見えちまうじゃねえか!!!まぁそんな今回のヴィランは深海に住むアバターと言ってもなんら不思議ではないアクアマンとは親戚かもしれない“タロカン”と呼ばれる海の都に住む原住民族、そしてその都を納める“海の王”こと「ネイモア」さん……です。



原作知ってる人はきっと歓喜したことでしょう。「あんまり強そうに見えない」…ハイだめぇーーーー!!!byトムブラウン



一応ソーとハルク「並」の強さだって「公式」がそう言ってんだから!?カカロットも嫉妬するカカトに生えた可愛すぎる天使の羽でビュンビュン高速で飛びまくるんだから!?海と空を制する最強のヴィラン、いや「ミュータント」……あマルチバースの扉がひらk……



クライマックスは「いつもの」MCUっててデーハーにバコバコやってくれちゃってなんとか巻き返しておりますが。まあそこは「経費削減」もモチのロンあるんじゃないですか〜?byシーハルク



マーベルスタジオの大量生産問題により最近はむしろ劇場版がドラマと見劣りするレベルにまでなってしまってますが(キャスト出演料で劇場版の方がむしろ金欠?)今作も少なからずその“アオリ”をどうにも受けているように見えるんですよね……本当に大丈夫かマーベル?



また今作のテーマも「死」そして「戦争」ですからね……親切丁寧に「戦争のはじめかた」を描いていてよくわかりました。もうとにかく安村さんも全然明るく出来ない一緒に見たあと雑談する予定だった友人と一緒に見に行かなくてマジで良かったわコレ…。死んだ魔術師ゾンビにして遊びまくる「ドクターストレンジ」とか命の冒涜すぎて改めてサイコパス映画だろアレ……



そんな中ただ一人フレッシュさみなぎる新キャラクター、リリ・ウィリアムズ=アイアンハートの存在はとても大きかった。かなり助かってましたねー。彼女がいなかったらもっと作品に影を落としていたことでしょう。



てかそもそも前作とガラリとテイストを変え、重たくそして暗い物語にしてまで本当に「続編を作る必要があったのだろうか?」無論これまでにマーベルスタジオに尽くしてくれたチャドウィックに敬意を込めた、スタジオからのラブレターの意味でも後世に残すべき作品でだったとは思いたいが、もはや単体シリーズに収まらず他作品へバトンを繋げる責任という意味でも「どうしても続編を作らなければならない状況にした」スタジオ自身が課した呪いに、今作は苦しめられてはいないだろうか?ここまで盛り上がりに欠け、終始お通夜ムード漂うヒーロー映画は必要か?何がなんでも続編を見たい、そんな我々ファンのエゴも入ってはいないだろうか?チャドウィックへ敬意を評するのに、必ずしも選択肢は一つではないと思うますし……。



スッキリ、スカッとできる脳筋“いつものMCU”観たさで劇場に行くと今回はちょっと“不謹慎”認定されるかもしれない??そんな方はもうすぐやる「ブラックアダム」で思いっきりスカッとしましょう…。







 
【ネタバレ】




ぶっちゃけシュリにここまで背負わせる必要あったのかと。彼女のあまりに酷すぎる運命を恨みたくもなりましたが、それがワカンダという国を統治する王の責務、逃れられない運命なのかとも思うとね…。まあブラパンってヒーローの中で「偶然チカラを手に入れたからなる」でも「ヒーローに憧れてなりたいからなる」じゃなくて先祖代々「受け継がれる」もので、国の為になりたいとかならないの選択肢すらない「ならなくちゃいけない」ものなんだけど、今回シュリ襲名シーンは中でも特にそれが際立っていたというか、兄と母が守ってきたものを唯一の血筋であるシュリが受け継がなければならない、可哀想とか痛々しいっていう表現は間違いだろうがそれにしても運命は酷だなと……。



お決まりの儀式(?)で兄や母に会えるのかと思いきや現れたのはまさかのキルモンガー。あれは何故かと言うとシュリ本人は否定していましたが、殺された母への復讐と親父の復讐、“個人的な恨み”から国を引っ張って戦争を起こそうとした、という意味で見事に一致していたからですよねぇ。そしてネイモアに逆転しまさに今トドメの一撃を食らわせようとした時にそのシーンがフラッシュバックして、私は兄でも母でもない「自分のやり方で国を導く」ことを決意するシュリ。「個人の復讐に民を巻き込んではならない」のセリフ。いやまさにこの一言に戦争の全てが詰まっているよな……。



それにしてもいくら脱法ハー……紫色のハーブ飲んでスーツも着用しているとはいえ、ソーやハルク並の強さだと公式でアナウンスされていたネイモアと突然互角の戦いを見せるのは流石に……とは思いました。そのネイモアは結局「敵か味方かその二択しかない!」みたいなこと言っといて中立の道選ぶんかい!!(あれは反逆の機会を伺っている…?)コイツも地上世界への個人的な恨みもありますけど「国を守る」という意味では一理ある行動ばかり。完全に悪に染まるようなヤツじゃないところがまた……何ならシュリと意気投合すらしていたし。まぁきっと次回作でヤツはアベンジャーズかX-MENにでも加入するフラグを立てたかったとか?(原作でも“ヒーロー”扱い)



てか「エンドゲーム」でチラッと出た海底地震がどうのって、結局ネイモアと関係なさげだったね。だってネイモアは元から海底で息を潜めてたわけだし(むしろ地震を起こしたのはヴィブラニウムを掘っていた国説?)エンバクが劇中サラッと「シュリを守る」ことを生前チ・チャラ王とちゃっかり約束を交わしていたことが判明するシーンでまたしても好感度爆上がりですゴリラ。皆さんお楽しみのエンドクレジットは……次回作への伏線、と言うよりチャドウィックへの最後のサプライズ演出かな?兄の葬式に来なかったのは、ナキアとの間に息子を設けていたからかぁ〜。幼い息子に国の全てを統治させるにはあまりにも酷。国を納めることがどんなに厳しいことかナキアもわかっていたから息子にはまだ継がせたくない、という“母親”としての望み……それ知っちゃったらもうシュリだって俄然「私がやらねば!!」ってなりますよそりゃ…。



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