【原題】Black Adam
【監督】ジャウム・コレット=セラ
【出演】ドウェイン・ジョンソン サラ・シャヒ オルディス・ホッジほか
【あらすじ】
5000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム。かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、その力を父に託した。ブラックアダムの力は、息子の命と引き換えにして得られたものだった。そのことに苦悩と悔恨を抱えるブラックアダムは、息子を奪われたことに対する復讐のため、その強大な力を使って暴れまわり、破壊の限りを尽くす。そんなブラックアダムの前に、彼を人類の脅威とみなしたスーパーヒーローチーム「JSA(ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ)」が立ちはだかる。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『日本よ、これが“脳筋”映画だ___。』
どーもどーも安さに飛びついた1kgの手羽元を買った三日前の自分を呪いたいラーチャえだまめです。煮物とてりやきしかほぼ使い道ねぇーじゃねえかよおおおお!!!!!……ハァハァ。本日はそんな怒りの「呪い」をチカラに変えた爆アゲMOVIEを拝見させて頂きました
【ブラックアダム】!!!「ドウェイン・ジョンソン持ち込み企画」イエェーアァァ!!!!今や世界的筋肉好感度No1俳優の名を不動のものとした我らが歩くキン消しことロック様ことドウェイン・ジョンソンが、WWE時代ヒール役だった彼が今度は“ヒーロー”役として??最近お家騒動で先行き不透明な“DCユニバース”に殴り込みの凱旋をしてワーナもまるごと“大革命”をもたらしてくれてやるわああああ!!って?自らプロデューサーとしても名乗りをあげ個人的に一番好き(らしい)“ブラックアダム”という“アンチヒーロー”……てあ、アンチヒーローなのぉおおおー!?
幼少期に貧しさゆえセブンイレブンの万引き常習犯だったというドウェインさん、先日うん十年ぶりに当時の店を訪れた彼はスニッカーズ“棚買い”して万引きしようとするキッズが来たらこれをあげてくれと……ブラックアダムとはまさにそんな過去の罪を償いし偽善活動家……と言うわけでもなく??すでに胸のマークで泉ピンときた方もおるやもしれません「シャザム!」に登場するシャザム(権利の関係上キャプテンマーベルとは言えません)の“宿敵”(主人公と見た目が酷似してる宿敵の元祖?)で、目的のためには殺人も厭わないスーパーヴィランでありながら、たまーにヒーローと共闘する……みたいな感じのヤツなのです!!それを世界のドウェインが演じるのです“多少の主人公補正”が掛かるのは“必須”なんでありまして!?いやいやほかにも“プロデューサー”としての圧倒的パワーも行使し公開前から自ら「オレ様アダム様」とメディアにバンバン売り込んでファンの期待を煽りに煽り製作にだって色々口を挟んできたであろう、しかし彼の出演作は軒並みヒットを飛ばしているドル箱筋肉としての確かな実績、WWE時代から培われたファンを“楽しませる”というパフォーマンス能力に非常に長けている彼だからこそ?DCユニバース、いやワーナーブラザーズ社を救う文字通りの“ヒーロー”になり得るのではないか__!?と社員一同彼に賛同する形で本作が撮られたかどうかは定かではありませんが
“万物の理論ガン無視”映画だった件
とにかく観ていて清々しい_____ドウェインの首周りの力コブ、、、、あいや「破壊力」。ついに彼は人の子を超えた……?開始早々5000年の眠りから覚めたかと思えば人類、大量破壊兵器、いや“重力”をも“彼の前では頭を垂れる存在でしかない?”登場開始1分で敵さん涙目のあまりに“お話にもならない”ブラックアダムの圧倒的パワーにため息すら出てしまうドウェインさん演じてる間さぞ気持ちが良かったんだろうなぁ〜。壁だって木っ端微塵です。て言うかまず触れてます?彼が壁を破壊して通過しているのか壁が破壊されてから彼が通過しているのかもはや不明
そして彼はユ〜ラユラ大勢の民衆が見上げる中ゆっくりと自分のペースで空を浮遊し、かつて5000年前に存在していたカーンダックの都を懐かしむ……その頃彼を“危険分子”と見なし封印しようとする“JSA”(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)とかいうアベンジャーズのパチもんみたいなヒーロー軍団(しかし実はアメコミ界で最も古いヒーローチーム)が向かってきていることなどお構いなしにですよ?まあ彼らを気にした所で軽く捻り潰せばいい話ですから?今作のテーマはそう「マイペースは最強の力なり」____(違います。)
で肝心のJSAメンバーはと言うと……チャールズエグゼビアの大学っぽい屋敷でブラックパンサーっぽい戦闘機を所有する黄金の鷲のマークの大正製薬ホークマンを筆頭に風を操るサイクロン、前世さえ医者じゃない金色の魔術師ドクター・フェイトに分子構造を制御し身体のサイズを変えられる正真正銘アトムの子がついに実写映画に参戦!!
実はアントマンよりこっちの方が古参なんだぜすまぁあああああああああっしゅ!!!
アトム!アトム!!アトム!!!(セブンみたいに言うな)透明人間の次は破壊神と闘う羽目になりご愁傷様すぎるオルディス・ホッジ演じるホークマンの「サイドキック」感が逆に愛おしいと言いますか、いやコスチュームデザインは皆メチャクチャカッコいいんだけど、今回登場する「JSA」メンバーの背景が“全く描かれない”状態で集結→出動→参戦の流れだから皆能力はあるのに何この「2流感」………いやいやメンバーイチの古株「インジャスティス」の格ゲーでもお馴染みドクター・フェイトを名優ピアース・ブロスナンがVFX無双しながらメンバーのまとめ役としてこれまたなくてはならない存在感を発揮しているのですが
いやアンタら前半は市民からしたら完全に正義を免罪符にした「ヴィラン」だもんねw故に彼らのバックグラウンドを知りたければパンフ読むかコミック読むしか日本人には辛い所がありますなぁ…。
監督は「ジャングルクルーズ」でドウェインと2度目のタッグジャウム・コレット=セラ。もうドウェインの扱い、否彼の心情は了解済み?先にも言った制作にも関わるドウェイン印が強すぎると言いますか、近年のアメコミ映画としては“恐ろしく筋がない”あるのは脳筋のみ……という、とりあえずデーハーなアクションマシマシにしてテーマ曲ガンガンリピートさせりゃあイヤでも脳内にこびりつくだろ、という“ドウェイン理論”。まぁブラックアダム爆誕から休息タイムないからすんげえ疲れるんだけどね……「VFXのカロリーが高すぎる。」ずっと駆け足だから決して飽きは来ないんだけれども…。しかしこの理論自体は間違っちゃいない。実際本作を観終わったあとの“満足度”はとてつもないです「なんだよコイツ全然活躍してくれねえじゃん」なんて不満もないと思います。劇場を出たあともずっと脳内にテーマ曲が鳴り響く頭痛に襲われますし。
と言うより今作は偶然にも今年度アメコミ枠の年末(日本の場合)に公開されて大成功、しているのかもしれません!!振り返れば今年のアメコミ映画……と言うかDCのライバル関係のMCU映画が暗過ぎた(ちなみに来年上半期もその流れで来そうな予感…)シリーズ通して「死」を連想させる内容で、素直に手を叩いて喜べるような内容じゃなかった。そこへドウェイン流「後味何も残らない系脳筋ヒーロー」映画を今年のトリにブチ込んできたことが?結果的にアメコミ映画全体の救済処置として大いに貢献しているのではないかと。いやいや、一昔前みたいな「中身なしヒーロー映画」なんて「そーゆーのもう今更過ぎて既にお腹いっぱいなんだよ」という観客もいるでしょう。それは私も同感です。しかしドウェインはこう言うのです「オレはまだ“やっていない”」と。そして我々観客の口に無理やり「いいから黙って食え。」とサンチュに巻いた焼肉という名の「王道」をブチ込んできました。一周回って「王道が良いよね。」なんて言ってみるのもアリ(アトムじゃないよ!)かもしれません……。
【感想(ネタバレ)】
「お帰りカル=エル。」
いやwikiのキャスト欄に普通にネタバレしてるやん!!!ちなみに長らく“引退”していたスーパーマンことヘンリー・カヴィル、一応まだ今作“しか”出演交渉はしていないとのこと……ただ配信が好評らしい「ウィッチャー」シーズン2から降板=「鋼の男2」に向け本格始動したのは明白ですし、近い将来彼は必ずユニバースに帰ってくるでしょう!
いやー海外で公開された際に風の噂でサプライズ登場しているのは耳に入ってはいたのですが、まさかシャザムより前にクロスオーバーするとはね。実際コミックでもスーパーマンと“同格”レベルの強さがありますし、少なくともベン・アフレックよりは全うなガチバトルが期待出来そうですが
何かとシャシャリ出てくるDC版ニック・フューリーポジションの「スースク」のアマンダ・ウォラーがJSAでも指揮をとってたんですかい(…だから扱いが雑なのk')今作の“敵”はJSAではなく実写版ジュファーがホントに魔人となったマーワン・ケンザリ演じる“サバック”……勿論JSAでは太刀打ち出来ない強キャラなんだけどフェイトが勝てないとわかった瞬間秒速でブラックアダム開放しちゃうもんだから……なんかアイツ可哀想だったな
全体的にアップテンポを意識してかなり駆け足で進むストーリー。2時間弱という最近のアメコミ映画としては“短い”尺の中でこれでもかと盛り込んでる感。そりゃ戦闘機も地面から超特急で発進しますわな……。この辺が評価の分かれ目かもしれません。
当初は「シャザム!」1作目のヴィランとして登場する予定だったブラックアダム、しかし尺の都合上彼の見せ場に限界があると単独作に変更されたんですよね。ゆえに関連作ではあるものの本作は本作で独自路線感が強いのかなーなんて思っておりましたが、蓋を開ければ「シャザム!」のジャイモン・フンスー魔術師もちゃんと出てきたし、なんなら「シャザム!」でもシルエットでブラックアダム出てるんですよね。だから劇中ブラックアダムもちゃんと「シャザム!」って叫んでちっさくなるのかと思ったら“ちょっぴり体格のいい”ドウェインって何やねん!!(笑)“最強のヴィラン”“破壊神”……公開前は何かと物騒な物言いだったブラックアダムですが、蓋を開ければ「なんだよ普通に善人じゃねえか。」という“いつもの”ドウェインで好感度を維持……ですか
間接的とはいえ誘拐された少年部屋に無数に貼られたDCキャラのポスターを破壊する「俺が頂点だ。」だと言わんばかりなユニバースの既存キャラの破壊=これまでのユニバースに新しい風を吹かせる方法が結果“一周回って王道路線”という、なんだか本末転倒な気もしますがそれでもファンとしては「面白ければヨシ」だと思いますし、前述した既定路線からの脱却、アメコミ映画として新たな方向性を模索中でどっちつかずなMCUに比べDCはそこまで深く考えてない?まぁ名作はユニバースじゃなくて「ジョーカー」みたいに別アースでやればいいかなくらいの緩さが逆にいいのかもしれませんね…。
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