【原題】Booksmart
【監督】オリヴィア・ワイルド
【出演】ビーニー・フェルドスタイン ケイトリン・ディーヴァー ジェシカ・ウィリアムズほか
【あらすじ】
親友同士で成績優秀な女子高生エイミー(ケイトリン・デヴァー)とモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は、卒業式前日、遊び放題だったクラスメートがレベルの高い進路を決めていることを知って衝撃を受ける。二人は勉強一筋で青春を犠牲にしてきたことを後悔し、残り少ない学園生活を謳歌(おうか)すべく卒業パーティーに繰り出すことを決意。そんな二人の波乱の一夜が幕を開ける。(Yahoo!映画より)
【感想】
『振り返ればジジがいる』
どーもどーも大学時代に学校よりバイトのメンツとつるんでいたのが災いして「みんな卒業旅行とかどうするんのー?」と聞いたら海外旅行やら国内旅行やら時既にみんな予定がビッシリ埋まっていて人生の敗北感を痛感したラーチャえだまめです!「え、もう決まってんの?」いやーあの時は焦りましたねー!でも結局そのメンツと行った卒業旅行ならぬ“温泉地の温泉全部入るまで帰れま10(2泊3日)”を超える過酷な旅を私はまだ知らない、、、、、ある意味人生最高の思い出になったのだから不思議な話。そう学生の“ハメ外し”こそ良くも悪くもずっと記憶に残るもんじゃあ……ないですか?
そんな個人的には今回あまりにわかりみが深すぎて沼案件のハイスクール卒業間近の“イケてないガールズ”たちが卒業前に一度も学生の“特権”である「“若気の至り”してねえじゃん!!」と卒業ギリギリになってリア充ならぬ“スク充”の一発逆転を掛けた大博打に打って出てしまうという??
【ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー】!!いやー青春コメディ映画でございます、わざわざ劇場で観に行かなくても……え、じゃなんで観たのって?それは言うまでもない最近大作映画でおめかけしなくなりてっきり電脳世界に戻ってしまったかに思われた女優のオリヴィア・ワイルド“監督”……と呼ばさせて頂く日が来ようとは!?エリザベス・バンクス、メラニー・ロランに次ぐ?女優から監督に華麗にジョブチェンジした彼女の織りなすコメディ映画、はて一体どんな映画に仕上がっているのか!?ヒジョーに気になり申して拝見させて頂いたのですが
ええ、一言ブチかましますと「え、これホントに“はじめて”?」今作が初メガホンとはあまりにも見えない初監督作ながら今作でいきなりゴールデングローブ賞にノミネートされちゃったってんだからぁー!?ただのちょっぴりシモの入ったおバカ映画かと思いきやこれはもしかしたら令和2年初の
笑って泣ける青春映画の大傑作映画
かもしれない!?ちょっと待ってよメチャクチャ面白いじゃないのさね!?こりゃあとんだダイゴさん映画、、、、、だったんですねー。
幼馴染のエイミーとモリーは同じ高校に通う仲良しコンビ。共に“勉学一筋”で高校時代を過ごしてきた言ってみればエリート中のエリーt
というわけでもない
OPから死霊の盆踊りもビックリのなんともゆる〜い踊りを披露してくれるビリー……演じるのはビーニー・フェルドスタイン……あの俳優ジョナ・ヒルの妹さんなんですか?そう言われてみればなんとなく顔が似ているような……ちなみに今作で初主演を飾りゴールデン・グローブ賞コメディ・ミュージカル部門主演女優賞にノミネートされたらしいから驚きであります。特筆すべきは彼女たちはこれまで勉強しかしてこなかっただけでシモネタだって言うしくっだらねぇこともする、どこにでもいる10代ティーンという点。しかしスク充に憧れこそ抱くものの自分の中にあるコンプレックスがどこか邪魔して勝手に“イケてない認定”してしまいイケてる勢の輪に上手く入ることが出来ないだけなのです。本当はユーモアがあってクラスの人気者になれる素質だってあるのに2人にはその自信がない。特にビリーは“勉強でしか彼らに勝るものがない”と思う節がある。だからそんな彼女を勉強オタクみたいに見下す連中にビリーは“一流大学への進学”という“勝ち組のチケット”で彼らにマウントをとっていたんですね。いやぁわかるなぁ〜その気持ち。イケイケなアイツらより何か優位に立てるものはないか……まさにイケてない学生あるあるですよ!?
いいかお前ら!!お前らが普段学校で“人生イージーモード”全開の間にコッチは猛勉強してエリート街道を突き進んでいたのだ!!凡人とは違うのだよ凡人とはなああああハッハッハ!!!と思っていたら
ちゃっかり自分の同じ大学に行くやつ&同レベルの一流大学にGoog◯e入社が決まった連中までいることが判明しこれにはビリーさん大絶叫。唯一彼らより“勝っていた”とされる“武器”を失ってしまったワケですからねッ!!「私は勉強も遊びもパーフェクト、でもあなたは?」とトドメの一撃まで食らわされてしまう始末。あの女ぁー!!!!(ちなみに演じる女優さんとは大の仲良しらしいので許す!!)いるんですよねー遊びも勉強も器用に両立出来ちゃう人ってさ!!くうう〜悔しい!!これは流石に悔しすぎるぜぇ〜!!!
そこでビリーは決心するのです、相方の同じく青春イケてないエイミーを巻き込みスク充3年分を“卒業式前日までの数時間”で取り戻そうと!!卒業前夜に行われるパーティに乱入して彼らのようにハッチャケようじゃないの!!!題して
「“青春”補完計画」
非リアのシナリオ通りなんてまっぴらごめんだわ!!という壮絶なミッションを遂行しようとするわけなんですねー。しかし今まで“学の知識”だけは一丁前でもパーリーピーポーの基礎授業は受けてこなかった2人。一体どんな格好でパーティーに行けばいいんだ?てかそもそも会場どこだよ!!もう気分はさながらはじめてのお使い状態。普段ドレスアップとかしない2人が“ほぼおんなじ服装になる”着慣れしないあるあるネタかよ!!会場を聞き出そうとクラスメイトに連絡するも学校以外で連絡する仲ではないのでみんなスルー……まぁそりゃそうか(泣)
さあ困りました。頼みの綱はオリヴィア監督の夫ジェイソン・サダイキス演じる校長先生もやっている私もアメリカで何度も利用させて頂きました“個タク”と言ったら“リフト”のドライバーに相談だ〜?
……これはもうオリヴィア監督の才が大爆発しているといってもいい、ズバリ
“コメディ”と“ドラマ”の絶妙過ぎるバランス
これなんですよねー。エイミーとモリーのおバカンスな掛け合いもさることながら“イケてる”グループの生徒たちも個性尾崎豊すぎること、強烈なインパクトを残してくれる魅力溢れるキャラクターたちが観ていて本当に楽しい。その中でもヒトキワ目立っていたのがジジ演じるビリー・ラード。キャリー・フィッシャーの実の娘で最新作のSWにも出演しております。そんなレイア姫の実の娘さんがあんな暴走女を演じてくれるとは思いませんでした。
しょうもないコトがなぜか面白い思春期あるあるネタのシモネタンも満載、但し際どいシーンはバービー人形で再現してくれるソフト仕様なのでそこまで見苦しいシーンはございません。そんなオゲレツな笑いの後にフッと急に訪れる“ドラマ”パートで思いの外ホロッとさせられてしまうかもしれない??この映画には本当に「青春六法全書の全ページ」がサクッと収束されていると言ってもいい“マイベストフレンド”との絆、憧れのあの人との初めての甘酸っぱい青春白書、初めての下着プールダイブ、初めてのマリファナ、、、(あれ?)さらには先生と生徒の危険なカンケイなんてのも…!?「アメリカンスリープオーバー」さながらの甘酸っぱい青春を美しくも儚く描いているんです。またかかるBGMがいいのよ!サントラ盤も発売しているらしいですね。
エイミーとビリーどちらの「相方」としてではなく2人の等身大ゆえの悩みや心情といった内面も非常によく描かれていてこの2人の「友情」がなかなか目の下が熱くなる。はぁ〜、青春だわ〜(もうあの頃には戻れない)
最近何かとLGBT要素が入るお決まりのパティーンながら「それが普通のこと」であると、特別視や色眼鏡で見るようなそんな描かれ方はしていなんですよね。肌の色問題を気にし過ぎて何かと配慮しまくった「教科書」を目指した何処ぞの銀河系の話とは違い「わざとらしさが無い」のも非常に良かったです。今作が制作、監督、キャストが女性ということでハリウッド界隈の女性陣から絶大な支持を受けたことでも有名みたいですが、男根ぶら下げたメンズが見ても全く違和感なく楽しめるのでそこは変に身構えずに楽しんで頂きたいですね。
リア充と非リア、はじめはスクールカーストがあってバラバラだったのに「卒業式」でみんなの絆が一つになる。ありきたりな展開かもしれませんがそれまで当たり前のように同じクラスにいた皆が「それぞれの道」に向かう……。そう言えばあの時周りからはすすり泣きも聞こえてきた、けど私自身当時は「たかが卒業式」とばかり思っていました。だって仲の良いやつは卒業したって別にまた会おうと思えば会えますからね。しかし今回この映画を観て大人になってからわかったのは
仲のいい奴もそうじゃない奴も同じクラスメイトあるいは同じ学年という数奇な結びつきをもった皆が同じ一つのことをする「最後の行事」が卒業式なんですよね。社会人になってからはなかなかこんな経験出来ないですよ。会社で、同期だけのチームで何かをすることはあっても会社全体で……まぁ社員旅行はただの接待ですから(笑)
それがこのコロナのご時世、今まさに青春真っ只中の学生たちの卒業式はどうなってしまうのだろう、とふと思ってしまいました。全員集まって盛大に…なんて出来ないかもしれない、リモート卒業式なんてのも出てくるかもしれない、あの会場の空気感、みんな同じ席に座って別に頼んでもいないのに下級生から花道みたいなのされて、、、、でもそれが出来ないってのはやっぱり寂しいですよね。そんな学園の良さも感じることが出来る、デビュー作でいきなり傑作青春映画を爆誕させたオリヴィア監督の“次回作”が早くも気になるこれはオヌヌメしたい映画ですね〜。
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