【原題】The Forever Purge
【監督】エベラルド・バレリオ・ゴウト
【出演】 アナ・デ・ラ・レゲラ ジョシュ・ルーカス ウィル・パットンほか
【あらすじ】
アメリカ政府は深刻化する移民増加問題の対策として、1年に一晩だけ殺人を含む全ての犯罪が合法化される法律「パージ」を発令する。しかしパージに乗じて人種差別主義の過激派組織が暴走を始め、終わりのない「無限パージ」へと突入してしまう。メキシコ政府は無法地帯と化したアメリカを援助するため、6時間だけ国境を解放すると宣言。メキシコ移民の夫婦アデラとホアンは雇用主一家と共に国境を目指すが、道中で過激派の一団に遭遇してしまう。(映画.COMより)
【感想】
『「あスミマセンこの先工事中なんでゴートゥーヘル?」』
パァ〜ジパァ〜ジパァジもんだいじぃ〜♪……どーもどーもラーチャえだまめです。ポニョ、殺人、しゅきぃ〜!!なマッド過ぎる近未来予想図Ⅱの最新作がまたしても上陸してしまったと話題の
【フォーエバー・パージ】!!!売れるなら、無限パージだ、ホトトギス……まだまだやるのか!もういいだろ!!もうネタつきとばかり思っていた日本でも大人気(?)ブラムハウスの戦慄迷宮道案内人ジェイソン・ブラム×マイケルインデペンデンス……ベイ。が贈る“社会派”SFドB級ホラーの最新作がまたまた劇場に帰ってきたんですかぁー?
フハハハハハ……お前をパージのある世界に強制送還してやろうか〜!!!説明しよう!!「パージ」法とは聖飢魔IIすぎる犯罪者が爆発的に増え続け手に負えなくなった近未来のUSAがリーサルウェポン的な犯罪の抑止力として、犯罪を法のチカラで抑え込むのではなく年に1度の12時間だけ「犯罪が許される日」を制定し国民全てストレスフリーな世界線を目指して残りの364日安全になるんじゃねえかというフリーランスもびっくり「自由の国」らしい言い換えればヤケクソ法案のことである!!がしかしこれがバッチグー政治家が昼寝しながら思いついたこの法案が犯罪率をミルミル減少させるという確かな結果を生み出し、荒唐無稽な政策から一転その実用性が証明されてしまったのであります…!!
ルールは簡単、夜7時から明くる日の朝7時の計12時間、日頃の恨み妬みあるいは無差別的な暴力症状全て心のダム開放しちゃってくださいの如くレベル4以下の武器ならば無制限に使用しちゃって思う存分キルカウント稼いで下さいただしポリ公や消防一国のプレジデント等“公共”を担う組織・人物は攻撃の対象外です。ちな彼らはパージ開始時より一切の“介入”をしませんのでご安心下さい!!あーでもやっぱり怖いなぁ怖いなぁ……オヤジ狩りに怯える者&暴力反対!平和支持者(自称)たちは開始前にちゃーんとデカいサイレンと共にTVからSWのOPみたいにズラズラと長ったらしいパージ法が読み上げられる衛生放送が流れますので?それを合図に各自防火シャッターに囲まれた部屋なり地下室なり防空壕なりに籠籠城の構えで“各自自分の命を守る行動”をして下さいね!!そして気づけばアラやだ朝日が登って終了のサイレンが聞こえたらもう今年も1年生き延びておめでとうございまーす!!翌日は祝日だ会社も学校も休みだ存分に「生きてるってスバラシイ」を感じようではないかぁー!!!??
…思い返せば罪人を天秤にかける前のイーサン・ホークとレナ・ヘディ主演の“ワンシチュエーションホームドラマ”風で始まった記念すべき第1作「パージ」を皮切りにキャプテンアメリカにワンパンでブッ倒されたけど根は格闘技とかやってる強い人ラムロウことフランク・グリロがなんちゃって世捨て人からなんちゃって救世主へと覚醒する「アナーキー」から調子良くしてなんちゃって大統領護衛兵に人生高飛び昇格した“ファイナルパージ”が謳い文句だったよね?「大統領令」がトランプ就任前の大統領選と公開時期をわざと被らせてシリーズを完結させるはずがシリーズ最大級のヒット作になったのに便乗して海外“ドラマ版”「ザ・パージ」、AHOマックスばりにふざけた「パージなナイト」なんて脱線系まで現れたかと思えばネタ尽きの最終手段“いかにしてパージ法が制定されたのか”うーんそこまで別に興味な……“前日譚”を描いた「エクスペリメント」。そしたら今度は“パージを永遠に”……ですか?まぁこれでも一応ユニバーサルのドル箱シリーズなのでお金になるならもうパージもFOREVERしちゃうぜっていう制作会社の思惑なのかは露知らず今度のパージは凄いですよぉー
小学生みたいなルール変更すな
1年に24時間?足りねえ足りねえ!!この際“365日オールパージ”でヒャッハーだぁー!!と負けないでぇ〜♪もうおうすこしぃ〜♪のBGMが死ぬまで脳内再生されてしまうが如くアメリカはテキサス州にある田舎町で荒くれ共たちがルール無用の“勝手にパージ”なる殺戮行為をエンドレスで勝手に開始してしまうという!?終了のサイレンが鳴り響き「はぁー今日もなんとか生き延びたぜ……」と安堵に浸りながら防御シャッターを開き朝日を浴びに外出したらまたしても命を狙われてしまう白人牧場主とメキシコ移民夫婦の生き残りをかけたサバイバル「ロスタイム」が開始してしまう…!!
もうねぇー、このシリーズってのは憎い、憎いですよ!?毎回「一定のクオリティ」が何故か保証されております故我が国ニッポンではこれまで一度たりとも“取りこぼされたことがない”これまでシリーズ全て劇場公開されているというキセキ。実はVIP待遇すぎる恵まれたシリーズなのかも。だから毎回観に行っちゃう。否それだけ日本でもシロアリの巣より根深い人気を誇るということは?国民の中にもパージ支持者が存在しているのか……??本作が他のホラー映画とちょっと違うのはその現在進行形のアメリカの“ソサエティ”をモロに反映し続けている部分であることは言うまでもなく
大統領選間近に公開タイミングを合わせた「大統領令」がその最たるものかもしれませんがー、1作目の“貧富の差”「格差社会」をベースに前作「エクスペリメント」ではついに黒人差別という“肌の色問題”に突入。そして今作はそれからさらに派生し「メキシコ移民」の実情、彼らを腫れ物扱いしたがる白人主義者との対立、そして友情(アレどこかで聞いたフレー……)とある事情で祖国からアメリカに逃亡してきたアデラとホアン夫婦。ホアンは馬の調教師として働き才能も開花させますが「“カウボーイ”は“白人”がなるもの」とホアンの仕事ぶりをあまり喜ばしく思わない同僚がいて……肌の色に対して根強い“潜在的差別意識”がアメリカンカントリーにはまだまだ存在していることがわかるOPから映画は始まります。日常生活でそこまで意識していない日本人でさえ“露骨すぎる演出”に共感を呼ぶかもしれません。そんな中こんな印象的なセリフがありました。
「別に優劣を付けたいわけじゃない。無理に交わらなくてもいい。」
もうこれが本作の言いたいこと全てなんじゃないか?なんでもかんでも闇雲に“多様性”を謳い様々なカルチャー、映画だってそうですよね“面白い作品を撮る”の前に“多様性”がまず上に乗っかってきて物語自体がチグハグ、作品に無理強いさせていないか?無理やりにでもワッショイすることが果たして“正義”なのか?「受け入れる」と「持ち上げる」は違う。ダニエル・クレイグが「“女版007”じゃなくて、新規に“女スパイ”を撮ればいい」の発言のようにどちらが上、どちらが下、を決める必要はない。無理に交わらなくていい……このセリフがとても印象に残りましたですね。ただ、“非常事態”となれば“話は別”。たとえ国が違えど戦争が起きたら、分断するのではなく互いに手を取り合って協力すべきなのだと、まぁ言うのは簡単なんですけどね。隣国同士仲良く出来ないのかねぇ、そこには各々が抱えるヒステリーやら様々な事情があるんでしょうけどね。今まさに起こっているウクライナ戦争と被ってしまう。
あとはこれまでメキシコ移民を“受け入れる”側に立っていたアメリカが、メキシコに“移民する”側になるという逆転劇。そしてそれに躊躇を見せるアメリカ人。アメリカ人として、白人としてのプライドが邪魔をしちゃうっていうのがね〜。あとはアメリカの“銃所持”問題も絡んでるんじゃないかな。武力・暴力で抑え込もうとして最終的に暴力に支配され自滅するアメリカ……B級ホラーエンタメとしてのベースの中にそんなアメリカの抱える問題を今作でまたしても浮き彫りにしてくれている、ここがこのシリーズの面白さ、SFだけど妙にリアルで“すぐそこにある未来”のように見えてくる感じが恐ろしくもあります。ちなみに監督のエベラルド・バレリオ・ゴウトはキュメンタリー出身らしく、手ブレカメラや市街地での“ワンショット”(たぶん“疑似”かな?)等、演出・映像面でもどこかリアルな感じがありましたねぇー。
残念なのはシリーズ生みの親、ハリウッド版東京喰種のマスクデザインを干渉してほしい1作目のジェームズ・デモナコが毎回クリエイトした今作のアイコン、サイコパス共が被る“妙にイカしたマスク”の出番が今作はちょっと少ないところですかね。てかもう普通に素顔バラしてるしマスクの意味ねえじゃん!!
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