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ビバリウム(2020)


【原題】Vivarium

【監督】ロルカン・フィネガン

【出演】イモージェン・プーツ ジェシー・アイゼンバーグ ジョナサン・アリスほか

【あらすじ】

トム(ジェシー・アイゼンバーグ)とジェマ(イモージェン・プーツ)は、不動産業者に寸分違わず同じ作りの家が並ぶ住宅地を案内される。彼らが家の中をひと通り見学して帰ろうとすると、ついさっきまで一緒にいた不動産業者の姿はなく、二人は奇妙に思いながらも車を走らせる。しかしどこまで行っても同じ風景が続くばかりだった。さらに赤ん坊がダンボールで送られてくる。(Yahoo!映画より)



 
【感想(ネタバレなし)】

『美空ビバリウム』

 





どーもどーも先日ヨーグルトを食べるのに使ったスプーンが生臭かったですラーチャえだまめです。早速ですが本日はこんな映画を拝見させて頂きました。



あ”ぁ〜あぁ〜♫川の流れのぉ〜【ビバリウム】…!!中野ブロードウェイの3階から4階に行くツワモノの皆さま略して全国の「変なもの好き」の皆さまにはもう既に拝見した方もおるやもしれません住み慣れたッ!!我が家にぃ〜!!を求め「夢のマイホーム」の見学に来たとある一組のカップルが体験する摩訶不思議アドベンチャー??なんとも見る前からブラックユーモア醸し出す社会風刺でも効いていそうな、二癖も三癖もアリストテレスなホラー映画、といった具合でしょうか?公開から数週間経ち気になって観に行ったワケなんでありますが、はじめに皆さまにこれだけはお伝え致したい事がございます


























他人の子どもはウ◯い







 

世にも奇妙な物語〜海外編〜(?)





保育園の先生なのかキッズと戯れるのは何かと緑にご縁のある「グリーンルーム」のイモージェン・プーツ演じるジェマ。そこへ「スナイダーズカット」で再び坊主頭で登場するのかどうかFacebook大好き芸人ジェシー・アイゼンバーグ演じるトムが合流。2人はどうやら新居を購入予定だそうで?とある不動産屋に赴くのですが店に入るなりホームズくんより気味が悪いバリバリ七三キメた白シャツのスタッフに絡まれ「せっかくだから今からでも物件見学しましょう!!」と半ば強引に最近出来たばかりだという「ヨンダー」という住宅地に案内されてしまいます。オヌヌメされた家は表札に「9」と描かれた無印良品かってくらいシンプルイズザベストなニ階建ての一軒家。押し売り気味のスタッフにちょい引き気味の二人ですが別に「バカップル、新居を買う」のコーナーが始まるわけじゃあるまいし、まあ見学だけなら、ねぇ…?と乗る気ではないもののこのまま適当な口実作って断って帰ろう……あ、あれスタッフ?スタッフ〜〜〜〜〜?



……こーして始まった「地獄のマイホーム生活」…??詳細は伏せますが気味の悪いスタッフがまるでタモリの如く入居希望者を“魔の異空間住居”に誘われちゃったが最期!?そこで強制的に生活することを余儀なくされてしまうという……タイトルにあります“vivarium”とは生き物の生息環境を再現した空間、または飼育・展示用の容器の事を指すらしい。まさにカップルがやってきた住宅地というがまるでシルバニアファミリーが住む家のようにミニチュア感さえ漂い住宅地全体を見回してもあまりに簡素でシンプルなデザインゆえ逆に落ち着かない……いや「妙に生活感がない」んですよねぇ。でもって他に住んでいる住人の姿もなく、あつ森の住宅地じゃないんだから家がキレイに1列に無限に並べ建てられているかのような?まるで迷路のような構造の住宅地「ヨンダー」……ちなみにその“yonder”という単語には「向こうに〜」という意味があるらしく、永遠に続く“向こう”とでも言いたいのか……?そんな何の因果か「容器」のような住宅地に閉じ込められてしまったカップルがこの地から抜け出す“唯一の方法”、それが



















他人の子を育てよ






 

“子ども”に“例外”は通用するのか_?





ある日家の前に置かれたダンボール。中を開ければそこにはスッポンポンのさっき生まれたばかりなのか湯気までたってる赤ん坊が入っているではないか_!?そしてダンボールのウラには「子どもを育てれば開放する」と文字が記載されていた……



はあああああああー!?一体なんの御恩で他人の子を育てりゃならんのさ!?夢のマイホームの“代償”として他人の子を育てるなんて聞いてない。カップルは当然育てる気ゼロ。アイゼンバーグファンには彼のパパ活などは一切拝めませんのでご了承下さい。しかもこの子どもがなかなか厄介なんでありまして、ちょっと違う話ですがつい先日「来る。」という映画で岡田准一氏のセリフがふと頭に蘇りました、カレーは飲み物ならぬ「子どもは化け物」だ___。



全然言うこと聞かないし覚えさせてもいない言葉は覚えるしとにかく叫びまくるしイヌの鳴き真似キショイし普通の声もなんか成人みたいでキショイしあーもうやんなっちゃう!!…完全にお手上げ状態ですよ!?もう一度言います“コレ”は他人の子、私達の子どもじゃない。だから愛情注いで育ててやる義理なんてない。“あなたの両親じゃない”……コレね、もうコレなんですよ
























なぜ早く子どもを排◯しないのか









という“最悪の選択”が!?まるでその選択が“正しい”と“誘導尋問”させられるかのような!?そんな映画なのです。どんなに子どもが好きな方が見てもアナタはこんな化け物みたいな他人の子を愛情込めて育てられますか_?と試されるかもしれない。揺らぎますね〜コレは。マインドが己の理性が!!そして道徳心がぁ!?一体何が正しくて何が間違っているのか……だんだんとよくわからなくなっていく気分はまさに麻痺状態。“恐怖の感覚”。それこそが本作がホラー映画である所以、かもしれません。



しかし憎いかな、トムとは違い一緒に生活していくうちに自然と愛着が湧き、そして母性が生まれていくジェマ。憎い。お前が憎い…!!だがしかしそんなお前にも恋しさとせつなさと心強さを感じてしまう!?これがヒューマンの持つ「本能」とでも言うのか!?最初から最後まで一方的な“完全試合”が行われてしまう展開はクライマックスに逆転サヨナラホームランが欲しい方には少し予定調和すぎて物足りない部分があるかもしれません。しかしこれは男性と女性とで観た後の感想がまるで違う、そんな楽しさを秘めた映画だと思いますよー。








 
【感想(ネタバレ)】






監督はアイルランド出身のロルカン・フィネガンという新税監督。本作はその監督の故郷アイルランドの“実情”をブラックユーモアたっぷりに描いているらしい。例えば今のアイルランド人は“与えられたものだけで生活している”のだ、とかそーゆーことを言いたいみたいな?トムが「ヨンダー」から抜け出したい一心で彫り続けた穴は結局自分の墓を掘ってただけじゃーん!……なんとも皮肉だ。



ただなんかもうー個人的な意見としては最近こういう「実は意味があってわかる人にはとことんわかるネタ」みたいなのを考える作業がもう「シン・エヴァ」くらいから億劫でならなくて「ハイハイ自己満ね」の一言で完結したくなるのですが






















カサカサカサって聞こえるよー?








もうあの七三分けの正体とかどーでも良くね!?超進化したゴキブリが「マイホームを買う=子育て準備に入る」と拡大解釈しちまって夫婦にゴキブリの子を強制的に育てさせる話だった___。いやもうこれでいいでしょう!?納得だよ納得!!え、なんかゲロゲーロって喉仏膨らませてたじゃんって??じゃ、じゃあゴキガエルってことにしましょう!?



まぁ現代のカップル・夫婦が皆必ずしも“子を設ける”ことが主流ではない多様性の時代に作られた映画にしてはあまりに極論というか、えらく暴力的な映画だなと思ってしまいましたが、いやそれは国によって事情が異なるのかも?アレですかね、子どもが成人したら親は“用済みになって捨てられる”これも社会風刺か何かかな?でもこれがもしスパイダーマッ!!…だったら育てた後子どもに食われる所でしたねッ!!



この映画は親の育児放棄問題とか、人間の悪い本性を描いた映画ではありませんよね。むしろ最後まで何も出来ずに言いなりになって終わる、ジェマだけでも最後に一発逆転して生還してほしかったなーという、あまりに救いのない厳しすぎるシナリオだなとは思って観ておりましたが、そんな人の優しい部分を再確認出来る映画なんじゃないか。それに引き換え最後まで親の愛も知らず成人して巣立っていくゴキガエルちゃんのなんとまぁチープなことか。そう考えると結果的に生命体の中でも理性が働く人間ってサイコー!!というプラス思考で映画館を出れる……そんな映画にはなりませんかね?





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