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ニュー・ミュータント(2020)


【原題】The New Mutants

【監督】ジョシュ・ブーン

【出演】アニャ・テイラー=ジョイ メイジー・ウィリアムズ チャーリー・ヒートンほか

【あらすじ】

未熟さゆえに特殊能力を制御できず、辛い過去を背負った5人の若者。極秘施設で訓練を受ける彼らの前に、突如現れた謎のモンスター。恐怖で錯乱する中、さらなる危機が訪れる。運命に抗う闘いの結末とは 。









 
【感想(ネタバレなし)】

『“異色”のマーベル映画になる“ハズ”だった??』

 






どーもどーもハッピーターンを食す手が止まりませんラーチャえだまめです。早速ではありますが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたー



【ニュー・ミュータント】!!!!いやー苦節三年、亀は万年と言いますけども……てタートルズとは全く関係のない全国のアメコミファン、いや地上からマントルの中心でも愛を叫べるマーベルファンの皆さま、3年の時を経て長らくおまんたせ致しましたかもしれない!?時は遡ること2017年、MCUに合流させたい天下のネズミーとドル箱シリーズを手放したくない20世紀フォックス(現20世紀スタジオ)の間で熾烈な覇権争いが繰り広げられていた「XMEN」シリーズ……その中で“ニュージェネ世代”が活躍する新たなシリーズが始動するとの一報が入った。その名も























“ホラー版”「XMEN」








過去ホラー描写のある“アメコミ”映画は実在した、、、しかしDCが少年マガジンならマーベルは少年ジャンプかもしれない老若男女誰もが楽しめるコンテンツを提供し続けるユニバーサルデザイン印のネズミーに取り込まれてから、より一層コンプライアンスに敏感になっていった(「ドクター・ストレンジ2」がホラー要素の強い作品になるとの情報より本作はずっと前)そのマーベル作品で20世紀フォックスから今回“初めての試み”として?しかもあのもう一つのアベンジャーズとも呼び声高い「XMEN」シリーズでホラー…??これは一体どんなケミストリーが起こってしまうというのかー!?マーベルファンなら当時この全く想像のつかない掛け合わせに目を丸くした人もいるやもしれない、まさに“ニュージェネコミック映画”として新たな歴史の生き証人になる万全の体制を整えていたところの



公・開・延・期。その後数年に渡り公開の目処が経たないまま、気づけば20世紀フォックスはネズミーに買収され当初3部作構成かつ過去シリーズとの合流まで視野に入り製作が進められていたもののそれら全ての“プロジェクトが白紙”に戻され(ついでに単独主演作「ガンピット」も頓挫…)そしてトドメの一撃とばかりにコロナ打撃によりさらに公開が先延ばしに……1度や2度じゃないですからね?“5度の公開延期”を経てついに……ついに去年8月全米で公開、さらにそれから遅れること約半年、日本でもようやく、、、、ようやくお披露目されることになったのです…!!!



いやー長かった!!はっきり言ってもう飽き始めてたわ!!!そんな記憶の片隅に追いやられていた本作を今回引っ張り上げついに私も先日配信版をレンタルさせて頂いたわけなんでありますが………オープンザドアしてみたらあらまびっくりこれって























「ブレック・ミュータントクラス」じゃね?






 

登場人物と“能力”紹介







突如“野生の唸り声”と共に父親と街から避難する一人の少女。ふと気がつくとそこは見知らぬ隔離施設だった…??部屋に監禁されていることに気づいた少女は“ドクター・セシリア”と名乗る責任者から「街は竜巻により全滅、あなたはその唯一の生き残り」であると告げられる。そしてその中で生き残れたのは奇跡ではなく自分が“ミュータント”と呼ばれる特異体質であるからだと、そして今いる施設はあなたのような若いミュータントたちの更生施設であり、他にも数名の患者がいることを知らされる。。。。



ここにはそんじゃそこらのティーンの“悩み”どころの騒ぎではない、これまでのシリーズでも何度も登場してきたシリーズファンならば広辞苑にも載せたい“ミュータント”というワード。彼ら“能力者”は人間界から危険視され時に迫害の対象とされてきました。そんなミュータントと人間と“共存”をかけた熾烈なバトル、ならびにミュータント同士の争いが描かれているのが本シリーズであります。しかしそんな彼らを社会から保護し“チカラの制御”を目的として設立されたのがどうやらこの施設らしいのです…?



それでは気になる施設の入居者をまず一人ずつご紹介いたしましょう。まずは一人目、大人気SFドラマの“裏世界”と繋がったのが災いして全身からエネルギーを噴出し高速なピストン運動するのが若干下ネタっぽいと話題の“キャノンボール”演じるチャーリー・ヒートン!!いやー“ストシン”の功績から徐々にスクリーンでおめかけする頻度が上がってきたんじゃないですかー?自身の制御できないチカラによって家族を亡くした過去を持ち、その罪深さ故に自傷行為を繰り返す青年を演じております。片手には常にギブス……プロフェッサーXも過去にやらかしたプライベートで骨折したとかじゃないですよね……??






















うわーなんか綿あめ作れそう










お次はこの人、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ドクター・フー」など人気ドラマに出演、今売れ筋の若手俳優メイジー・ウィリアムズ演じる“ウルフスベーン”という名から既に推測できるやもしれない


















ユニバーサルと配給を間違えた狼少女















続いて実は「フューチャー&パスト」にも出演してたって?ファンタスティックなヒューマントーチといいトコ勝負の「オレに近づくとヤケドしちゃうぜ」がカッコつけでもなんでもないただの“事実”なクールガイ!!?太陽エネルギーを吸収し全身バーニングできる“サンスポット”を演じるヘンリー・ザーガはこちらもネトフリドラマ「13の理由」の出演する若手の超新星































こーゆーヤツです。












そしてそして過去に8人格のプロフェッサーXにつきまとわれ注目を浴び、去年ネトフリドラマ「クイーンズ・ギャンビット」が高く評価された、セロン姉に代わり“2代目フュリオサ”として今後マッドな荒野を駆け巡る予定の今売れに売れまくっている若手女優、アニャ・テイラー=ジョイ!!!演じるはデットプールの相棒“コロッサス”の実妹ながらメタリックなのは片手だけ、代わりにジェダイも眉唾もののライトセーバーもどきな青白いソードを武器として使う異次元にマペットを置いてきた最強のパペット女子“マジック”。いやーパツキン頭の不良女子っぽいアニャさんもまた素晴らしいですねー。なんだか最近声と口調がアン・ハサウェイっぽく感じるのは私だけでしょうか…?



































うんちょこちょこちょこ












うんちょこちょこちょこうんちょこちょこちょこ





















ぴーーーーーーーーーーー!!!!!








そして謎多き主人公、彼女の能力が“実質最強”すぎるかもしれない??新人ブルー・ハント演じるネイティブアメリカンのダニー。。。。という今をときめくイケイケGOGOな注目の若手俳優で構成された本作、前置きが長くなりましたが皆共通しているのは言うまでもなく「過去にトラウマを抱えている」ということ。そして本作はそんなトラウマに若者たちが直面し、そして乗り越えていく、、、、そんな「青春映画」としての側面もあるんですね〜。






 

“ホラー映画”としては物足りない






隔離施設という“閉じ込められた”空間で面識のなかった若者たちが共に成長していく過程?まさしく青春映画の金字塔との呼び声高い「ブレック・ファストクラス」に似すぎているといいますか、院長の目を盗んでみんなで部屋から抜け出す場面とか女子がノリノリで踊るのとか排気口に入るのとかマンマミーアそうじゃねえかと……アニャ演じるマジックのキャラクターなんてジャド・ネルソン演じるジョン・ベンダーとソックリ過ぎるんですよ。かなり意識して作られたのかなーという印象を受けましたねぇ〜。まぁ本作がまさしく「自分とは何か」を見つける話でもありますし、アメリカでは特に青春映画のバイブルとまで評される「ブレック・ファストクラス」をイメージした青春ものにしたかったのは、これはもう明白すぎる事実かもしれません……まぁそれはそれでいいんですよ。問題なのは



















全然ホラーしてない←コレ








いやいやこれの一体どこが“ホラー映画”なのでしょうかと思わず目を疑いたくなる「こんなのホラーのうちに入らない。」こーれーはかなり頂けませんねぇ〜!!!ホラー映画を常日頃ご視聴しない方でさえ“物足りなさ”を感じてしまうかもしれない、「ホラー版XMEN」を最大限の“ウリ”にしていた本作において、正直ここは一番チカラを入れて欲しかった所。重複してしまいますが制作当時「ホラー映画」をマーベル映画でやる……これはかなり斬新だな、確かに掛け合わせ的に上手くヒュージョンしないかもしれない、失敗する可能性もあるだろう。しかし私個人的にはそれでもマーベル映画の「既存路線からの脱却」という意味も込めて?好意的な印象を持っておりました。成功しようが失敗しようがまた“違った風”をシリーズに吹き込んでくれるのでは…と。しかし蓋を開けて見てわかったのは、結局やってることは「いつものアメコミ映画」と何ら変わらなかった、ということだったのです…。



そりゃつまらなくはないさ!?でも我々が観たいのは、望んでいたものはそんな“いつもの”マーベル映画じゃありません。だから予告編であれだけ反響があったのです。その予告編で映っていた怖いシーンすら本作には入ってはおりませんでした。どうしてカットしてしまったのでしょう??ジェームズ・王さんの作品から飛び出してきたみたいな、せっかく恐ろしい顔面をした“スマイリー”もただフツーに登場させるのではあまりに能がない。登場演出を一つ変えるだけでも充分観客をビビらせるポテンシャルがある造形だと思うんだけどな……。












































波動拳!!!








せっかく“マーベルホラー”というある意味アクションとホラーを融合させた特殊なジャンルでやっているのだから、マーベル映画としてではなくホラー映画としても一線を超えるような演出が見たかったですね。監督は「ハッピーエンドが書けるまで」「きっと、星のせいじゃない。」でメガホンを撮ったジョシュ・ブーン監督。う〜んもともとホラー描写は苦手な方だったのでしょうか?




そう、そこなんですよねー本作は。。。。。「こだわり」がないんですよ







 

“大人の事情”をモロに受けてしまった感



















見ていて“愛を感じない”








シリーズキャストの一人や二人はゲスト出演していても良さそうなのにそれがない、もはやアメコミ映画の醍醐味となったENDロール後の“お楽しみ映像”すらない、公開延期後に追加撮影までされたそうですがそれも結局使われなかったそうです。それが正解だったかどうかはわかりませんが、本作は全体的に“アップデートする余地”がアリストテレスなのが非常に勿体ない!!しかしそれをしなかった、いや怠っている気がしてならないのです。つまりはディズニーに買収され夢破られた20世紀フォックスが5度も公開延期になっていよいよ作品に嫌気がさし「手直し」する手間すら放棄し半ばヤケクソ気味に公開に踏み切ったのではないか?20世紀フォックス的にはシリーズ挫折でどうすることもできなくなった本作を“お荷物”として「早く公開して手放したかった」そんな悪魔的悲痛な叫びが聞こえてきそうな、感情を持ってしまいました。



あと先に言った“青春もの”というジャンルもマシュー・ボーン監督の「ファーストジェネレーション」で既に似たようなことをやっているわけで決して真新しいことをやっている感じもないんですよね。そこまでの“過程”すらなく唐突に訪れるLGBT要素も、とりあえず時代に沿うように取ってつけただけのように見える。本来青春もの3割ホラー的要素7割の予定が、ホラー的要素を極端に薄めた結果、青春もの3割ホラー的要素3割‥…えじゃあ残りの4割は??という、それこそが本作の「物足りなさ」なのではないか…。








 
【感想(ネタバレ)】






ちなみに本作は「ニューミュータンツ:デーモンベア」という原作がモトになっております。去年日本でも翻訳版が発売されておりますので本作を見て気になった方はソチラもチェックしてみてはいかがでしょう??



作中1箇所だけ気になるシーンがあったんですよね



















って?








“エセックス・コーポレーション”……ダニーたちを監禁し“殺戮兵器”として利用しようとしていたドクター・セシリアの雇い主であり施設の設立した組織でありましたが、実はこの組織と思われるものが前作「アポカリプト」のENDロール後の映像に登場しているんですよね。本編ラストで施設から脱走したウルヴァリンの血液を回収したのが“エセックス社”という企業だったのです。そしてその回収された血液から作られたのが「LOGAN/ローガン」に登場したウルヴァリンの“娘”となるX-23でした。“エセックス”という社名の由来なのですが、これが原作に登場するヴィラン“ミスター・シニスター”の本名である“ナサニエル・エセックス”からとったものだと思われます。そしてコイツが“最強のミュータント遺伝子を作り出す”研究をしているヴィランでして、映画には登場しませんでしたが今後のビジョンとして実写シリーズにも登場する予定だったかも??それを匂わせるシーンだったのかも?しれません……(今となっては知る由も無いですが)







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