【原題】Outside the Wire
【監督】ミカエル・ハフストローム
【出演】アンソニー・マッキー ダムソン・イドリス エミリー・ビーチャムほか
【あらすじ】
戦争が続く近未来の世界。紛争地帯へと送られたドローン操縦士は、軍の最高機密であるAIを上官とし、核攻撃を阻止するための危険な作戦に挑む。 (ネットフリックス公式サイトより)
【感想(ネタバレなし)】
『ファルコン、ヤリイカになる』
どーもどーも「T2」のフジテレビ版吹替音声で精神病院のエレベーター内で天井からT1000の奇襲を受ける時にシュワちゃんが一瞬「ん”おぉ」と反応するその「ん”おぉ」は感情のないターミネーターでは発言しないのでよって玄田哲章は人間だと思いますラーチャえだまめです。はいと言うことで去年我々の巣ごもり生活に多大なる貢献をしてくれた我らがNetflixが2021年は何かしらの“新作映画を毎週配信”するという給付金より太っ腹な宣言により今年はネトフリ映画をご紹介する機会が増えてきそうだなーなんて思う今日このごろなんでございますが、本日もそんなNetflixから今週金曜に配信されたコチラの映画を本日は拝見させて頂きマンモスその名も
【デンジャー・ゾーン】!!!一歩外に出ればいつだってデンジャーだよおおお!!ってそこ!!改札出口の屋根上からハトのク◯が!!デンジャー!!!……と頭上を気にしたのはクリストファー・ウォーケンの方じゃない何やらミライのせか〜いのぉ〜、ヒト型ろぼっとぉ〜♫が登場するらしい??毎度おなじみ量産型“近未来SFアクション”という三度の飯よりSFが好きな剛の者にしかウケないような「ビジュアル」だけがウリの映画かと思いきやー?フタを開ければ思いのほかこれはまさかマギカの「社会派映画だった_??」いやーこれまた一筋縄ではいかない映画をネトフリさん……お目が高いですね〜
時は東欧で紛争が勃発した西暦2036年!!アメリカは世界平和の為に軍を前線に派遣、戦場の裏で暗躍する首謀者で“ゴースト”の異名をもつテロリストのヴィクトル・コバルの勢力を撲滅するためロボット兵士団、通称“ガンプ”を創設、戦地に派遣していた___。
…んコールオブデューティのOPですか?(知らんけど)早速いかにもデンジャーすぎる戦場シーンから始まりますよ〜!兵士さんのほかにも銃を持った「アップルシード」みたいな無人ロボットの姿が。え、なら人間必要なくね…?「一人撃たれた!!衛生兵ー!!!」敵の攻撃を受け負傷する一人の兵士。その様子を上空から遥か彼方の生ーきーてーいーくーーんだーー♫そーれーでーいいーーんだーービルに飲み込ま……あ田園だった“安全地帯”から見ている黒人ドローン操縦士のハープ中尉。て、テメーなにガム噛みながらやってんだチキショー!!今まさに戦場で兵士たちの命をかけた戦いが繰り広げられているというのに??ハンドルを握りながら平然としたツラでモニター画面越しからその様子をマジマジと見ているだけの光景……彼には“感情らしさ”が微塵も感じない。そしてそれは見た目だけではなく中身もそうだとわかる“冷酷さ”が判明してしまうのです。
“少数の犠牲で多数を救った”本来ならそれはそれで英雄と呼べるのかもしれない。しかしあろうことかそれが上官の命令を無視し独断で決断を下した、となれば話は変わってくる。ハープは罰則を受け降格を余儀なくされます。彼はとある前線基地にいる“上官”の元で訓練を受けるよう命令され現地へ飛ぶことに。「なんだよ現場かよ〜」と上司に向かって態度のデカさに加え口の聞き方すらなっていない!!操縦の腕はピカイチだがなかなかにして小生意気なコワッパ感アリストテレスなハープに我々視聴者も少々腹立たしい気持ちになるかもしれません。しかーしそんなハープの根性を叩き直す男として
世界鳥人間コンテストのレジェンドことアンソニー・マッキーがタケシコバッチも早く入れ替わりたい次世代サイボーグへと進化した“アンドロイド将校”ことリオ大尉となれば!?……てかなんだよその体ヤリイカかよ!!!スーパーソルジャー計画など泣いて逃げ出す全身テクノロジーの“超生命体”の産物であるとんでもクライシスな上司の言うことを聞け?はじめは戸惑いつつ相変わらずの舐め腐った態度を貫き通すハープであったが…。
彼の“相棒”として、たった2人でテロリストのヴィクトル・コバルが欲しがっているというウクライナが長年おにぎりより温めていた核弾頭ミサイルのキーを彼よりも早く見つけ出せという極秘ミッションで共に行動していくうちに?次第にハープの心情にも変化が…??ちなみに何故アンソニー・マッキー顔に作られたのか本人に直撃したところ
TARS ユーモア30%に下げて
まず世界観ですよ。西暦2036年と言っておりますが今からざっと15年後……遠いんだか近いんだかピンとこないかもしれないしかし本作に登場する“マシーン”は何を隠そうもうすでに“現実に存在している”ということは年末のガキ使を見た方ならば一目瞭然でしょう!?メディア等でお披露目され有名な“犬よりも犬らしい”と話題の犬型ロボットをはじめ原西ゴリラのAIBOのものまねなどもはや時代遅れの機敏に動くヒト型ロボットなんてのも、もう既にアメリカだかどこかが開発していますよね。つまり本作の話は決して櫻井さんももはや甲高く歌えないエソラごとではない??全くの空想話ではないのが実に恐ろしいといいますか
“ドローン”もそうですよね。敵陣視察に空爆だって出来ちゃう戦場で活躍する“兵器”として使用されている、イーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォー」なんていう映画もありましたよね。操縦士はただモニター越しでドローンを操るだけの“簡単なお仕事です”…なんて求人あったら私なら飛びついてしまいそうですが、なんだか実際に戦場に行かない分戦争というものが自分の中で“ヒジョーに距離感のある”「戦争している実感が沸かない」っていうんですか?目の前で戦って死にかけの兵士や犠牲者が出ようとその痛み、辛み、わかりみ、、、、そういったものを感じにくいというか、それはつまり「人の生死を感じにくい」ということにも繋がり……結果ハープのような“無感情”な兵士が出来上がってしまう……。無敵のソルジャー的にはそれはそれで成功なのかもしれない、しかし“人としての”感情を失った機械のような兵士……いやなら機械でよくね?そうして時代はいつしか機械VS機械の「代理戦争」へと勃発してしまうのでは…??本作はそんなミライへの警告、アンチテーゼ的側面を持った社会派SFなんじゃないかと。
ではそれの何が“危険”なのか?それは是非とも本作をご覧になっていただければおわかりいただけるかと思います。中盤から予想の斜め上を行く展開……というより「ブルータスやっぱりお前もか」的な結局はソッチの方向に行ってしまうのね……というこの手の映画の宿命をまたしても背負ことになるのはもう“そうなるミライ”しか考えられないってか?キャップ譲りのアンソニー・マッキーのキレッキレのアクションがそんな若干気難しい話を見事に中和させSF娯楽としても充分楽しむことが出来る本作、オヌヌメです。
【感想(ネタバレ)】
アメリカ映画でアメリカを思いっきり“世界の吹き出物”として描いていたのはビックリでしたねー。監督がスウェーデン出身の人だから許されたのか、はたまた“コレぞ配信のチカラ”とも言うべきタブーや制限から撤廃された“無法地帯”だから出来たのか??実際問題“平和維持活動”と題して戦争おっ始めてるの当のアメリカさんだよぉ〜と、軍事兵器を作りたいから戦争したいだけなんだよぉ〜と。「真の敵はアメリカだ。」サイボーグのリオは人間ではなく機械としての“第三者的視点”から見て、世界平和を乱しているのはアメリカだと“理解”してしまったのです。ちなみにハープはアメリカの兵士なので自分たちが何をしているのか、そもそもそんなこと思ってもみなかったことでしょう。実際に戦場に行ったことがないから余計ですよね。アメリカの攻撃で親を失い孤児となった子どもたちが沢山いる施設が登場します。そんな悲惨な光景すらハープのようにモニター越しでの戦争、“代理戦争”ではわからないと言うことを暗示してような。そしてリオはそんな危険な大国を滅ぼすため核弾頭ミサイルをアメリカ本土に撃ち込もうとします。もともとは自国のために生み出された機械に最終的に滅ぼされる……さながら「審判の日」を彷彿とさせるSF鉄板ネタの因果応報論好きだよな〜ホンマに
しかしリオの真の目的はアメリカ攻撃だけではありませんでした。代理戦争の最終形態、人間が一切介入しない「機械VS機械」の未来を阻止するのが目的だったと判明します。もはや人間は“蚊帳の外”に置かれてしまうのです。そりゃ機械と人間が真っ向から勝負すれば……果たして人間に勝ち目はあるでしょうか?そんな恐怖の世界になることを阻止するためリオはアメリカという国を犠牲にして世界を救う、“少数の犠牲で多数を救う”選択をしたのです。そこで「何故ハープが選ばれたのか」に繋がってくるんですよねー。
思えばドローン操縦士としてのスキルを買われたわけでもない、実戦経験皆無で戦場では足を引っ張るばかりのハープをリオは何故“相棒”として引き抜いたのか、それがなかなか見えてこない。我々視聴者もそしてハーブ自身もはじめはわかりませんでした。それがラストでリオもハープも共に「合理的選択」をしたという意味で似た者同士だったんですよね。リオはハープがした選択を高く評価しました。しかしそれは時として“危険なカケ”に繋がるかもしれない……本作はそんなことを伝えたいのではないか、そう私は感じました。
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