スペースインベーダー(1986)
- ラーチャえだまめ
- 2023年1月22日
- 読了時間: 6分

【原題】Invaders from Mars
【監督】トビー・フーパー
【出演】 ハンター・カーソン カレン・ブラック ティモシー・ボトムズほか
【あらすじ】
裏山に着陸したUFOを目撃した少年は、両親も教師も人が変わったようになったのを見て街の住民がエイリアンに支配されている事を知る。かくして地下に造られたエイリアンの侵略基地を壊滅せんと軍隊が出動、大攻防戦が繰り広げられる。(Yahoo!映画より)
【感想】

『最新のフェイシャルフィットネス』
どーもどーもラーチャえだまめです。依然沸騰中の「未体験ゾーン」ですが……私もすっかり感化されてしまいまして、個人的にもあまり世に出回ってない映画を体験、、、、“発掘”しちゃおうじゃないかと題して「未発掘映画」を観よう!?……具体的には配信やレンタルされていない映画を!?もう購入しなければ見れない映画を!?3本、3本!!ここでご紹介致します。と、言うことで早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました

【スペースインベーダー】!!!!よぉーーーー!!!ついに、ついに私Blu-rayを購入いたしましたぞぉーーー!!!お、おせーよ!!!2018年に発売されてからずっと中古とかで安く買えねえかな〜、なんて指を加えて待てど待てども値崩れする気配なしでついに指の味もなくなってきたのでなけなしの金で購入しましたいやーなんでもっと早く買わなかったんだろうか
「懐かしい!!!」……あ、いや同名タイトルのゲームとは一切関関係ない「懐かしい!!!」と当時TV放送版を見たよ、という方は浪川大輔(少年Ver)をご存知ということですね??“知る人ぞ知るB級エンタメ映画”として記憶していた方もいらっしゃるのではないでしょうか。各いう私は「こんな異星人絶対いねえだろ!!」と見た目の面白さだけを100%追求したフィクションの塊でありながら、トンデモ造形美に立ちくらみすら覚える愛すべきモンスターたちを視聴できるとのことでマークしていたんですねー

実はただのモブです。
「スペースインベーダー」!!!監督はななななななななななんと「悪魔のいけにえ」で元祖チェンソーマンを爆誕させたトビー・フーパー!?ホラー界のドンのイメージが強すぎるフーパーですが(実際フィルモグラフィを見ても確かに彼が手掛けたホラー映画は数多く)今作はどうやら彼のイメージとは似ても似つかぬ「おこちゃま向けSFファミリー映画」らしいのであります!!いやーこれはちょっと気になりますよねー。早速拝見させていただいて

めちゃくちゃ金かけてめちゃくちゃ「ドB級」なことやってやがる……
ある晩空からミラーボール型のUFOがジュリアナ東京の如くビカビカ光りながら降りてきたよぉー!!それを偶然ふしぎ発見するパツキン少年デヴィッド・ガードナー!!(復唱します、デヴィッドガーd……)NASAで働ライクする父を持ち「この前雑誌で火星にはマントヒヒみたいな顔があるって読んだのですがそれについてどうお考えですー?」と科学者に死活問題の質問もブチ込む好奇心旺盛な性格であったデイヴィッドは、裏にある丘の下に“ソレ”が消えていったことをすぐに両親に説明しますがガキの戯言だと信じてもらえませーん。一応NASAの父がその後丘の下を調べてくれたみたいですが……

翌日〜♫いつもの違ってメガシャキせずぼけーっとしながらやたらコーヒーにお砂糖をブチ込む父。デイヴィッドは“本能で悟った”「こ、これは父じゃない…!!!」おやおやまだそんな戯言を
しかし明くる日今度は父に連れられ丘に向かった母まで!?母は生肉、父は丸焦げのベーコンが好物になりいよいよバカ舌どころの騒ぎではなくなったデヴィッド少年は困惑しながらも平常運転のスクールへと向かう……
なんでもないようなことがぁ〜♫幸せだったと思うぅ〜♫気づいたら侵略されちまってたよパターン!?「SF/ボディ・スナッチャー」「アライバル」「パラサイト」等、新横浜の地下鉄工事並に街の水面下で着々と侵攻される恐怖!?しかも頼みのツナである“大人から使えなく(侵略)なる”という展開は子供心に不安と恐怖を受け付ける。あ、でも怖いシーンとかは全然ないのでご安心下さい。口うるさい先生が解剖実験で使うカエルを丸呑みするくらいですので

トビー・フーパー流火星人はそのゲロゲ~ロと「デッドリースポーン」をかけ合わせたような非常にユニークかつ“全く環境に適してない”ズングリムックリなとっても愛嬌のある造形ですな〜。ちなみに中には小人とボディビルダーが入り操作していたらしい。小人とボディビルダー……なんか凄いワードだな。フーパーのイメージをウィリアム・スタウト(「パンズ・ラビリンス」等出掛けたデザイナー)が描き、それを元に作製したのが「ターミネーター」「プレデター」等数々のSF映画で特殊効果を担当、特撮界ドンの一人スタン・ウィンストンと豪華ですねー!!それともう一体膨れ上がったキャ◯タマみたいな親玉(タマ…だけにねッ!!)も気色悪くていい顔してるよ〜。“気色悪い”って映画では褒め言葉ですからね?

欅坂UFOですか?
大規模セット。いや凄いっすよマジで。岩に開いた巨大な大穴からUFOの内部へとトンネルが続いていて、1階と2階が吹き抜けで、スロープを登った先に玉座の間みたいな、これまた大きなセットがあって……裏庭の丘もまるまるセットで組んでるし、巨大なクレーンでカメラを吊り下げて撮影したりあと蟻地獄みたいに地面に飲み込まれるギミックとかさ〜!!一体どうやって作ったんだ??自宅の裏庭に海兵隊が300人くらいズラズラやってくるのは流石に画的に迫力がありすぎるよぉー!!!クリストファー・ヤング作曲のテーマソングも壮大で聴いてるだけでワクワクしちゃうますね〜!このドップリ金に漬け込んだ感。それでいて子役が「あ〜。」って叫ぶだけなんだもんな……
角度が高すぎて読みづらいスーパーマン風のOPからはじまる本作、過去スパイダーマンの実写映画化権も持っていた94年に倒産したキャノン・フィルムズという会社が製作し、フーパー監督はこの会社と3本映画を撮るという“3本契約”を結んでいました。(うち1本は必ず「悪魔のいけにえ」の“続編”を撮れ、というものだったらしい)本作はその3本のうちの一つ、当時会社の景気がよく本作に予算をジャンジャンつぎ込むことが出来たらしい。でフーパー監督はそれに味を占めたのかメチャクチャお金を注ぎ込み最高級な「B級」映画を完成させました。“A級”ではありませんよ絶対に!?それはつまりフーパー監督が当時「やりたいこと」のごった煮映画である、ということなのですッ!?

そもそも本作は53年の「惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!」のリメイクで、フーパー「少年」が当時見た感動、思い出をリメイクというカタチで蘇えらせたわけです。つまりこれはアレだ、つべこべ言わずにこの映画は「トビー・フーパー少年の夢物語」だと断言しちゃえば全てがまーるく収まる??火星人がカエルっぽいのは理科の実験で使ったトラウマの具現化とか、同学年のキッズよりまずは大人から侵略されるのは、フーパー少年から見た大人は当時「何考えてるかわからない」ある意味エイリアンみたいな存在だったからとか?デイヴィッド少年役の子役の実母であり女優の「私、怖くて動けないの…」とヘタった先生を優しく抱きしめてあげる少年……お前は江戸川コナンか
保健室の美人(……)先生を守ってあげるなんて妄想が過ぎるよ!?なんなら後半登場する海兵隊の軍曹がデイヴィッド少年を頼りまくっていつの間にか少年が海兵隊を指揮する「夢みたいな」展開も、そりゃあ夢なのだからそうだろとしか、ソンゲバソナなツッコミ所も「幼稚」な展開も、全て子ども心の視点から見た映画だからなのかもしれません!!

そんなトビー・フーパー渾身のエロ・グロ・ホラーの3拍子すら今作では取っ払い散々ファミリー向けに徹しているはずが、最後の最後がバッドエンドってなんでだよ!!(ちなみに日本公開版ではカットされたらしい…)特典DVDのコメンタリーによれば今作の「本当のターゲット層」は18歳から35歳なんだってさ…………俺ターゲット層じゃん(笑)
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