スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2022年1月9日
- 読了時間: 9分

【原題】Spider-Man: No Way Home
【監督】ジョン・ワッツ
【出演】トム・ホランド ゼンデイヤ
ベネディクト・カンバーバッチほか
【あらすじ】
スパイダーマンの正体がピーター・パーカー(トム・ホランド)だという記憶を世界から消すため、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)はある呪文を唱えるが、それがドック・オク(アルフレッド・モリナ)らヴィランたちを呼び寄せてしまう。ヴィランの攻撃によって、ピーターのみならず恋人のMJ(ゼンデイヤ)らピーターの大切な人たちにも危険が及ぶ。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『“子供っぽさ”とは』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はこちらのマルチバースを拝見させていただきました
【スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム】!!!いやーMCUファンの皆さま並びにアメコミファンの方々大変おまんたせ致しましたと言いたいところではございますが___先日私も巷でウワサのSNSでの「ネタバレ」が怖くて初日にMCU大好きな人とそうじゃない人と見に行って参りました。ちなみに3人で観に行って横並びに席を予約したのですが、私とMCU大好きの方は感無量、そうじゃない方は途中マルチバースの劇場に行っていたのか感想が全然違……
その「マルチバース」。マルチバースって?の説明なんてもうしませんよ私は!!ねえ!!もうここでチマチマ「これまでのスパイダーマッ!!」について語る必要もないですし何故か日本で彼の名だけ世間で独り歩きしているようにしか思えない“ケヴィン・ファイギ”について語るつもりもありませんッ!!それでは早速「ネタバレなし」verで言っていいですか?

お前ら同窓会かよ!!!
前回「ファーwwwフロムホーム」でデイリービューグルのやかまし屋社長よりスパイダーマンの「具」がバレて全世界に身バレしてしまった可哀想なトム・ホランドくん。今作はその“直後”から物語はスタート……おおっと詳しいストーリーラインは話しませんよー。相変わらず能天気でコミカルなやりとりで早速楽しませてくれる、MCU入りしてから「親愛なる隣人」の“隣人”感が?過去シリーズに比べていっそう強調されているというか、隣人っていうかもう友人?マイベストフレンド?クラスにいるちょっと宇宙でサノスと一戦殺り合ったことあるクラスメート的な?(そんなやついるかい)それもこれも最年少で蜘蛛に噛まれた不運をプラスに好転させたトム・ホランド(以下トムホ)の愛くるしさ&初々しさ&そして人から愛される手相を持って生まれてきたに違いない天性の才能の成せる技なのかぁー?

まだ若いのに着々とキャリアを積み成長してきた、シリーズを引っ張ってきた実力が?今作で爆発していると言っても過言ではない!?このなんちゃらホームシリーズってのは、スパイダーマンの成長記と共に、演じるトムホという一人の俳優の“成長記”とも言えるのではないでしょうか??そんなトムホの「演技」にまず注目して頂きたい。
そしてそしてスパイダーマンという“少年”の内面までを繊細なまでに描ききることに成功したジョン・ワッツ監督。彼自身のフィルモグラフィーはまだまだ少ないですが、私は今回彼がMCU入りする前に撮った「コップ・カー」の、ケヴィン・ベーコンエッグに命を狙われつつ「復讐心」に燃える少年を描いたあの「コップ・カー」に近い印象を本作で受けましたねー。この先ファンタスティックな4人衆などの作品も控えているマーベルスタジオの信頼を獲得しまくりのジョン・ワッツ監督の「一人の少年が、“「本当の意味」でのヒーロー”になる」物語の?シリーズ3作続けてきましたが、3作目である今作が、その一つの「終着点」を描いているということは、これまた明白な事実なんでありまして、今作でスパイダーマンを“一旦締めくくる”ことにも成功しているんですねぇ。まぁこの先“さらなる3部作”の公開が控えていることは明確ですが…。
↓↓ここからネタバレ入ります↓↓
【感想(ネタバレ)】
おおーっとここからはネタバレ全開でいきたいと思います。いやー結構な早さで続々と登場してくださいました、原作でのヴィランチーム“シニスター・シックス”のメンバー結成でもしたんですかい?サム・ライミ版とマーク・ウェブ版に登場しましたヴィランたちが?数十年ぶりに一同に介するというトンデモクライシスなサプライズその①まま、それぞれとっても印象的なヴィランではありましたけどね、「ここまで間抜けだったか?」というのがまず第一の疑問であります。マルチバースでコチラの世界に来た後遺症で脳ミソが縮小してしまったのか、なんだかスパイダーマン(ストレンジ大先生のチカラを使ってはいたけど)に呆気なく捕獲され上野動物園のパンダ状態で見世物にされてしまうという??アルフレッド・モリーナ、ウィレム・デフォー、さらにはCG加工されてもちゃんとアフレコと最後にちょびっと素顔でも登場してくれたリス・エヴァンスとトーマス・ヘイデン・チャーチ……いやー本当に皆さまのおかげですよ。ここまで盛り上がったのは

ジェイミーフォックスはジェイミーフォックスすぎてジェイミーフォックスでしかないのは気になりましたけどねッ!!!
おいおいミスター電気ウナギ!!お前なんか性格変わってないか!?マルチバースは性格まで豹変させてしまう力があったんですねぇ。でもって親愛なる隣人イチ敵さんに対しても寛大すぎる懐の広さのあるトムホから「悪いところを治療してあげる」と言われ?何の疑いもなくゾロゾロ列を成してトムホに「協力」的になるという、この「コミカルさ」。面白いですねー。彼らの過去作では見れなかった姿を見ることができる、という意味では良かったと思います

だから貴方は“「ゲストキャラ」止まり”で良かったのにもうなんてことしてくれんだ
グリーンゴブリン!!なにメイおばさん殺しちゃってんのよ!!直前までのコミカルさから一気にシリアス度の急勾配が凄すぎる。え、急にそんなシーンにする!?感動の浮き沈みが激しすぎるといいますか、結局このウィレム・デフォー演じるグリーンゴブリンが今作の「真の敵」だったというサプライズ②ですが、うーん彼はもう他のヴィランと同じように“お笑い担当”止まりで良かったんじゃないかなーと思うんですよね。それよりトムホが戦うべき相手に“実は偽物だったドクターストレンジ”とかマルチバースを裏で操っていた全く別の新キャラとかのようが良かったと思うんですよ。なんでかって言うと「グリーンゴブリンだけを特別扱いする必要性」がないからです。彼もまたマルチバースという“お祭りの景品”の一つでしかないから。そこで彼だけがトムホのストーリーラインに思いっきり関わってくるのは、ちょっと違和感があるんですよね。
あとなんかしらんけど今回めっちゃ強ない?筋力増量でもしたんですか?トムホを素手でボッコボコにするじゃないですか。床から床へエスカレーター式に落ちていく人間離れした力もあるという(もう一回前作見直すか)まぁこれくらい強くないとダメなのはわかるけど。てかアレなんですね

「大いなる力には大いなる責任が伴う」って言ったヤツ必ず死ぬ説
すごいフラグだよ……もう呪いの言葉じゃないか!!今回はメイおばさんが口にしちゃったから死んじゃったわけだけど、てっきりこのシリーズに登場していないベンおじさん=スタークだとみんなすっかり自己完結してしまっていたのでは?実はベンおじさんの役割は彼ではなかった……メイおばさんの死によってトムホはまた一つ、大きな大人の階段、いや“ヒーロー”としての自覚を持つことになるわけなんですけどね

落下するMJを“届かなかった”トムホに代わって救うアンドリュー・ガーフィールドってだけでもうお腹いっぱい
いやーあのシーンは本当に良かったですね。予告でMJが落下するシーンはあったけど、「もしこの時グウェンを救えなかったガーフィールドが「もうあの時のようにはさせない!!」って助けたらサイコーなんじゃね?」というファンの妄想を完璧に再現してくれたじゃん??アメスパファンとしてはもう、涙が止まらなくなりますよねー。
でもそんなアンドリュー・ガーフィールド、そして俳優としてスクリーンにおひさしブリーフすぎるトビー・マグワイアというレジェンドスパイディの登場という今作一番のサプライズ③まあSNSでこれもまことしやかに囁かれていたウワサだったし、さすがにヴィランだけ出てこの2人が出ないのはなぁー、きっと出なかったら期待を裏切ることになって興行収入的に落ちると思っていたので、全世界で大ヒット中だとわかりそれがもうほぼほぼ確定案件であった終いにはグーグルで本作のタイトルを入力しただけで“登場人物”の欄に二人の顔写真が映し出されるというあまりに危険すぎるトラップまでありましたからね。ただこの2人の登場はもっと勿体ぶっても良かった。ネッドとMJのコミカルなやりとりからの延長上に出すのはあまりに勿体ない。特にトビー・マグワイアなんて近年俳優活動から退いていたこともあり、彼がそれも自身をスターダムにのし上げたシリーズのカムバック、という「奇跡」にはもう少し感動したかった。「ついでに出ましたよ」感をちょっと感じてしまった。あとなぜか知らんけどトビー・マグワイア、マスク姿がきちんと映らないのはなんででしょうか?
自由の女神での最終決戦で2人が活躍するシーンにサム・ライミ版とマーク・ウェブ版の「テーマ曲」くらい流して欲しかったな〜。その最終決戦の舞台が自由の女神なのは“自由になっていいじゃない”というソニーとマーベルスタジオの配給会社の垣根を超えた挑戦、映画の「可能性」の象徴、または改めて「配給はコロンビアですよ」という印象を強めたいソニーのサブリミナル効果とかあったりして……
映画サイトとかでは軒並み最高得点をマークしている今作。みんなちょっと冷静に本作を見てよって言いたい。ちょっとあまりに都合良過ぎることに違和感はないか?ヴィランがみんな都合よくいい子になることに違和感はないか?(いい子だったのは一瞬だったけどw)

あまりに“大味”かつ“子供っぽさ”が一際際立っていなかったか?
メイおばさんの死、そしてくっつくでもなく死別するでもない「第三の道」として過去のどのシリーズでも起きなかった記憶を消されたMJとネッドとの「別れ」と言った心情に訴えかける場面はありました。でもぶっちゃけ今作はドラマ性のない「スパイダーバース」というお祭り要素以上の何者でもなかった(それはヴィランを愛すべきマスコット化したことで明確)よってわりと早めに「飽きられる」んじゃないかな、と思うんですよね。「3人のスパイダーマンが出る」以上の感動がない。逆にそれさえすれば興行収入的は潤うわけですけど。

「マーベル作品」としての最高峰であって、「映画」としての出来はイマイチ
正直言うと「もっと面白く出来たでしょ」これに尽きるんですよね。こんなにもサプライズ用意して、こんなにもお金かけて、そしてこんなにも期待される映画。確かに「やれること」はやったと思います。でもソレだけなんですよ。「こんなことやってください」って言われたことだけをやってるというか、今回脚本がとんでもなく子供っぽかったと思います。シリーズイチかもしれません。「マルチバース」だけに足を取られそれ以上の要素(たとえばトムホ以外のキャラクターの深堀り等)をおざなりにしているようにしか見えなかったんですよね。まぁ流行り物に目がない日本人ならば?迷わず「死ぬほど面白い」という感想しか持たないんでしょうけどね……。
Comments