【原題】The Menu
【監督】マーク・マイロッド
【出演】レイフ・ファインズ アニャ・テイラー=ジョイ ニコラス・ホルトほか
【あらすじ】
有名シェフのジュリアン・スローヴィクが極上の料理をふるまい、なかなか予約が取れないことで知られる孤島のレストランにやってきたカップルのマーゴとタイラー。目にも舌にも麗しい料理の数々にタイラーは感動しきりだったが、マーゴはふとしたことから違和感を覚え、それをきっかけに次第にレストランは不穏な空気に包まれていく。レストランのメニューのひとつひとつには想定外のサプライズが添えられていたが、その裏に隠された秘密や、ミステリアスなスローヴィクの正体が徐々に明らかになっていく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『「てめぇの頭はハッピーセットかよ」』
どーもどーも調味料で麺つゆの3倍濃縮と大さじ3を間違えましたラーチャえだまめです。いやぁ〜出ちゃうな〜こういう所に……まぁ一応普段料理しますけどね!食費を抑える為だけにしているので上達はしないけど……そんな普段外食メインの「美食家」な方々に朗報?世界一“予約のとれない”お店に念願叶って入店するもそこで客人たちに振る舞われるのは孤独どころか“地獄”のグルメのフルコースというムッシュ・ビバンダムも星一つもつけれない「食」のバーストストリいいいいいいいむ!!!!をその舌で味わうことになる___!?
【ザ・メニュー】!!!デリバリーではございませんいやー前回のご紹介した“どんと来い旦那”こと「ドント・ウォーリー・ダーリン」に次いで公開された、コチラも“ミステリアスな匂い”がクンカクンカしてヨダレが……なんでも行列どころか選ばれし者しか近づくことすら許されない小さな島にポツンと一軒“ホーソン”と呼ばれる店でシェフに転生したヴォルデモートが杖を包丁にかえ極上の料理を提供し始めたとか「絶対“まとも”な料理が出るわけがない」一体どんな料理なのか気になるじゃないですかあー?しかも最近周りの友人たちが皆口を揃えて参考にしているというあの料理研究家リュージも太鼓判とかもう絶対“味わいに行く”しかないっしょ!?…というわけで観に行って参りました。……いやー私生まれてはじめて
チーズバーガーに嫉妬しました
映画祭で「観た後にとてつもないチーズバーガー欲に駆られる映画」と評され気になっていたんですが……最後の最後まで匠すぎるシェフ(制作陣)の織りなす“カンペキなフルコース”に「ご馳走様でしたッ!!」と大満足で劇場をあとにするまさに星……ミッツでぇす!!映画だと個人的には楽しめたのですが?魔法使いレイフ・ファインズ演じるジュリアン・スローヴィク総料理長のなんと恐ろしいシェフなことか!?口数少ない完璧主義者で気難しく毎回料理を提供する度に手を思いっきりパンッ!!…ってする度に隣で寝てるおっさんがビクッと動いてましたよ
トリコもびっくり“究極の料理”を提供するあまりとんでもクライシスな“メニュー”を考案してそれを投資家や美食評論家、大富豪に世界的MOVIEスター……これまで庶民には手が届かない高級料理も腐るほど堪能してきたであろう舌の肥えたセレブ達に堪能して貰おうと。しかしそこにはある「思惑」が隠されていた____??
我々観客もまるで招かれた客と同様「何も知らされず」座席につき、全く見当もつかない一品一品という名の「瞬間」を味わい、そしてこのフルコースの「全貌」が明かされた時、彼らと一緒に恐怖乱舞する!?そんな体験ができてしまうんですねー。
中でも印象的なのが「“食べるのではなく“味わい”なさい。」というスローヴィクのセリフ。食べるとは、人間が生きる上で必要な「ただの行為」に対して味わうとは、その食材がどこで、何をして、どう生きてきたのか、それを誰が、どう調理、盛り付け、、、、「料理の数だけエピソードがある」。それを己の舌と香りと、口の中で感じてほしい……それが料理人として、否「作り手」としての本望である、という事を訴えているのです!!
そしてそんな客のことを想い、客に「奉仕」する「クリエイター」に対し、我々「客側」は否、金持ちの美食家(批評家)はどうなんだよと。その昔しくじり先生で宇多田ヒカルの旦那が有村昆とガチバトルしたように「お客さまは神様かよッ!!」と各界のクリエイター達による「お前ら批評家は何もわかっちゃいねえ!!」とバカ舌ならぬバカ眼力な映画産業の重鎮たちに、批評することで飯を食うセレブ批評家たちに手を上げたブチギレた映画、でもあるのです??
しかしその中に紛れた一組の若いカップルが?クリエイター=スローヴィクの誤算を生むことになるのです。スローヴィクを崇拝するアバウトア・ウォーボーイニコラス・ホルト演じるタイラーのガールフレンド、マーゴを演じるは24年公開「フェリオサ」を控えるアニャ・テイラー=ジョイ。いやー今回もたまげましたお美しい……いやいやこのマーゴこそが=この世界の中で我々「一般人」目線の唯一のキャラクター、なんであります!?料理に情熱もなくドライで出された品にも「すき」「きらい」とだけしか思わない、だからスローヴィクには非常に“厄介”な客であるマーゴ。いや「ここはお前なんかが来る場所ではない。」と告げるスローヴィク。果たしてスローヴィクの思惑は完成するのか?そしてマーゴは彼にとって「敵か味方か」___?
ぐるなび映画だと思っていたのでさぞ「腹が…減った。」状態になるかと思いきや、料理が斬新すぎて……いやスローヴィクがケチ野郎すぎてクライマックスを除いて美味しそうな料理が全然出な……サンフランシスコの三つ星レストラン「アトリエ・クレン」の有名シェフドミニク・クレン完全監修……あーいついまてぇ〜ん。
やっぱり一周回ってもっともポピュラーで「食べ慣れた」料理?に舌は還るんだなーと(欧米人は)この映画を観て思いましたね。見ている我々「庶民」には、結果的にそれで満足なんですよね?食に金額なんて関係ない。「美味いものが高級だから」はわかるが「高級だから美味い」とは限らない。そう、それはたった9ドルちょっとのチーズバーガーもね……。
これを観終わったらアナタもきっとハンバーガー店に駆け込みたくなるだろう。深夜0時の帰り道に駅中のマックでチーズバーガーを……てサムライマックにしちゃったああああああ!!!!(PS:夜中のハンバーガーとビールはヤバい)そうかこれは大手ハンバーガーチェーンが仕掛けたステマ映画だっt、
【感想(ネタバレ)】
隅っこで一人ワインをグビグビしまくるスローヴィクお母さんなど意外とコメディ要素も多い。スターの助手に「とりあえずお前も死んどけ」は流石に吹いたわ(笑)と言うのも監督はこれまでコメディ映画、演出に長年精通しているマーク・マイロッドという監督だったからですね。小指チョンギッチョンって絶対ヤクザ映画ネタだよな?(注:日本料理は地べたには置きません)迷路のシーンで副料理長がスローヴィクの脚じゃなくてポコ◯ン刺せば100点だったのに(男性嫌悪を見せつけるなら)…いや痛いだろうけどね。ちなみ女性陣に振る舞われた白い液体は絶対アレを連想させるし……あれはあれで女性陣もバカにされてるよね絶対
「料理とそれを作るシェフへの敬意を忘れた客」VS「客への敬意を忘れたシェフ」
ポ◯タテ…ファイッ!!なジョブチューン的映画だった??
つまりシェフとゲストは互いに「ギブ&テイク」のウィンウィン関係じゃなきゃダメだよってことが言いたいこの映画。マーゴはスローヴィクの秘密の自宅で彼の過去を知り、その時の「記憶」を思い起こさせるメニュー=彼の若かれし頃の写真で手にしていたパテ返し(?)を見て彼がハンバーガー店で働いていたことを知り、偉大なる料理人がそのようなファストフード店で働いていた過去の写真を飾っているということは=彼にとって特別な記憶として根付いている?それを復刻させれば彼にあの頃の料理人としての情熱、感動、幸福を与えられるのではないか?(今の彼に足りないものを呼び覚ます作戦)そして彼女のその読みは見事的中し、劇中スローヴィクを“唯一感動させることに成功した客”である彼女だけが「客」として退店することを許された___。
なぜマーゴがそこまでスローヴィクのことを理解出来たのかと言うと、マーゴもスローヴィク同様に客に「奉仕」する側の人間だったからですよね。故に彼女には他の客とは違う待遇を与えるスローヴィク。ほかにも身元を偽り本当の自分をさらけ出せないマーゴット(これすら偽名)が、どこか同じく経営者に管理され自分の作りたい料理を提供できないでいた自分と重なって見えた、という見方も出来ます。
ラストはなんか妙に宗教じみた展開で「ミッドサマー」を連想させる。(白いマシュマロフードが特に…)みんな焼かれて一体化するって完全にゼーレのシナリオ通りやん……
そしてマーゴが遠くの方で燃え盛る店を目に焼き付けながら、海の上でハンバーガーを頬張って幕引きとかサイコーに“美味い”演出だな〜!
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