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ザ・フラッシュ(2023)


【原題】The Flash

【監督】アンディ・ムスキエティ

【出演】エズラ・ミラー サッシャ・カジェ マイケル・シャノンほか

【あらすじ】

地上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンは、そのスピードで時間をも超越し、幼いころに亡くした母と無実の罪を着せられた父を救おうと、過去にさかのぼって歴史を改変してしまう。そして、バリーと母と父が家族3人で幸せに暮らす世界にたどり着くが、その世界にはスーパーマンやワンダーウーマン、アクアマンは存在せず、バットマンは全くの別人になっていた。(映画.COMより)






 
【感想(ネタバレなし)】

『歴史改変アタック』

 



行列の出来るラーメン屋さんのタッチパネル式券売機の前で何にしようかキャッキャ盛り上がりながら一向に決めない女子塊をマルチバースで全員ラーメンの麺にしてすすってやりたいどーもラーチャえだまめです本日はそんなせっかちさんにお届けしたい“世界最速の男”の話をしたいのですがせっかちな私としたことが長らくアップするのが遅れてしまった



【ザ・フラッシュ】!!!とはDCコミックが誇る人気アメコミヒーローで雷と薬品のケミストリーの直撃で“音速のソニック”に化けた男が赤いタイツで今日も駆け巡る日本では映画より先に海外ドラマの方が知名度があるかもしれませんザック・スナイダーワールド全開でなんだか知らんうちに殺し合いから仲直りまで秒で済ませた「バットマンvsスーパーマン」での“チラ見せお披露目会”を経て「ワンダーウーマン」→「ジャスティス・リーグ」→「アクアマン」と来てようやく「フラッシュ」の番まで回ってきた(サイボーグお前は……)ここまで苦節7年(意外とそんな経ってないんか)いやー長かった物語は“スナイダーカット”版でもなくてもどっちでもいい?「ジャスティス・リーグ」後の世界で今やすっかり“ロビン”的な役回りで筋肉団子ベン・アフレック版バットマンのサイドキックとして検視官の仕事の傍ら街の平和を守っていたバリー・アレン=フレッシュでありますがある日勢いに任せて超高速で走っていたところ時空を超え“タイムトラベル”に成功した彼は幼少期にタイムスリップして殺された母親を救おうとするのですが……とここから語るにしてももう公開から2週間以上だった今現在“今更”感は歪めないと言うことで今こうして高速でキーボードを打っております本日はフラッシュになった気分でお楽しみ下さいということで














とりあえず“バットマンファン”の映画だよね?






 




「フラッシュ」映画でありながらその実態は「30年越しの“キートン”バッツ」×「BTF(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」……と見せかけての「バタフライ・エフェクト」と言った感じでしょうか??今作はアメコミ映画でありながらヒーローがいてヴィランがいて……のよくある相関図とは一線を越えるアメコミ映画というより「タイムトラベル映画」としての側面が非常に強いんですねーつまり「SF映画」としてしっかりと作り込まれていて別次元に飛ばされ実家に帰郷したバリーが死んだはずの母親と感動の再開を果たすもふと窓の外に目をやるとそこには目を疑うほどチャランポランタンになった「もう一人の自分」と今まさに鉢合わせになろうとしていた……の件はもう完全に「BTF2」でマーティンが自分の孫を見つけるシーンのオマージュだったりなんなら劇中何度も「BTF」の単語が飛び出しますし



……と言うわけで昨今の「“マルチバース”だからなんでもアリ」と思わせてタイムトラベルものにある一定の「ルール」があるように、マルチバースでありながらも「制約」を敢えて設けることで、物語の無理やり感を抑えより“ドラマチック”な展開に持っていったのも良かったですしこれまで“割愛”されていたフラッシュの“自己紹介”から“2人のフラッシュ”とのイチャイチャやりとりそしてファンお待ちかね89年にティム・バートン×マイケル・キートンで映画化された「バットマン」の参上……ざっとここまで1時間ちょっとですか?しっかり丁寧に順序よく描く上での“2時間半”はむしろ短いと感じましたね。監督はハリウッドデビュー戦「イット」でいきなり長編2部作を見事完走させたアルゼンチンの鬼才アンディ・ムスキエティ。バリーが南米の血を引いている設定は監督のアイディアか?またしても長編ながら手際よくまとめ上げていると思う



反面アメコミ映画だから一応“必要ヴィラン”は出るものの「マン・オブ・スティール」よりカムバックしたゾッド将軍はほぼ空気(演じたマイケル・シャノンもあまりよく思っていないらしい)だし“だいぶ遅れてのスタートダッシュ”な“スーパーガール”はもう少し活躍の場があっても良かったのではと思ってしまうほど今作のみでの登場はあまりにも勿体ない(現在主演女優がワーナー幹部相手に続投を直談判してるらしい)ゾット将軍と「セット感」が強くそのゾットが今回小物だからスーパーガールも……この2人まで描くには流石に尺が足りなかったかフラッシュ?ベン・アフレック版バットマンは百歩譲って空気でもガジェットがカッコいいからいいけど……。



そのほか今作のフラッシュのスーツがちょっと「CG感」が強くて画面から浮いて見えるとか無印版「ジャスティス・リーグ」で丸々出演シーンをカットされるも「スナイダーカット」にて復活したバリーと恋仲となる“アイリス”を演じるカーシー・クレモンズが再び同役を演じるも、コチラもまるでキャラ背景が全くと言っていいほどなく勿体ない等色々思う所はあるのですが____



今作で3度フラッシュを演じるばかりか一人二役で性格の異なるフラッシュを演じ分けたエズラ・ミラーの演技力の高さは疑いようのない事実であり、故に私生活のゴタゴタで“主役不在”の試写会が行われるなど異例の展開&「映画史を塗り替える」だの「DC映画史上“最高傑作”」などと自らハードルをバク上げした結果、今現在も含め興行成績はかなり悪く、映画的にこれは成功と言えるのだろうか…??という厳しい結果なのが勿体ないというかいや半分は身から出た錆なんだろうけど



総監督ジェームズ・ガンによってこれから“心機一転”するDCユニバースとしては“早く断ち切りたい”という意味でも、むしろそれほど痛手ではないのかもしれませんが……。


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