『我が子の“完全なる「飼育」”』
【サクッとレビュー(ネタバレなし)】
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はこちらの作品を拝見させて頂きました
【RUN/ラン】!!!そういえばずっと取りこぼしてたやぁ〜つぅ〜……こーゆーのって一度見るの忘れるとなかなか先延ばして後から掘り返して見るのが億劫になりますよね〜。と言うことで本日ご紹介する作品はコチラ。え、「search/サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督新作だったの!?いやーなんて勿体無いことをしていたんだ……。
生まれつき身体が弱く車椅子生活を送るティーンのクロエの生活はいつも「親身」になって日々の健康管理や食事管理を徹底し学校に行けないクロエの家庭教師としての一面も持つシングルマザーのダイアンの「献身的な支え」の上で成り立っていた……。
はじめは二人三脚で生活する親子の仲睦まじい平和な日常?一瞬本作が「スリラー」であることを忘れてしまう程、穏やかな雰囲気なのですが
ある日クロエは大好きなチョコレートを盗み食いしようと、買い物から帰ってきたダイアンの目を盗んで買い物袋に手を伸ばすも、そこで毎日自分が飲んでいる薬のケースを発見。薬のケースには自分の名前ではなく何故か“母ダイアンの名が記されている”でないか……?と、ここからクロエの母ダイアンに対する「不信感」を徐々に募らせていく。
クロエを演じるは脚本家兼女優として活躍するキーラ・アレン。実生活でも車椅子を使っているということで、車椅子シーンはそりゃ慣れた手つき。そしてめちゃくちゃ迫真の演技を見せております。信頼していたはずの母親の「裏切り」。愛する母が「恐怖の対象」にすり替わる瞬間の、彼女の戦慄の顔。そりゃ母親に「人生否定」みたいなことされちゃ堪らんですよね…??
その母ダイアンを演じたサラ・ポールソンも負けじとすごい形相で顔のインパクトが凄かった。「え、この母ちゃん普通の人なんじゃないの?」……そう思っていると、次第に「過保護ってレベルじゃねえ」タランチュラも逃げ出す「もう毒親」っぷりが徐々に露見していく。またタチが悪いのが「罪の意識が全くない」という点。全ては「愛する娘のため」にやったこと、自分の行いは全て「善意」だと疑わず、一片たりとも間違っていない!!……こうなるともう「どうすることも出来ない」この痛母、改め「サイコパスマザー」の暴走が止まらない!?
チャガンティ監督の本作が長編2本目ながら、方やPC画面と普通のカメラワーク、全く違う作風のようで「事件発覚が家の中」「限定された活動範囲内で事の真相に迫る」そして「身近な“存在”が落とし穴」……前作ではそれが「PC画面の中」内で事件発覚〜結末までを描いたのに対し、本作ではその「身近」な存在=母親が事の発端から結末まで、全てに絡む重要な存在として登場するという意味で共通している部分は感じられました。
無償の愛が招いた悲劇。シャマラン的ツッコミ入れるなら「なんで今まで気づかなかったの?」外的要因じゃないのが少し違和感を感じましたが、なんかストーリー自体はこれが実話と言われても不思議ではないくらいに妙に生々しい。生物の中で一番恐ろしいのは、やはり人間なんですね……しかもそれが“身内”という、一番タチが悪い。
またジャスト90分尺の長さもちょうどいい。ネタを下手に引っ張らず、真相が暴かれるシーンも時間をかけず堂々とネタばらしして、その分の尺を節約しているように見える。だからサクッと見れるお手軽感もありつつ、質の高いサスペンスを楽しめる、良いとこ取りしたかのようなお手頃価格の映画、と言ったところでしょうか??
【サクッとレビュー(ネタバレ)】
薬局に言って母親に飲まされてる薬を問いつめたら返ってきた答えが「イヌの薬」と斜め上すぎる回答じゃ、そりゃ発作くらい起きますよ!?思い返せば自家栽培した野菜も「有農薬」塗れだろうし、ネットを自ら断ち切った翌日に、電話越しにいない通信会社と、さも話していたように猿芝居していた……とも見えないか??割と包み隠さずストレートに「矛盾」を突かれても動じずに棚に上げてクロエを優しく「母の愛」で“捻じ曲げようとする”タチの悪さ。そのダイアンの背中には痛々しい古傷がちらっと映り込みますが、親から虐待を受けて育ったのか。虐待を受けた子どもが成人して自分の子どもにも虐待してしまう負の連鎖を聞いたことがありますが、、、、、ラストはその子どもに逆に薬漬けにされるこれぞ因果応報?
否、あの時はもうクロエはダイアンの“子ども”として登場いないんですよね。何故なら親にとって何よりも一番“辛い”のが我が子の“自殺”。それを愛する娘を追い詰めて“そうさせた”ことは“親ならざる”決定的瞬間であり、子が完全に“親と決別”したシーンでもあるからです…。
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