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サイコ・ゴアマン(2020)


【原題】Psycho Goreman

【監督】スティーブン・コスタンスキ

【出演】ニタ・ジョゼ・ハンナ マックロック クリステン オーウェン・マイヤーほか

【あらすじ】

10歳のルークと8歳のミミの兄妹は、太古から地底に埋められていた“残虐宇宙人”をよみがえらせてしまう。宇宙人には怒りと憎しみの感情しかなく、恐ろしい特殊能力を持っていた。ところが、ミミが謎の宝石を手にしたことから、残虐宇宙人はミミに服従せざるを得なくなり、“サイコ・ゴアマン”と名付けられる。一方、宇宙では復活した残虐宇宙人を抹殺すべく怪人たちが地球に向かうことを決める。(Yahoo!映画より)




 
【感想】

『この娘、凶暴につき』

 




どーもどーも昔金曜ロードショーで「デスノート」が地上波初放送した時にインタビュー映像で藤原竜也が「私はキレイ好きでしてね〜、便座も座ってするんですよ」と語っているその藤原竜也が無精髭姿で言うもんだから全く信じられませんでしたラーチャえだまめです。いやーあの頃はまだ子どもでした、きっと舞台とか映画の撮影で意図的にそのような姿にしていたんでしょうか、子ども心にそんなこと1ミクロも思いませんでした。いや子どもって誠実が故に時に“残酷”ですよねー……今日はそんなことを痛感させられてしまうかもしれない?コチラの映画を拝見させて頂きました



【サイコ・ゴアマン】!!!“PG”ですよ“PG”!!!「Parental Guidance(親の指導・助言)」ってどんなタイトルやねん!!!ちなみに本国でPG12指定(日本ではR−15相当)……いやいやもうタイトルからぶっ飛びクラッシュしているいやーついに拝見することが叶いました、去年日本で劇場公開されずっと見に行こうと決めていたのですがコロナとかその他諸々が重なってなかなか見に行けず……横浜のジャック&ベティが最後の上映会だったかな、その時劇場まで行ったんですよ、もうホントに、喉から手が出るくらい観たかった。でもその時は彼女と同伴。「あのさー、「サイコ・ゴアマン」って映画一緒に見ない?」なんて言えるわけないじゃないですか?人格疑われちゃうじゃないですか?いや100/1の確率で「え〜面白そう!」ってなる可能性もあ……

















いやないです。






結局その日は「元カレと墜落だけは絶対に避けたい件」というパニックものを観ました(いやそのタイトルもどうかと思うが)それから先日のことU−NEXTで配信されてるじゃん!!ということで今回観たんですねー。デップーのキャナダッ!!!でお馴染みカナダの過激映像集団(なんかヤバそう)「アストロン6」のメンバー、スティーブン・コスタンスキという方の作品……いやー私コスタンスキ監督の「ザ・ヴォイド」……ザ・ヴォイドですよ皆さん!?大大大大大大大大大大好きの二乗のもうドンピシャのストレートで「沼」にハマってしまった経緯がありまして、今回そのコスタンスキ監督の最新作、となればもうよだれが止まらなくなって早漏



もともと総額8万円で作った「マンボーグ」とか「ファーザーズデイ」とか低予算がウリの“汚ったない”映画が好きらしいコスタンスキ監督の長編3作目の「ザ・ヴォイド」だけが“まとも”に撮った映画で、それが好きな私にとってはちょっと複雑な気分ですが……最新作の今作もかなりぶっ飛んでいて「“普通の人はまず観ない”」映画だ……とそれが褒め言葉なのかどうかさえわからない否“あとしまつ”さえちゃんとされていれば観る分には問題なさそうですが
















もうーひっどいなコレ(褒め言葉)





 




OPから少女ミミと“その兄”が“仲良く”「クレイジーボール」というカナダで流行ってる謎のゲームで死闘を繰り広げていたらなんか次のシーンで自宅の庭を掘り起こしていて地面から謎の光る宝石見つけて、さらにそこにはかつて宇宙全土を恐怖と破壊の渦に巻き込んだ“最凶の破壊神”が眠っていたという……なんかもう既に書いてて意味がわからない、ただ本編をちょっとだけでもかじれば少なくともこの映画は“真面目に作ろうとか微塵も思っていない集団”が撮った映画なんだな、というのはわかります。「クレイジーボール」ってなんだよドッチボールとちゃうんかい……日本の公式サイト覗いてみ?この映画に関わった人たちってみんな頭パーンなん?もうメチャすぎグロすぎサイコーかよ…!!



徹底的にふざけまくっているこれは「一般人」には到底オヌヌメできない。ツッコミどころがアリストテレスすぎて何から話せばよいのやら……



まずはフィギュア化もされているこの「悪魔」のフォルムですか。見るからに恐ろしい。ヌメッとした質感と“トゲ好き”らしい監督のこだわったデザインが黒ピカリしていると言っていい。よく出来たスーツですねー。なんか90年代の仮面ライダーの怪人みたいな?「ブルースワット」にこんなヤツ出なかったっけ?ほかにも色々気色悪いしかし“モノ好きにはとことんハマる”フォルムのエイリアンたちが出てきます。宇宙評議会?本編で一切説明がないのに一体一体の名前とプロフィールが書かれているDVD初回購入特典の下敷きってまだあるんかなー?全く世界の秩序を守っていなさそうです。あとザコ敵集団とか



日本の特撮ヒーローものに影響を受けてるみたいで「ゼイラム」の雨宮慶太デッサンぽいな〜なんて思いましたね。てかあの機械仕掛けの天使とか雨宮監督の「人造人間キカイダー」のラスボスに似てね?一部日本語喋るヤツも出てくるし、なんだかジャパンリスペクトが感じられて嬉しいですねー。そういえば前作「ザ・ヴォイド」を劇場に観に行った時のこと、エンドクレジットでクラウドファウンディングの出資者の名前がズラズラっと出た時に前の席に座っていた中年カップルが指差して何やら話していて、そのカップルがどうやら出資者だったらしいんだけどほかにもよく見たら日本人の名前をチラホラ発見して、その頃からアストロン5は日本とズブズブな関係だったのか……?



ほかにもミニチュアやストップモーション等低予算だけど持てる技量を全て投入した「特撮愛」が随所に感じられました。グロシーンもその一つで、頭部粉砕に相手のカラダの内蔵を一つずつもぎ取って巨大ソードにするとかグロいけどカッコいい演出等々……子役が一緒に映るシーンがない(各々別撮りしている)のがなんか救いだわ。子役と言えども流石に悪影響出るでしょ……あ、でもゾンビ警官とは一緒に映ってたな。そういやコイツ「マンボーグ」のフェイク予告編に登場したヤツと同一人物なんですか?あとは“チープにならざるものはいっそチープ(=アナログ)に見せて楽しませる”かつて個人レンタルビデオ屋でメジャー映画の横に1本だけ陳列された80年代に撮られたVHS製のSFホラービデオみたいな演出も面白かったですね。



…ちょっと話が逸れました。その身に恥じぬ残忍さと凶暴さ、「最高の敗北とは相手に“喰われること”である」と豪語する(まぁお前は喰われないから事実上の独り言である)戦士としての器もある兄妹達のおかげ(?)で永遠の眠りから覚めて、手始めに廃工場にたむろするヤンキー共を意味もなく血祭りにあげる「T1」のシュワちゃん的スタイルで視聴者に否人類に対して容赦や躊躇など微塵もないことを証明します。しかしその悪魔をも凌駕する存在が他にいたんですねぇ。悪魔を超える者、それすなわち
















「鬼畜」である。






ミミは光る石でこの悪魔を「いともたやすく手懐けられる」ことを知ってしまったのである___!!!そしてそれは悪魔にとって「終わりの見えない“地獄”」を意味するもので…?えーキッズの“玩具”にしてはあまりに危険すぎる手始めに学校のクラスで自慢したいミミは悪魔に“サイコ・ゴアマン”(本当はもっといい名前があるが長ったらしいのでミミが却下)と勝手にそう名付けて翌日からサイコ・ゴアマンを“酷使”し始めたのである…!!!もう完全にリードに繋がれた犬状態、否その犬でさえ時に飼い主を引っ張ったり噛み付いたりラジバンダリするものですがサイコ・ゴアマンは違いました。光る宝石さえ手に入れば…!!このガキどもを今すぐにでも◯してやるのに…!!なんて内心そう思っていてもミミ達の“ワガママ”には付き合わなければなりません。でもそうしている内に徐々に友情が……とか思うじゃないですか?コワモテ言ったって、でも実際子どもたちには無害なんでしょう?って。でもそこもビミョーに違くて石の保持者じゃないキッズに対しては「季節外れのハロウィンコスプレかよ!」と罵声を浴びせられたから即アボーン、ミミの片思い中のイケメンBOYはこんちわぁ〜ス。脳ミソ夫に変えたり……「でもそんなアナタが好きよ♡」なんて軽くキスしてこれまた手懐けようとするミミに比べたらまだマシか?



よくある兄妹ゲンカも一瞬マジでサイコ・ゴアマンに“兄”をキルさせようとしたり、ミミが本編の先っぽからつま先まで「“私”が世界の中心」論を全くもって覆さない教育番組じゃないからこそ出来るキャラクターです。そんなヤバいミミ相手に“ミミの兄”も流石にツッコミ入れざるを得ないかと思いきや「そうだよね。」とたまに自分がミミより格下であることを認めちゃってるシーンもあって、もうそうなるとサイコ・ゴアマンが「お前らマジか」と一番マトモなキャラになってっつう……(泣)



ほかにも「マンボーグ」「ファーザーズデイ」にも出演している常連俳演じる父親が仕事も家事もしないダメダディすぎるのもツボだし(いちいち顔のアップ画すな)反対に宇宙から来た天使の作った大阪のミックスジュースより色々ミックスされた飲み物を何の躊躇もなく飲んでバケモノになる母親とかホント凄いファミリーだよ。彼らにとって“自分たちが助かれば人類滅亡してもそんなに気にならない”体でいるんだもの。全く恐ろしいFAMILYだぜ……。



ホントにミミばりにやりたい放題であります。いいですね。「世間体を気にせずに作りたいものを作る」の集合体のような、そんな映画です。思えば小さい頃に生きたままトンボの羽をもいだりアリの巣にホース突っ込んで水流してゲラゲラ笑いながらアリを殲滅したりして遊んだ経験がある方もいるかもしれない、子どもって時に大人が引くほど残酷になる時あるよね。まさに「悪魔」以上の何者でもない……そんな子どもの残虐性のアンチテー……いやなんでもない



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