ゴーストランドの惨劇(2018)
- ラーチャえだまめ
- 2019年8月25日
- 読了時間: 6分

【原題】Ghostland
【監督】パスカル・ロジェ
【出演】クリスタル・リード テイラー・ヒクソン ミレーヌ・ファルメールほか
【あらすじ】
双子で気ままな姉のヴェラと内気な妹のベスを育ててきたシングルマザーのポリーンは、片田舎にある叔母の家を相続し、娘たちを連れて引っ越す。だが、新居に到着して早々2人組の暴漢が家に侵入し、ポリーンは娘を守ろうと必死に抵抗する。その出来事から16年後、ベスは小説家として成功したが、ヴェラは心を病んでいた。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『“この家では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない___。”』
どーもどーも親知らずを抜きましたラーチャえだまめと申します……只今大変弱っておりますお前ゼノモーフかよってくらいヨダレがすごいです。いや痛くはないんよ一瞬だったし採血で血抜かれた時の精神状態っての?「あぁ……抜かれちゃったぁ…Σ(´∀`;)」みたいな?こりゃトム・ホランドが親知らず抜いて死んだような目になるのも納得であります……

そんな幼少期から大嫌いだった“デンタルクリニックの惨劇”にならなくてまずは一安心……前フリが長くなって大変申し訳ありまセントバーナード……というわけで今日観たのはコチラであります【ゴーストランドの惨劇】!!はいデマシタ“生粋のドS野郎”パスカル・ロジェ監督の新作であります。見たかったんだよねーパスカル・ロジェ監督と言えばハリウッドでもリメイクされた“骨の芯までいたぶられる”「マーターズ」ですよねー。ねぇーホント初めて見た時は軽く監督の人格を疑っちゃいましたよあの映画界の貴公子グザヴィエドラン氏を出た瞬間ショットガンでぶっ放しちゃうんだもの!これぞ“THE残虐非常”!!そんな監督の最新作“「絶望のトリック」”なんてポスターに書かれていたのでまぁ今回も世界残虐劇場でもやってるのかなーと思いきや

いやいやいやこれはもしかしたら“トラウマタイム”で言ったら“「マーターズ」超え”してんじゃねえの!?もうヒロインたちのひたすらな“悲鳴”。そうじゃなくっちゃ!!“スクリーミング・ホラー”というホラー映画のマニュアルをきっちりと守られているのにも好感が持てますが、笑っちゃうよね!!ココまで“振り切って”やってくれちゃったらもうホラーヲタにはサイコホラーで“サイコー”かもしれません??
とりあえず「えー暑いからホラー映画見ようよ」なんて調子乗ったカップルが“涼みに行くような映画ではない”事をまずココで断言します。もしくはもう別れたくて別れたくて仕方がないどちらかが相方に“トラウマを植え付けたい”というカップル限定でございます!!即ちもし見れるかどうか不安だな、という方にはまず前作「マーターズ」をご視聴して己の耐久度を測って大丈夫そうだったらご鑑賞されたほうが良いのではないかとも思ってしまいました。まぁそれくらい

“救いがない”
“ゴーストランド”……というタイトルから勝手にゴシックホラーのようなイメージを持っていたんですが全然違うんでございまして人里離れた祖母の家に越してきたシングルマザーと2人の姉妹に訪れた“悲劇”。16年後その事件を元にしてラヴクラフトオタの妹のベスが書いた小説“ゴーストランドの惨劇”が大ヒット。悲劇のヒロインから成功者としての人生を歩むベスと正反対に事件の精神的ショックにより未だに苦しみ続ける姉のベラ。そこへ“終わったはず”の惨劇が再び訪れる。。。。
まあ“トリック”というか、「お、おやぁ?」という本作にはそんな“ある仕掛け”があるんですねー。結構見入っていると突然ん??ってなるかもしれません。そしてその“トリック”こそが“惨劇がまだ終わっていない事を示す”重要な要素にもなってくるんですねー。

ブキミーなお人形さんがゲラゲラポッポするおっかなびっくり要素もありますがオカルト的なホラーではなくて一周回ってやっぱり“人間が一番怖いよね”ってヤツですww
16年後のベラを演じるのは「死霊館」のジェームズ・ワンさん制作の異色のDCドラマ「スワンプシング」でヒロインを演じるクリスタル・リード。もうベスとベラ、美人姉妹の顔面がボッコボコでございますサーターアンダギーみたいに腫れちゃって本当に容赦がありません!!一回りも二回りも違う巨体の男に何度も顔面を殴られたり壁に叩きつけられたりするようなシーンがフツーにございます故そこに嫌悪感を抱かずにはいられません。しかしそれこそが本作の“ウソップの思うツボ”なんでございます。“嫌悪感”、全てはこの為に作られたと言っても過言ではない!?“永遠に終わらない恐怖”という意味では、本作は上位に食い込むであろう超Sっ子、いや“超マゾっ子ホラーの怪作”と言ってもイイでしょう!!!
【感想(ネタバレ)】
ザック・スナイダー監督の「エンジェルウォーズ」みたいに直視できない程の“残酷過ぎる現実”から“現実逃避”して逃げ続けていたのは実は姉のベラではなく妹のベスの方だった……という、確かに成人したベラをなんでよりによって家に閉じ込めるのかとか、どー考えてもホスピタルの方がええやろ…と疑問には思っていたのですが、そーゆうことだったんですねはいはい。でもラストはいつまでも自分だけ苦しみから逃げ続けちゃいかない!同じく現実で苦しみ続けている姉を救うため自ら“殻を突き破り”現実を直視する事を決意するベス!!そこに女性の強さとか女の友情みたいなテーマ性はそこまでないのかもしれないけど嫌でも辛い現実に向き合う姿勢!!立ち向かう姿勢!!二人が担架で救い出される場面でマインドの底から「お、おつかれちゃーん」と勝手に言っていましたねッ!!けどもし最後ポリ公が助けにこなかったらと考えてしまうと……2人の苦しみは永遠だったかもしれないって事ですか?

ちなみに生理的に無理度がすごいリアル“ボー”ちゃんの巨漢の男を演じたロブ・アーチャーって俳優兼スタントマンの人の写真見たらめっちゃキン肉モリモリでした(笑)役者ってホントにスゴイよね……。ほかにもママン役のちょっとカツラっぽいミレーヌ・ファルメールって女優じゃなくて有名なアーティストだったんですねー。
なんか言うほど“双子である必要性”が感じられなかったかなー。もっと“ツインズ”というキーワードが光る作品かと思っていたのですが。もし意味があるとするならば、おそらく犯人サイドも“双子”でどっちが兄で弟かは知らねーけども、犯人は人形と人の区別がつかなくなっても現実に戻すわけではなくそのまま妄想の中に留まらせているのに対し、逆に妄想に囚われるベスをベラが現実に引き戻そうとしたその対比?妄想癖とキチガイは紙一重ってことですか?(笑)まぁしかし最近ファンタジーに手を出し始めたイーライ・ロスに代わり“次世代残虐王候補”に勝手に入れておりますパスカル・ロジェ監督のさらなるドイヒー映画に今後も期待したいですねッ!!
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