【原題】Godzilla vs. Kong
【監督】アダム・ウィンガード
【出演】アレクサンダー・スカルスガルドミリー・ボビー・ブラウン レベッカ・ホールほか
【あらすじ】
モンスターたちの戦いの後、特務機関モナークが巨大怪獣(タイタン)の故郷(ルーツ)の手掛かりを探る中、深海からゴジラが再び現れる。世界の危機を前にゴジラが暴れまわる原因を見いだせない人類は、キングコングを髑髏島(スカルアイランド)から連れ出し、ゴジラと対決させようとする。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】
『怖いパイセンに目をつけられた史上最もツイてないサル』
どーもどーも友人イチオシのVSシリーズは「ダイナクロコvsスーパーゲイター」だそうですラーチャえだまめです。というわけでついに、ついに1年、否日本だけ1年以上公開を先延ばしにされた地球上の生命体が固唾を呑んで待ちわびた食物連鎖の頂点を決める“世紀の一戦”がついにココ日本でも繰り広げられてしまった【ゴジラVSコング】!!!いやぁ〜予告編見てビックリですよまさかジョイマンが海外進出したかと思ってしまっ……2014年のマグロ好きジラはなかったことにされリヴ−ト版「ゴジラ」から始まった「モンスターバース」企画……ネタ付きハリウッd……ワーナーとレジェンダリーピクチャーズが“KAIJU”映画を復興させようと今流行のクロスオーバー作品(ダークユニバース…汗)を企画し日本でお馴染みゴジラとアメリカを代表するキングコングを最終的に大乱闘させちゃおうという、62年制作の日米合作映画「キングコング対ゴジラ」を現代で再戦させちゃおうじゃないか、と言うわけで着々と話が進みだしたわけなんでありまして、手始めにピーター・ジャクソン版より一回りも巨大化させた「キングコング: 髑髏島の巨神」……要はゴジラと戦えるように品種改良されたコングです。そして続く「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」でゴジラ相手に世界各国から呼ばれて飛び出た“肩慣らし要因”たちがゴジラに無謀にも戦いを挑んだわけですが
テラ(地球)の番長、降臨。
これで全世界の怪獣が“彼”にひれ伏した……かに思われていたが?外界の怪獣総選挙など目もくれず数百年間呑気に髑髏島で“王者”を名乗っていたコングについに怪獣界の番長自ら「てめぇー何小さな島の中だけで王者名乗ってんだよー!!!」と喧嘩を吹っかけてきたのかもしれない「ゴジラVSコング」!!チケット購入してから気づきました、あれ久しブリケツなIMAX3Dじゃないですか〜。いや3Dじゃなくても良かったのにな〜とか鑑賞前は思っていたんですよ!!
コレ3Dが断然オヌヌメです。
■シリーズ随一の「アトラクション」映画!?&天下分け目の三番勝負!?
監督は「V/H/S シンドローム」「サプライズ」「ブレア・ウィッチ」と低予算ものからメジャー級まで着々と足を伸ばしてきたホラー畑出身のアダム・ウィンガード監督。モンスターバースの大トリか……大丈夫かなぁ……?「ブレア・ウィッチ」の出来の悪さと日本愛が強すぎてワケわからんくなって脚本が破滅したと勝手に思い込んだハリウッド版「デスノート」の監督ですからね……公開前にSNSニュースで彼の名を見るたびにちょっと持ち上げすぎなんじゃないかな〜とか思ってたんですよ。でも前回ご紹介した「サプライズ」が低予算ながら毎度彼の“デビュー作”として語り継がれる理由がちょっとわかるくらいにはなかなか面白くて見方が少し変わったんですよね。ちなみに日本を除く世界ではもうすでにディスク化までされSNSやYouTubeで“ネタバレ”動画や画像が大量投下、ウィンガード監督が仕掛けた今作一番の“サプライズ”がネタバレされまくった結果日本ではもはや全然サプライズじゃなくってしまっているという悲しい現実も乗り越え
いやーOPがもう大晦日の格闘技祭り並にデーハーのデーハーで……カタカナで「ゴジラ」そして「コング」ではなく「キングコング」とちゃんと表記されている所に並々ならぬ“日本愛”を早速感じてしまいましたですねー!!
前作「キングオブ〜」ではとにかく対戦相手が多かった。ラドンモスラにキングギドラ……まさに“大怪獣総攻撃”祭りだったのが、今回ではゴジラとコングの2対のみ。おいおいちょっと物足りないんじゃないのー?そうですよね、怪獣映画にそこまで詳しくない方なら画的にはちょっと地味ーヘンドリックスな戦いかもしれません。ですが予告編でコングがコジラに豪快な顔面パンチを食らわした「光景」が、往年の怪獣ファンの方からすれば、もう飛び跳ねるレベルで感極まってしまうわけで!?あのコングが!?ゴジラと!?ホントにやりあってるよ!?これはまさにバットマンとスーパーマン、いやアイアンマンとキャプテンアメリカ、いやいやエイリアンVSプレデターにフレディVSジェイソンに匹敵する「夢に見たスター対決」なのです!!しかも対戦相手のネームバリューだけに頼っていない!!コイツら何回戦もやるんですよ!!人類はもういい迷惑ですよ!?だから何度も見ごたえあるバトルが展開されてしまう
で「3Dでオヌヌメする」理由。勿論“巨大”怪獣バトルの迫力を目一杯感じる上での3Dは鉄板……そう言うだけでも十分伝わるかとは思いますが、視点がけっこうグルグル……目まぐるしく変わるといいますかカメラアングルの移り変わりが激しいといいますか、地味に乗り物視点が多くてアトラクション感覚で楽しめるシーンが多いんですよね。それ以外にも明らかに奥行きを意識して撮ってるなコレ、というシーンもありまして、そーゆー意味でも3Dがオヌヌメなんですよね!!
■飼いならされたサルVSとにかく暴れる怪獣くん&“ドラマ”はないが一応ニンゲンもいる
ゴジラVSコング、気になる勝敗の行方は…?LIVEじゃないからってニュースで試合の結果だけ知らされるなんてつまらんことはしませんが、これは言っていいよね?今作の主役はズバリ
早く家に帰りたいコングです
まあ作品数的にも?ゴジラはもう同タイトルで2作ありますし?「髑髏島」に続き今作でコングをメインにすれば作品数的にも五分五分になる……。そのコングですが前作「キングオブ〜」で生態系の頂点に君臨したゴジラが己の「最強」を自負する上で?まだまだ残る“ザコ”たちを討伐しないと腹の虫が収まらんと動き出した「怪獣巡業」にコングがばったり遭遇でもしちゃって、類人猿代表として我々人類に親しみをもってくれていると過程しゴジラから我々を助けてくれるかもしれない、その希望のホープをゴジラに倒されては人類の助かる見込みがない踏んだ秘密結社「モナーク」の手により極秘に髑髏島から“保護区”に強制移動させられていたとは。島の暮らしとそっくり同じに作られたバーチャル空間で退屈な日々を送るコング……「髑髏島」でのイケメンゴリラはどこ吹く風のなんだか完全に「モナーク」の“飼い犬”じゃない……
でもコングと手話で会話できる少女との絆を深めたり、コングの“故郷”が登場したりと、これまでゴジラについての歴史は語られることはありましたが、今作ではコングの知られざるヒストリーをフィーチャーしているんですねー。そんな主役コングを支える人間サイドのNEWキャラクターにコングとは旧知の仲のターザン野郎アレクサンダー・スカルスガルドに細田守監督の「未来のミライ」の英語版で吹き替えを担当していたレベッカ・ホール、さらにどう見ても科学者に見えない今勢いに乗るメキシコ人女優エイザ・ゴンザレスに「デップー2」のジュリアン・デニソン……さらにさらにミリー・ボビー・ブラウンにカイル・チャンドラーという前作キャストも続投という脇を固めるキャストの多さもハリウッドで今シリーズが支持されているのが伺える、そして日本から世界のケン・ワタナベから“シュン・オグリ”にバトンタッチと……とっても豪華すぎる怪獣映画となっております。そしてコロナ化での今作の世界的ヒットを受け当初3部作構成だった「モンスターバース」をさらなるステージ……“次回作”の話も進行中とのことで??アダム・ウィンガード監督が次もまたメガホンを撮る気マンマンのようで……こうなったらもうパシリムとサメも戦わせちゃうぜレジェンダリーさん
【感想(ネタバレ)】
いやー前作「キングオブ〜」でも怪獣たちの裏でなんちゃって環境テロリストの母ちゃんと父ちゃんによる地球存亡をかけた仁義なき夫婦ゲンカが勃発してしまうというトンデモ展開でありましたが、今作もまた脚本が……勿論“反重力”原理がよくわからないスペースシップの物理的ありえねー設定とかはSFなので目をつぶりますが、ストーリーが……パッと出したスーパーマンが気に入らないバットマンが殴り合いの最中にドゥームズデイが現れたから“敵の敵は味方”理論にすり替えて散々殺し合いした後で共闘する「バットマンVSスーパーマン」とほぼおんなじやないか!!否この展開はあまりにVSシリーズに共通する展開。ホントものの見事に予想通りといいますか…。しかも公開前からずっとネタバレされ続けてた“メカゴジラ”ですが、私てっきり海上で現れたのがそっくりそのままゴジラの気ぐるみ着たメカゴジラだと思っていたんですよね。人類の敵になったのはそのメカゴジラの方で、コングもはじめメカゴジラとは知らずに戦っていて……みたいな?でそのあとご本人登場からのやっぱりゴジラは悪いやつじゃないって誤解も解けて……て全然違いましたね。てかメカゴジラって主人公が乗る機体だとばっかり思ってました。「レディプレ」以降悪役の乗り物だとアッチでは認識されたとか?なんかエラく超合金型というかしっぽとか腕とかやたらキュイイイイン!!しまくりじゃね?
あれつーかなんでゴジラはあんなにブチギレてたんだっけ?人類に対してはメカゴジラ製造にキレて攻撃したのはわかるのですがコングは……「お前調子乗んなよ」ってやっぱりそーゆーことなの!?
どーしても許せないのは小栗旬ですよ!!“ミスター・セリザワ”と前作で命を投げ売ってゴジラを救ったケン・ワタナベ演じる芹沢博士の実息子として登場した小栗こと“レン・セリザワ”が、そのお父さんの意思とは真逆の存在として!?ゴジラに敵対するどころか完全に悪役に加担しちまってるとはよ!!これでは前作で親父が死んだ意味も薄れてしまうし、ただの小悪党の一人としての登場なら“セリザワ”の名前すら使ってほしくなかった……とりあえず前作のキャラに繋がるヤツを出したかっただけ、のように思えて仕方がない
オーガズム感じてる場合じゃなくて
まさか念願のハリウッドデビュー作でずっと白目むく役だったとはご本人も思っていなかったんじゃないですかね。メカゴジラとシンクロ?エヴァか「パシフィック・リム」的なのがしたかったのでしょうか。まぁその「パシリム2」が前作から日本人キャストを早々に退場させ代わりに中華俳優を起用しまくった完全にチャイニーズ映画に成り下がっていたのに比べれば?今作は同じ中華レジェンダリー作品の中でもまだマシな方なのかもしれませんが
「キングオブ〜」で流れたゴジラのテーマ曲も今作では再び封印……著作権の問題なのか、いや東宝が制作しているからそれはないだろうとも思ってしまいますが、こう言っちゃあなんですが今作を見て前作「キングオブ〜」がハリウッドの異例すぎるほどの贅沢極まりない「日本接待映画」だったんだなぁ、ENDロールのケツの穴まで日本リスペクトしてくれた前作のマイケル・ドハディ監督の「日本愛」が爆発していた映画だったんだぁ、そう思ってしまうわけですよ。
今作のアダム・ウィンガード監督だってハリウッド版「デスノート」やるくらい日本のカルチャーを愛してくれている監督だとは思います。ですが、これはきっとウィンガード監督だけのチカラではどうすることも出来なかったのかもしれませんがゴジラとコングのラストバトルフィールドが香港だと知った途端「ああ、やっぱりか」とそう思ってしまうのはやはり悲しい所でございます。
前作から続投したカイル・チャンドラー(ピータージャクソン版「キングコング」にも出演経験あり。本作で唯一2大怪獣映画に出演)にミリー・ボビー・ブラウンは物語の進行役としての役割ですが今作ではあまりゴジラと接点がないといいますか、まぁ先にも言った本作は「コング主人公」ですので、ゴジラサイドの人間はあまり……言ってしまえばゴジラの抱き合わせで出演しただけみたいな感じが拭えない。でコングさん結局最後は「人間に飼われる」道を選ぶのね……そりゃゴジラパイセンがキレるわけだよ!!ENDロールにヴァンゲリスみたいな曲流したり最後までチグハグ感は歪めませんでしたが
しかしゴジラvsコング、「勝敗をはっきりさせる」とウィンガード監督が明言していた意味がようやくわかりました。「勝敗をはっきりさせる=どちらかが死ぬ」に結び付けなかった所はホントに良かった。いやちょっと心配だったんですよね。安っぽくなるんじゃないかと。「上下関係をはっきりさせる」って意味だったんですね。2大とも愛されキャラですから扱いには相当な苦労があったはず。今回の勝敗はその意味では非常によかった「試合」だったな、と思いましたですね。邪魔者がいなくなり「センパイ……まだまだやれますよぉ!!」とわざわざ武器まで捨てて拳と拳でどちらかが朽ち果てるまで闘う事も厭わない覚悟を決めたコングに背を向け「お前じゃ無理だよ…」な顔しながら去っていく番長ゴジラ
♫〜♫〜(脳内で「Get Wild」が流れる瞬間)
顔よ顔!!いやぁ〜「主人公が超えられない壁」化したゴジラとかカッコよすぎでしょ!!兄貴分過ぎるでしょ!!!怪獣の世界は人間以上に「縦社会だった」……クローズアップ怪獣、今晩はこのへんでお別れです。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……。
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