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グリーン・ナイト(2022)


【原題】The Green Knight

【監督】デヴィッド・ロウリー

【出演】 デーヴ・パテール アリシア・ヴィキャンデル ジョエル・エドガートンほか

【あらすじ】

アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、正式な騎士になれぬまま怠惰な毎日を送っていた。クリスマスの日、円卓の騎士が集う王の宴に異様な風貌をした緑の騎士が現れ、恐ろしい首切りゲームを持ちかける。挑発に乗ったガウェインは緑の騎士の首を斬り落とすが、騎士は転がった首を自身の手で拾い上げ、ガウェインに1年後の再会を言い渡して去っていく。ガウェインはその約束を果たすべく、未知なる世界へと旅に出る。(映画.COMより)



 
【感想(ネタバレなし)】

『クリスマスは“首刈りゲーム”で決まりです。』

 




どーもどーも先日電車に乗ったら前・右・左の魔のカップルトライアングルに挟まれましたラーチャえだまめです。本日はそんなクゥ〜リスマスが今年もやぁってくるぅ〜♫の魔のリズムに合わせて“クリスマス強化月間”と題し街中では華やかムードいっぱいおっp……しかしそう安々と受け入れがたい現実に突きつけられる同士もそう少なくはないであろう!?……全く話がズレましたが本日は一国の主たる血を受け継ぎし“次期”勇者の期待と己の初期ステータスの低さの板挟みに苦しみながらも成長する青年の物語を描いた、今何かと話題の「A24スタジオがファンタジー作ったらこうなった」A24スタジオからプレゼントフォーユー



【グリーン・ナイト】!!!カレーではございません実はかなり前に拝見していたのですが色々諸事情が重なりUPしそびれてしまった所存……なんて月日が経ってみればクリスマスの時期と丸かぶり、ということである意味“クリスマス映画”として紹介しても良いのではないか…!?皆さんお楽しみのクリスマスで集まって何するんですかね、ババ抜きですかスプラトゥーンですか?……いやいやそれよりもって盛り上がる“ゲーム”をしようじゃないかと有栖良平もアップをはじめました














「“クリスマス・ゲーム”をしようじゃないか。」






 




「後味の悪さ、保証します」の社訓でお馴染み先日「MEN」でも大変お世話になりましたメーン……否人によっては今年一番お世話になったスタジオかもしれない“A24スタジオ”のファンタジー……ショーパレ乱入事件より夢の国なんてもんじゃない「ダークファンタジー」なのは予告からなんとなく察しましたが



先に話しておくと本作は14世紀に詠まれた“作者不明”の「サー・ガウェインと緑の騎士」という2500文字からなる“詩”___勘の鋭い方はこの“ガウェイン”の名を聞いてエクスカリバァー!!!!を抜いてしまうかもしれないガウェインとは伝説のアーサー王の甥にあたる人物で、いわばこれまで何度も映像化されてきた作品を?全く異なるアプローチ、新たな解釈で再構築したのが本作なのです。そしてこの取り組みがですね














中世×現代的演出のハイブリット






そう!今日はこれが言いたかったの!!!いやーこれはなかなかどーしてファンタジーは普段あまり観ないウィロー、あいやヤロウな方ほどむしろクリーンヒットするんじゃないかと??中世ファンタジーなのに「古臭くない。」OPから斬新なカメラワーク、BGMと「今風」な演出というスタイリッシュさ。いや“現代アート”のような……(知らんけど)特に「陰影の表現が神すぎる。」これが「独自な世界観」を構築していて、そして物語はとっても暗くて「現実的」。ただのダークファンタジーと呼ぶには不向きな、これがA24節のファンタジー映画だというのか…!?



今年もやって参りましたキリスト降誕を祝うクリスマスの朝、店舗型ヘルスで目覚めたガウェインはそのことを母に咎められるが右から左へ受け流し偉大なる王アーサー王の宴に参加する。そこでアーサー王から「なんかプレゼントちょうだい」とひな壇面白トークを求められ「私はあっちゃんのように人に自慢できる武勇伝などございません…。」と王を囲む歴戦の勇者たちを眺めながらこれまでなんて平凡でていたらくな人生を歩んできたのだろう……と己の生き様を恥じていたところへ何の因果か突如宴に乱入する馬に跨る見知らぬ緑の騎士が1人……



騎士は口を開いた「この中で“首刈りゲーム”をする勇者はおらぬか」と……デデン!説明しよう!!「首刈りゲーム」とはクリスマスに緑の騎士の首を落とした者はその功績を讃えられ「勇者」の称号を得る代わりに、その一年後に今度は緑の騎士のもとを訪れ騎士に自らの首を差し出さなくてはならない……















それって「ゲーム」って言うんですかああああああ!?






しかしガウェインはその時悟った「ここで名乗り上げればオレも夢の勇者に…?」アーサー王から剣を拝借し首を垂れる騎士の首めがけ渾身の力で剣を振りかざす。















HAHAHA!!バカめ!!!












HAHAHAHAHAHAHAHA…!!!












HAHAHAHAHAHAHAHA…!!!






…というワケで見事緑の騎士の術中にハマったガウェイン!!さあどうする!?…なんて言う暇もなく1年後、騎士の元へ自らの首を差し出す度に出るのであった…。



首なし騎士なんてお前はスリーピーホロウかい!ほかにも巨人のドシンは出るわ喋る生首にゴンギツネさんに流石にファンタジーしまくりの世界観ですが「規模感」もまた広げ過ぎず狭め過ぎずな塩梅?イングランドの広大な山々や湿地帯などデカいもの×森に佇む一軒家や川をつたっていくと見えてくる騎士の住処のコンパクト感がなんともちょうど良い。



いやー全体的に抽象的かつ説明不足感があってはっきり言うと「かなり難しい」部類の映画であります。しかしそれは言い換えれば、たった数千文字だけで表現された「詩」の中の世界というのは、読者が想像力次第でいくらでも膨らまることが可能であって、その詩の持つ「自由度の高さ」を実写化にあたり継承しているせいではないか?14世紀から現代までいまだに詠み親しまれてるって、その時代時代で読者が独自の解釈をしたり考察を巡らせる余地があるからなんじゃないかと。つまり本作も同様に視聴者が各々解釈すれば良いというスタンスで撮られている?そう考えると本作は途端に様々な解釈ができる「自由度の高い映画」と言えるのではないか…そう思ったのです。



あと色々難しいこと言ったけど根底にあるのは、やってることはどこぞのラノベか一昔前のジャンプ漫画の主人公みたいな「超王道勇者系」です。とにかく序盤のガウェインはヘタレです。全然勇者ってツラじゃない。どちらかと言えば我々視聴者サイドというか、とっても人間臭いキャラなんですよね。だから何度も失敗するし上手くいかない。でもそこからどうやって彼が「勇者の器」になるか、いや結局最後まで人間臭く生きようとするのか、いやいやそもそも「勇者の器」って、そんな命をかけて守り続けるものなのか…?伝承の悪いクセみたいなものまで皮肉っている感も歪めない。それをメチャクチャ難しく見せているだけというか、むしろ「なろう系」よく読む人とかはすんなり理解できるかもしれませんよ?



子ども向け映画か……と期待せずにたまたま見たディズニー映画「ピートと秘密の友達」が「悪人のいないラストもグッと来るいいカール・アーバン映画」だったのがいまだに記憶に新しい監督は「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」「さらば愛しきアウトロー」のデヴィッド・ロウリー。いやー処女作から随分と作風が変わった監督の一人ね……否「本性開眼」と言った方が正しいか。ちなみにピートと緑の騎士は遠い親戚という設定らしい(公式設定)



キャストは首刈に「ファイナルアンサー」してしまうガウェインにデーヴ・パテール、その恋人役にアリシア・ヴィキャンデル姉さんにジョエル・エドガートンがドラマシリーズの「ゲスト」的な扱いで出演、というガウェインの脇を固める俳優陣がとにかく豪華&過去A24でも強烈なインパクトを残したクセの強い俳優なんでありまして〜、独特な声で一発的中も夢じゃないVFXではなく特殊メイクで緑の騎士を演じたラルフ・アイネソンとガウェインの祖母役ケイト・ディッキーは「ウィッチ」で夫婦役を演じた仲だし、道端で出会う盗賊というちょい役ながら流石の存在感だったバリー・コーガンは「鹿殺し」で一躍売れっ子になったのは記憶に新しい。



あまりの意味アリストテレスな謎要素が多すぎてついついパンフレットを買ったのはいいが、そこそこ根が張ると思えば14世紀料理のレシピ本も兼ねてるのかよ!!(作りたい方は是非…)


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