クライモリ(2021)
- ラーチャえだまめ
- 2021年10月20日
- 読了時間: 7分

【原題】Wrong Turn
【監督】マイク・P・ネルソン
【出演】シャルロット・ヴェガ マシュー・モディーン デイジー・ヘッドほか
【あらすじ】
アパラチア山脈の自然歩道でキャンプを楽しもうと、バージニア州の小さな町レンウッドを訪れたジェン(シャルロッテ・ベガ)たち。モーテルの主人に道から外れるなと忠告されるが、森の奥深くに入って迷子になってしまう。道に戻れずに言い争っていると山上から倒木が転がり落ちてきて、仲間の一人に直撃し、彼は命を落とす。周囲がわなだらけであることに気づいた一行の前に、鹿の頭蓋骨をかぶった集団が現れる。彼らの攻撃をかいくぐりながら森からの脱出に挑むが、ジェンが生け捕りにされてしまう。(Yahoo!映画より)
【感動(ネタバレなし)】

『結論:トイレに行く際は必ず一声かけてから行くべし』
どーもどーもラーチャえだまめですッ!!早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【クライモリ】リヴートver…!!!!いやー、森なんて大体クライ、いやいや何をトチ狂ったのか俺のターンッ!!ならぬ「間違ったターン」を当時の和英辞典で引いたら「クライモリ」だったのかは定かではありせんが、結果的にタイトルのインパクト&ブーム寸前の若干の「カニバリズム」要素が功を奏したのか!?私の同世代的にはシゲキックス欲した10代の若者を中心に「ねぇねぇ、クライモリって言うヤバい映画知ってる…?」と校内で囁かれたようないないような
かのスティーヴン・キングも公開当時「オレ的年間ベスト1」と豪語した、そんなシリーズ化もされたミレニアム世代にはあまりにも有名な2003年製作の「クライモリ」が?ゲームセンターCX的に言う「今年からプレ2ゲームもレトロゲーに加える宣言」レベルの「あーもうそんな前なのか……」と残酷な時の流れさえも痛感させられる「リヴート」に餌食にされてしまいました??

今年の流行語大賞決定
いやー、まーた過去に流行ったB級ホラーを何十年後に監督とキャストを入れ替えただけの安直な「焼き回し」するお得意の戦法か〜なんて大した期待もせずに今回見に行かせて頂いたわけなのですがな、ナンテコッタパンダ子パンダ

「アナタ、ダレデスカ」映画じゃん
予告編では「オリジンよりかなり刺激強め」を強調していて、森の中で車がパンクして立ち往生した若者たちが?生い茂る森の中に……でもって誰だ仕掛けたか知らない“トラップ”にハマって……なんて流れまで一緒っぽい単純にオリジンの現代風強化版みたいなイメージだったのですがフタを開ければなんですかコレ「森の中で迷った先がシャマラン映画でした」ってかぁ!?いやーこれはですね、2003年版「クライモリ」からさらに「間違ったターン」してしまった、と見るか、あるいは

全くの「別もの」だが、それを全く考慮しなければ「オリジン超え」の数少ない映画なのではないか?
と見るか……非常に賛否両論アリストテレスな映画、かもしれませんねぇー。
ぶっちゃると「カニバリズム」要素なんてないんですよね。もっと言うと「ヒルズハブアイズ」みたいな倫理的にご法度的な“奇形”人間や「ハチェット」のヴィクター・クロウリーみたいな顔面男梅みたいな気色悪い殺人鬼も登場しません!!ええー!?どゆことー!?ですよね皆さん。まぁ確かに?今は亡きスタン・ウィンストンが手掛けた特殊メイクがもう拝めないとならば?似たような作品がゴロゴロある現代社会でいくらリヴートとは言え飽きられるのを危惧していっそ大胆不敵な路線変更を……という思考回路なのかもしれません。いやしかし本当にオリジンとは随分と“かけ離れた”作品になっているんですよね。

ただ、オリジンで脚本を務めた人が今作でも脚本を書いております。ですのでオリジンの“マインド”的なものは受け継がれている?先に上げたビジュアルの変更はあれど「“現代社会”から逸脱した者が実はアメリカの深い森の中に今もなお存続して、地元ではそれを見てみぬふりをしている」という設定自体は本作では生かされておりました。
オリジンが何禁なのかは知りませんが本作は“15禁”ということで、オリジンよりは酷い死に様を拝めます。キャストも若手が多いのでそのへんは臆することなくガンガンやっております。ただこれも“気色悪い殺人鬼の不在”により、そこまでインパクトのあるようなものではなかったかなー。
そして本作の最大の変更点、ゲイのカップルが登場するとかポリコレの他にも、今の時代に「配慮した」テーマ性というのがあるんですよね。それがつまり「気色悪い殺人鬼の不在」に繋がってくるのですよ。

「人を見た目で判断するな」「社会の“公平性とは?”」そんな壮大なテーマを?この「クライモリ」にブチ込んでしまっているんですねー。だってオリジンであんな醜い化け物たちを登場させといてですよ?そのリヴート作品が「そんなヤツらを差別するな」て言ってるんですよ?どの口が言ってんだって話じゃないですか!!でもそこが面白いですよね。ほかにも、例えばオリジンでもやっていた「ホラー映画のヒロインは白いタンクトップを着て肌の露出が多め」というあるあるネタを意図的に封印していたり、ちょっとそのへんの社会性の変化を要素に取り入れる感じとか、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」やジョーダン・ピール作品にも通じるところがあるんじゃないかなー?
時代の変化と共に“必然的”に変化をさせた(あるいは外野からそう“させなければならなかった”)「令和版クライモリ」と考えればこれもこれでアリ?私個人的にはこの変化は大いにアリ。しかし、それをもともと“ごっつB級ホラー”なオリジンで変な風刺なんて入れて「それをやる必要があったのか?」別にそれを「クライモリ」でやる必要が?別の映画ないしは新タイトルでやればよかったんじゃない?そう言われてしまうとこれまたぐうのねも出ないんですよね…。
“「クライモリ」というタイトルの是非”ここが評価の分かれ目だと思います。ただ、だからと言ってそんな新しい時代に沿ったホラー映画にしよう……ばかりの映画、というわけでもなく?例えば“マンソンファミリー”のような60〜70年代にあったカルト教団の洗脳を含む“逃れられない恐怖”も描いているんですよね。急に70年代っぽい雰囲気で流れるエンドロール等、最後の最後までわりと“落ち着かず”に楽しませてくれる、全く期待しないで観たのが非常に良かったかもしれません。いやー面白かったかなー。
【感想(ネタバレ)】
よくいるじゃないですか。本当は親子の関係性なのに終始外野にいっぱなしで実際キャストと共演するシーンがほとんどないみたいな?今作のマシュー・モディーンがまさにそんな感じのキャスティングだと思ったんですけどねー。後半ガンガン娘さん救出しに行くし。いやそれで良かったんですよ。109分なんですかコレ?なんかすんごく長く感じたんですけど。

前半の娘さんパート後半はオヤジパートと見事に二分割されていましたね。前半の若者たちはまぁその……ただの犠牲者です。森の中で勝手に爆誕した「新国家」の民たちに為す術もなく屈していた娘が、6ヶ月後にコスプレした村の村長の妻として君臨し弓の使い手にもなっているという激変っぷりも面白かったです。そのサイコパスでもある村長役の人がさ、ずっと森の中生活してる割にそこそこ端正な顔立ちしているのが、藤岡弘探検隊が発見したジャングルの村人が普段はスマホ持ちの都会人だったレベルの違和感でしたね。ラストの親子のお宅訪問した際に服装だけじゃなく顔も小綺麗になっていたら、そのギャップが欲しかった。
仲間を殺され死刑宣告出したあとに「役割」を主張され、娘とカレシだけ仲間にウェルカムしちゃう、ちょっと無理があるくらい優しさがあるところから本当に「彼らは決して悪い集団ではなかったんだな。」森という彼らのテリトリーさえ荒らさなければ、街に降りてきて悪さするわけでもないし?近寄らなければ実は全く害のない集団だったんですよね。ホンマに酷い奴らだぜー、若者たちが。恋人が殺されたと勝手に逆恨みして人殺めといてホントにトイレに行っトイレしていただけだとー!?の件はちょっと笑いました。しかも結局2回も恋人置いて一人で逃走してますし……そんなカレシには彼岸島直伝“最強の丸太”で成敗、ですよね?あと酒場のオヤジたちも少々手荒ですが最後は救出してくれる激変っぷりにも違和感を感じましたが、それはまた「人を見た目で判断するな」っていうことでしょうか(まぁあのおじさんも持病が判明して助かって良かったよね)
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