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キラー・セラピー(2019)


【原題】Killer Therapy

【監督】バリー・ジェイ

【出演】エリザベス・キーナー トム・マシューズ マイケル・ケリキほか

【あらすじ】

ブライアンは両親の愛情を養女である妹に奪われ、怒りをあらわにする。息子の凶暴性を危惧した父親は病院に連れて行くが、繰り返される恐ろしいセラピーはブライアンの精神をむしばみ、闇の世界へと引きずり込んでいく。










 
【感想】

『義妹と兄貴のブルース』

 





どーもどーも朝の出勤時に駅前の街頭演説で議員から「素敵な水曜日を!」と声をかけられましたがその日は火曜日でしたラーチャえだまめです。誰だって間違えはある、ただそれが“子育て”となると?間違えたらのちのち取り返しのつかないことになってしまうかもしれません



【キラー・セラピー】!!!未体験ZOOOOON!!!誰が呼んだかゲテを訪ねて三千里……しなくても渋谷に行けば出会えちゃう夢の祭典。本日は第3回目の投稿でしょうか、いやいや先日もお話しましたが未体験を体験しにヒュートラさんにおじゃま虫させて頂いたのですが、映画がはじまってから隣に誰もいないのに独り言を呟く野郎に煎餅らしき鉱物をガリガリと音を立てて食べる輩に「私は退屈なのだ」とまるで周りにいる客にアピールしたいかの如くあからさまに聞こえる声量のあくびをする爺にもう内心フロド・バギンズ……あいやイライラウッドが止まらない。そんな私とそして貴方にも?もしかしたら「サイコパス」の素質があるかもしれません…??



ある日我が家にやってきた義妹と少年の「ギマイアニ」は上手く成立するどころか、それはやがて少年「ブライアン」をYouTuber……いや危険な「殺人鬼」へと豹変させてしまう。かなーりインディーズ色が強そうな本作。安っぽいタイトルバックが気になるところではございますがドンッドンッドンッ……



ヒノノニトンあいや間違えました13歳の少年ブライアンの“荒々しさ”がOPですでに垣間見れてしまう?彼がドンッドンッと洗濯機の上に乗りながら足をバタつかせる。彼は愛されている。“母親”の愛を一身に受けて、今日もジョーカーのマスクを被りながら……。しかしそんな日も今日で終わりを迎えてしまう。“オーブリー”という少女が今日から“新しいファミリー”に加わるらしい。そのことをブライアンは快く思っていなかった。そんなの嫌だ。“妹”なんて欲しくない。僕にはママの愛情が必要なんだ!お前なんかに愛情のさけるチーズにされてたまるか!

















おじちゃんの元にいけよ!!車がキライじゃないならね!!!







 





いやー少年が殺人鬼、というと同じく過去に未体験でやった「ファウンド」という「うちのアニキが◯◯でした」と兄の疑惑に恐怖する猿ぐつわをはめられた弟……コチラも超低予算で作られたサイコパス映画なんてのがありましたが、今作はもうストレートに「サイコパス」を描いている、と言っていいかもしれません。ちなみに精神科が選ぶ最もリアルなサイコパスが登場する映画は「ノー・カントリー」のハビエル・バルデムだそうですよ?



母親からの愛情は感じても厳格でオーブリーを自分より可愛がる父親に自分は「愛されていない」と感じ徐々に疎遠になっていく……いやそりゃそーやろ!!まずはオーブリーを家族の一員として加入させるには、まずオーブリー自身にも心を開いてもらわなあかん、だから人一倍の愛をもってオーブリーに接する……父親のやろうとしたことは分からんでもない。しかしそんなことなどブライアンにとってはどうでもいいこと。いきなり家族が増えそれまで一途だった両親が自分から離れていく「諸悪の根源」がまさにオーブリーだったわけです。



そこへブライアンの心に宿る「悪魔のささやき」が作用してオーブリーの腕に初対面で噛みつくというとんでもクライシスな暴力を働いてしまいます。児童カウンセラーの母親は良かれと思いブライアンにセラピーを受けさせますが、あろうことか訪ねたセラピストがレイプ野郎でブライアンもその犠牲になってしまい……彼の心はどんどん「闇」に侵されていく……



殺人を犯し施設に収容されて出てきた頃には塩顔の子役から急にヘンリー・カヴィル似の堀の深い俳優に変わるっていう……てか成長したブライアン役の俳優がちょっとサイコパスに見えないというか、短髪だとスポーツ青年みたいな爽やかさがあってとても根暗に見えない所はあるのですが、それから何の因果か再び施設に収容され出所してきたら今度はイエスキリストみたいな姿に大変身して白塗りメイクに長髪でもってようやく「あ、コイツやっべーぞ」となるわけです。



低予算かつ地味な作品ながら非常にテンポがよくて最後までサラッと見れてしまう。ブライアンは「双極性障害」であると医師から診断されます。双極性障害とは高揚した気分と抑うつ気分との間を行き来する状態が続く「病気」でブライアンはその病を発症しているというのです。今作がどこまで病状のリアルを追求しているのかはさておきブライアンの置かれた環境、まぁ確かに同情する場面もあるんですよね。一見ブライアンのことを想っている母親も、自身がメンタリストならわざわざ赤の他人(それもレイプ犯)にブライアンを預ける必要があったのだろうか、もう少し真摯にブライアンとコミュニケーションをとるとか?父親も昭和の頑固おやじみたいにブライアンの声に耳を傾けようとはしないし、、、、



そしてブライアンのメンターがことごとく“鼻◯ソ”レベルの医者で勿論ブライアンを「“正常”な人間に戻す」ことに努めるわけですが、ブライアンにとってそもそも“正常な状態って?”って話で、衝動的な殺人を止められない葛藤をブライアンも抱いているのです。そしてブライアンは言います

















「自分は“正常”になろうと努力しているのに、周りの人間がそうさせてくれないんだ。」







と…。果たして彼は“なるようにしてなったのか”いやいやそれではあまりに救いがない……まぁそんな深いことは考えずに?後半の彼の“復讐劇”に何故か応援してしまう自分がいる…??


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