【原題】On the Rocks
【監督】ソフィア・コッポラ
【出演】ビル・マーレイ ラシダ・ジョーンズ マーロン・ウェイアンズほか
【あらすじ】
ニューヨークで暮らしているローラ(ラシダ・ジョーンズ)は、夫のディーン(マーロン・ウェイアンズ)や子供たちと穏やかな日々を送っていたが、夫との関係に疑問を感じてもいた。ある時からディーンの残業が増えたことに疑いを持った彼女はプレイボーイとして名をはせた父親のフェリックス(ビル・マーレイ)に相談する。事の真相を突き止めるため、フェリックスはローラに、ディーンの尾行を提案する。(Yahoo!映画より)
【感想】
『名言。』
どーもどーも先日電車からホームに降りてエスカレーターで下に降りるところまで傘をさし続けていましたラーチャえだまめです。早速ではございますが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【オン・ザ・ロック】!!!ソフィア・コッポラ監督の最新作でございます、コッポラ監督と言えば女性視点のガーリーな作品を得意とするあまり「ブリングリング」でハリーとロンも絶句するハーマイオニーを超絶ギャル化させ世の男性に衝撃を与えたかと思えば「マリー・アントワネット」「ビスガルド」で“女子の極みホラー”映画を世に爆誕させた功績もさることながら好きが転じてパークハイアット東京の中に入ろうとして警備員に止められた苦い過去を作ってしまった個人的に生涯マイベスト映画の一つ「ロスト・イン・トランスレーション」でタッグを組んだ最新作でゴーストとして登場するだけは勘弁してほしい名優ビル・マーレイと今回3度目のタッグ、、、、、ということでこれはもう見に行くしかねえだろ的なテンションで観に行ってワケなんでありますが、いやーこれまた素晴らしい作品でございました
ソフィア・コッポラ究極の“パパっ子”投影映画
が爆誕してしまったんですねー。
NYに住む夫と結婚して数年が経ち幼い2人の“モンスター”をもつローラ。夫のフジオカじゃない方のディーンはA24さえ顧客に持つやり手のビジネスマンでここのところ帰りが遅くなったり出張する頻度が多くなってきました。今の生活に特別不満はないものの、朝起きて子どもたちを学校に行かせその間最近若い男と寝たと豪語するママ友の話を右から左に受け流し昼間は作家業に勤しもうにもなんだかここんところ手が動かず夜子どもたちを寝かした後やっと深夜に夫が出張から帰ってきたかと思えば明くる日また会社へ行ってしまう……ディーンと過ごす日々が徐々に少なくなっていくことに不安を感じるようになっていくローラ。いつしかローラは最近ディーンの帰りが遅いのは「夫が会社仲間と浮気しているからでは?」と思うようにまでなってしまう。。。。
全国の奥さーーーーーん!!!いつも本当にありがとうございまーーーーーす!!!!と思わずメンズは頭が上がらない壮絶な「繰り返される主婦の日常」!!!夫が会社に行ってる間に家事に子育て……そりゃあ色々ありますよねッ!!もうクッタクタでそのままベッドでぶっ倒れることもありますよねッ!!そんな中頼みの綱のルンバの使えなさよ!!?(中国製か!?)そんなローナの繰り返される1日が描かれるわけなんですね。これには全国の奥様方はきっとウンウンと頷いてしまうかもしれません(知らんけど)
ローラを演じるはTVドラマや映画で活躍するラシダ・ジョーンズ。個人的にはサワディ〜な女優さんでしたが丁度血気盛んなキッズを持つ大変なママさんを見事に演じております。夫のことは今でも愛している、しかし夫と長年の“お仕事パートナー”として暗躍していそうな脚が身長くらいある美人と夫との関係がこれまた妙に怪しいんですよ!!
ヒデトシ・ナカタデスカァ〜?
夫のディーンは家族全員ほぼコメディアンという生粋のコメディアンであの「最終絶叫計画」の生みの親でもあるマーロン・ウェイアンズ。この人の映画もあんまり見たことないんですよね〜。Netflixで裸の大将やってたことくr……高身長でそれはモテそうな今作では“イイ旦那”感アリストテレスで、だから逆にいろんな女性に色目使って責められたりとか??もしかしたらあるんでねーの??みたいな不安をローラは持っちゃうわけですよ!!そして次から次への出るわ出るわ“疑惑”の物的証拠の数々…。おいおい出張ケースからハート柄のポーチ出てきたぞぉー!!しかも中からエクストラオイル出てきたぞぞー!!!もうこれやっちゃってるね?やっちゃってるよオオオオオオオオオオイ!!!自分にはもう“女”としての魅力がないのか??どうして結婚した男は“そうやって”浮気するのか??……と言うことは?彼女はその男の“悪い例”というのをもう既に身を持って経験済み、ということになるわけなんでありますが
その“悪い例”がコチラ
ローラのダディ、こちらもやり手の経営者でありながら大の女好きに高田純次感をプラスしたフェリックスであります。いやぁーもう「ロスト・イン〜」のマーレイがそのままNYに帰ってそのままプレイボーイ化したんじゃないかと思うくらい高齢だけどとにかく若い!!そしてオシャレ!!こりゃ年下の女性もおもわず落ちてしまいそうな、白髪さえダンディに見せるそこはさすがスターであります。しかしお得意の“マーレイ節”は今作でも健全で「よくわからないソレっぽい哲学的なことを言うがなんとなく考えたらテキトーなソレっぽいこと言ってるだけ」という娘のローラも我々も振り回されっぱなしであります。やっぱりこの人は面白いですね〜。もはや役がマーレイに合わせてに行っているかのような“マーレイワールド“。ビル・マーレイというキャラクターをビル・マーレイが演じているかのような?この人の役は本当に唯一無二というか、彼でしか絶対に出来ないキャラクターですよねー。そんな今作はコメディ要素が大変強い作品になっておりましてところどころで笑いが起きたり(個人的には赤いスポーツカーで警察に職質されるシーンがツボでした)“どうしようもない父”とその娘、という構図がなかなか面白い。
しかもフェリックスがローラの事情を聞いてカネに物を言わせあの手この手を使いディーンの動向を追跡しようと哀川翔ばりに“シロクロつけるぜ”とやけにノリノリでローラを説得してくるわけですよ。当然疑いの目を持ったのはローラの方ですが、破天荒でプレイボーイなフェリックスがまるで探偵ごっこでもするかのように楽しそうにしている姿に「ホントにやる気あんのか…」と、本当は自分の娘と「一緒にいたいだけ」なんじゃないのか…??
まあケツのロン言えばそうなんですよ。フェリックスはただローラと一緒にいたいだけ。ただそんな愛する娘が今結婚生活で思い悩んでいる。だからこそたとえクロであっても、ここははっきりさせたほうが娘のためになる。そんなフェリックスパパと娘ローラとの“接点”に夫の不倫疑惑を利用するという……wwでもその気持ちすっごくわかるんですよ。
でもローラにしてみれば?ずっと昔に愛人を作って母と自分を“捨てた”サイテーな父なわけで……そうやすやすと許せるはずがないわけです。しかも自分の結婚生活が左右されるかもしれない緊急事態だってのに……今は父の相手をしている場合じゃない。
本作で描かれるのは、そんな「父と娘」、ならびに「妻と夫」との「すれ違い」を描いた映画であります。いやーところどころに「ロスト・イン〜」と“共通点”があるなぁ〜といいますか、先述したマーレイのキャラクターだけではなくて
新婚ホヤホヤのスカヨハ(ちなみにOPでスカヨハのオケツをまるで初日の出を拝むように拝める縁起のいい時間がございます)が出張の多い夫に振り回されて「キミも自分の時間を楽しんだらどうだい?」と夫に薦められるも「夫なしの時間」を楽しめる訳もなく一人孤立していく姿を、東京という異国がより疎外感を演出するのに一役買っていた「ロスト・イン〜」と同様、本作も出張続きの夫の「いない時間」に戸惑い、いつしか夫は浮気しているのでは?と思うようになっていく妻の“孤独感”。出張で忙しくなった結果夫と心がすれ違っていく感じが非常によく似ているというか。
そこへ救世主ビル・マーレイがやってきて場を掻き乱しつつも孤独から開放してくれる。「ロスト・イン〜」では赤の他人だったのでスカヨハとは恋人のような関係にも発展していきますが、新妻スカヨハが「結婚生活を長続きさせる秘訣は?」とビルに聞くシーンがあって、新妻が結婚うん十年のベテランにアドバイスを求めるこのシーンが、実の娘と父のように見えるんですよね。そして今作では娘が父に「どうして男は他の女を好きになるの?」と質問を投げかけます。
まぁわりとその答えは“ストレート”に返ってきますが、夫婦のパイセンとして、人生のパイセンとして娘が父をリスペクトする感じが、これってもしかしてソフィア・コッポラ自身なんじゃねえかと、ローラというキャラクターはコッポラ自身を投影したキャラクターなのではないかと、そう見えてきちゃうんですよねー。
きっと私生活ではゴッドファーザーとかゴッドファーザーとかゴッドファーザーとか撮るのでそりゃ忙しかったであろう、家族との時間もあまりとれなかったのかもしれない、そんな多忙で会えなかった父のフランシス・フォード・コッポラ=浮気に走り家族から離れていったフェリックスなんじゃないかなーとも思えたり(ある意味“映画に浮気していた”とも言えるかもしれn……誰がうまいこと言えと)フェリックスが専用ドライバー持ちの大富豪という設定もフォード・コッポラを投影してそうだしローラとフェリックスみたいに2人も一緒に口笛とか吹いてたんじゃねえの?とか勝手に想像しちゃったり……てことはつまりフォード・コッポラの素顔はあんなにいい加減ってこと?(笑)
そしてソフィア・コッポラ自身も結婚して父と同じ道を歩むようになって、当時知らなかった父の大変さとか知ったんじゃないかな、そして夫と共同で映画を撮るようになって、夫だって映画制作で出張とかあるでしょうし家族の時間が取れないことだってあるでしょう、もうそれってローラじゃんっていう(笑)自身と自身の周りの人間模様を、そのまま登場人物に当てはめただけのような、だからこそここまで説得力を持たせ、そして共感を呼ぶ作品になったんじゃないかな〜、独り身男根男性の私にだって伝わりましたよ!!(誰がうまいこと言えと)
エンドクレジットのSpecialThanksに“Mon&Daddy”の文字を見てもホッコリさせられる今月の23日にはAppleTVで配信もされるらしく劇場に足を運べないよって方も気軽に鑑賞することが出来ます。最後はホッとハートが温まるような家族ドラマ、奥さーーーん!!最近夫とうまくいっていない??でもアナタのことを夫はちゃんと想ってますよぉー!!!と届けたいこの想いFOREVER21………
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