オキシジェン(2021)
- ラーチャえだまめ
- 2021年5月16日
- 読了時間: 8分

【原題】Oxygen
【監督】アレクサンドル・アジャ
【出演】メラニー・ロラン マチュー・アマルリック マリック・ジディほか
【あらすじ】
完全に記憶を失った状態で、極低温ポッドの中で目覚めたリズ。生き延びるには、酸素が枯渇してしまう前に、自分が何者なのかを思い出すしかない。(ネットフリックス公式サイトより)
【感想(ネタバレなし)】

『酸素がねぇ!助けもこねぇ!!酸欠で頭がぐぅ〜るぐる』
どーもどーも採血するときは必ず横になって針をあまり見ないようにしますラーチャえだまめです。早速ですが本日も唐揚げの天才ならぬ引きこもり道具の天才Netflixから引きこもり過ぎて外に出られなくなってしまったハラハラドキドキすぎるパニック映画が配信されてしまいましたー?
【オキシジェン】…!!!デストロイヤーではございません「ワンシチュエーションスリラー」の最新さ……繰り返します“ワンシチュエーション”!!!たった一つのシチュエーションだけで脳天からケツの穴まで展開される(うんだからそれをワンシチュエーション…)比較的低予算でも作れる&斬新なアイデア映画もやりようによっては作れてしまう??というまさに作り手の腕が試される類の映画と言ってもいいかもしれないその中でも“閉じ込められ系”の恐怖…!!!いやーこれまでも調子乗りすぎた名古屋のみならず世界の俺ちゃんがサノスの反感買って箱の中に閉じ込められて地面に埋められてしもうたと妄想してもいい「リミット」ですとか?やい殺人エレベーターに閉じ込められたーとか殺人リムジンに閉じ込められたーとか247℃のサウナ室の中に閉じ込められたのが友人のただの不注意だったっていう話が地味に怖いその名も「247℃」なんて映画もあったり、、、これまでも全国津々浦々で同様の案件映画が爆誕しておりましたが……。
本日ご紹介する映画はおそらくは“ソレ系”の最新作…と言って嘘偽りないかもしれないとある一人の女性が謎の極低温装置の中で目覚めたかと思えば?あと70分足らずでポット内の酸素が無くなってしまい?しかも中から脱出することが“不可能”という…!?絶体絶命の大ピンチに起床早々陥ってしまうパニックスリラー!?いやー面白くなって参りました

本日閉じ込められるのは最近でもネトフリ映画「6アンダーグラウンド」でバリバリのアクションを披露した現役バリバリスターでありながら自身も“監督”として才能を開花なんなんだいエリザベス・バンクスといいオリヴィア・ワイルドといい最近の監督の美人化が止まらない「ガルヴェストン」でベン・フォスターがただフルボッコにされたのはきっと監督の反感を買ったからだろうと推測したら面白いかもしれないラ・フランスを代表する女優メラニー・ロラン!!そのロラン姉さんのド正面フェイスだけで1時間半など充分まかり通ってしまう!?そのロラン姉さんがこれまた何故極低温装置の中に閉じ込められる羽目になってしまったのか_?そして目覚めたはいいものの自分の顔すら思い出せないほどの“記憶消失”になってしまっていたら_??
非常に謎が謎を呼ぶ映画「オキシジェン」。まず一言皆さまに物申したいことがございます

注射が怖い人は要注意だぞ?
OPがシンコピーのロゴに見えたアナタに……テネット(ズームインみたいに言うな)こーれーは近未来のお話なのでしょうかー?どうか新型コロナでありませんように謎の疫病が世界中で流行りだした西暦20XX年?その治療で装置に隔離されていたのでしょうか?ロラン姉演じる女性がビビアン・スーも言うかもしれない本来目覚める“タイミングではない”ときに不運にも装置内の故障が原因なのか目覚めてしまいます。ここは一体どこ?私はだれ…?外は真っ暗、外の状況を知ろうとすぐに装置から出ようとしますがうんともすんともしない扉…。装置にはSiriみたいなAI機能内蔵でごっついダンディボイスの“ミロ”と名乗るAIに向かって「私をココから出しなさいこのブタあああ!!!!(※着色あり)」と叫ぶ女性。しかし「それは出来ない」の一点張り。流石近未来のSiriもやっぱり使えn……今度は自分の素性を知ろうと「私の名前は?」と質問するも「登録患者名はオミクロン267です。」とこれまた意味不明な回答を

ホンマ融通効かねえなオイ!!!!
おみくじ引いたクロマニヨンズかよ!!全く状況が掴めない。しかもそうこうしているうちに装置内の酸素が減少しこのままでは窒息死待ったなしであります。女性はなんとか警察らしき番号に電話して助けを呼んだり閉じ込められた真相を探れば抜け出すヒントが見つかるかもしれない?とヤホーで検索して自らの“記憶”を取り戻そうとする……この手の映画で重要なのは我々視聴者を「いかに飽きさせないか」これだと思うのですよ。シーンはすべて狭い装置内のみ、この状況下で約1時間半……アナタなら何をしますか?って話で、本作ではまさに“散りばめられた謎”を探ることがメインになってくるんですね。自分は一体何者なのか何故装置に閉じ込められたのか?それとも自ら装置の中に入ったのか?そして外は一体どうなっているのか?人類は一体どうなってしまったのか…なんて考えだしたらもうやめられない止まらないかっぱえびせん状態のミステリー。いやーなかなかよぉーく見たら“伏線”ってのが張られているのにも気がついたりして私は1時間半飽きずに見ることが出来ました。そう、この“飽き”というのがワンシチュエーション映画で一番の天敵なんだよもう

そして冒頭にお伝え致しましたちょっと痛々しい……と言うか、はっきり言います「注射するシーン」があります。はっきり言います私は注射は大の苦手です。普段人体破壊描写をこよなく愛しているはずなのにこう医療系ドラマとかそーゆーの、特に注射針を動脈に刺すシーンなんてもうカラダ中がぞわぁ〜としてしまいます…アレなんでですかね?本作はフランス・アメリカ合作のネトフリ映画……なんでありますが装置のカタチといいますかSFチックなデザインもなかなか良かったですねー。ウイーンってアームが出て注射を打ったり繭?のようなもので包まれたりするのが非常に近未来チックといいますか

なんとなく卑猥からの物体Hに見えるのは俺だけか?
あとはアレですよね、“存在しない夫”の存在という最大のミステリー。自ら傷口をグリグリってやった“刺激”により徐々に記憶を取り戻していく女性。その過程で登場する“夫らしき男”の記憶。AIや電話口の警察官は「アナタに夫はいない」と言う…?それは一体どーゆーことなのか??これはみんなグルになって女性を騙そうとしているのか??それとも全ての記憶は酸欠による自ら生み出した妄想の産物なのかー??見ていて息が詰まりそうな1時間半、閉塞恐怖症には地獄でしかないワンシチュエーション映画、好きな方には特にオヌヌメしたい1本かもしれません。
【感想(ネタバレ)】
あらあら最後に監督の名前見てビックリした方もおるやもしれない監督アレクサンドルアジャコングじゃねーか!!いやーアジャコン……本名アレクサンドル・アジャと言えば?あまりの残虐表現で日本での劇場公開で危ぶまれたりTSUTAYAに陳列を拒否られたことでも有名な私が敬愛する「ヒルズ・ハブ・アイズ」や「ハイテンション」など暴力そしてグロテクスな表現に非常に定評がある私も大好きな監督なんでありますが、その後は「ルイの9番目の人生」で一瞬だけ真面目系映画に転身したかと思えば「クロール」でサメは飽きただ!今度はワニだあああ!!とワニブームを作ろうとして大敗したり……ちなみにフランス出身のアジャですが「ヒルズ・ハブ・アイズ」でハリウッドデビューを果たしてからは主に英語圏……アメリカ映画で彼の名を見かけることになるのですが、そのアジャがお久しブリーフに今回母国フランス語の映画を、しかも自身初となるSF映画にトライ……これは見るしかないだろうというワケで見たわけなんでありますが、いやーまさかイモータンジョーもビックリ「行って帰る」ならぬ

「起きてまた寝る」映画だった
ただの二度寝映画じゃねーか!!!!そりゃあ今いる場所が地球から何億光年と離れた宇宙だと知ったら「あ、、、、やっぱり冷凍保存に戻ります〜」ってのはわかるけどさ…。しかも女性の正体が“クローン”という衝撃……どこぞの星に囚われた男の話みたいですね?(それ言ったらもう……)一応そのヒントとなる映像(杖を持った女性の後ろ姿)やらミロの言動(「ポット内なら推定◯◯才です」的なセリフあったよな?)はわりと多かったですから途中でオチがわかった方も多いかもしれませんね。年老いた老婆の声の主も実はクローンのオリジナルというオチも「アイランド」みたいだなーと。最後は協力してくれたのは少し虫が良すぎかな?

スッと伸びたハナタカ美人のロラン姉のドアップを見続けること自体は苦痛ではありませんでしたが、酸素が無くなっていくという緊迫感はなんだかあまり感じませんでしたねぇ。息苦しい感じもあまりなく酸素さえ供給されていればむしろ中は小綺麗で快適な装置…のように見えなくもないし?それよりも突然の人生の試合終了宣言させる安楽死シーンの方がハラハラしながら観てしまいました。
最後は意外にもハッピーエンド……「私は宇宙のゴミよ!!!」って自暴自棄になるのも頷けるオリジナルの“複製”でしかないクローン特有の悲しき宿命を背負わせたままジエンドはあまりに可哀想だと流石の人の子アジャもそう感じたのか?ちゃーんと永住の地で夫のクローンと抱き合って「“私たち”の人生はここから始まるのよ」エンド……そのエンドロールがマトリックスのOPより見づらい完全に見せる気ゼログラビティっていうね…
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