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エスター ファースト・キル(2022)


【原題】Orphan: First Kill

【監督】ウィリアム・ブレント・ベル

【出演】イザベル・ファーマン ジュリア・スタイルズ ロッシフ・サザーランドほか

【あらすじ】

裕福な一家、オルブライト家の一人娘で6歳のエスターが行方不明になってから4年の月日が流れた。ある日、エスターが見つかったという朗報が警察から届けられる。父、母、兄は数年振りの再会という奇跡にこの上ない喜びを感じ、10歳に成長したエスターを迎え入れる。再び4人そろって幸せな生活を送ることができる。家族の誰もがそう思っていたが、4年ぶりに戻ってきたエスターは何かが変わってしまっていた。(映画.COMより)




 
【感想(ネタバレなし)】

『遅すぎた続編?』

 



どーもどーも成人式の日に数年ぶりにクラスメートに会ったら皆から「え、えだまめって身長縮んだ?」と言われましたが私が縮んだのではありませんアナタ達が私より大きくなったんですよって言わせんなクソがラーチャえだまめです。周りより成長期が早かった私は終わるのも早く低身長……が最近になって実年齢より少し若く見られる時もあって必ずしも損ではないかなアハハ〜ウフフ〜……しかし世界にはまだまだ年齢詐称レベルのキッザニアに入園できないキッズもいる…??















「苦節14年」の衝撃





【エスター ファースト・キル】!!!いやー長かった!!!もう続編なんて一生来ないかと思ってましたよ「エスター」あああああー!!!!……リブートではありません日本公開から実に“14年”ぶりの“続編”(まぁ正しくは前日譚ですが)いやーあまりに長い。お前は15年気づかずに伸び続けていた耳毛か。思えば2009年、日本でも話題となったサスペンス“どんでん返し系”の部類で必ず選ばれていた衝撃作「エスター」。今作から“映画好き”を公言された方もいるのではないでしょうか??最後は綺麗さっぱりENDを迎え「少女」の活躍などもう拝めないものかと思っておりましたが2020年にまさかの「続編企画」がスタート??



先週劇場に足を運んだらですね、土曜日と言うこともありますが座席を埋め尽くす大勢の観客の姿。私はその時確信しました、14年前からファンは首をずっと長くして待ちわびていたってことをねッ!!しかしこの「エスター」という作品にはちん◯この巨根でも超えられない「あまりにも大きすぎる壁」が存在しておりました
















“子役”の「エスター」が「エスカレーター」くらい“成長”しているのだが






 




14年前突如スクリーンに爆誕した“謎の少女”エスター。「何かがおかしい」この9歳児のキャッチフレーズが当時世間をザワつかせました。結果的に「いつまでも子ども扱いしやがってちくっしょぉおおおおお!!」ブチギレ映画だったことが判明(うーん一応公式は“前作のネタバレは控えて”宣伝してるからネタバレはタブーですよね??)するのですが、このモンスター・サイコパス少女を演じたのが当時10歳の子役イザベル・ファーマン。そして今作でもエスター役の続投が発表されましたが驚く事なかれ今作の撮影当時彼女は23歳。10歳の少女が9歳児を演じることは出来ても、23歳の“女性”が9歳児を演じる……だとぉ!?果たしてそんなことが本当に可能だと言うのかぁ!?否リブート版「イットPART2」のフィン・ウルフハード「キャプテン・マーベル」のサミュエル・L・ジャクソンそして今度やる「インディアナ」のハリソン・フォードなどが“若返り手術”を受けたという例もある。個人的に生身の俳優の顔をCGでいじくることにあまりいい気はしません。“演技をCGで加工”するのと同じですから(……えワシらは?byパンドラの住人)ですが今回エスターを演じるイザベル・ファーマンはどのようにして演じたのかというと














“メイク”と“遠近法”と“替え玉”だけで対応





これですよコレ!!まさに女優魂!?否事前に言っておくと「そりゃ14年前と寸分違わずなんて出来っこない」しかもよりによって今作は前作からさらに“過去”の話に遡るわけですよ、今作の後に当時12歳だった頃のイザベルの演じた「エスター」に繋がるとは、流石に「そうは見えない」それはもう断言します。しかし私は上のアナログ技法だけで撮影に踏み切った制作陣にまず拍手を贈りたい!!(なぜかって?それは後ほどお話します)



「肩から上」はイザベル本人が、後ろ姿は代役の子役が演じ編集で上手く「繋ぎ目」を隠す。誰でも思いつくやり方だからこそ厳しい目で見てしまいがちですが、カメラワークや演出で見事に誤魔化しに成功しているのでは??



監督は今やネズミーの人気アトラクション映画の監督やらアメコミ映画の監督など大忙しのヒットメイカー、ジャウム・コレット=セラから新鋭ウィリアム・ブレント・ベルへバトンタッチ。哀しきかなシリーズものには必ずつきまとう監督交代劇は悪い例も勿論ございます。しかしこのウィリアム・ブレント・ベルという監督も私、ちょっと期待していたんですねー。何故なら彼の出世作で人形ホラーの再ブームにあやかり“アナベルの二番煎じ”映画に思われがちな「ザ・ボーイ 残虐人形遊戯」が「“そっち”に向かうんか〜!?」という“意外性”に満ちた作品だったから。そして今回もやってくれました。



中盤から突然「“そっち”に向かうんか〜!?」と思わず心に中で叫んでしまった「よく出来た脚本」。なんならOPで前作の“ネタバラシ”をしてしまって「もうネタないじゃん!」と思わせておいて……今回も前作並の“衝撃的な展開”が用意されております……。ちなみに今作の出来事は前作の孤児院で“語られている”ので、しっかりと前作を復習して観に行くのもアリです!



前作ではイザベルがプライベートで世間の反感を買わないか不安になるくらいエスターの血も涙もない“サイコ”な面が全面に押し出され、彼女が背負いしその特殊な病気を考えれば少しばかり同情出来なくもありませんが、新しい養子に迎え入れた家族目線でその悲惨さを描いていました。それが今作では「エスター寄り」の描き方にシフトチェンジ。その結果エスターが“素”の顔を晒す頻度が増え、なんならちょっと茶目っけも増えて可愛さアップ?生き生きとキルする彼女を見て清々しい気分にまでなってしまいました??そういう意味では前作の「冷酷非道な」の怖さもありつつ、今作では時にエスターが「情に揺らぐ」人間味も見せてくれる、どこか憎めない「拗らせ女子」化して、なんかこれはこれで好感度アップするかも??



改めて今作は「遅すぎる続編」だったのでしょうか?これに対して私個人の見解としては「必ずともそうとは言い切れないのではないか?」と思うのです。その理由として今作が「14年経たないと成り立たないシナリオ」になっているから。それはイザベルが“成長”して演技により磨きがかかったことも意味していて、先程言った今作はエスターの「素パート」が前作より格段に増えている。前作ではラストでやっと「本性」が露わになったくらいから“演じ分け”の難しさがついてきた。しかし本作では既に種明かしはされているので、早い段階でこの“演じ分け”をする必要があるのです。そこに大人イザベルの演技が光る。彼女が逆に成長しないとここまで物語に説得力を持たせられなかったことでしょう。CGでテコ入れせず肩から上は全てイザベルが「生身」で演じているのも、成長した彼女が演じる必要があることを裏付けている。長い長い時の経過が、結果的にいい方向に働いた、いや「働かせた」続編として大変珍しいケースではないでしょうか??しかもそれが「子ども」を演じなければならない今作で訪れるとは……これぞムービーマジック!

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