ウィッチクラフト 黒魔術の追跡者(2019)
- ラーチャえだまめ
- 2020年1月10日
- 読了時間: 4分

【原題】Bruja
【監督】マルセロ・パエス・キュベルス
【出演】エリカ・リバス レティシア・ブレディス パブロ・ラゴほか
【あらすじ】
黒魔術を操る魔女のセレナの娘が、携帯電話欲しさに友人たちとアルバイトをしにいく。だが彼女たちを待ち受けていたのは、売春目的の人身売買組織だった。組織に監禁された娘の魔術による交信で誘拐を知ったセレナは、娘たちの追跡に乗り出す。一方、組織は腐敗した警察や政治家たちとひそかにつながっていた。(Yahoo!映画より)
【感想】

『親御さん達は不安よな。魔女 動きます。』
「はい差し入れ。」
「あ、あざーす。」
「…そこは“はい後でお金返します”だろがあぁ!!!」
……こんな理不尽な事ありますか?どーもどーもラーチャえだまめです。未体験ゾーン!!!えーっと何回目でしたっけ、いやいや今年の未体験は今のところとても良い滑り出しで順調なペースを保っている気が致します今宵ご紹介する映画はコチラ【ウィッチクラフト 黒魔術の追跡者】!!!
いやー全国のお父さんお母さん、愛する娘さんがもしも誘拐されたらどうされますか?

ハイ、結構です。
お父さんは96時間で大暴れしてなんとかなるかもしれません、ですがお母さんの場合は果たしてどうでしょうか?夫とは疎遠になり女手一つで一人娘を育て上げた一人の女性。ある日貧しい家庭を思った娘が友人から高収入なアルバイトを紹介され仕事場に案内されるとそこは少女たちをクスリ漬けして不当に働かせる悪徳業者の巣窟だった!!逃げ出したくても脅迫され捕まってしまった娘!!すぐさま庶民の味方警察に助けを求めるお母ちゃん!!しかし街のポリ公は既に悪徳業者とウラで繋がっていた!!娘の居所さえ掴めずポリ公には邪魔者認定され自宅の農園まで燃やされる報復さえ始まった!!さあドーナルどーするグリーソン!?フハハハハハハハハ!!!馬鹿め!!!悪党どもよ、お前らはトンデモクライシスな“ゴッドマザー”を相手にしてしまったのだ

舐めてた母ちゃんが“魔女”でした
コレですよコレ!!このパワーワード!!(笑)いや〜なかなか面白い映画を発見してしまいました、悪党どもが誘拐した娘があろうことか魔女の娘だった!!…そのまま超魔術を使った魔女が大暴れしてくれる映画、だと思いませんでしたか?ところがどっこいそんなハリウッドならスカーレットウィッチがデーハーに敵さんをケチョンケチョンにしてくれるような痛快アクション大作になりそうなところ、アルゼンチン産の魔女はココが違う!?
普段は農家として生計を立てている魔女セレナ。生活はとても貧しく娘のベレンに携帯を買ってあげる余裕もない。それでも娘の事を第一に考え、毛で編んだお守りを常に身につけるよう娘の“身の安全”に気を配り“携帯が無くても連絡が取れる”5Gもビックリの魔術を娘にレクチャーさせるセレナ。すごいですよね、朝洗面所の鏡を見てたらいきなり娘に“呪い”をかけられて白目向きながら鏡に“携帯が欲しい”って指で書かされたらどーしますか?私なら余裕でブチ切れるレベルですがセレナ母ちゃんは「よく出来たねぇー!!ヨシヨシヨシヨシヨシヨシ〜!!!!」って笑顔で喜んでくれる

なんて教育熱心(?)な母ちゃんなんだ……!?
“魔女=悪”というのはもはや偏見以上のなにものでもない、魔術を悪用だなんてせいぜい貧しいからちょっと外でうんこ座りしながら“1000円札を5000円札くらいに見せる呪い”をかけるようなちっちゃいしちっちゃい事だけですよ!?それどころか「呪えば穴二つ」がどうやら適用されてしまう世界で魔術を使うごとに自らのカラダをナイフで切り刻んでいく、身体能力だって特別高いワケではありません(……byリーアム兄さん)徐々にボロボロになっていくセレナがとても痛々しくもあり、魔術を使えたからといって決して無敵ではない、魔女だって一人の人間であり、女性であり、そして身を傷つけようとそれでも愛する娘を救おうとする、一人の“母親”でもある。という“母は強し”の“むき出しの本能”を見せられたような、そんな映画なのです。

そしてどうして日頃から娘のアルバイトを反対するほど心配していたのか、その理由が明かされるラストも良かったですし、CGはめちゃくちゃショボいですが先に言った“復讐”をテーマにしたアクション映画、という安易な方向性にはせず、魔術は使えるけど決して強くないセレナが見せる悪党どもの“対抗策”がこれまた起点の効いた策で、まさに“魔女ならでは”な方法なんですよ。物語のテンポも悪くないしこれはこれはなかなか埋もれてしまうには勿体無いアルゼンチン映画でございます。ちなみにアルゼンチンの悪党は毎回集合時間に遅れてくる定期なの?
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