イコライザー THE FINAL(2023)
- ラーチャえだまめ
- 2023年10月9日
- 読了時間: 6分

【原題】The Equalizer 3
【監督】アントワーン・フークア
【出演】デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング デヴィッド・デンマンほか
【あらすじ】
シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く。身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する。しかしその町にも魔の手が迫り、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始。やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大していく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『仕事早すぎて出社したらもう片付いてる説』
どーもどーも横にいる熟年カップルが上映後もペチャクチャお喋りしていた場合“9秒”間だけ待ってそれでも止まなかったら横からスッと……なんてさながらマッコール気分を味合う今日この頃
【イコライザー THE FINAL】!!!ハリウッド版「弱気を助け強きをくじく」“秒速必殺仕事人シリーズ”第3弾!!!いやー「ジョン・ウィック」と劇場がダブルブッキングする日が来ようとは!!(しかもどちらも最終章)今年はアクション映画の年とも言えるかもしれません??あちらがガンアクションとカンフーを融合した“ガン・フー”ならコチラは“秒殺”!!ムスカ大佐でさえ3分間待ってくれるというのにこの男“ロバート・マッコール”は違います「めちゃくちゃ時間厳守」ものの数秒で敵を惨殺、有言実行&殺しのギネスタイムでも競っているのか目にも止まらぬスピードで一瞬にして“形勢逆転”からの“一撃で敵をダウン”……カッコよすぎるぜ兄貴……!!!を演じるは最近息子さんもよく見かけるハリウッドの重鎮デンゼル・ワシントン。これまで苦節何十年の大ベテランにして2014年にパート1が公開されてから自身初の“シリーズもの”という!?ことからもわかるご自身も相当役を気に入っていることでしょう、その最強の男ロバート・マッコールのこれまでのあらすじは___

舐めてた◯◯◯系オヤジの火付け役とも言える“舐めてたホームセンターの店員が実は凄腕の元CIA工作員だった”衝撃の第1作「イコライザー」から始まり、度重なる人助けがロシアンマフィアとの死闘を生み結果ホームセンターを全焼させた故に今度はLiftのタクシー運転手にジョブチェンジしてドライバー評価を星5にしないと半殺しにされる“舐めてたタクシーの運転手が実は凄腕の元CIA工作員だった”衝撃の第2弾「イコライザー2」(珍しくストレートな数字)のラストで“隠居”生活をほのめかしたように思えたのですが……?
いやーOPからビックリですよ

シリーズイチ「最恐」&「弱い」マッコール?
映画始まるでしょ?もうね、既に死体がゴロゴロしてんのよ“ヤッた後”なのよ!?そんな相変わらず笑っちゃうくらいの最強っぷりのマッコールさんでしたが……なんだか今回は珍しく“重症”を負ってしまうマッコールはん!?これまでそんな姿見せたことないじゃないか!?彼のある意味“節目”を垣間見てしまったような……しかし同時にイタリアの片田舎で善良な市民の助けにより命を救われ、リハビリで毎日杖をつきながら美しい海に囲まれた街を散策する日々を送ることに。お気に入りのキャッフェでも見つけたのでしょうか「ココじゃあババア(たぶんこんなキツい言い方ではない)しか頼まないよ」と午後の紅茶で優雅に黄昏るマッコール……「嗚呼、オラ一生ここに住もかな…」
なんて平和な日々が続くわけねんだろこのヤロウぉー!!!と、やっぱりこの美しい街にも“みかじめ料”をとる地元マフィア達に街の住人たちは脅迫されていて……
監督はこれまで全シリーズを牽引してきたアントワーン・フークア。自身のフィルモグラフィーで最高の興行収入を得たのが本シリーズということで?シリーズに有終の美を飾る上でこれ以上ない安定した選抜……と思っていたのですが

まず先に不満を言わせてください過去2作で流れた「テーマ曲」の廃止。これは今回かなり違和感がありました。やっぱりシリーズは続けば続くほど作品の“もう一つの顔”とも言うべきテーマソングの重要さが身に沁みてわかってしまう、いや毎回シリーズとしてではなく1本の単体作として極めた結果なのかもしれませんが……個人的にラストに敵を追い詰める時に流れる、さながら仕事人の「チャララ〜♫」的な使い方されるカッコよさが今回ないんですよね(泣)作曲家が変更されたからか、まぁーもう「イコライザー」としての物語は、やっぱり前2作で完結していると見ていい?今作は“ファイナル”(映画のタイトルにつく“ファイナル”ほど信用ならぬものはないが)とありますが、舞台も無双していたアメリカとは遠すぎるイタリアですしもう“半分引退”状態なんですよね。シリーズのアフターストーリー的な扱いっていうの?カッコいいですよ?今作から起用されているソングも重音が凄くてそれはそれでイカしたサントラなんですけどね…。
全体的に尻をショットガンでブチ抜かれ……窄み感は歪めない。と言うかデンゼル・ワシントンの「もう動けない」問題。デンゼルももう68歳ですよ?59歳のキアヌがシュッシュ動きまくってるから年長者バグが発生してたけど、普通に考えればそりゃ激しいアクションなんて出来ませんよね…。今作はシリーズで一番“アクションが控えめ”という点では非常に地味な印象。また敵さんも田舎の小規模マフィアといった規模感でこれまた迫力に欠ける。この辺もマッコール、いやデンゼルが丁度よい塩梅でキルできる数に減らした配慮?ただ凄いのがアクションシーンは減っているというのに

“凄み”はまるで減っていないという
先に言ったOPで既に死体の山を作り出しその先に椅子に座るマッコール……我々が映画を見始める前に“既にボッコボコに片しておきました”とイワンコフばかりの!?実際見ていないのにまるでそのシーンを味わったかのような勝手に脳内補完出来てしまう凄さ。それを可能にしているのがデンゼル・ワシントンの“凄みのある演技”コレなんですよね〜。一切動じずじっと睨まれただけで半分殴られた気分になる「コイツ敵に回したらヤベェ」威圧感。“表情”で魅せる強さがデンゼルにはあるのです。もしかしたらシリーズイチ今作は「怖い」マッコールが拝めるかもしれません。あ、“敵に”とってですけど……
影に隠れて悪を追い詰めるシーンなんてもはやどこぞのコウモリ男よ!!善良な市民には異国からやってきた心優しきおじさん。が一度平和を脅かす悪党の目には“サイコパス”に映っているかもしれない陰険やな〜、殺し方がもう陰険過ぎるのよ。てかこのシリーズ「こんなにグロかったっけ?」やたら目を背けたくなるヴァイオレンス描写が、よりマッコールの恐ろしさを際立たせていると言ってもいい。

何度も言いますがそれは悪党に対して、ですから?“善人か悪人か問われ「わからない」と答えるのが善人だ”というセリフが非常に印象に残りました。「はい私善人です!」はただの偽善者、かと言って「悪人です!」は自ら自覚があるくらいホントに悪さばかりしているからそう言えるのかも。「わからない」その顕著さの裏にある顔こそが善人である証、とでも言うのか?
ほかにも途中マッコールといい雰囲気にある女性が上手く活かせてなかったりボスの小物感等、キャラクターもそれほど印象に残る者はいないのですが

ほぼ親子の再会やん
「マイ・ボディガード」以来18年ぶりの共演??共演後プライベートでも仲がいいダコタ・ファニングが半分友情出演というカタチでCIAエージェント役でデンゼルと共演。2人並んでお互い見つめ合いながら会話するシーンだけでも?ファンにはなんとも感慨深いものが込み上げてくるやもしれません!!しかもラストにめっちゃ美味しい役だったことまで判明する、まぁほとんど活躍しないけど今作がまさにマッコール、と言うよりデンゼル・ワシントンの「感謝祭」的映画という位置づけにあるかもしれませんねぇー!!
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