アーミー・オブ・ザ・デッド(2021)
- ラーチャえだまめ
- 2021年5月23日
- 読了時間: 9分

【原題】Army of the Dead
【監督】ザック・スナイダー
【出演】デイヴ・バウティスタ エラ・パーネル アナ・デ・ラ・レゲラほか
【あらすじ】
ゾンビの大量発生により荒廃し、隔離されたラスベガス。そこへ足を踏み入れた命知らずのよう兵集団が、究極の一獲千金を狙い、史上最大の強盗計画に打って出る(ネットフリックス公式サイトより)
【感想(ネタバレなし)】

『結論:お金は大事』
どーもどーも先日牛丼屋で隣のサラリーマンに味噌汁を思いっきりぶっかけられましたラーチャえだまめです。いやー終わらぬ緊急事態宣言で都内の劇場は全滅&上映予定だった作品も一体いつになったら見れるのか……そんな血、いや映画に飢えた生きる屍の皆さまに超絶ビッグな超朗報?私もずっとこの日を待ち望んでおりました本日ご紹介致しますのはコチラ
【アーミー・オブ・ザ・デッド】!!!いやーザックザック……おかえりザック・スナイダー!!!先日華金の金曜日にやっとこさNetflixより配信されました「300」「ウォッチメン」「マン・オブ・スティール」そして「ジャスティス・リーグ」…!!!これまで数々のアメコミを実写化してきたその独特すぎる色彩、映像美、そして遠くのほうでなんかやってんなぁー…なカメラワーク、どれをとっても超一級のまさに“VFXを撮らせたら右に出る者はいない”映像の魔術師ザック・スナイダー監督の最新作がついにやってきてしまいましたよー!?

アベンジャーズに対抗すべく発足された「ジャスティス・リーグ」が映画ファンの間でク◯映画認定されたのも遠い過去の話、家庭の事情で途中降板せざるを得なかったザックが“本来あるべき姿ではなかった”ことが後から判明した劇場公開版から数年経って“本来あるべき姿”を収めた幻のフィルムその名も「スナイダーズカット」がファンの間でまことしやかに囁かれその後出演者スタッフ関係者もその存在を認め、そしてそして今年3月アメリカで“「シン:ジャスティス・リーグ」”として!?アメリカのHBOMaxにて配信開始、日本では今月26日に配信開始!!!(U−ネクストだっけ?)そんな彼が「ジャスティス・リーグ」以来となる新作長編映画それが「アーミー・オブ・ザ・デッド」!!!しかも“オブザデッド”系と聞いてもうおわかりかと存じますがそう何を隠そう今回は“ゾンビ映画”という……あれこの人アメコミ大作映画ばっか撮ってる人ではなくて?いやいや彼のデビュー作こそがゾンビ映画の金字塔を大胆リメイクした「ドーン・オブ・ザ・デッド」、すなわちゾンビ映画なのです!!つまりザックがゾンビ映画を再び撮るということは?心機一転?初心に戻った?それは彼がアメコミヒーロー愛に満ちた人の子であると同時に

やっぱゾンビ好っきやねん
という!?彼のゾンビ愛は未だ衰えることを知らんがな状態だったということですよねー!!いやーこれは「ドーン〜」から彼を見続けていた古株ファンにはとってもすぎるサプライズ展開!?しかも今や名目共に“巨匠”の仲間入りを果たしたザックが財布の紐がユルユルゲラーなNetflixと手を組んで?めちゃくちゃマネーをつぎ込んだゾンビ映画を爆誕させてしまったかもしれない既に世間の反応を見る前に本作の前日譚映画とアニメシリーズの製作が決定済みという、この気合を入れようからもザックの相当のこだわりを感じられる、この1本だけでは到底終わらないのが確定した“新たなオブザデッドシリーズ”としてゾンビファンの期待を一心に背負ったといっても過言ではない本作、さっそくですが拝見させて頂きました。
■ゾンビ映画で見る「人の価値=支払額」に準ずる論
舞台は札束と夢の国ラスベガス。謎の積荷を輸送中のアメリカ軍と向こうでは珍しくもないドライブスルー婚でハネムーンに向かう途中のバカップルがデーハーな衝突事故を起こしあらよ〜っと積荷が宙に舞ってしまいましたよー?そして中から銃弾をも跳ね除ける大柄の男が登場し次々に米兵を八つ裂きに……男の見つめる先には煌々と輝く夜のベガスの町並みがあった……どうやらこの男が“事の発端”感アリストテレスなのは言うまでもなく?そっから始まるOPがもう既にカッチョいいのなんのったらありゃしない??またたく間に広まるゾンビウィルスによりゾンビで埋め尽くされるベガスの街で銃を持って応戦する武装兵士たちの華麗なる栄光と挫折の物語が??この数分のOPに全て集約されていると言っても過言ではない??ザックお得意の“スローモー”映像で流れる“あらすじ”は「バットマンVSスーパーマン」のOPを彷彿とさせます。

主演は“ポスト・ドウェインジョンソン”の呼び声高い相撲大好き宇宙の守護神の一人デイヴ・バウティスタ。いやーもうなんだかすっかり“スクリーンで見る人”になりましたねー。出世作「ガーディアンズ〜」の3作目を最後にドラッグス引退を発表したものの、ほかにも「DUNE/デューン 砂の惑星」などの大作映画が控えているハリウッドで引っ張りだこのバウティスタさん。いや彼がゾンビ相手に戦うって?一体何の茶番だよ!!と思わずツッコミたくなる“絶対的安定感”?たとえゾンビに噛まれても「アイアン・フィスト」のキンピカ超合金並の硬さで歯型すら通らないんじゃ?なんて早くも強者確定の主人公スコット・ウォードを演じております。彼は過去の“ベガス撲滅作戦”に参加した兵士で今はなぜかハンバーガーショップで働く日々。そこへもうすぐ公開予定の「モータルコンバット」でとんでもニンジャを演じているらしい世界のヒロユキ・サナダ演じる成金野郎が店に現れもうすぐ独立記念日の花火と題して打上げられるミサイルでベガスが木っ端微塵になる前に?地下に2億ドルの眠るカジノビルに侵入して現金を強奪してほしいとの話をスコットに持ちかけて来るのですが……


流石に単独では出来ない強奪ミッション、スコットはかつて共にベガスで戦った仲間たちに協力を依頼します。まずはスコットが一番信頼を寄せるメキシコ系女性兵士マリア。続いて「ドーン〜」にも登場した巨大カッターを愛用する黒人のヴァンデルローエ

※本編では使用しません
……奇跡的にゾンビの大群から生還した2人を再び地獄にカムバックさせるのは当然相当な額のマネーがなければ動きません。


マーベリックいつやるんですか?
一瞬世界のトム・クルーズかと二度見してしまったトップガンヘリ操縦士のマリアンヌを演じるティグ・ノタロというコメディエンヌ、当初は別の俳優が演じていたらしいのですが撮影後にその俳優が問題を起こし代わりに演じたらしい。ちなみに撮影後の共演者の降板は“撮り直し”が一般的ですが、本作はコロナなどで出演者を再び招集することが困難だったために新たに撮ったティグの出演シーンを既存のシーンにCGで丸々はめ込んだらしい。いやー全然わからなかった、てか普通に他のキャストと並んでいるようにか見えなかったですいやーすごいですねー。


あれちょっと減ってません?
ヘッドショットを華麗に決めるゾンビ狩り動画がSNSでバズり中の人気ユーチューバーも迷わず登用!!まぁ新参者ですし?ユーチューバーなんでもっと稼いでるみたいだしこれくらいが妥当なのでしょうか?

いやいやもっと減ってません?
地下の金庫破りに必要不可欠な“鍵師”ですよ鍵師!?……ある意味最も重要、しかし“それ以外”は戦闘経験ゼロで足手まとい必須なのでこのくらい……?バウティスタさん、いやスコットさん見かけによらず意外とけちん坊なのね……

お前は最底辺な
■内容の無さを映像でゴリ押しするスタイルは健在?&人間よりゾンビのほうが組織出来てる皮肉
こうして集められた総勢10名以上の藤岡ゾンビ探検隊、ほかには道案内役として参加する者にヒロユキ・サナダから派遣された者、そしてスコットの疎遠だった娘も??なんの因果か地獄のチームに加わっちゃいます(嗚呼これでバウティスタさん弱みが握られてしまった…)登場キャラが皆さん個性尾崎豊かで良きメンツでしたねー。まぁR指定ゾンビ映画なんでそのうち何名かは絶対“ヤラれる”のはもう目に見えてるのですが
「スナイダーズカット」でもその片鱗が垣間見れるとのウワサのゾンビ映画と言ったら忘れちゃならない「ゴア描写」!ご安心下さい今作でもそれは健在でございました。そして「ドーン〜」でも見せたワラワラ感、ショッピングモールからカジノビルへ、余すこと無く登場する押し寄せるゾンビ!!それを撃って撃って撃ちまくる!!一体あんたら何発銃弾あんだよとツッコミたくなるのはご愛嬌!?爽快感MAXなゾンビとの死闘。見応えは十分感じることが出来ましたね。そしてノリもどことなくユルい。まぁゾンビ狩りするような連中ってどこか抜けてる所があると言うか……

今作ではゾンビ犬ならぬ“ゾンビホワイトタイガー”なる珍しい新種も登場。フルCGですが制作陣が野生動物保護区に赴き実際に生きたトラを観察し動きなどを精巧に再現したらしいです。さらにゾンビの中にも“格上”の存在として女王やOPに登場する大柄のゾンビがマスクにマント姿という完全◯◯マンスタイルの王として実は荒廃したベガスを統治していた__!?というムツゴロウさんも絶句する“ゾンビ王国”が爆誕していたという事実まで判明してしまうわけなんですねー。ちなみに「ドーン〜」で一番のトラウマと言ってもいい“ゾンビベイビー”も少し形式は違いますが登場します。ザック的には「ゾンビが子育てして何が悪いんだよ!!」とでも言いたいのか……
ザック映画としてはもはや見慣れた「2時間30分」の尺の長さではありますが正直“削れる”部分はあったと思いました。決して端切れが悪いとかではないのですが。作品としてまとまってるけどやっぱり“見やすさ”で言えばゾンビ映画ですし?そこまで長編にわざわざこだわる必要もなかったのでは??あと

お前ら一致団結せぇ
所詮は寄せ集めのチームだからこそ?人の話を全く効かずに自由過ぎる娘に手を焼くスコットに気に食わないヤツを平気で罠にハメるなんてことしていたら、あーああれよあれよと脱落していくじゃないの……!?もうちょっと仲間意識がありゃこうはならなかったんじゃ…??そりゃ一生以上暮らせる大金手にするにゃあ、そうは問屋がおろさねぇってのはわかりますけども、後半面白いようにゾンビと形勢逆転しちゃうミエミエな展開、死因の半分以上が「仲間割れ」が原因っていうのもゾンビより悲しい……。ほかにもスコットと娘のファミリードラマなんてもの描いてはおりますがあくまでそれは“ゾンビ映画での”話ですのでオプション程度の薄さといいますか……
「マン・オブ・スティール」でおわかりになられた方もいるかもしれませんが、ザック監督は細かい人物描写の“雑さ”を“黙らせるレベルの映像でゴリ押しして無理やり感動的に見せる”のが大変上手いお人なのです。だからよーく見たら中身の薄いストーリーというのが多い。でも映像でそう見えないよう“画力”で押し通せる数少ない監督というか…。日本でもそんな漫画家がおりますよね??(誰とは言わんが)その圧倒的な画力は本作でも堪能することは出来ますし、本作で描ききれなかった部分は今後スピンオフで明らかになりそうな予感ですし?まだまだ楽しませてくれそうな1本、今晩の“夕食”にでもいかがでしょうか…?
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