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アラビアンナイト 三千年の願い(2022)


【原題】Three Thousand Years of Longing

【監督】ジョージ・ミラー

【出演】 イドリス・エルバティルダ・スウィントン ラガム・アミートほか

【あらすじ】

古今東西の物語や神話を研究する学者アリシアは、講演先のイスタンブールで美しいガラスの小瓶を買う。ホテルの部屋に持ち帰ると、中から巨大な魔人が飛び出し、瓶から出してくれたお礼に「3つの願い」をかなえると申し出る。しかし物語の専門家であるアリシアは「願い事」を描いた物語にハッピーエンドがないことを知っており、魔人の誘いに疑念を抱く。魔人は彼女の考えを変えさせようと、3000年におよぶ自らの物語を語り出す。(映画.COMより)



 
【感想(ネタバレなし)】

『ボクらの“ジン”』

 




お出かけ日和の週末に肩身の狭い想いをするシングルさんコンニチワー。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたー



【アラビアンナイト 三千年の願い】!!!…いやーまだかまだかと首を長くしすぎてもうすぐ首長族に入団するレベルの日本語吹替版が“地獄”すぎたことでも話題「地獄のデス・ロード」を生み出したオーストラリアを世紀末に変えた張本人ジョージ・ミラー!!!監督最新作、ということで?あれその続編「フュリオサ」かと思いきやその前に着手していた映画と言うのが?呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ンな“ランプの魔神”が登場する超有名な物語「アラビアンナイト」なんて小学校の図書館で読んだ絵本くらいしか知らないぜ……ディズニーシーのアトラクションになってましたよね。あ、あれは“シンドバット”か



その実写版ディズニー映画「アラジン」の魔神を“青スミス”がやったからって「スーサイドスクワット」的なノリで今回はイドリス・エルバって?(実はこの2人は色々共通点が多い)×大作映画からニッチすぎるミニシアター系まで、主役から脇役からもうなんでもこなせるどんとこいマルチ女優ティルダ・スウィントンがジョージ・ミラー節炸裂の“MAD”な世界線で知る人ぞ知る「アラビアンナイト」の物語を描く……全く想像がつかないので今回拝見させて頂きました















バスローブ着た2人がホテルの一室で対談する映画だったなんて






 




いやーこれは50〜60代シングルウーマンに向けた映画なのかな?(少なくとも若い人向けの映画ではまずない)ティルダ演じる神話を研究する学者アリシアはある日研究講義のために訪れたイスタンブールの骨董品店で偶然きらびやかな“青い小瓶”をお土産に買いホテルの洗面台で汚れを落とそうとゴシゴシ洗っていたら……













どうも大魔神です。





イドリス演じるランプの魔神“ジン”が煙と共に現れた…!?当然ランプの魔神とくれば「3つの願いを叶えてやろう。」のセリフですよね!!そこへジョージ・ミラーの歯車が加わり人間の小汚い欲望まみれのウラの顔やら犯罪にでも手を染める風刺コメディ、みたいなノリで行くのかと思いきや本作で描かれるは「3つの願い」より重きを置いた













「愛」がテーマ





だったんですねー。そしてジンが語りだす自らの過去「何故瓶に“幽閉”されてしまったのか」3つの願いではなく「3つの物語」……というジンの「昔話」がはじまり「あ、そういう感じで進むのね」とそこで察しがついてしまう、本作は前半と後半で物語が大きく区切られております。特にジンの語りからはじまる前半パートで好き嫌いが別れそうですね。まぁなんとなく予告から壮大なバトルものではないことくらいはわかりますがw



今回のジンは見た目はただの裸体のイドリス・エルバ、耳だけウサギみたいにチョコーんと立つスポック系。はじめはアリシアに上から目線な厳しい言葉を発するくせに途中からホテルの朝食より豪華な銀皿のお菓子セットみたいなの出して敬語になるのがなんかオモロい。聞くと何やら「オレは女性に惚れやすい」……なんだそりゃ!?



そんなジンの“女性運のなさ”もさらけ出しつつ前半はひたすら“回想”シーンが続く。我々視聴者もアリシアと一緒になってその話を食い入るように見るか、それとも早々に飽きて見る気を失せるか(心撃たれた女性の瞬間を「息を呑む」で表現しているところがまた面白い。)ただそこに御年77歳パワフル爺ちゃんことジョージ・ミラー監督のこだわりが詰まっていると言いますか、“遊び心”は衰え知らず?時にVFXを惜しげもなく使用した大胆なカメラワーク&彼の持つ“独特なビジョン”を見事映像化していると思いましたね。また突然現れるファラオの顔が急にドアップするMAD過ぎる演出に砂漠のシーンや巨漢の女性、フュリオサと闘ったライフルぶっ放す白髪の老婆役の女優が口うるさい隣人役で出演したりと、ところどころ「デス・ロード」感も垣間見れたりで、もう俄然次回作の期待が高まっちゃうじゃない〜。



え、楽曲はジャンキーXLがやってたの!?ちょっとロックっぽさも入ってたり、あと幸せなシーンなのに何故か悲壮感も漂う……いやそれが“熟年恋愛”なのか…?



そう今作は「成熟した男女のラブストーリー」なのです!!それが顕著に頭角を現す後半戦。「愛に“永遠”はあるの?」確かに歳を取らないジンだけど彼にもまた人間にはない“制約”が隠されていたり…?とすっかりジンの物語の虜となったアリシアはなんとかジンと2人仲良く生活する方法を見出そうとするのですが……



過去に恋愛や結婚経験はあれど今は仕事と趣味を生きがいにして子どもの心配もなく、ある意味“再びの自由恋愛”が許される絶好の年齢?公園でアリシアがキャッキャはしゃぐ若いカップルや親子を視界に入れつつ自分の世界に没頭し続けるシーンがあるのですが、なんでしょう、見る人によってはシングルの悲壮感的なものも彼女から感じ取れると思います。いやそれも決して間違ってはいないと思います。ただ同時に彼女は彼女の“生きる道”がちゃんと用意されている?アリシアと同世代の独身女性はきっと彼女に共感出来るシーンがあるんじゃないかなー。そして彼女にとって“運命の人”がジン














恋愛に年齢はカンケーない







結局ココに行き着くんだよな〜!!

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