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アダム&アダム(2022)


【原題】The Adam Project

【監督】ショーン・レヴィ

【出演】 ライアン・レイノルズ ジェニファー・ガーナー ゾーイ・サルダナ マーク・ラファロほか

【あらすじ】

科学技術が発達した2050年。戦闘機パイロットのアダム・リードは、あることをきっかけに、「タイムトラベル技術の発明を阻止し、未来の世界を救う」というミッションに挑むことになる。全ての鍵を握る2018年の世界に向かうアダムだったが、アクシデントに見舞われ、到着したのは2022年の世界だった。そこでアダムは、いじめられっ子だが生意気盛りだった12歳の自分に出会う。大人と少年の2人のアダムは、かみ合わないながらも時空を超えた冒険を繰り広げ、その中で次第に絆を育んでいく。(映画.COMより)


 
【感想】

『※自動車保険のCMではありません』

 




拝啓、10年後のえだまめさま。10年後のアナタは今と同じように陸上選手を目指して走り続けているでしょうか____いいえ高校で既に辞めましたラーチャえだまめです。成人式でタイムカプセル掘り起こしたら運動会で走る自分の写真が入っててその裏にそんなこと書いてあったんですよ?過去の自分になんて顔向けすればいいよ?こんな大人になって誠にすいまメーン……!!!そんなわけで本日はこんな映画を拝見させて頂きました



【アダム&アダム】!!!……そこはイヴじゃないかーい。2022年の今日を生きる一人の少年が、ある日突然マルチバースは存在しない事実を突きつけられる未来から“28年後の自分”と豪語するライアン・レイノルズっぽい自分だと思ったらやっぱりライアン・レイノルズと鉢合わせしてしまう??今週のNetflixランキングで1位ですか。ええ、本当に集計してんですかそれ?いやしかしついこの前やったワンダーウーマンとブラックアダムと一人だけマーベルという仲間外れ感すら感じさせない超豪華キャスト共演「レッドノーティス」に引き続き?Netflixでも大作出演続きの“第4の壁芸人”こと我らがライアン・レイノルズ×「ストレンジャーシングス」の名プロデューサーにして「フリー・ガイ」でレイノルズと2度目のタッグとなる、こちらも今売れに売れている監督ショーン・レヴィですから?ビッグマックと月見バーガーをセットにしたらそりゃ間違いないよね理論に匹敵する長井秀和も絶句する“間違いない”組み合わせ……そんなわけで拝見させていただきマンモスしたのですが
















“28年前”の自分に“お説教”されるとは思わなかったでござるの巻







 





ドラえもんも使わず過去へ“時間旅行”できるようになった西暦2050年。2018年にタイムワープしてその後失消息不明となった愛する妻を探すため、同じ時間にタイムワープを試みるも機材トラブルで4年後の2022年に飛んでしまったレイノルズ演じるアダム・リードは、負傷してジェット機を操縦できなくなり“自分”の代わりに操縦できる“同じDNA”を持つ2022年当時12歳だった“もうひとりの自分”に助けを求めることに……しかし2022年の自分は数年前に父を亡くした悲しみ癒えることなく、学校ではいじめっ子の標的にされ冴えない人生を送っておりシングルマザーのジェニファー・ガーナー演じる母親とも仲は悪くないものの本音で話せなくなっていた…??少年アダムと成人アダム、コナン君もびっくり見た目は違えど中身は同じ……さりげない仕草から古傷、ワンプレートのフォークを刺す順番までシンクロしてしまう。だってミーはミーだもんね!!ちなみに「バックトゥザ〜」みたいに必死に過去の自分と接触しないよう気を配るとかはありません。開始数分で遭遇です。仮に接触したら消滅するとか死ぬとか未来が崩壊するとかめんどくせえ「制限」は今作にはありませんのでストレスフリーってか?



娯楽大作に定評のあるショーン・レヴィ監督。ポスターや予告から終始コミカルのまま突っ走るのかと思いきや意外とシリアスな展開も、、、実は多い。このコミカルな部分とシリアスとの駆け引きが非常に上手いんですよね。「お、それライトセーバーちゃうんか」とか「MCU」ネタとか流行り小ネタで攻めたあとに大事な人を失ったり時間のルールに抗えない虚しさだったり、時に深く考えさせられるそんなシーンを差し込んだり……「リアル・スティール」で見せた“父と子”の感動ものとしての側面もあり。その辺のバランスが上手かったですねー。



特に3人でキャッチボールをするシーンはねぇ……ちょっとジントニック……ジンとしてしまいました。ちなみに亡き父親を演じるのはハルクことマーク・ラファロ。発明家の役がまあ似合う似合う。ほかにもアダムの妻役にゾーイ・サルダナ。今回あまり出番はありませんでしたが。笑いあり劇中ここぞという盛り上がる場面で懐かしの洋楽を差し込んでくるスタイルにガモーラは出るはジェット機がどこか“ミラノ号”を彷彿とさせる……もしジェームズ・ガンがそのまま「ガーディアンズ3」から降ろされたままの世界線だったら、タイカ・ワイティティと並びショーン・レヴィも次期監督候補だったかもしれませんねぇ。いやそれくらい違和感ないかも??



少年アダムは未来の自分に憧れを懐き、そして成人アダムはそんな目を輝かせながら憧れを抱く過去の自分に“本当の自分を見せたくない”というジレンマを抱えている…。過去と未来の自分が合間見れることで「本当の自分を見つめ直す」という、そんなお話かもしれません。成人アダムは少年アダムに「自分みたいな大人になるな」と警告する。あとシングルマザーの母親を大事にしろよと。成人アダムは母親を“大事にしてこなかった”。その先が待つ未来を知っています。そんな未来の自分が過去の自分に同じ過ちを侵さないよう「説教」するシーンはドラえもんの話でもあるような、わりとSF映画の鉄板……しかし今作はさらにそこからもう一捻りを加え“過去の自分が未来の自分に説教する”場面があるのです。


















成人アダムは恨んでいました。生前研究ばかりに明け暮れ自分の相手をしてくれなかった父親のことを。そしてどうしていなくなってしまったのかと。でもそれは悲しみから憎しみに変えた方が“楽”だから、父親を失った悲しみを成人してもずっと引きずった結果、いつしか気づかぬ内に悲しみが憎しみに変化していたのでした。そのことを少年アダムは知っていました。なぜなら、少年アダムはまさに今現在進行系で父親の死を悲しんでいるから。そして憎しみから“消えた過去の思い出”も、少年アダムを通して再認識させられるのです。父親は忙しい仕事の合間をぬってちゃんと自分と向き合おうとしていたことを、努力していたということに改めて気付かされる成人アダム。……今作を観て「あの時の自分」と今の自分を見比べてみるのもいいかもしれませんねぇ。



ちなみにショーン・レヴィ監督の「レイノルズ3部作」に「デップー3」が正式決定したそうですが、それとは別にレイノルズとヒュー・ジャックマンの“ラブロマンス”を撮りたいと意気込んでいる模様……。


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