【原題】Aquaman and the Lost Kingdom
【監督】ジェームズ・ワン
【出演】ジェイソン・モモア パトリック・ウィルソン アンバー・ハードほか
【あらすじ】
はるか昔、南極の氷河の奥深くに封印された「失われた王国」。そこには、世界を滅亡させるほどの力を持つ伝説の古代兵器ブラック・トライデントがあった。ある日、アクアマンへの復讐を誓うブラックマンタがブラック・トライデントを見つけ出し、邪悪な力が解き放たれてしまう。5億もの海の生物を操ることのできる海底アトランティスの王アクアマンは、かつてない脅威から海と地上の世界を守るため、仲間たちとともに立ち上がるが……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『兄の精一杯の愛情。』
どーもどーもヨーグルトに冷凍のブルーベリーを入れたはずが冷凍のムール貝でしたラーチャえだまめです。本日はそんなシーフード好きの方は勿論、我らが「DCEU“DCエクステンデッド・ユニバース”」の大人気海鮮野郎が多暴れるシリーズ第二弾
【アクアマン/失われた王国】!!!桃ならぬ磯から生まれたモモアマン!!!ことジェイソン・モモアが2016年の「バットマンVSスーパーマン」で“最強のウミンチュ”アクアマンとしてカメオ出演を果たした後、2018年に無事単独冠映画「アクアマン」としてデビュー、それまでさかなクンでも知らなかった日本ではあまり知名度のない“アクアマン”という男も全世界に公開されるなりDC映画史上“歴代最大興行成績”を樹立という!?「海の中のロード・オブ・ザ・リング」のコンセプト通り一度スクリーンに潜ればサカナクションの“宝島”ばりにギラギラに輝いた“非現実的な海底世界”に多くの人が魅了されご乱心ならぬ“ギョ乱心”した記憶も実はもう6年前という衝撃。
そのDCEUの看板作品がまさかマギカのワーナーの“お家騒動”に巻き込まれDCEU第13作目にして“シリーズ最終章”&“打ち切り決定”という!?何を考えているんだワーナー!!いやジェームズ・ガン!?全くファンの期待を魚……逆なでしたいのかとさえ疑ってしまうこのドイヒーな仕打ちに!?シリーズファンではない方でも「もう続きがないから見なくていいか。」と打ち切り決定した途端読む気が失せるマンガのような残念な気持ちで劇場へ足が遠のいていないか!?またゴテゴテのVFX垂れ流し映像に昨今社会問題になっているマッチングアプリ疲れと並び“アメコミ映画疲れ”がさらに拍車をかけている背景もあってか日本では前作以上に話題になっていないような……否!!今回私前作に続いて“IMAX3D”で“体験”させて頂きましたけどね!?これだけは言わせてください全編
ずっとIMAXのCMみたいなシーン
コレはもうIMAX3D案件だと言わざるを得ない!?アメコミ疲れ?いやいや最後にココで一発“特大イクラウニかけ放題海鮮丼”でもいかがでしょう!?
今回事前に噂になっていたファンの皆様の不安要素
・打ち切り決定に伴い予算削減?
・アンバー・ハードの大幅出演カット
・関係者試写は“最悪”評価だった?
この3本について詳しく解説致しますが、その前にケツのロン申しますと「全く問題ななかった」これが率直な感想です!!それはやっつけ仕事ではなく「予想以上に“完成度が高い”」作品に、またしてもなっていると言っても過言ではありません!?
①打ち切り決定に伴い予算削減?
まず1つ目の不安要素。シリーズ打ち切りに伴い“怠惰”化したワーナー本社による大幅な予算カット&テコ入れがあるのでは?と話題になりましたが……特に本作の「ギラギラの海底世界」を作る上で多数のVFXは切っても切れない要素。海底にいるだけでまず髪の毛をユラユラ揺らすエフェクトを入れなければならないわけで?かなり面倒な作業を必要とする海底シーンでほぼ全編占めているわけですから、そりゃスタッフも時間も必要となります。特殊効果等が“安っぽくなっていないか”これがまず不安の種でした。
が、いざ3Dメガネで竜宮城へダイブしましたら6年前と全く変わらないアトランティスの世界がスクリーンいっぱいに広がっていたんですね〜!しかも今回は前作には登場しなかったジャングルや巨大洞窟基地、南極といった“NEWステージ”をバンバン盛り込み前作とはまた違った「陸」の世界を登場させマンネリ化脱却を実現。今まで深海という人類未開の地だから百歩譲ってアトランティスが出てきても「そんな世界なんだろな」で認めざるを得なかったのが「センターオブジアース2」みたいな巨大生物の島は出るわ、もう「陸地でもこんな世界ねえよ!!」とツッコミたくはなりますが
そりゃ当然バック背景は全てグリーンバックでしょうよ、でも「奥行きがスゴイ」これ!!これが3Dをオヌヌメする理由!!前作もIMAX3Dの強みを最大限に活かした色彩や奥行きを計算して作られていましたが、今作もまるでアトラクションに乗っているかのような“シー・チェイス”はじめ、360度カメラワークに引きからのアップ……「体感」を大前提として作られている故、これはもう劇場で高いお金を払ってでも体験して欲しい!!
②アンバー・ハードの大幅出演カット
意外だったのが海賊王ジョニデとの泥沼裁判沙汰で今やすっかりイメージダウンしたアンバー・ハードの「出番が全然あった」点。公開前は出番をゴッソリ減らされた?とウワサがあり(本人も出演時間減らされたとか言ってなかったっけ?)アンバー演じるメラはアクアマンの恋人で結構重要だし?いや前作に普通に出てた人が諸事情で急に故人にされたりカメオレベルに出ないパターンあるじゃん?作品には何ら関係ない理由で不自然な扱いされちゃうのかとちょっと不安でしたが、いやいや普通に出てくるし、なんなら見せ場も結構あるしで作品を愛するファンの気持ちわかってるなーと。そうそうこのお方をまだ紹介しておりませんでしたね、前作に引き続きメガホンを撮ったのは我らがジェームズ・ワンさん!!「SAW」「死霊館」シリーズの生みの親にしてホラーを極めた男が次に向かった先が海底……だったかどうかは定かではありませんが、今回ワンさんが「ワイスピ」で培われた「ヘイ、ブラザー」精神を2作目で爆発させております。確かに今回アンバーの役はメインではありません。ヒロインはこの方
パトリック・ウィルソン〜☆
「インシディアス」「死霊館」とこれまで何度もワンさんとタッグを組んできたパトリック・ウィルソン。最近では仲が良すぎて「インシディアス」最新作で監督デビューさせるまでに至った今回ワンさんの“パトリック愛”が爆発しすぎて生きたゴキ◯リを実食させる暴挙にまで……前作でアクアマンの異父兄弟にあたる“オーム”という“ヴィラン”を演じておりましたが
今作ではそのヴィランであるはずのオームとアクアマンが何故か“二人三脚”で脅威に挑むという!?前作であんなに敵対していたのに神様兄弟も嫉妬する“仲睦ましい”ホヤホヤな兄弟愛をこれでもかと見せつけられてしまう!!今作のテーマは「ブラザー愛」。立場が逆転した兄弟、圧倒的なチカラと優しさと引き換え政治的なことは全く不向きで国の内政にアタマを抱えるアトランティスの王アクアマンと少々冷酷な一面もあれど切れ者のオーム……衝突しながら互いを認め合い、肩を取り合い補い合うことで強くなっていく2人。この2人を産んだニコール・キッドマン母ちゃん凄えよ。今回も全然老けてなくて6年間竜宮城にいたんですか?
③関係者試写は“最悪”評価だった?
関係者の試写で「最悪な出来」の烙印を押されていたらしいウソみたいな話。本作の製作時期がちょうどワーナーのいざこざと丸かぶりしていた最悪の期間ともあり、DCEU存亡か終焉か決まらぬまま、方針がコロコロ変わる度にエンディング等作品の落とし所の再編集&再撮影もされていたらしい。当初ベン・アフレック演じるバットマンとの共演シーンも用意されていたが最終的にお蔵入りになるなど前回ご紹介した「ブルービートル」と同様、今作もかなり“不遇”な扱いを受けた作品であることは間違いない。それを「全く感じさせない」作りは本当に見事としか良いようがなく、ワンさんのクリエイターとしての腕がまたしても証明されてしまったわけです??
中でも今作のメインヴィランがどこぞの新顔ではなく前作から度々登場していたブラックマンタ、という所が大きかった。アクアマンに親父を見捨てられ逆上しアクアマンを親の仇として執拗に命を狙うもあっけなく2戦とも完封負けしたトホホすぎる、メインヴィラン・オームとの死闘の前の肩慣らし的な噛ませ犬ならぬ「噛ませマンタ」だった前作のブラックマンタを?海底の死霊に操られているとはいえ今回悪魔的な武器大幅な能力値の修正がなされアクアマンたちとパワースーツなしで互角に戦えるようになったばかりか、OPからずっとマンタがメインを張るという?完全に裏主人公的扱いに昇格したマンタ(当初からその予定だったかもしれないが)演じるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世もモモア同様前作で一躍注文され今や大作映画に引っ張りだこの彼の「復讐心」だけが原動力なマンタことデイビッド・ケインが豹変していく姿を横から何故か執拗にストーキングするシン博士の謎の出番の多さにも驚愕だが、演じるはMCU「アントマン」はじめこちらもドラマシリーズにも引っ張りだこのジミー・ウー捜査官役のランドール・パークという謎の安心感で最後まで見ていられる。
いやー最低でもあともう1本くらいはなんとか……!!(泣)ザック臭を完全に消し去りたいジェームズ・ガンの思惑にモモアマンに同じDCキャラ「ロボ」への“リキャスト”報道も真偽の程は定かではありませんが……今回は“エンディングもかなりさっぱりしている”本来ポストクレジットばかり目が行きがちなアメコミ映画ですが“映画”ってそもそもそうだよな、と感じさせせてくれるホントに素晴らしい作品ですので是非IMAX独占中の今劇場へ尾びれを運んでみてはいかがでしょう……!!
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