【原題】ヨコハマ物語
【監督】喜多一郎
【出演】北乃きい 奥田瑛二 佐伯めぐみほか
【あらすじ】
中学生の時に両親を亡くし、施設で育った25歳の女性・松浦七海は、アマチュアバンドのマネージャーをしているが、貯金もなく家賃も滞納、食うにも困る日々を送っている。一方、定年退職の日に愛妻の薫を病気で亡くした65歳の田辺良典は、一軒家にひとり取り残され、これからの人生をどう生きればよいのか悩み、沈んでいた。そんな2人がひょんなことで出会い、七海が田辺の家に転がり込んできたことから、奇妙な共同生活が始まる。(映画．COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『湘南に美人姉妹あれば、ハマに家族ごっこあり？』
どーもどーも「キミどこ生まれ？」と聞かれたら必ず「横浜です。」と答えたがるラーチャえだまめです。そんなわけで本日は横浜をこよなく愛する生まれも育ちも骨の埋め場所も浜っ子の私が「横浜を舞台にした映画」って何だろう？とふと思い立って探してみたら「あぶない刑事」やら「濱マイク」と刑事探偵ドラマが多いことに気づきまして……そういや去年も某医療ドラマの劇場版でランドマーク爆破されてたし(汗)もっとこう、物騒じゃなくてほのぼのとした横浜を舞台にした作品はないですか？？そう、例えば「海街diary」みたいな…
【ヨコハマ物語】あるじゃねえかあー！！！“横浜を舞台に、初老の男と数名のシェアハウスメンバーとの心の交流を描く、ハートフルドラマ＿＿＿。”こういうのが観たいんですよ〜！！！ちなみに“横浜”と聞くと皆さんどこを想像しますか？横浜と言っても広いですからね〜。みなとみらい？馬車道？関内？中華街？元町？山手？それとも横浜“駅”ですか？？
ちなみに浜っ子は横浜集合！と言われると大体“横浜駅西口”に集まります……
……話が逸れました、ということで今回プライムにも入っていたので、これは何かの縁を感じたのが運の尽き
北乃きいが超“物騒”なんですけど…！？
序盤、前半は「ソンゲバソナ」のオンパレード…！？なんかPCの無料フォントデザインで作ったような味気ないタイトルからはじまり「横浜市が作ったPV？」レベルのクオリティの低さを早くも懸念してしまいました……これは失敗か？北乃きいが両親の墓の前で悪態垂らす後ろ姿からもう色々痛々しい芝居で「こんな人いないでしょ…」からの奥田瑛二に助けてくれたお礼に「おじさん一人暮らし？なら私がここに住んでやるよ。なあ？」……なあ？ってなんだよなあ？って！！口悪すぎだろ北乃キイイイイイイ！！！(怒)となるかはさておき、見ず知らずの若い娘といきなり同居する奥田瑛二もやばいが、その後北乃きいが街中で困っている人をどんどん奥田さんの家に勝手に居候させて、しかも全員奇遇なことに住む当てもなく集まったのは若いシングルマザーにエリート、そして関西弁の歌姫……誰一人性格も身なりも被らずしかも全員若い女性
それなんて「エロゲ」？
この状況でよく奥田さん平気な顔して生活できんな……
しかしそのぶっ飛んだ「当たり前」展開に徐々に慣れてくる中盤、後半から本作の「旨み」がジュンジュワーと流れてくる「スルメ系」映画のそれなんじゃないかと！！色々都合良すぎるストーリー、パワハラ全開な上司の齋藤洋介が上司にしては流石に年上すぎるなど“リアリティ”はないのよホントにホントにホントに……。NHKの連続TV小説だと思って下さい。じゃあ是枝監督の鎌倉を舞台にした「海街diary」で「あんな美人姉妹いねえよ」感はもはやファンタジーの域だし、でも鎌倉という異国情緒ある街が舞台だから、鎌倉そのものをキラキラしたファンタジーの世界として捉えたい感もあって、だから彼女たちのキラキラした存在感が作品から浮かない不思議。「DESTINY 鎌倉ものがたり」で異世界化させる程、鎌倉には“非現実”な魅力があって……話が逸れましたが今作もそれと同様のことが言えるかもしれません。横浜という異国風な街なら、ひとつ屋根の下で個性豊かな女性たちとウソみたいなシェアハウスするファンタジー……返ってシャレ乙じゃないですかぁ！？
同居人と過ごす度に奥田さんが思い出す亡き妻との「些細な記憶」。これが何度もカットインしてくる。本当に些細な、でもそれが妻にとって「かけがえないのない大切な時間だった」ことを、妻を失ってから気づく、この切なさと言ったら……。
「大切な人は失ってから初めて気づく」とはよく言うものですが、結婚うん十年、「いるのが当たり前」になっていた妻、その妻がいなくなった喪失感、ポッカリ空いた穴を、縁もゆかりもなかった「新しい家族」たちが少しずつその穴を埋めていく。人情ですね〜。ベタな話じゃないですか。でもそれでいいんです。「だってファンタジーなんだから」コレ。本作が「ファンタジー」に全振りしているかはさておき、逆に素直に「感動」が入ってくるわけですよ！？ここまでぶっ飛んだ脚本で感動させてくる、ある意味恐ろしいわ……。
そんな「家族」をテーマに「帰る家があっていいよな。」北乃きいの相変わらずのタメ口も後半気にならなくなるどころか“いいセリフ”が次々出てくる。ほかにも「人を使える・使えないの“モノ扱い”しない」会社とかであるじゃないこういう思考。ああ、私はモノ扱いされる側ですが、ホント間違ってるよなぁ……家族はそんなこと言いません。ラストの粋な演出も良かったですねー。本当にこんな夫婦になりたいですなぁ〜。あ、まず相手を探さないと
「こんな“家族”のカタチがあってもいいんじゃないか」と、血の繋がりだけが家族じゃない。これで同居人に男がいたら作品のパワーバランスが全て崩れるわけですが
ハイ知ってます知ってます〜、浜っ子にはお馴染みのロケーションがちょいちょい出てきて歓喜！意外とみんな行かない元町商店街を中華街の前に行く……わかってる〜！！ミッキー・カーティスと出会う「海の見える丘公園でプロポーズ」は全横浜市民の憧れですよね？？終盤出るライブ会場、横浜西口のムービルの中にあるんだけど、まだ行ったことないんだよなー。あと横浜Fマリノスとのタイアップ？ボンバーヘッド中澤など“ご本人”枠で有名人が何名か出演しております。墓地のシーンでさりげなく背景に映り込むランドマークの存在感……やっぱ横浜だよな〜(悦)「海街diary」も大好きですがまたしても県民愛が炸裂してしまいましｔ……て俺横浜じゃなくて神奈川県が好きだったってこと…！？
知ってます？横浜生まれの人で横浜が嫌いな人って、私出会ったことないんですよね〜(浜っ子が嫌われる理由その1)
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