X エックス(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2022年7月18日
- 読了時間: 9分

【原題】X
【監督】タイ・ウェスト
【出演】 ミア・ゴス ジェナ・オルテガマーティン・ヘンダーソンほか
【あらすじ】
1979年、テキサス。女優マキシーンとマネージャーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優ジャクソン、自主映画監督の学生RJとその恋人で録音担当のロレインら6人の男女は、新作映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。6人を迎え入れたみすぼらしい身なりの老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。マキシーンは、母家の窓ガラスからこちらをじっと見つめる老婆と目が合ってしまい……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『“X”の文字に惹かれ観に行ったらポルノ映画を見せられた人』
1979年___。ここに一組の老夫婦が___いた。
田舎町でひっそりと余生を謳歌しているように見えた2人だが、夫婦間にある“悩み”を抱えていた。

そこへやってきた若者たち。2人の間である歯車が____“狂い始めた”___。


股の下のぺぇー◯スぅー

小屋の中のひぃーめいぃー

みんな何処へ行ったぁー 見送られることもなくぅー

ヤリ◯ンのペガーサスぅー

血みどろのヴィーナスぅー

みんな何処へ行ったぁー 見守られることもなくぅー……
……どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【X エックス】…!!!ええええっくすえええっくすえええっくす……!!!!いやーこれまた気になっていた映画、ちょっとまてちょっとまて今週から急激に面白そうな映画が大量増量中!?しかもカリコレもあるじゃん!!あーどうしようどうしよう……モタモタしていたら見に行く暇がなくなると思い先日観に行ったわけなんでありますが…
最近「この映画なかなか攻めてるなぁ〜」と思った映画のエンドロールの後に“A24”のマークが……なんて現象、ありませんか?2012年に爆誕しまだ出来立てホヤホヤの新参映画製作スタジオでありながら、刺さる人には黒ひげ危機一発の樽並にズブズム刺さりまくる映画を生み出している今ハリウッドで最も脂の乘った映画スタジオ“A24”。アカデミー賞受賞した「ムーンライト」や「ミナリ」「レディ・バード」など批評家から高い評価を得た作品を量産、まぁ私個人としては中でもやはりアリ・アスターとかいう完全に恐怖の神経がどうかしちゃってる監督を選出した結果「ヘレディタリー」そして「ミッドサマー」と史上最悪な(最高な)ホラー映画を爆誕させた会社、という“ブラムハウス”と並ぶ「セカイ、最恐ヲ、オットトトゲマース。」のユニバーサルホラースタジオのイメージですかねぇ。
そんなA24が、これまで1本の単体作しか制作してこなかったスタジオ初の“シリーズもの”として!?とある1本のホラー映画に次なる1手にGOサインを出した……それが今日ご紹介するくーーーれないに!!そまぁーーーっt……「X エックス」…??一体全体アルファベット1文字だけのタイトルで全く予想がつきません。どうやら79年が舞台のまさに世は「悪魔のいけにえ」世代、否“レトロホラー”に“莫大なるオマージュ”が捧げられた“映画史上最高齢”??「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」のババアよりも高齢、ということでしょうか〜?うーんこれは気になりますねー。
このだいぶ攻めた一文字タイトルが表す意味が?物語のヒントになるというのは言うまでもなく……ちなみに公式サイトでは極限(「X」TREME)のX、快楽(「X」TC)のX、未知なる(「X」FACTOR)のX……?と明記されておりますがその真相はズバリXでもない

ナイスですねぇー。
ポルノ女優のマキシーンは恋人のプロデューサー、スタッフ、出演者と共に「農夫の娘」なる低予算ポルノ映画の撮影のためテキサスのとある農場を訪れる。プロデューサーがどこからか見つけてきたその農場には老夫婦が住んでおり、爺さんは初対面からいきなりショットガン向けてくるガチ◯チでマキシーンたちと早くも敵視……プロデューサーは「田舎者にはよくあること」と笑って誤魔化したけど色々揉めたくないから「映画の撮影とは知らせず」老夫婦には黙って勝手に農場でゲリラ撮影に挑むのですが……

「インフォマニアック」リメイク版「サスペリア」で「攻めた」演技と独特な存在感を醸し出したモデルで女優のミア・ゴスが純白なイメージをガラリと変えポルノ女優を演じるとは、なんかこういうチャラチャラしたキャラ演じるイメージがまるでなかったんでビックリですね。白い粉吸いながら「この映画で絶対売れてやる!!」って野望をギラつかせた「若いピチピチギャル」で撮影にも一切動じない。「ピッチパーフェクト」のブリタニー・スノウ演じる真っ赤なドレスが既に目が痛い“ブロンド”女優もノリノリで脱ぎ脱ぎしてギッコンバッタンボンバーヘッドの汁男優とオッパじめるし……それを「ザ・ベビーシッター2」のジェナ・オルテガ演じる音響スタッフがスタンバイ、プロデューサーが見守る中カメラマンがカメラを回す。前半は完全にポルノ映画の裏側のソレ、昭和レトロホラー感アリストテレスと言いますか、「エロとホラーはハッピーセットです」と言わんばかりにお子様には見せられないシーンが……!?

白ブリーフでうろちょろすな
ゴリゴリマッチョの西村とおるかよ!!そりゃあもう「ナーイスですねぇー」……そんなわけで前半はなかなか「本性」を現さない老夫婦にイライラ。それどころか老夫婦の「夜の営み問題」という見たくもない光景まで……このまませくーすして終わっちゃうよ??と不安になってきた所からようやく物語が本格始動です。ここまで指を加えて待てるかどうかがまず好みが別れるポイントかもしれません。今作のキラーは「史上最高齢」、ヨボヨボの殺人鬼相手に若気のチカラで太刀打ち出来ないのか…??

“お年寄り”だからと油断する人続出
ここはちょっと「ご都合主義」感が強いかな!!まあ殺人鬼言ったって「老い」には勝てないわけですよ!!しかしそこをどう工夫してキルするか……ゆっくりゆっくり……いきなり飛びついたり走ったりは出来ないけど、ゆったりしながら確実に若者たちを殺めていく。逆に「ねえねえお婆ちゃんこんな所で何してるの?」と不審に目の前に現れても相手を油断させる、ある意味「年の功」効果でヤリやすい環境という、難易度はイージーですか?
ほか成人向けタイトルの割に15禁である本作のゴア描写はこれと言ったオリジナリティもない平凡なものに仕上がっていて視覚的な刺激を求めるには物足りないかもしれません。では本作の話題性とは、海外サイトで話題となった所以は?……となればそれはやはり「殺人鬼」の魅力、否

「老いた殺人鬼」への「憐れみ」
のようなもの??後半になるにつれ殺人鬼に対する「憐れみ感情」がどんどんヒートアップ!?そしてクライマックスになるともう酷すぎて見るに絶えない会場では何故か笑い声が……?
こんな感情、今までにない殺人鬼像では?「ハロウィン」のブギーマン、ちょっと前にネトフリで30年ぶりに復帰したレザーフェイスのようにマスクの下は生身の人間なのにこれまで伝説級の殺人鬼を無理やり蘇生させ現役と変わらず働かせるホラー界の高齢化問題「老いを感じさせない」ことがホラー界では「美徳」とされている社会で、あえて無敵ではない、老いを前面に押し出し殺人鬼も要介護の余地あり、と身をもって思い知るがいいい!!!と我々視聴者、そして殺人鬼自身にも!?わからしめようとしているかのような!?

監督はタイ・ウェスト。「キャビン・フィーバー2」「VHSシンドローム」等ホラー畑で育った自身もホラー映画オタクであり、日本未公開のデビュー作「The House of the Devil」で見せた70〜80年年代のポップカルチャー、とりわけ「昭和ホラー」への愛が強い監督なんだとか?今作でも数々の名作ホラーの「オマージュ」が見て取れるところもポイントでしょうか。池の中にいるワンコならぬワニは「悪魔の沼」過ぎるしヒッチコック、キューブリック作品などなど……映像も古いフィルムで撮影したようにワザと荒っぽさを演出、また「サクラメント」と同じく今作もこの時代らしいカルト教団の存在が見え隠れする。単純に70年代ファッションを見て楽しむのもアリですかねー。
1本目から実は同時並行的にパート2の制作が進められていた?もうすぐ完成予定らしい続編(というよりは前日譚)「Pearl(原題)」の予告が只今2週間限定で本編終了後に流れます。映画を最後まで観た方なら“憶測”が“真実”に変わる瞬間かも??殺人鬼の知られざる過去をより深堀してくれる内容なのは間違いなさそうですが、正直続編が気になるかというと……だってこの殺人鬼は悲しきかな「老い」ているからある意味「花」があったわけで、その「老い」を抜いてしまったらあとは何が残るの……?本末転倒な気がしてならない。シリーズものには確かに勢いも大事だけど、はじめから「シリーズありき」で始まる映画に限ってコケたりするだよな〜。ネトフリの「フィアーストリート」の二の舞にだけはならないで欲しい(私は2作目で限界来て以後視聴をやめました…)やっぱりシリーズを「やる意義」が欲しいですよね。シリーズ3部作構成らしいけど、3部作目で「リング」で言う所の「ループ」みたいな大胆不敵な大ドンデン返しまで既に構成済み……タイ・ウェストが3部作にしたことで“どう攻めてくれるか”まずは次回作「Pearl(原題)」の続報を待つしかありません…!!
【感想(ネタバレ)】

結局こーゆーこと?
男より女の方が性欲強いっていうのは本当だったのか……!!奥さんを満たしてあげたい、そんな想いで天国の穴にヒトツキする毎に天国の門を叩く夫……悲しきかな、しかしそれも事実。最近(てかもう数十年?)夜の営みがなくて欲求おばけと化していたパール、でもこれまで外界から離れた農場、2人だけの空間だったから“我慢出来た”それがマキシーンたちの来訪、目の前で性交の現場を見せつけられついに抑えが効かなくなってしまったんですかねぇ。早くも次のスクリーム女王との呼び声高いジェナ・オルテガの地味め女子がてっきり後半主人公株に昇格かと思ったら全然そうじゃなかった……という“ハズシ”のやり方?それが最も顕著だなと思ったのが“パイ乙見せたヒロインは終盤まで生き残れない”ホラー映画あるあるをぶっ壊した

“ヒロインより先にメンズが全滅する”
ポリコレを意識しているのかいないのかは定かではありませんが“昭和ホラー”とりわけ“昭和的”な演出にこだわっている中で、でもその“通説”通りではない所が、“現代”ホラーだなーと思いましたね。
それにしてもwikiなどの出演者欄に何故かパール役の俳優の名前がない。老けメイクしてるということは……もしかして見た目より若い俳優が演じているのかー?なんて思った方

ジャジャ〜ン!!実は演じてたのはミア・ゴスでしたぁ〜!?確かにパールの若かれし頃の写真がマキシーンと瓜二つだし「あの子はどこか私に似ている…」とパールがつぶやくシーンもありましたね。裸になって一緒に添い寝までするくらい「まるで若い頃の自分を見ているかのよう…」とマキシーンに対して他とは違う特別な感情を抱いておりましたが……しかし顔のシミまで一緒にする必要あるかね?ミアが“ただ似ている”だけという理由で一人二役させるかー?実はそのままの意味で“同一人物”とか?宗教絡みで輪廻転生説とか?今作がどえらい捻りの効いたシナリオではなく思いの外どストレートな内容だっただけに、メインを2作目にとっておいてある可能性もあるのでは??1作目はとりあえずな純粋なホラーとして、次回作でとんでもクライシスな「隠し球」が用意されてるとも思えるしそうではないとも思える……いずれにしても次回作を観なければなんとも言えませんねぇ。
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