VIRUS ウィルス:32(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2023年1月9日
- 読了時間: 5分

【原題】Virus-32
【監督】グスタボ・エルナンデス
【出演】ウラ・シルヴァ ピラール・ガルシア・アヤーラ ソフィア・ゴンザレスほか
【あらすじ】
ウルグアイの首都モンテビデオで、感染すると凶暴化する謎のウィルスが発生。勤務先のスポーツジムにいた母と娘は、建物内で離ればなれになってしまう。やがて母はある生存者夫婦に出会うが、妊娠中の妻が感染者だと知る。極限状態に追い込まれた彼らは、ゾンビが人間を襲った直後の32秒間だけ動きを止めることに気づく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『ファンタ系って』
土曜の仕事終わり、山手線が死んで激混みの迂回ルートを使い渋谷へと向かってしまうサガ……どーもどーもラーチャえだまめです。いや「絶対に譲れない戦い」があるのだからしょーがないじゃないかぁぁ!?___2023年、今年もやって来てしまいました

未体験ゾーーーーーン!!!!!
……ハイ今入りましたゾーーーンに。今まさに私、ゾーーーーンに入らせて頂きましたぁ〜。セクシーサンキュううううう…!!!
毎年恒例、新年一発目の大博打。年初めの福男ならぬ「福映画」を求めて__。事情は聞くなぁ!!劇場公開されずに、我々が出会えなかった全世界津々浦々の「未公開映画」を?闇の中から一斉にすくい上げココ渋谷で我々にお披露目、否「お見合い」させちゃおうじゃないのというこの祭典。今年で苦節12年、いやいや、これまで万人には受けずとも「お、おれは好きだけどな…!!」と見事どストライクな作品と出会い無事一生愛する作品としてカップリング成立したシネマファンの方も決して少なくはないであろう!!これだからやめられない止まらない!!しかし「未公開」という意味を考えてみれば、これまで配給会社がたまたま取りこぼしたものもあれば「あえて拾わなかった」事故物件的32才独身残念作品の可能性もあるわけで……だからこその年明け一発目の運試しなのですよ!?かかってきやがれぇ未公開、否「ゲテモノ」共よ!!!いざや行かん!!まだ見ぬZ級ゲテモノ映画の世界へ……

と、ここまで「32秒」。
未体験ゾーン!!!今日ご紹介するのはコチラ【VIRUS/ウィルス:32】!!!バイオハザード……サァーティトゥー!!前へ進め!!(Got it!!)立ち止まるな!!(Got it!)……すみません調子乗りましたアルゼンチン発「ゾンビが静止する32秒」___うーんマジで恋する時間より若干余裕のあるなんてソレっぽい非常にキャッチーなコピーに惹かれ拝見させて頂きました

うん、悪くない!悪くないぞ!!??
これはなかなか未体験ゾーンとしては!?まずはじめに「フツーに“良作”」なパニックZウイルスホラー、だと思いましたねぇー!!!
ウルグアイの首都モンテビデオの平和な日常は突如“悪夢”へとその変貌を遂げた!?謎のウイルスの蔓延により凶暴化する市民!偶然市民スポーツセンター(?)管理のシフトで出勤中のピンクヘアのチャラおっかさんが、施設内に侵入したゾンビに取り囲まれ大ピンチ!しかもその日はこれまた偶然離れて暮らす愛する娘をたまたま職場見学させていた矢先だった!!さあどうする??___とまぁ筋書きを書いてみましたが

OPから“疑似ワンショット風”な、ドローン空撮も取り入れて最後にタイトルがドドンと……なかなか凝った演出に惹かれてしまいましてね?まぁ言ってしまえば「立て籠もり系ゾンビもの」という、この設定自体に真新しさはありません。しかし我々視聴者の「こうなったらいいな」と思う展開を割と最後まで叶えてくれる、ファンサレベルは高い映画かもしれません。
手のひらにタバコの大判焼きでも食らったんかっていうマークがあると何かに“感染”してるらしい、くらいしか詳しい情報が出てきませんが、去年公開された台湾映画「コクヒ」みたいに市民が暴徒化するという類のもので、感染系ではあるが「そもそもゾンビなのか?」という疑問はさておき____

「32秒」の“計り方”がナイス
今作のゾンビさんの特徴?「何かしら生物を殺めると32秒間硬直する」……“なぜ32秒なのか”は一切説明はありませんが、“どうして硬直時間が32秒だとわかったのか”という部分を、主人公の女性(以後:ピンクと呼称)が“知る”シーンが実に自然というか、ピンクは施設の管理者なので“監視カメラ”の映像を操れる→録画画面に表示された録画時間からゾンビの硬直時間を計算するのです!ここが「おおおー!!」ってなるシーンです(たぶん)「あのゾンビは数秒硬直する!」まではなんとなくわかっても「32秒間硬直する!」とは普通わからんでしょう?そしてこの正確な時間が判明することで、物語に何が生まれるのか。映画「サイレントヒル」の、あのハラハラ・ドキドキすぎる「あの感覚」の再来?硬直したゾンビの合間をイライラ棒ですり抜けるかのように突き進む、非常に心臓に悪いシーンが今作にもあるんですねー。でもってここで“32秒”という制限時間……好きだよ、好きだよオレはこういうの!?

欲を言えばほかにも医学的データより人が正気を失うまでにかかる時間が32秒とか、ふとあの頃の記憶が蘇る平均時間が32秒とか?一般人の100m走平均タイムでもなんでもいいよ!!32秒にもう少し「意味」を含ませてくれたらさらに良かったですねぇ。ほかにも「ドーン・オブ・ザ・デッド」を彷彿とさせるゾンビ妊婦の「貴重な出産シーン」というマニアックすぎるネタも踏襲。いやー監督わかってらっしゃる。監督は108時間眠らなければ次なる扉が開くという日本人には社畜すぎてあまりピンとこなかった「108時間」という、ちと変わったホラー映画を撮ったグスタボ・エルナンデスという方。結構前にその前作見たんですけど全然覚えてないや…。あ、でもこれは一発目から半分「当たり」認定してもいいんじゃないでしょうか!?劇場公開は1週間です気になる方はお早めにお召し上がり下さい…。
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