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To Leslie トゥ・レスリー(2022)


【原題】To Leslie

【監督】マイケル・モリス

【出演】アンドレア・ライズボロー オーウェン・ティーグ マーク・マロンほか

【あらすじ】

テキサス州西部に暮らすシングルマザーのレスリーは、宝くじに当選して高額の賞金を手にするが、数年後にはそのお金を酒で使い果たしてしまう。行き場を失ったレスリーは、かつての友人ナンシーとダッチのもとへ向かうが、酒に溺れる様子に呆れられてしまう始末。そんな中、スウィーニーという孤独なモーテル従業員と出会った彼女は、それをきっかけに後悔だらけの過去を見つめ直し、人生を立て直そうとする。(映画.COMより)



 
【感想(ネタバレなし)】

『誰かの“世話”になって生きている___。』

 




どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はこちらの映画を拝見させて頂きました



【To Leslie トゥ・レスリー】…!!!アメリカで単館上映ながら徐々に口コミ&グウィネス・パルトロウ、シャーリーズ・セロン等ハリウッドスターが“絶賛”したことでも話題となったロッテントマト満足度98%の話題作……そんなことよりもですよ












アンドレア・ライズボローの大勝利





またしてもやってくれましたもう「この人が出てる映画は絶対見に行けと心がそう問いかけている」“狂気な女性”を演じさせたら右に出る者はいない??「憑依型」のトップ女優アンドレア・ライズボロー……「オブリビオン」のトムと共演していた頃とは想像もつかない「マンディ」「ナンシー」そして「ポゼッサー」……健康とは無縁な役作りの為の肉体改造。そんなにやせ細って大丈夫なの?彼女の“目”、“真っ黒な瞳”、何を訴えかけてくるような……いやーこの人はホントに「そういう人」にしか見えない。すごすぎる。なんで今までアカデミー賞獲っていないのか謎レベル。彼女の演技力だけで既に120点満点なのですがー?今作では一体どんな役に扮しているのかと申しますとテキサスの田舎町で宝くじに当選して大金持ちになったシングルマザーのレスリー……お、今回はラッキーウーマンの役か!!数年後アル中が災いし大金は全て酒代に消失、職にもつかず息子には縁を切られ友人知人までも縁を切られ住む場所も失い路頭に迷いながら酒屋に入り浸れる日々……あああああああもう!!!!!













なんでそんな役がまた“似合っちゃう”んだよおおお!!!!!!





 




もう今作の彼女は“ク◯”です。絵に描いたようなダメ人間ですわぁ……。宝くじに当選して大金持ちになった頃は友人に金を貸していた彼女も、今や逆に友人たちから執拗に金をせびる日々(しかも働いていないので返しません)そんなこと毎日してりゃあ当然友人たちから嫌われます。いつしか街ではレスリーのことを“宝くじで当てた金を酒代に全て注ぎ込んだ愚か者”呼ばわり。レスリーは自暴自棄になりながら止められない酒を求めて夜な夜なバーにやってきます。酒を注文して一杯、幸せそうに飲み干すも払えるわけもなく……その場に居合わせた男性客に色目じかけで訴えます。家賃滞納でついに家を追い出されたレスリー。頼みの綱は愛する息子ジェームズです。ジェームズは見るに堪えない母レスリーから離れて生活していましたが、今でもレスリーを愛していて、その頼みとあらば断るわけにはいきません。渋々レスリーと再開し再び職に就くまでの間だけと“お酒は絶対に飲まない”という条件の元アパートの部屋を貸すジェームズでしたが……。



前半はレスリーの“どうしようもなさ”に観ていて苛立ち、そして虚しさを覚える。アルコール依存症は列記とした病気。けどそのきっかけを作ったのは自分。全ては自分の責任だけれど、それでもレスリーにはどうにか酒を断ち切って全うな人生を歩んでほしい、とも思えてしまう。この辺りがアンドレア・ライズボローが命を吹き込んだレスリーの魅力、と言いますか息子ジェームズや友人たちも一応“一度は彼女を受け入れる”んですよ。一応昔世話にもなったし?金も貸してくれた仲だから、アンタってホントにダメねぇ…と思いながらも皆どこかレスリーに“立ち直ってほしい”っていう気持ちも少なからず持ち合わせているというか……。ちなみに息子ジェームズを演じるオーウェン・ティーグ、どこかで見た顔だなと思ったら「イット」前編のいじめっ子の人かぁー。今作では180度違う“めっちゃ母ちゃん想いのいい息子”役でした。



でもそんな周りの期待をもレスリーはどんどん“裏切っていく”んですよ。そんなある日ある人物との出会いによって彼女の運命が変化します。そう















キリストとの出会いです。





いやこのスウィーニーという安モーテル経営者の牧師より百万倍も広い“懐の広さ”よ!?「クソッ」が口癖のあんた神さまかよ!?何を血迷ったのか何の縁もユカリもオカカも借りもないレスリーに「ウチで働かないか?」と話を持ちかけるのです!やめろやめろありゃロクな野郎じゃねえよ!!同じ従業員の“満月の夜に遠吠えをして半裸で踊り狂う”ロイヤルに止められますがそれでもスウィーニーは考えを変えません。何故そこまでレスリーに執着するのか。そこにはある“ワケ”が。そして思ってもみなかったスウィーニーとの出会い。彼の“親切心”にレスリーは今度こそ心を入れ替えて応えることが出来るのだろうか…?



後半は打って変わってレスリーの成長物語?失った信頼を完全には回復は出来ないだろう、けど人生の“「軌道修正」はいつだって遅くはない”そんなことを思い知らされるような……。いや、当然観た方なら皆感じるはず。私だって思いましたよ、みんなレスリーに甘すぎじゃない?「都合良すぎだよ」と。現実はそんな甘くはないですし。だからちょっとファンタジー感あるな、とも思ってしまいました。けど私はそれを持ってしても、私この映画を観てから














「人は皆、誰かの世話になって生きている」と信じたい。





どこかにきっと、ク◯ったれな自分のことを信じ、それでも愛してくれる人がいると信じたい。だから、その人のために(またはこれから出会う人の為に)今自分がク◯ったれな人生を送っていると。そう思うならば今すぐ改めよう。そうすれば人生は、ほんの少しだけでも好転していく。いつだって遅くはない。そんな“想い”を本作から受け取りました。いやぁーすっごく“優しい映画”でしたコレ。リアルじゃないとかいう批判もあるかもしれません。けど善であろうとする“人間の可能性”を見せてくれたような、そんな希望に満ちた大変ステキな映画だと思いました。今年のベスト10入りです。アンドレア・ライズボローの主演作にハズレなし??と私は信じたい…。

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