【原題】Talk to Me
【監督】ダニー・フェリッポウ マイケル・フェリッポウ
【出演】ソフィー・ワイルド ゾーイ・テラケス ミランダ オットーほか
【あらすじ】
2年前の母の死と向き合えずにいる高校生ミアは、友人からSNSで話題の「90秒憑依チャレンジ」に誘われ、気晴らしに参加してみることに。それは呪われているという“手”のかたちをした置物を握って「トーク・トゥ・ミー」と唱えると霊が憑依するというもので、その“手”は必ず90秒以内に離さなければならないというルールがあった。強烈なスリルと快感にのめり込みチャレンジを繰り返すミアたちだったが、メンバーの1人にミアの亡き母が憑依してしまい……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『禁断の「快楽」はもう誰の“手”にも負えない__。』
どーもどーも友達数人でこっくりさんやったらこっくりさんから「口臭っ!!」と言われましたウソですラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【TALK TO ME トーク・トゥ・ミー】!!!こっくりさんウィジャボードの次はコレだぁー!!!とSNSで今一番バズってる“最新降霊術”……てなんですかぁー!?公開前から2023年度ホラー界を最も騒がせた“超話題作”と言ってもいいあのアカデミー賞を総なめにしたA24スタジオが配給権を獲得するのに躍起にやったという“お墨付き”までついた今年の映画レビューラストを飾るに相応しいホラー!!!いやーどんなもんかと気になって鑑賞して参りました。監督はこれが長編映画デビュー作の“双子YouTuber”…!?YouTuberもついに劇場映画を撮る時代になりましたか……いやでも“才能が全て”のハリウッドドリームとはいえ真っ当にアカデミーに通い映画製作の技術を学んできた学生たちからすれば突然ハリウッドに鳴り物入りしてきた素人動画クリエイターに数々の映画賞で評価され全世界で大ヒットを記録する映画を撮られちゃったらもう、ぐうの音も出ないんじゃ……なんて余計なお世話していたらこの双子って
“ポッター”vs“SW”作った双子なのぉー!?
た、大変失礼しました……YouTubeのオヌヌメ動画にアガってきて見たら完成度の高さに爆アガりした“Harry Potter VS Star Wars”をはじめ数多くのパロディ動画等を作るサイト“RackaRacka”の運営者でしたか……いやー一気に親近感湧きました。確かにこの2人のクリエイターセンスはなかなかのものだと思っていたんですよハッハッハッハ……どうも藤岡弘でs、
でその双子YouTuberことダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟のデビュー作がホラー……パロディ系じゃないんですね(当たり前だろ訴えられるわ)若手監督らしく最近の世相を反映させた、例えばサビまで待てない若者向けにイントロなしのいきなりサビから入るJPOPみたいな(例えあってる?)なんだか斬新な“ネタ1本勝負”みたいな、そんなのを想像していたら
意外にも“正統派”ホラーでビックリした
真面目系かよ!!普通に面白いじゃねーか!!!「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」!!!「最恐系」か……と言われると、それとはちょっと違う?実はそんなにジャンプスクエアにも頼らず“恐怖演出”にかけては至って平凡___がしかし、本作を見終わったあとのジメッとしたいやぁーな感じ、「怖い」というより「気持ちが悪い」、「後味悪い系」ホラーの方、だったんですねぇー。だってこれまんま
「ハンド」=「麻薬」ですよね_?
何の因果かSNSで今若者の間で話題沸騰中という不気味なセトモノっぽい“手”のカタチをしたオブジェを片手に握りながら「TALK TO ME…」と語りかけると?“あの世の住人”とコンタクトがとれる___??“#90秒憑依チャレンジ”なるハッシュタグまでトレンド入りする始末……もう世も末ですわあああ!?全く不謹慎極まりないこの“ふざけたネタ動画”の真相を確かめようと興味本位でチャレンジに参加する高校生たち。しかし“作り物”と思われたその手は霊媒師の手を切り取り加工した東急ハンズもビックリな“モノホン”のやべえ代物だった…!?前半はもうずっと「コイツら全員バカだなー」と思いながら観ることになると思います。
なんでも霊に取り憑かれると「最高にハイになる」らしく、彼らは新手の“ハッパ”か何かと混同しながら遊び感覚で霊とのコンタクトを試みる___まぁ“手軽さ”と“刺激”と言えばこれもう完全に「麻薬」の類なのは言うまでもなく??一歩間違えれば中毒や命を落としかねない危険なものだとは知りつつ、眼の前にある「快楽」の為に手を染める。そしてそれをスマホで動画に収めるようとカメラを向ける気持ち悪いですね〜現代人。似たような数年前に流行った「イット・フォローズ」が“性病”のメタファーだとすれば、本作の核となる要素は間違いなく“薬物依存”、“依存症”だと思いました。ホントみんなバカだなぁー
フレッシュな若手俳優が総出演する中「指輪物語」のオーストラリアを代表する大御所ミランダ・オットーが親友の母親役として登場し作品の脇をギュッと固めております。憑依された瞬間明らかに顔色が変わり瞳の黒の幅(?)が大きくなる……超不気味なんですけど〜!!憑依する霊にも様々なタイプがいて誰に取り憑くかは憑依されてからのお楽し……てか、母ちゃん??母ちゃんなのぉー!?
とある“取り返しのつかないこと”を仕出かしてしまう娘の背景が後半明らかになり思わず感情移入……するかボケェ〜!!!と個人的にはずっと“身勝手なやたら黄色が好きな女”のイメージしかなかったのですが、まぁ要は昨今のSNSの普及により、誰とでも繋がれる時代の弊害として“人との繋がりの疎遠化”…??矛盾しているようでSNSと面と向かっての“交流”って同じようで全然意味が違うじゃないですか?本作の主人公の女性もずっと心の中で“孤独”を感じていた。誰かと繋がりたい。けど親友は恋人に夢中だし父親とは距離を感じるし周りからも“友達のいない子”と認知されている、そんな人との繋がりに飢えた主人公が?藁をも掴む想いで“死者”と繋がろうとする、自らの孤独の埋め合わせを“死者”で補おうとする……ホント世も末だよぉぉお!!!けど現実問題、ドラッグに手を染める者の中には孤独への解放を望む者もいるでしょう。ドラッグだけじゃなく“依存症”に苦しむ者も……人からの“愛”に飢えた者も
本作はそんな若者問題に若者の視点で上手く描いてくるな、と思いました。本作はまさに令和版「レクイエム・フォー・ドリーム」だッ!!!そしてその「代償」はあまりにも大きかった……取り憑かれてからもう霊の「ずっとオレのターンッ!!」すぎてその時点で既に後味は悪い。誰の“手”にも負えない存在には無闇にお手々繋がないこと以上!!ラストは「世にも奇妙な」に近い、まんまと“落ちたラスト”と言った具合で……偶然か否か“A24っぽい”演出と言われれば確かにそう見えてもくる?結果本家にその手ならぬ腕を買われた2人の天才YouTuberは今後の活躍にも注目したいですね…!!
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