ヴェノム ザ・ラストダンス(2024)
- ラーチャえだまめ
- 2024年10月27日
- 読了時間: 10分

【原題】Venom: The Last Dance
【監督】ケリー・マーセル
【出演】トム・ハーディ キウェテル・イジョフォー ジュノー・テンプルほか
【あらすじ】
ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンビオートが寄生したことで生まれたヴェノムは、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙を武器に、長くのびる舌で人を喰らう恐るべき存在でありながらも、エディと一心同体となって強敵カーネイジを倒し、世界の危機を救った。エディとヴェノムは深い信頼関係で結ばれたバディとなり、見事なチームワークで敵を倒していく。そんな彼らは、シンビオートを極秘に研究する施設に侵入したことで特殊部隊に追われる羽目になってしまい、さらには新たな脅威が地球外から飛来する。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『そういえばヴェノムも“ET”だったよね』
どーもどーもアマプラではじまった実写版「龍が如く」の1話だけ見て神室町タワーがなんか裂けててタコさんウインナーが如くかよ!!とそっと再生を終えましたラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました

【ヴェノム ザ・ラストダンス】!!!先行上映ー!!と、いうことで先日公式公開日より1週間前倒しの3日間限定で先行公開されたコチラ、顔と内容の対象年齢が一致しない“顔面映倫破壊兵器”ヴェノム!!の最新作かつ最終章!?ついこの間の出来事のように思える2018年からスタートした親愛なる隣人とは“全く関係のない”アメコミ随一のアンチヒーロー、ヴェノムシリーズも3作目で見納めですとな…??正直そこまで追い求めたキャラクターではないのですが何だかんだ言って1作目からずっと劇場で観ているので3部作最後の1本も劇場で愛でさせて頂きました……。結論から言うと3作目も1作目と“変わらず安定的”な出来と言いますか、しかしなんだか早くも我が国ジャポニカでも「ジョーカー」に続いて“賛否両論”の嵐??みんなアメコミ映画に厳しくない??いやーとりあえず観終わってから“なんだかとてつもなく名残惜しく”なっちゃって

コレちょっと良くない??値段もそこまでバカ高くないし(千円ちょっと…)映画グッズ買っちゃうよねー!!基本公開してる今だけじゃん買えるの??でも一つだけ言っていいかなー。“吸水力が皆無”なのよ……
監督は前2作で脚本を担当した女流作家ケリー・マーセル。いやさー、シリーズの脚本家が最終章で監督になる「XMEN」のサイモン・キンバーグ現象じゃないけど正直な話、いや真相はわかりませんよ?“苦肉の策”にしか思えない。例えば監督が決まらないとか。そんなわけで今作が監督デビューのケリー・マーセル監督の“未知数”の出来栄えが非常に気になっていたのですが……ケツのロン申しますと「デットプール」シリーズじゃないけど(アレも3作監督全部違う)監督が代わっても“あんま気にならない”うん全然問題なかったねッ!!やはり一番気になっていたのは“アクションの見せ方”。作り手が変わると途端にアクションがショボくなったりナニやってんだか見づらかったりするじゃないですか?詳しくは控えますがまさにシリーズ最終章にふさわしい“怒涛のクライマックスアクション”はかなり見応えがあり、もうIMAXが映える映える……特にこのシリーズは四方八方触手伸ばしたりするアクションだから映像の処理大変そうじゃん??今作もカメラワークとVFXが上手く調合されていて、とっても複雑な動きをいとも簡単にやってるように見せていて、しかも今作はこれまでのシリーズにはなかった“大乱闘”シーンに加え、ヴェノムが部分的にエディにチカラを化すことで発生するエディとの“絆技”も増え、ますます複雑なアクションを見せているんですよねー。いやーやっぱりアクションはシリーズ通して良きですね〜。

元々は自分の子どもがアメコミ好きでカッコいいお父ちゃんになりたくて出演を承諾したのが始まりのトム・ハーディ。その彼も好きが転じて前作では主演のほか脚本・製作と裏方サイドにも触手を伸ばし始めたわけですが、今作でも製作にクレジットされている。要はこの「ヴェノム」プロジェクトが始まる前から親しかったケリー・マーセルを起用した方が?色々口出し出来る“彼にとって作りやすかった”という理由が一番なのではないでしょうか??
そんなわけで実質“トム・ハーディ主演・製作”の自画自賛映画とも言えなくもない今作、てかキン肉マン消しゴムみたいな歩き方なんなん??(ってなんなん?)そんな小太りじゃないけど“全体的に太い”休日のパブに昼からいる“飲んだくれのブラジリアン柔術マスター”みたいなラフな格好してんのに、とあるシーンで一瞬で黒スーツをビシッと着こなしちゃうと嗚呼やっぱり英国スターだわーと脱帽。ちなみに御本人も“公認”している
前作から登場していたミシェル・ウィリアムズ演じたエディの元婚約者“アン・ウェイング”(その現夫でただの巻き込まれ系医者の“ダン・ルイス”も)は登場しないという、まぁグウェンみたく死別するよりは全然いいんですけど(あと全国のしょこたんファンも残念でならない)なので今作のエディはもうずっと最高の“ズッ友”ヴェノムと向き合うことが許されるという!?相変わらずグッダグダの決めゼリフからエディの“独り言劇場”、かと思えば「もう俺たちも1年か…」「こんな家庭が欲しかった…」なんて熟年夫婦みたいな会話まで発生する、まさに相思相愛ニコイチ一心同体……“いるのが当たり前”そんな関係になっていたところへ??シンビオートの創造主、最強の敵“ヌル”が“コーデックス”と呼ばれるヴェノムの体内に宿るアイテム欲しさに?地球にシンビオートハンター“ゼノファージ”を解き放つ……

このゼノファージっていう4本足のエイリアンがなかなか“無敵”に近い厄介な敵で??執拗に命を狙われるヴェノム。またエディも前作で殺人容疑を着せられ指名手配されてしまうという、2人揃って“逃亡生活”をせざるを得ない状況に。故に今作はシリーズ最終章にして「ロードムービー」。まさにアメコミ版「テルマ&ルイーズ」のような、ゆく先々で待ち受ける困難、懐かしの出会いから新たな出会いまで、様々な経験を2人で積みながら互いの絆の深さを再認識する旅が描かれます。そして今作でアメリカのオカルト地No1“エリア51”がついに登場して「あーそういやヴェノムって宇宙人だったな」とヴェノムだって立派な「ET」案件だったことを思い知らされる??
あとは「あ、これ絶対未公開シーンをそのまま切らずに載せちゃったヤツだろ」と言わざるをえない編集の粗さや脚本の単調さと言ったものがところどころ目立つ残念な部分もあります。がSNSで“映画の質そのものが低い”とか散々な言われようなのを目にしましたが、いやこれがむしろ「平常運行」のマーベル、アメコミ映画でしょと。そもそも俳優、撮影、美術、アクション、VFX……映画ってのは色んな要素が一つにまとまった集合体。それら全ての「質が悪い」なんてのは、このようなA級クラスの映画において「あり得ない」のですよ。逆にわざわざ劇場まで行って「何を観てたんですか?」と言いたくなりますなぁ。
その他これから見に行こうか迷えるシンビオートの皆さまの気になる点と言えば、シリーズものとして“前作の予習・復讐の有無”並びに“マルチバースの有無”これですかね??
まず「前作の予習・復讐」について。先程も言った前作のヒロインや登場人物の大幅削減、という意味では予習が絶対に必要、というわけではありません。ただやはり今作が“ラストダンス”となるエディとヴェノムの関係性を知っているか否か、そして“ヴェノムを愛でる”行為は、やっておいた方が「ラストの感動が全然違う」と思いますので、ファンムービーとしてせめて前作「カーネイジ」は観ておいた方が無難。あとその前作に登場した“パトリック・マリガン刑事”が今作にも続投します。彼のこともあまり説明されませんので、そういう意味でも前作を見ることをオヌヌメしますよー。

次に「マルチバースの有無」。こちらは当然ネタバレになるので詳しくは言えませんが、いやはっきり言います「ないです。」劇中でもう「マルチバースなんてめんどくせぇ!!」ってはっきり言っちゃってますから(汗)ネズミー傘下の“別バース”とドッキングするとかしないのかこれまで散々勝手に期待されてきて、その度に制作陣たちは振り回されてきたことでしょう。もう「ヴェノムだけに集中させてくれ」が本音!?一応今後“ヌルの再登場”は示唆されていますが、それはこのシリーズ“外”のお話なので今作ではそこまで意識されていませんでしたね。つまり“別バースに登場したキャスト”の再起用も……これ以上はわかりますよね??
もう1作目から“顔面18禁”の強烈なツラして中身は全然グロくない控えめな演出でしたが、最終章でついに過激度がアップされた“R15”指定になると言われていたのに????結局シリーズ通してPG12止まり。ヴェノムがPG12でデップーがPG15ってなんかおかしくないか??シリーズはここでしっかりと見納め、でもヴェノムは“一旦見納め”……いい塩梅で終止符が打たれていると思いましたねー。
……てことですよねソニーさん??
【感想(ネタバレ)】

予想以上に“お通夜映画”じゃないか
う〜んラストは……最後も楽しく終わってくれるのかと思いきや、突然の“お通夜ムード”全開放、いやコレはちょっとズルいよね!?これまでのやりとりをダイジェストで見せて完全に喪に服すタイムまで与えられるアリババ……しかもヴェノムよ“結構あっさり消滅”するじゃねえか。え、コレで終わり…??クライマックス、エリア55で繰り広げられるコンマ1秒まで詰め詰めでどんちゃん騒ぎするゼノファージ軍団VSシンビオート軍団の“宇宙戦争”の勢いから急にヴェノムが“自決”する道を選ぶもんだならなかなか脳が追いつかない。いやそんな時こそ隠し玉のシンビオートの出番じゃなかったんですかいペイン博士!?……てか演じたジュノー・テンプルってこんな顔だったっけ!?えらく老けちゃったなおい。お祭りムードから一転、NYの街をただひとり歩くエディ

アナタこれから“一人”で生きていけます?
いい大人なオッサンだけど私しゃあ彼の今後が心配でなりません!?元カノとも別れ相棒とも別れNEWヒロインの博士(2名)とはLINEの交換する暇もなかった完全に“ぼっち”になって終わるエディ。悲しかったら“親愛なる隣人”の肩を頼ってもいいんだぜ……彼もちょうど今ぼっちライフに突入したところだs
て“NYにエディがいる”って、これでもう完全に“下地が完成”したんじゃないか!?言わずもがなNYはスパイディの本拠地ですし、マルチバースで同じ世界にはいないけどそこはまぁなんとかテキトーにやって……なんとかするでしょ!?今作で「ヴェノム3部作」は幕を閉じます。が、ヌルがラストにブチギレて地球に来襲するのはもう時間の問題ですし??ポストクレジットでシンビオートが入っていた試験管……あれはバーでストリックランド将軍が捕らえたヴェノムの“欠片”でほぼ間違いないですし!?その試験管に近寄るゴキちゃん……その後のエンドクレジットで様々な動物がヴェノムに寄生された姿が映し出される意図も、そうゴキちゃんに寄生してまたエディの元に戻ってくる伏線なのではないでしょうか!!

てかバーテン出番ありすぎだろ
もう次回のラスボスは彼でいいんじゃないですか!?(下向いたらヌルっぽいし)
あと前作よりその登場が示唆されていたパトリック・マリガン刑事がシンビオートに寄生されて生まれる“トキシン”が今作でついに登場。しかし半身赤と半身グレー姿でヴェノム並びにカーネイジをも上回る強さを持った最強株の原作とは大きく見た目や“役割”が変更され、緑色の人魚みたいに女々しくて戦闘能力はゼロに等しく、よってただの“お告げ役”みたいなナンジャアリャ!?これは予告動画でマリガン刑事が出た瞬間SNSで歓喜の雄叫び上げた原作ファンの期待を大きく裏切る結果に。ファンムービーとしてこれはちょっと首を傾げる展開でしたが、まぁそういう意味でも全体的な“ぎこちなさ”は感じてしまいましたね。ただじゃあ1作目から完璧な映画だったか、というとそうとも思えなくて、1作目から“ポテンシャルは無限大だけど、なんかあまり上手く生かしきれてない”みたいな雰囲気がずっとあって、結局最後までそのまま改善されることなくゴール……
で思ったのが3部作やって描きたかったのは「ヴェノムって可愛いよね」これだったんじゃないかと?そしたら逆にもう完璧なわけですよ!?日本でも沢山グッズ展開もされキャラ人気も上々、女性からも人気あるし。あの18禁顔面からよくここまで市民権得られたよ……つまりこの3部作は結果的に大成功、だったのではないでしょうか…??
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