【原題】Trap
【監督】M・ナイト・シャマラン
【出演】ジョシュ・ハートネット アリエル・ドノヒュー サレカ・シャマランほか
【あらすじ】
クーパーは溺愛する娘ライリーのため、彼女が夢中になっている世界的歌手レディ・レイブンが出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れる。クーパーとともに会場に到着したライリーは最高の席に大感激の様子だったが、クーパーはある異変に気づく。会場には異常な数の監視カメラが設置され、警察官たちが会場内外に続々と集まっているのだ。クーパーは口の軽いスタッフから、指名手配中の切り裂き魔についてのタレコミがあり、警察がライブというトラップを仕組んだという情報を聞き出す。しかし優しい父親にしか見えないクーパーこそが、その残忍な殺人鬼だった。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『“親バカ”すぎて“TRAP”にハマった模様』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【トラップ】!!!いやーまさか今年がシャマランの3乗、“シャマラン×シャマラン×シャマラン”の年になるとは!?今年の上半期に公開された「ザ・ウォッチャーズ」で“イシャナ・ナイト・シャマラン”に初メガホンを託し製作に回って娘をウォッチャーするに止まった我らがM・ナイト・シャマランが??下半期でついに自らメガホンをとった新作を公開してくれるという!?しかも今度は劇中歌に現役アーティストでシンガーソングライターの“サレカ・シャマラン”というまたもや娘を起用したばかりか!?出演者の一人として演技までさせるという!?とんだ“親バカ”映画の爆誕なんでありますが、親バカなのは製作エピだけではなく…??
感覚的には前作のオーマイゴッドな信仰心が“シャマランらしさ”が戻ってきたお告げのような気がしていたのですが?今回はちょっとまた変化球というか、否毎度“でしゃばりおじさん”の自己愛は変わらず、今回はその自己愛を「娘愛」に拡充して……そ、そっちか〜!!ある意味今回もシャマラン節炸裂!?シャマランと言えば“オリジナリティ”溢れる奇抜な物語、アッと驚かされる「衝撃的な展開」の代名詞によく名前が上がる名手、しかしここ最近は「オールド」「ノック」と“原作もの”の映像化、というちょっと微アルコールに近いシャマラン度の物足りなさを感じておりましたが??最新作で久しぶりに100%シャマラン証の「完全オリジナル」脚本の映画を手がけるということで!?俄然期待してしまいますが……
ここ近年のシャマランは自身の“お家芸”である「ドンデン返し」ネタをあえて避けているような風潮がありますね。まさに今作も誰もが騙される予想出来ない「ドンデン返し」要素は“封印”していると言っても過言ではなく??故に「シックスセンス」「ヴィレッジ」のような「あの頃のシャマラン」を期待するのはもう……よしませんか?と言われている気さえ!?「シャマラン=ドンデン返し」の定義は終焉を迎えてしまったのかもしれません。がしかし、彼の「オリジナリティに富んだ作品を作ってやろう」という熱い姿勢は変わらず、こちらは今作である意味「原点回帰」と言ってもいいのではないでしょうか!?
「LIVE」×「サスペンス」の「同時進行劇」!?抜群の臨場感。実際に会場にエキストラを引き詰めアタマからライブを撮影、それと同時進行で会場のキャストの撮影を敢行するという、まさに2つを「現在進行形」で撮影することで我々視聴者は実際にライブ会場に足を運び今まさに目の前で歌姫が歌っているのを見ながら?同時にそのライブ会場にいるサイコパスの様子を見る、という興奮とスリルが混じった臨場感を「体感」できる。そして映画館という場所がさらにこの会場と「リンク」して最高の臨場感を味わえる、という仕組みなわけなんですねぇー。
…となれば、ライブ中“優しそうな父親に見えたサイコパスがずっと真横にいる”という最悪な状況に恐怖慄くホラーが展開されるのか!?と思ったらこれが全ッ然違くて
そもそも本作のはじまりはそのサイコパス側、“クーパーの視点”で物語が展開されるのです!!3万人で埋め尽くされた会場の出入口をびっしり取り囲む警備員、警察、FBI。内部の防犯カメラも回りっぱなし、年齢、肌の色、背丈、既に「バレてます」自分と似たような出立の男が次々会場で連行されております!?さあどうするクーパーよ!!この「危機的状況」からどうやって活路を見出すか?気分はさながらスパイ映画の主人公!?いや「デットバイデイライト」の鬼側の視点でも言ったらいいか?え、早く捕まって欲しいとは思わないのか?いやいやだってコッチが“主人公”ですから?非道なサイコパス野郎なのに不思議と彼の逃亡を応援したくなるという!?我々視聴者もサイコパスにさせる今回のシャマランマジック発動!?
故に「うわ〜なんなヤバいヤツだな〜」とは思っても彼に恐れることはない。クソ野郎だけどイケイケGO GO!!……なんてどこか安全圏から楽観視できる
「のも途中まで」!?ある時を境にクーパー視点から今度は「別の視点」に切り替わる。=その視点とはクーパーから「追われる側」の視点、ここではじめてクーパー=サイコパスの恐怖に“今更”ながら我々は晒されてしまうのです!!加害者側から被害者側へ、視点が180度変わるこの展開。さっきまで我々が脱走を応援していた男が今度は我々に牙を剥く……その後もう一度さらなる「視点」に変わるのですが、結局のところクーパーの視点で見ようが、被害者の視点で見ようが「サイコパスは理解不能」という結論に達するかもしれません??
ただそれをジョシュ・ハートネットというイケオジが演じるという憎いキャスティング、さらに今まで自分の素性を隠し騙し続けていた家族に対する「愛」、これは「ホンモノ」のように見えなくもない??少なくともコンサートに参加したのは紛れもない娘の為だし?脱走を企て中も娘には勘づかれないよう気遣いながら「娘に最高の思い出作り」に専念していたのも?(それで脱走もできれば一石二鳥)全て娘の為……ダメだどうしても彼に方入れしてしまっている!?そんな不思議な魅力をクーパーは持っているんですね〜!!
ちなみに最後に見たのはエベレストだかでカチンコチンになったアイスホッケー選手の伝記映画だったか??2000年代の人気絶頂期に俳優業を休業したジョシュ。俳優としてのキャリアより自身のメンタルケアやプライベート事情を優先しハリウッドの重い重圧から回避できたようですが、ここ最近また俳優業に復帰して下さいました。みなさん今年上半期の「オッペンハイマー」でお帰りなさいした方も多いのではないでしょうか??
“親バカが「親バカサイコパス」映画を撮る”という親バカの2乗効!?なんでありますが、シャマランパパだって“娘の晴れ舞台をサイコパス野郎の主戦場にしてる”時点で立派なサイコパスでは…!?“二重生活”の苦労を堪能できる1本かもしれませんねー??
【感想(ネタバレ)】
てっきり「TRAP」ってジョシュが「仕掛けた」ものかと思ったらホントにただ「仕掛けられた」だけで草
でもアナタが幸せならOKですッ!!
ラストの半裸のジョシュは「アメリカン・サイコ」に見えてしまった…ここまで身内ネタが多いと全ての「TRAP」の仕掛け人が妻だったってのも、シャマランさん奥さんに対してなんか苦い思い出でもあるんか…??と勝手に疑ってしまう。。。。
彼がサイコパスになった一要因?母親がトラウマなのは「アンブレイカブル」のサミュエルジャクソンを彷彿とさせ、なんなら歳や白髪姿まで心理学者とどこか風貌が似ていて、クーパーはこの心理学者に母親を重ねて見ている。その心理学者のプロファイリングは見事に彼の愛車まで丸裸にすることに成功しているもののニアミスも多いし、クーパーのサイコ性は精神科の「型」にハマらない、唯一無二の存在という意味か??
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