呪われの橋(2020)
- ラーチャえだまめ
- 2024年5月8日
- 読了時間: 7分

【原題】女鬼橋
【監督】レスター・シー
【出演】リン・ジェーシー ベラ・イェンモン・ガンルーほか
【あらすじ】
キャンパス内にある橋で真夜中に出るとうわさの女学生の霊。有名な怪談話の真偽を確かめるため、大学生の男女たちが心霊スポットで肝試しをはじめると...。(ネットフリックス公式サイトより)
【感想(ネタバレなし)】

『結論:Siriは肝試しには使えない』
どーもどーも仕事と謎の体調不良によりGWが全て消滅しました、怨みますラーチャえだまめです。そんな危うくこの世を怨みかけた時に見て何故か「ちょっとだけマシに思えた」上には上がいる(byクワイガン・ジン)ことを痛感させられたコチラの映画
【呪われの橋】…!?呪われ“た”じゃないのね?(現在進行系?)ネトフリで結構前に配信されていたコチラのホラー映画、なんでもその後PlayStationやSwitchでゲーム化されたり最近同じくネトフリで続編が配信されたりと?なんだか“ユニバース”化しそうな予感がしたので気になって拝見させて頂きました。ちなみに本作はメイドイン“台湾”のホラー映画。ここ数年くらい前からですか、「アジアホラーブーム」がジワジワとJホラー界を侵食してきているのをご存知でしょうか??とりわけ台湾から凱旋してきた作品はどれも非常に優秀で
スクールカーストをテーマにした「怪怪怪怪物!」や台湾の歴史の闇を描いた「返校 言葉が消えた日」といった社会派から、台湾の都市伝説を映画化した「紅い服の少女」シリーズにビビアン・スー主演のスピンオフ「人面魚」、そしてファウンド・フッテージ手法で台湾史上“最恐”と言わしめ現在続編が進行中「呪詛」、ハリウッド顔負けの特殊メイクに目を背けたくなるR18の“ヴァイオレンス”描写が物議を醸した「哭悲」等、ホラー映画好きな方なら今挙げた作品のどれか一つは知っている、あるいは見たことがあるのではないでしょうか。

そして2024年もその勢い止まらず「呪詛」「哭悲」の次に来ると早くも予想されている「呪葬」という作品が日本で7月に公開される、そんな今アジアで最も“嬉しい悲鳴”を叫びまくらせている!?台湾ホラーのビッグウェーブに乗っているかもしれない??前置きが長くなりました今回ご紹介する「呪われの橋」。2018年に台湾で有名な心霊スポットで大学生が肝試しをする様子をSNSでライブ配信中に“謎の白い服を着た女性が映像に映り込んだ”と騒動になったという“実話”がベースになっており……ほうほう早くも掴みはバッチリですねッ!?
物語は2012年2月28日。東湖大学に通う大学生数名が数十年前に学内の湖にかかる橋で身を投げた女性の霊が出ると噂の“女霊橋”と呼ばれる心霊スポットで“肝試し”をする様子をカメラで撮影するシーンから始まる。
ルール
・橋の上に椅子を置き目隠しした一人を座らせる
・鈴の音を合図に鈴が鳴ったら目隠しを外し、湖を一周する
・橋の先にある階段を登ると全部で13段ある筈が「14段」になる?
・最後まで「何があっても絶対に振り返ってはならない」
……とまぁ当たり眞栄田郷敦のクラッカーの如く“振り返っちゃう”わけなんですけどね?そしてこの肝試しにより参加した大学生全員が“別々の場所で溺死する”というぶっ飛びクライシスな怪事件が起きたそうな___時は変わり2020年、その事件を取材しに女性キャスターが事件の大学を訪れる……という物語は現在と過去、交互に交わりながら突き進むノーランばりの「時系列イジイジ系」なんですねー。最初の方は手持ちカメラの映像がメインで手ブレが苦手な人は勘弁してくれ案件かと思いきや、その手法はあくまで序盤の“掴み”の演出に過ぎずそのあとは普通の映像になりますので大丈夫ですよー。大学生たちに一体何が起こったのか、女性キャスターと共に怪異の真相に迫りながら、ファーストサマーウイカ風の女霊が牙を向く??

橋と言っても怪異は大学内部全てに広がり、主にトイレやエレベーター……なんだかジャポニカホラースタイルじゃあないですか?ポトポトポト……うーんうーんと力んでようがお構いなしにドンドンドンと扉を叩きまくるデリカシーのないウイカ、あいや女霊さんの“脅かし方”はさほど恐ろしいものではなく(ところどころギャッとなるシーンはありますが)全体的に見てグロくもないし(嫌な音はするが)“最恐度は低め”に設定されてますので、中高生でも安心して(?)楽しめるんじゃないですかねー。
それより本作は先に言った時系列ネタに少し“捻り”を効かせているというか、ホラーシーンよりミステリー要素の方が強いかもしれません??ネタバレになるので詳しくは控えますが、そもそも大学生が全員死亡、という“結末”がわかっているのに、女性キャスターの現在パートって必要あるんですか?って話じゃないですか?それが実はオオアリストテレスでありまして“女霊橋”の謎、霊よりむしろ生きてる人間の方がコワイ説?というただのジャンプスケアホラーだけではない“推理小説を読んでいるかのような”展開が楽しめる。気になる方はぜひともチェックしてみてくださいね♫
【感想(ネタバレ&考察)】
いやー小説にありそうじゃないですか?“実はもう一つ「時系列」が間に挟まれていた”だなんて……物語が前後して少しわかりづらかったという人の為に、時系列別に物語をまとめると、今作は全部で3つ(物語で言えば+1つ)の時間軸が登場します。
本編では詳しくは描かれませんが、ある一人の女学生が橋の近くで5人の男子にレイプ?された挙げ句に湖に落とされ亡くなった【1980年】。この時点で女の怨霊が……爆誕したかは実は不明なんですよね。ただ“不気味な噂”として30年以上その場所に根づき、いつしかそれが“心霊スポット”として若者の間でちょっとした遊びの火種になっていった。そして【2012年】。ココで肝試しに参加した女学生の一人が橋の上で“不気味な御札”をちゃっかり剥がして持ち帰っちゃうんですよ。(この御札があるということはやはり1980年以降にも何かしら怪異が起きた可能性は否定できない?)この愚行により?封印されていた女霊が息を吹き返し大学生たちに襲いかかる。生前殺された5人の大学生にちなんで“5人呪い殺す”という!?いやそもそも襲う理由って何!?5人殺したらどーなるってんだよ??まあとにかくパリピだろうが誰だろうが現世への怨み、うんうんわかる、ムカつくよね〜よぉーくわかるよ〜。

…そんな理由もわからず無惨にも呪いの犠牲となる大学生たち。しかしここで思わぬ“誤算”が??肝試しの参加者は実は“6人”だったのです!?この真相は実は後に登場する【2016年】のシーンとごっちゃにして見せているから終盤まで伏せられていた事実。女性キャスターと同じように我々が【2012年】のシーンかと思っていた肝試しシーンは、実はそれから4年後の【2016年】に、全く同じ場所、時間、方法で再度行われた肝試しシーンだったのです。(違うのは参加者だけ)
ではなぜ4年後に再び肝試しが行われたのか。それは【2012年】のラスト、一人だけ命乞いをして命と引き換えに女霊の“ヘルパー”として5人の生贄を捧げる呪いを全うしようとした、御札を剥がし女霊の封印を解いた女学生の策略によるものだったのです!!まぁ女霊も一人余ったし?ちょっと脅して下僕にしようそうしよう、とでも思ったのでしょうか。
そして【2016年】のラスト、今度は女学生の“元カレ”の男が女霊にまたもや命乞いをします。そうだそうだ“今回も6人だった”ことに気がついた女霊(?)は、ヘルパーの女学生から元カレへ“呪いのバトンタッチ”。元カレに女学生を殺させ今回も見事5人生贄を達成した女霊はしばし4年の眠りにつく……

そして現在進行系の【2020年】。全ての真実を知った女性キャスターは“実はカメラマンに扮していた”元カレに捕まり“次のヘルパー”へ任命される??その後テキトーに見繕った5人以上の大学生たちに肝試しをさせ、その様子をカメラに収める元カレの姿が映ってEND…。だいたいこんなところでしょうか。複雑に絡み合う物語がなかなか面白い、でも次回作もこれの続きなのか…?なんかエレベーターとかまた全然場所違う気がするんだけど…
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