セーヌ川の水面の下に(2024)
- ラーチャえだまめ
- 2024年8月8日
- 読了時間: 5分

【原題】Sous la Seine
【監督】ザビエ・ジャン
【出演】ナシム・リエス ベレニス・ベジョ レア・レヴィアンほか
【あらすじ】
海洋生物学者のソフィアは太平洋ゴミベルトに生息する巨大ザメを追跡調査していたが、そのサメに襲われてパートナーや仲間たちを殺されてしまう。3年後、パリで暮らすソフィアのもとに若き環境活動家ミカが現れ、ソフィアたちを襲った巨大ザメがセーヌ川にいることを知らせる。折しもパリでは、トライアスロン世界大会の開催が目前に迫っていた。さらなる惨劇を阻止するべく、セーヌ川を管轄する水上警察と協力して巨大ザメの調査に乗り出すソフィアだったが……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『そして喰われます。』
どーもどーも首無しマリーアントワネットを見て「スリーピーホローじゃん?」と思った方ボンジュ〜ル。ラーチャえだまめです。本日はそんな色んな意味で話題になっている現在絶賛開催中のパリ五輪ですが、その中でも一際「問題視」されていた競技、というか会場もご存知かと思います、そう

セーヌ川ですよね
開会式の選手入場にも使われ男女トライアスロンの競技場ともなったセーヌ川、この歴史あるフランスの川でなんとしても競技したい!という利権絡みはどうかはさておき開会当日に汚染の基準値をクリアするという怪異に市長が自ら川に飛び込み安全性をアピール。でも大腸菌の数は大阪の「道頓堀川の約4倍」あると言わr……本日は今まさに話題になっている「セーヌ川汚染問題」を予言しちゃった、コチラ
【セーヌ川の水面の下に】!!いやー「シャークドフランス」とも迷いましたが(どっちもサメじゃねえか!)あまりにタイムリーすぎて、いやだってたい焼きくんもビックリの巨大ザメがセーヌ川の下に泳いでるんですよ!?否、サメだからってドB級モンスターパニックのそれであることは言うまでもなく、しかしながらもうこれ完全に「アンチ・オリンピック映画」と宣伝していいんではないでしょうか!?というのも今作はまんまセーヌ川の水質汚染=シャークに置き換えただけ、に思えるのです!?
物語は(一応)突然変異した巨大ザメ「リリス」にかつての同僚や恋人を喰い殺された海洋博士“ソフィア”が、3年後に自分の研究を裏で勝手に利用する動物愛護団体に声をかけられ、諸悪の根源の「リリス」が何の因果か今セーヌ川に迷い込んだタマちゃん状態であることを知る……。

前半は予算削減の為かあまり視聴者の前に姿を現すことなくほとんど人間パートでだんだん飽きてきた……と中盤からようやくリリスちゃんがセーヌ川から市街地の地下水道にまでやってきてですね、そこで環境保護活動家の娘がSNSで同士たちを地下水道に呼んでみんなの前でサメと戯れるパフォーマンスをしようとするんですね!バーロー!!でもこの可哀想なサメちゃんを海に帰すのが環境保護活動家としてのし…

テメェ増殖しやがったなあああー!!!
短時間でめちゃくちゃ子どもを産みいきなり大群となったチーム・リリスに大パニック&狩の手間も省ける「入れ喰い」状態へ?全く歯が立たないチーム・人間は次々とサメたちのランチに早変わり……思わず手を叩いて楽しんごしてしまう不謹慎なホラーあるある「地獄絵図」を結構頑張ってやってくれるすよねー。正義感だけはピカイチな自称:環境保全家と女子のトミーヘブンリーみたいなメカニックが今作の「若者代表」みたいなステレオタイプなキャラ作りが若干気になりますが、全てが悪いわけじゃないけど「無知」な環境保全家はただのバ◯ってホントわかんだね〜というある種お決まりの展開。でもそれ以外は結構素性もわからん民間人ばかりが犠牲に……?
なんて思ってたら最後は「ゴジラでも来たんか…」予想を超える「大惨事へ」……??海の中で知らず知らずのうちに爆発的に増えていったゴミ、クライマックスのアレはそんな溜めて溜めて育ったゴミ=汚染のダム決壊をイメージしているように見えました……。監督はバーコード47こと「ヒットマン」でハリウッド作にも定評があるフランス人監督ザヴィエ・ジャン。それ繋がりなのか前回ご紹介した「ファラン」の怒れるフランス人キッカー、ナシム・エリスが水上警察の巡査役で出演(今作ではよく喋ります)

現にアメリカのNetflix配信チャートで2週連続1位を獲得したという、無類のサメ好きで知られるアメリカでヒットするのは、それだけでもわからんではないことですが、しかし今作はただのアニマルパニック映画ではありませんでして、サメはあくまでセーヌ川の環境問題に絡めただけの模造に過ぎず、数日後にトライアスロンを控えるってのに、んな巨大人喰いザメが川に現れたからって「そんな急に中止に出来るわけがない」ということを「大問題視」している、その裏に今更引くに引けなくなった大人の事情!?命より重い「巨額のマネー問題」!!これをテーマにしているんですね。あいたたたた、日本だってコロナがまだ落ち着いてないって中で東京五輪やって沢山の外国人を誘致して「開催するのはまだ早すぎる」と賛否両論あったじゃないですか?あの時も日本はコロナと誘致、二つを天秤にかけて誘致をとった、その裏にはお金の問題があったわけです。人間ってのはホントに愚かですねー。(まあ誘致して経済潤して命を救ったともいえますが)
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