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エム 絶望の世界(2023)


【原題】M

【監督】ヴァルダン・トジヤ

【出演】マテイ・シヴァコフ サスコ・コチェフ アレクサンダル・ニコフスキーほか

【あらすじ】

森の奥深くで厳格な父と原始的な生活を送る少年マルコは、父に森から出ることを禁じられており、ヘッドホンで聞く音楽と一冊の絵本だけが心の拠りどころだった。そんなある日、マルコは森の廃車で母と暮らす同世代の少年ミコと出会い、彼と友情を深めることで孤独を癒やすように。しかし父の目を盗んでミコに会いに行くマルコに、残酷な出来事が起こる。やがてミコを連れて希望を求めて旅に出たマルコだったが、森の外ではウイルスが猛威を振るう危険な社会が彼らを待ち受けていた。(映画.COMより)


 
【感想(ネタバレなし)】

『未体験ポイント①ハッピーセットがあっても絶望』

 



どーもどーも新年早々実家で母親のバスタオルを間違えて使いブチ切れられたラーチャえだまめです。あけましておめでとうございます。今年も皆さまにとって充実した映画ライクな1年になりますように……と願いを込めて新年一発目の“運試し”











未体験ゾーン!!!!




「未体験ゾーンの映画たち2025」!!!毎年恒例ナンナンジャーシングス-ゲテモノたちの世界-こと劇場未公開映画=ゲテモノたちを渋谷ヒュートラにかき集めまとめてお焚きあ、、、アングラ映画ファン必見の夢の祭典も今年でついに14回目に突入。今年は1月3日のサンガニチというスピード開催で年越しの歓喜冷めやらぬまま古今東西珠玉の20作のゲテモノたちが集結。この祭典の最大の醍醐味と言えばなんと言っても「大体がク◯映画」と言う何故今まで日の目を見なかったのか自問自答すればおわかりいただけるはz



…しかし!?中にはアナタのシネマ胃袋をガっと掴んで離さない!?今年ベスト級になるやもしれない一粒の「アタリ」が稀に潜んでいることがあるんですねー。この「アタリ」を引く=「未体験」を「体験」したが最後。アナタもゲテモノの虜になる可能性も…!!という非常に中毒性の高いコンテンツとなっております。



てなんだなんだ今年は“リピート割の廃止”やら年々作品数減ってるし!?8階のデカデカポスターもないわ売店で聞いたら「今年はコーラッシーはございません」こ、コーラッシーがないだってええええー!?…ヒュートラさん今年はそんなにチカラ入れてないんk、、、未体験と言ったらコーラッシー……もはやそれはつまり半分コーラッシー飲みに行ってるみたいなところあるじゃないですかぁぁ!?あーまいったなーアレに代わる飲み物なんてとてもじゃn








これからは伊良コーラにします。




そんなわけねーだろ!!!とまぁはやくも絶望を味わったところへ、さらに追い打ちをかけるが如く?“絶望”の世界を味わえるかもしれない……新年1発目の運試し、キミに決めた!



【エム 絶望の世界】!!??そりゃ世界から“M”のマークがなくなれば絶望するファストフード愛好家もいるだろう……て違うんですか?いやーハッピーニューイヤーにふさわしくない“パンデミックでディストピア化した近未来”映画。パワハラでは済まされない厳格な父親の元で暮らす少年マルクスは、幼きも大自然に囲まれ自給自足生活を余儀なくされ、唯一の楽しみは父親お手製?の絵本とヘッドフォンから流れる“高級デパートの高級トイレ内のBGM”みたいな音楽のみ……この時点で絶望ですねー。しかも絵本の登場人物に自分を投影させ自らを“葉っぱの子”……キミ静岡行くか?いつも父親に読み聞かせられた“葉っぱの子のお話”をずっと信じている様子。ある日森の中で“ミコ”と名乗る少年と偶然出会い2人はすぐに意気投合。父親の目を盗んでこっそりミコに会うマルクスだったが、父親がミコの母親を“射殺”する瞬間を目撃してしまい、残されたミコの命も危ないと2人は父親からの“逃亡”を企てるのだが……



製作は北マケドニア、クロアチア、フランス、コソボ、ルクセンブルク合作!?なんとも珍しい終末SF“スタンドバイミー”??映画、なんでありますが___序盤の大自然パートからしてもう眠い!?大自然の静けさや光景、電気のない生活で夜は真っ暗だし話もトロトロトロ……トトロかよ!?低速ギアフルスロットルで映画開始5分でもう失速ムード漂う展開にびっくらポンしてしまいましたが



ミコと森を抜け出す“旅立ちパート”からようやく物語が動き出しテンポもようやくあがってきて“まともに見れる”ようになり一安心……(汗)いやーこの序盤を乗り切れるかどうかがポイントかもしれませんね!しかも森の外、すなわち“街”のシーンでは森パート以上に“作り込まれた荒廃感”で地味にクオリティが高く、世界観に集中することができましたねー。何台も捨てられた車、たぶん実際の廃墟で撮影したのであろう朽ちた建造物、そしてまるで“人”の気配がない異様な静けさ。その中を無防備な少年2人が歩く光景は「はじめてのおつかい」ばりに見ていてヒヤヒヤしてしまう。マルクスが森の中で生活していた理由、森の外には“噛まれれば即感染”してしまう“悪党”たちがウヨウヨ肉をもとめて彷徨っているわ武装した危険な人間だっているわけですよ?まぁでも相手子どもでしょ?ソンゲバソナな悲惨な出来事なんて…



なんて思っていると意外と“心えぐられる”シーンあり!?果たしてマルクスたちの進む道に“希望”はあるのか。子どもにはあまりにも酷なロードムービーとなっております。主人公マルクス役の子役がさ、小さい体してんのにもう、みるみるたくましくなっていくのが!?演技が本当に素晴らしかった。ミコと出会ってから完全に兄貴肌で弟のようにミコを守る姿勢、はじめて拳銃の引き金を引いて震えるシーンや泣きのシーンもよくやっていたよ…。その他色んな“酷な体験”を通して成長していく姿は、よく描かれているなと思いました。もうホントに最初と最後で“目つき”が全然違うから!?



ネタバレは控えますがラストシーンで唐突に政治的メッセージみたいなのが流れて、悪党=難民ってことで良いんですかね?それを自警団(市民)が“目には目を”精神で報復する……本作は内戦のアンチテーゼ的映画なのかもしれませんね??


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