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ロングレッグス(2024)


【原題】Longlegs

【監督】オズグッド・パーキンス

【出演】マイカ・モンロー ニコラス・ケイジ ブレア・アンダーウッドほか

【あらすじ】

1990年代のオレゴン州。FBIの新人捜査官リー・ハーカーは、上司から未解決連続殺人事件の捜査を任される。10の事件に共通しているのは、父親が家族を殺害した末に自殺していること。そしてすべての犯行現場に、暗号を使って記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙が残されていた。謎めいた手がかりをもとに、少しずつ事件の真相に近づいていくリーだったが……。(映画.COMより)






 
【感想(ネタバレなし)】

『“ヒミツ”とは残酷。』

 




どーもどーも夜までずっと一緒にいた女友達がふとした時にずっと笑っているので「何が面白いの?」と聞いたら「だってずっと鼻毛出てるんだもん」と言われました。ラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの作品を拝見させて頂きました



【ロングレッグス】…!!!“面白くない方”ニコラス・ケイジ(以下ニコケイ)が“ガチホラーメイク”“怪物”“怪演”と話題沸騰中の本作は全米で「ここ10年で一番怖い」と言わしめた……ホントかいなぁ〜?とホラー文化には強い我が国ジャポニカ人には懐疑的になる方も多いのではないでしょうか!?監督のオズゴッド・バーキンスは本作の大成功のおかげで続く次作、Sキング原作の「The Monkey」を監督し今年2月に全米で公開されコチラも大ヒットを記録。日本では9月に公開が既に決定済み、という早くも我が国にもその名を轟かせる準備が進行中の!?インディーズ出身監督の4作目の全米大ヒット作。いやーなかなかちょっと思ってたんと違ったと言いますか。。。。





 




開始早々OPの掴みは完璧___。本作は音で脅かしたり不意打ちのフラッシュバックでビックリさせる系ではあるが幽霊やスーパーナチュラルな存在ではない地に足ついた“ニンゲン”の「実在する異様さ」?生きてる人間が一番恐ろしいってOPでもうわかっちゃうんだもんね!?幼い少女の前にいきなり現れて「はっぴぃ〜ばぁ〜すでぇぇ〜い♫」……気色悪い変態野郎ー!!!そういや“あしながおじさん”ってパパ活のいんg……ニコケイの演じる“ロングレックス”という強烈なキャラクターはですね、実にモンドセレクション受賞レベルの大発明ですよ!?(褒めてない?)はじめは予告動画並に顔半分しか映らなかったり部分的にしか見せないセコい手法で怖がらせてくる。そりゃ“見せなければ怖い”んだけども……白塗り厚化粧にカツラ姿と完全にニコケイの面影のないキャラクターかと思ったが、突然美声で歌い出したり声ではっきりと「ちゃんと中身はニコケイ」を確認。この悍ましいキャラクターはニコケイの母親からインスピレーションを得たそう(…ええ汗)ニコケイいわく今後二度と似たようなキテレツ殺人鬼役はやらないと明言しているこれまで演じてきたどの役にも存在しない「最恐」のシリアルキラー



“30年間で10の家族が撲殺された猟奇的連続殺人”の容疑者としてその彼の名が捜査線上に浮上するも殺人現場にいた痕跡すらなくその足取りが全く掴めないどころか殺人現場に残された古代文字のような“暗号”の書かれたメッセージカードだけが頼りだという??こりゃ天下のFBIもモルダーとスカリーの出番待ったなし状態ですがそこへ「イット・フォローズ」で同じく変態に追いかけ回されたマイカ・モンロー演じる新人FBI捜査官“リー・ハーカー”がですね、何やら“特殊能力”を発揮して??ロングレックスの残した暗号の謎やら何やらどんどん解明していくんですねぇー。この特殊能力捜査官VS猟連続奇殺人犯、という構図がSキングのオカルト小説みたい。ただしこのリー捜査官、コミュ障ばかりか肝心な時は石みたいに固まっちゃってほぼ何も出来ないこの手の女性捜査官VS殺人鬼にある“強いヒロイン像”とは真逆のキャラクターなのです。サスペンスのヒロインではなくあくまで“ホラーヒロイン”という位置づけ。だから本作はサスペンス映画に見える前半から徐々に紛れもない“ホラー映画”へとビミョーに位置調整されていくんですよねー。バッグBGMもほとんど使わないからずっと一定の緊迫感を保っているし録音テープやビデオカメラの映像といったホラー映画の恐怖アイテムがしっかり“リアル”で生かされているのがまたいい。



はじめは名前しかわからなかった雲の上を探すような一見掴みどころのない犯人が、主人公が自身で思っている以上に実は「近い存在だった」のがわかった時に急に寒気がしてくる怖さ。クライマックスにかけてそれがどんどん加速していって、いつしか「掴めるけど手に負えない」ことに今更ながら気づかされるも時既に遅し。ずっと犯人の手で転がされている感じとかもすごい「セブン」っぽい。監督のオズグッド・パーキンスの父親は俳優のアンソニー・パーキンス。ヒッチコックの「サイコ」で文字通りのサイコ息子を演じたあの名優。そのアンソニーと女優のベリー・べリンソンの間に生まれたオズグッドだが、アンソニーは同性愛者でそのことを長年妻のベリーはオズグッドに秘密にしていたらしい。そんな父親をロングレッグスの造形作りに投影しているのかな?金髪ヘアに白塗りの顔、そこに塗られた口紅は端的に“女装”を連想させ、そういえば確かに「羊たちの沈黙」のバッファロー吾郎、間違えたバッファロー・ビルも半裸でクネクネ踊るTHE変質者というナリだが、どこかオネエっぽさがあって当時トランスジェンダーの差別や偏見を与えかねないと同性愛者団体から抗議を受けている。オズゴッド監督にとって今やステレオなイメージとされる変質者を登場させたかったから本作の舞台を90年代に設定したのでは?オズゴッド監督が同性愛者に対してどのような見解を持っているのは定かではない。しかし長年それを愛する親に隠されてきたという過去、そして実の息子たちに隠さなければならなかった親の立場。どちらも相当辛かっただろう。その“親から秘密にされる辛さ”これを本作で一番描きたかった、我々視聴者の目にブチ込みたかったのではないか、と思わせるラスト。衝撃っちゃあ衝撃だよね。



劇場を後にすると観客が皆口を揃えて「思ってたんと違う」と言っていたなー。なんとなく意味はわかるぞ。要は「ダークナイト・ライジング」ってことでしょ!?えソッチ?っていう…。けど本作はホラー映画としてかなり豪華幕の内弁当、残忍な凶器に謎の暗号文、呪われた人形、悪魔崇拝、オカルトなどなど……ホラー映画あるあるをふんだんにぶっ込んで煮詰めた、かなりファンサに富んだ映画だと思うんだけどなー。PG12指定に十分収まるレベルに残虐シーンはあれど直接的に見せなかったり“グロテクスホラー”ではないのでそこを期待するのは✕。ちなちに映画公式パンフレットはそのまま映画から抜き出したような「証拠品」仕様(ご丁寧にジップロックに入っているのがリアルすぎる)内容うんぬん以上に完全にこだわりがイッちゃってるレベルで高いので記念品としてめちゃくちゃオヌヌメ。いやーこれだからパンフレットもやめられない(そして金がどんどん溶けていく……汗)

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