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悪魔と夜ふかし(2024)


【原題】Late Night with the Devil

【監督】コリン・ケアンズ キャメロン・ケアンズ

【出演】デヴィッド・ダストマルチャン ローラ・ゴードン フェイザル・バジほか

【あらすじ】

1977年、ハロウィンの夜。放送局UBCの深夜のトークバラエティ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャックは、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるなか、この日のメインゲストとして、ルポルタージュ「悪魔との対話」の著者の著者ジューン博士と本のモデルとなった悪魔憑きの少女リリーが登場。視聴率獲得のためには手段を選ばないジャックは、テレビ史上初となる“悪魔の生出演”を実現させようともくろむが、番組がクライマックスを迎えたとき思わぬ惨劇が起こる。(映画.COMより)

 
【感想(ネタバレなし)】

『ブラウン管推奨映画な件?』

 




どーもどーも深夜の新日本プロレス番組をいつも見ます知らんけどラーチャえだまめです。深夜番組ってなんであんなにそそられるのでしょう、地上波では流せない“攻めた”内容に物心ついた時から心がウズウズベキスタン……そんな月曜日とは言わず毎晩ついつい“夜更かし”しちゃうアナタへ、かつて全米で生放送されそのあまりの“攻めすぎた”内容から“オクラ”入りした幻の番組が存在した…??それではご紹介いたしまSHOW!今宵私が拝見させて頂いたのはコチラ



【悪魔と夜更かし】…!!いやートマトメーター97%の全米でも“話題”の(早速あのキングさんも絶賛してるらしい)オーストラリア産ホラー映画がついに日本凱旋。70年代後期、当時深夜枠の番組欄で「帝王」を目指すもあと一歩のところで視聴率ランキング2位止まりの苦汁を飲まされ続けられた「ナイト・オウルズ」の司会者“ジャック・デルロイ”は1977年のハロウィンの夜に当時世間を席巻していた「オカルトブーム」に便乗して?起死回生の高視聴率を狙った放送をスタート。ゲストは胡散臭い霊媒師と元手品師のオカルト反対派、そして「悪魔との対話」の著者、さらにその題材となった「悪魔に取り憑かれた」少女だった……。



いやーこれはなかなか面白い代物でしたね!まずOPから流れる70年代に“ありそうな”偽の番組のヒストリーがなかなか手が込んでいて番組を見る前から早くも期待値が上がる。本作は毎度お馴染み嘘か真か「門外不出のビデオテープ」を我々は独占入手することに成功した!?(…と、でも言うのか)すぎる「ファウンドフッテージ」の手法が取られているのですが、面白いのがその問題の生放送回が収録されたテープを編集せず当時放送されていたものを、そのままてっぺんからケツまで我々に見せるスタンス。



番組なので途中CMが入るのですが、番組側のテープなのでカットがかかったCM中は舞台裏にカメラが回り、舞台チェンジや出演者たちがセカセカとお色直しする様子などが映し出され“実際の映像感”を増幅させる演出。さらに“ハプニングが憑きもの”「生放送」番組をリアルタイムで我々に視聴させることで、予測不能な生放送のハラハラ感を作り出し、崖っぷち司会者ジャック・デリロイの流暢なOPトークから始まる今作は、本当に当時の生放送番組を見ているかのような「錯覚」を覚える。舞台セット、衣装、カメラ、音楽、照明に至るまで、70年代当時の番組作りをそのまま採用したことでかなりリアルな映像になっておりました。この手法はモキュメンタリーホラーとべらぼうに相性がいいんですね〜。



主演は「ダークナイト」やヴィルヌーヴ作品の名バイプレイヤー、日本ではアントマンの“3バカ”で広く知られるようになった「ポルカドットマン」ことデヴィッド・ダストマルチャン。お蔵入りした「ダークユニバース」の破片で作ったのに「透明人間」と違いあんまり話題にならんかった「ドラキュラ」では海賊王も惚れるムッキムキな船員を演じておりましたが、今後実写版「ワンピース」のシーズン2に出演することも決定済み、とますます日本でも知名度を上げそうな?今作ではこれまでの不気味な役や不健康そうな青白い顔とは打って変わってカメラの前でドッシリと構えて時にジョークで会場や茶の間を沸かせる「TVの顔」役を好演。いやーカメレオン俳優だなー。“昭和の司会者ってこんな感じだよな感”アリストテレスなこめかみまで繋がった古臭いヘアスタイルもめっちゃ似合ってる。



監督は未体験ゾーンで上映された「スケア・キャンペーン」という心霊ドッキリ番組で本当に祟られるという、まさに本作の現代版とも言うべき作品を手がけたキャメロン&コリン・ケアンズ。その手法は本作でも遺憾無く発揮されていると言っても過言ではなく、割と最終局面まで「嘘が真か」我々視聴者もわからない演出??悪魔に取り憑かれた少女は確かに怖いが終始カメラにガン飛ばしまくるあまりにありきたりな演出はホラー映画を見慣れた人間からすると「ウソっぽい」と感じるだろうし、ちょっとやり過ぎかな、と思う箇所もありました。その後ペテン師撲滅に命を捧げる元手品師の「集団催眠術」の方が凄いっていうのも意味わからんし……。ただそんな「混乱」が当時の視聴者と同じ感覚にさせるための演出なのではなかろうかという!?伏線もいくつかは最後まで謎を残して終わる、実は考察向きの映画でもあるんですねー。



クライマックスはちょっとぶっ飛びすぎて級にB級感マシマシになるのは御愛嬌?いやーこれTV番組じゃん?映画館で見てもいいんだけど、ちょっとこれ“家庭用TV”で観たほうが最もリアルに観れるんじゃないか…??(できればブラウン管で……)

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