クレイヴン・ザ・ハンター(2024)
- ラーチャえだまめ
- 2024年12月16日
- 読了時間: 9分

【原題】Kraven the Hunter
【監督】J・C・チャンダー
【出演】アーロン・テイラー=ジョンソン アリアナ・デボーズ フレッド・ヘッキンジャーほか
【あらすじ】
幼い頃、裏社会を牛耳る冷酷な父親とともに狩猟に出かけた際、巨大なライオンに襲われたことをきっかけに「百獣の王」のパワーをその身に宿したクレイヴン。自身の父親がもたらしたこの世の悪を始末するという目的を抱いた彼は、金儲けのために動物を殺める人間たちを次々と狩っていく。一度狙った獲物はどこまでも追い続け、必ず自らの手で仕留めるクレイヴンだったが、そのなかでやがて、縁を切ったはずの父親との対峙を余儀なくされる。さらに、全身が硬い皮膚に覆われた巨大な怪物ライノの出現によって、戦いは次第にエスカレートしていく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『今度の“SSU”は“「マフィア」もの”?』
どーもどーも買った冷凍ピザがトースターに入りませんラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【クレイヴン・ザ・ハンター】!!待ちくたびれたぜクレイヴン!?思えば2022年公開だったのが2023年に延期、その後俳優組合のストでさらに延期、今年8月に公開予定がさらにさらに延期されやっとこさ12月のもう年末ですよ…?一体いつまでホネの前で「待て」していたことか……てアンタ猫科か
てクレイヴン・ザ・ハンター!?はい誰ですかアナタあああああー!?日本では「ヴェノム」ほど市民権を得られなかった「モービウス」に「マダムウェブ」に続き親愛なる「隣人じゃない誰ですかシリーズ」改め未だディズニーと共同親権を掴んで離さないドル箱蜘蛛男の“ユニバース化”をマーベルスタジオを“見習って”勝手に手広くやっていこうというソニー・コロンビアピクチャーズが暗躍する「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の第4弾にしてまたしても“ヴィラン”をアンチ“ヒーロー”に昇格させスクリーンデビューさせてしまいましたとさ!?いやしかし「ヴェノム」が予想外に“カワイイ”マスコット製品化出来たのが運の尽き??その後の「モービウス」「マダムウェブ」の記録的“大爆死”により「ホームカミング」のバルチャーも勝手に盛り込んだ“SSU版シニスター・シックス”という対スパイダーマン軍団結成への道のりがさらに遠のいたばかりか?コミックスではスパイダーマンを“狩る”ことだけに執着しまくるヴィラン、というだけでマスクも“変身”もしない見た目ただのムキムキな“人”では!?絵的にも知名度的にも既に人気に拍車がかからない…??と踏んだかついに万人ウケしないならばと??諸刃の剣「R指定」に手を出しコア層にブッ刺さるよう軌道修正までして爆誕させたハンター!?そんな“もうミス出来ない”ソニーの社運をかけた最後のリーサルウェポンなんでありますが先日

“SSU”崩壊決定!!
ななんとまだ封切られたばかりの本作の興行結果など見る前にソニーが「スパイダーマン4」「スパイダーバース後編」そして現在撮影中ニコラス・ケイジ主演の「スパイダーノワール」以外のスパイダーユニバースから完全に手を引く決断を下しただとぉ!?これで泥舟に乗った「モービウス」「マダムウェブ」を救い出す手立ては完全に消滅して世界から“なかった”こととしてマルチバースの穴に封印されてしまうというのか!?どうするグレイヴン!?始まる前から最も欲する“獲物不在”というハンターの名が廃れるこの事態に!?それでも独立した「単独作」として華々しい「ヒトカリ行こうぜ!」デビューなるか気になって鑑賞したのですがケツのロン申しますと

めっちゃ地味で暗くてク◯盛り上がらんけど俺は好きだぞハンター!?
いやー毎度毎度“新ヒーロー(アンチも含む)”生み出すのってホントに骨の折れる作業だと思います、しかも毎度毎度「これまでにない…」って売り文句つけてですよ?そりゃ“◯◯の二番煎じ”ですって口が裂けても言えませんからね!?そんな毎度毎度ヒーローが爆誕する度にその作品の色というか、何風かな〜とか意識しちゃうのですが、「相思相愛相棒風」「生のバットマン風」「スーパーナチュラル系海外ドラマでやれよ風」ときて今作はまさにそれで言うと

「ゴッドファーザー」風アメコミ映画
と言う!?これまた「これまでにない」!?まだあったかこんなネタ!?と驚かされてしまいましたー。

最強のハンター、コードネーム“クレイヴン”を演じるは主役から準主役級までオールマイティでハリウッドを席巻中“次期ボンド”の呼び声高いアーロン・テイラー=ジョンソン。今年は既に「フォールガイ」で調子乗った泣きべそスターを好演したアーロンですが、思えばデビュー作「キック・アス」から「アベンジャーズ2」でのクイックシルバー、そして今作「クレイヴン〜」で3度目のアメコミヒーローを演じ……そろそろ本命ヒーローはどれなのか選んで頂きたいところですが??今回はワイルドな髪に髭ズラの過去イチ男性ホルモン強めな顔立ちなのに高音ボイスの可愛さが女子のハートにキュインキュインしてしまうかもしれない!?

……しかし本編はアーロンが序盤に“一悶着”やった後にいきなり回想シーンに突入という回れ右展開に!?ここで早々にアーロンは一旦退場して代わりの若手俳優がクレイヴン=“セルゲイ”を演じるのですが、このセルゲイの幼少期時代で厳格な父親と弟との関係性、さらにいかにして“スーパーパワー”を身につけたのかとかを丁寧に描いているんですねー。特に父親と弟との「三角関係」。父親“ニコライ”を演じるのは「グラディエーターⅡ」を知らされていなかった名優ラッセル・クロウ。彼も過去に同じマーベルの「ソー」シリーズでゼウス役として登場しましたが、アメコミ映画特有の「大物キャストのゲスト出演レベルの扱い問題」ってあるじゃないですか?ラッセル・クロウのゼウス役もまさにその一例になってしまっていたのですが、今作では幼少期も現在でもガッツリセルゲイと絡んでくれるありがたや〜。愛人との間に生まれたセルゲイたち兄弟に対する「歪んだ愛」、否「偽りの愛」と言うか、二人にはとにかく「タフガイになれ!」一筋教育で「伝説級の獣を狩ることで自らも伝説になる」を家訓に早くから危険な狩に参加させる光景はまさに親のエゴの押し付けに見えるし、自殺したセルゲイの母親には「自殺するヤツはただ弱いだけ」と言い放つ冷酷さも合わせ持つ。そして何より「偉大なるマフィアの父」という完璧な“ゴッドファーザー”の顔があるんですよねー。

そんな父親を恨み最終的にプッツンして父親の手から離れたセルゲイ。自身が父親の跡を継ぐはずが、それを拒否した為に代わりに「グラディエーターⅡ」で双子のアタオカ皇帝を演じたフレッド・ヘッキンジャー演じる弟の“ディミトリ”が父親の跡を継ぐことになり、ディミトリには罪悪感を抱き続けて毎度頭が上がらない。そしてディミトリはそんな兄を恨むどころか自分は銃を向けられただけでヒヨってしまう“弱さ”がずっとコンプレックスで、自分もいつか強い兄や偉大なる父親のような存在になりたいと思っている。この三人の思想、三角関係を前半でしっかり描いている。ディミトリの誕生日を祝うべく会いに行くセルゲイ。しかしその場所には憎き父親の姿も…。
ハント=マフィアの島争いとかけまして〜、うまい!?家族同士の思惑、敵対関係はまさに「マフィア映画」のそれで、途中までマフィア映画でも見ているのかと思ってしまった。この地盤をしっかり描くこと、「人間ドラマ」を重視した作りは個人的に嫌いにはなれない。それが開始早々のテンポの悪さや「地味で盛り上がりに欠ける展開」だとしてもです。今作はソニーユニバースにして初めて「R15」の作品。はじめは「ローガン」みたいにやたら首やら手足が飛ぶようなグロさや過激なシーンがあるからR15なのかと思っていましたが、実際は正直PG12でも収まるんじゃね?ってくらいそこまで過激なシーンは私は感じませんでした。代わりに先に言った人間ドラマ、実はこっちに指定がついたんじゃないか、と思いたくなるくらい「大人寄り」な作品に仕上げたかった思惑がわかる。

そして中盤再びアーロンに戻るとそこで今作のヒロインやら“ヴィラン”やらが登場。ヒロインの“カリプソ”を演じるのは歌手しても活躍中「ウエスト・サイド・ストーリー」のアリアナ・デボーズ。セルゲイとは“数奇な運命”で結ばれているのですが、弁護士として犯罪組織と戦うカリプソと自然を破壊する密猟組織を恨み暗躍するセルゲイが手を組んで共に犯罪を撲滅しようとする関係性がまんま「ダークナイト」シリーズのブルース・ウェイン×レイチェルに瓜二つなのです!?カリプトをジャングルにあるバットケイブならぬ“ハンターケイブ”にご招待してそこで彼の“真の姿”の一面を覗くシーンとか歴代「バットマン」っぽいし?この設定はダークヒーローの登竜門なのでしょうか……
今作のヴィラン“ライノ”を演じるアレッサンドロ ニヴォラといえば個人的に「ジュラシックパーク3」のグランド博士の助手の青年役なんですが、プテラノドンの卵の代わりに今回は変身ベルトならぬ「変身リュックサック」を背負ったリュックサック系ヴィラン……って何?てかクリストファー・アボットがちゃっかり出演してたのかー。クリストファー・アボットって言ったらアカデミー賞クラスの「哀れなるものたち」や「ポゼッサー」「ピアッシング」中規模作品にも出演、次回作でライアン・ゴズリングが蹴った「透明人間」のリー・ワネル監督の新作「ウルフマン」で狼男を演じている人。こんなアメコミ映画に出演するようなタイプには見えな……なんかあんまいい役でもないからすっかり別人だと思ってました……お前はそうだな……クルーネックヴィランだ!!
CGの使い方が下手かな!?真っ昼間のシーンで背景も動物も思いっきしCGっぽいからイマイチ臨場感に欠けたりですね、クレイヴンが密猟たちを狩る理由がちょっと弱いかな〜。あと「モービウス」で何も学ばなかったのか今回もあるぜ“予告詐欺”!?「マダムウェブ」でもそうだったけど、はっきり言います

※こんなシーンありません。
今作は「クレイヴン・ザ・ハンター“ゼロ”」“ハンターが誕生するまでの話”と言いますか??これから本格的に始動するZE!!っていいところでまたしても終わってしまう…。アーロンが「見ればきっと続編を希望したくなる」と言っていたのは間違いじゃありません。ホントに続きが気になる。クレイヴンが“蜘蛛嫌い”になる伏線もちゃんと入れているし(苦手なものを狩ればまた強くなれる的な?)でもそれってめちゃくちゃ好印象。だって続きが見たくなるくらいにはそこそこ満足出来たってことですもんね!?(※個人差による)先にも言った今作で序盤の下地、かっ飛ばさずに丁寧に描いてから次回作で本腰入れるよ!!
でも次ないんですよね…??(泣)どうなるクレイヴン!?SSU!?もう唯一の繋がりがデイリービューグルの新聞だけって……
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