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猿の惑星 キングダム(2024)


【原題】Kingdom of the Planet of the Apes

【監督】ウェス・ボール

【出演】オーウェン・ティーグ フレイヤ・アーラン ケヴィン・デュランドほか

【あらすじ】

300年後の地球。荒廃した世界で人類は退化し、高い知能と言語を得た猿たちが地球の新たな支配者となっていた。そして、その一部の野心的な猿たちが巨大な帝国(キングダム)を築こうとしていた。帝国の冷酷な独裁者であるプロキシマス・シーザーによって故郷の村を滅ぼされ、家族や友と離れ離れになってしまった若き猿ノアは、旅の途中で出会った年老いたオランウータンのラカから、猿と人間の共存についての昔話を聞かされ、ラカがノヴァと名付けた人間の女性と出会う。(映画.COMより)

 
【感想(ネタバレなし)】

『新三部作は“予習”しなくてもだいたい大丈夫?』

 




どーもどーも先日映画館に行った時のこと、前方に座った大学生くらいの男が映画泥棒のCMも終わったのにまだスマホをいじっていていよいよ20世紀スタジオのファンファーレもなり始めて「流石にしまうだろう」と踏んでいたらスマホの光量を弱くし始めて……いやわざわざ光量を落とすってことは、「鑑賞中もスマホはしまいません」って宣言してるようなもんじゃないですか?ということで後ろから狙撃させていただきましたラーチャえだまめです___いやーもう鑑賞中のマナー、なんで守れないんですかー?あなた“サル”なんですかー?……ということで前説が長くなりました、本日はコチラの作品を鑑賞させて頂きました



【猿の惑星/キングダム】…!!!もう既に「猿の惑星」見た……節子、それコングや。コチラはSF映画の金字塔「猿の惑星」の“第10作目”。前作「猿の惑星: 聖戦記(グレート・ウォー)」(2017)から7年、いや7年経とうが“あんなにキレイに終わった”シリーズを?ネズミー目下になって既に遥か彼方の銀河系一つメチャクチャにしたのに?これ以上名作に泥を塗る愚行は……しかもさらに“新3部作”やると言い出した時は素直に「いや流石にもういらんだろ」と……。まさかチャールトン・ヘストンが地球に来る15分前くらいのギリギリまでやる気かよッ!?個人的にはかなり否定的でした。まぁでもやったら見に行っちゃうんですけどね?



まず本作をレビューする前に、10作目とかハリポタかよ……と流石に匙を投げたくなる方もいるでしょう。これまでのシリーズをざっと振り返ると?2001年猿の旅したティム・バートン版「PLANET OF THE APES 猿の惑星」はリメイクなので別個として、68年に爆誕した1作目から計5本作られた後「猿の惑星」はなぜ“猿の惑星”ならしめたかその“起源”を描いた「前日譚(リヴート)」計3本。私はその第1作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」からリアタイで追ってるサル、、、人間ですが人種差別から動物虐待へ、テーマ性を新たに盛り込んだダークな世界観とNEWキャラクター“シーザー”と人間との深い友情そして決別……「囚われた国家」のルパート・ワイアットらしい社会派の「創世記」も悪くはない、決して悪くはないフォイ……だがその次の「猿の惑星:新世紀(ライジング)」で監督が「ザ・バットマン」のマッド・リーブスに代わってからがもう凄かった。続く「聖戦記(グレート・ウォー)」まで完全に「ダーク“エイプ”ナイト」2部作をやってのけた「もうお猿さんの戦い方じゃない…!?」シリーズ最上級のシリアス&ダークな世界観、そして何より「完成度」の高さにロッテントマトでもシリーズ最高点数を更新。そんな前作から今回新たなNEWシリーズの舵を取るのは



「メイズランナー」シリーズのウェス・ボール!?いやーちょっと待ってください、大人気小説の実写映画化として若手俳優総出演の“異次元鉄腕DASH”こと「メイズランナー」。いかにも海外ドラマの方が活かせるのでは?なんて見始めた時は思っていました。しかしフタを開ければ予めシリーズ化を予告されるも途中で企画が頓挫することが多い「SF長編小説原作」の中で?途中主演のディラン・オブライエンの撮影中の事故にも見舞われながら見事打ち切りにならずにシリーズ3本最後まで「有言実行」した、実はなかなか難しい偉業を成し遂げたあのウェス・ボールなら…?これはシリーズものをやる上でこれ以上ない「塩梅」人選なのでは!?舞台が猿に支配された荒廃した近未来……も「メイズランナー」とビジュアル被るし?



……さらに前説が長くなりました、で、そのウェス・ボール版「猿の惑星」!!いやー見やすい











全体的にかなり見やすい





以下3つの点から、なんならこれまでのシリーズを知らなくても?“今作から猿デビュー”でも何ら問題ないかもしれません??初心者大歓迎の配慮&配慮の効いた映画だったんですねー。






 

シリーズ未見でも問題なし





てっきりシーザーの“息子”か親族あたりが今作の新しい主人公かと思ったら、前作から「300年後」の世界ってもうカタチないやん!?(?)今作の主人公“ノア”はシーザーとは猿もゆかりもない(東京グール的な生まれ変わりじゃなければ)し、ノアのいる部族はシーザーが統治していた部族とは別の部族で?なんなら「シーザー?誰それ?」レベルの認知度しかないだってええええ……汗だから我々視聴者も同様にシーザーを知らなくても全然問題なかったりする。だって猿が知らないんだもの……というか今作が“300年後”の話になったことで矛盾が生じてしまった「聖戦記」に登場した“ノバ”や“コーネリアス”と言った、オリジナルに登場するキャラクターかと思われていた者たちを少々荒手ではありますが“世襲制”という設定にしたことで“オリジナルとの接点を一旦切った”これにより直近のシリーズはおろかオリジナル版も正直知らなくて問題なしという!?まさに“新参猿”に向けて作られたかのような“ストーリーのわかりやすさ”これをまず評価したい!!



唯一知っておいた方がいい点があるとすれば「どうして猿が地上を支配するようになったのか」くらいでしょうか。つまりは「創世記」……やっぱり知らなきゃ駄目じゃねえか(それ1本だけで十分です!)





 

難しいの苦手でも問題なし





これは前作のマッド・リーブス版の「難しい」「重い」といったシリアス路線が苦手だった方に朗報??新シリーズは体感的にそこまで「難しくない」かもしれません。それは先ほど述べたNEWキャラクターのノアがまだまだ青二才なティーンエイプだから。いわば「ライオンキング」でいうシンバみたいなキャラクター。演じるは前作のアンディ・サーキスという愛しい人から受け継いだ「To Leslie トゥ・レスリー」でダメダメなアンドレア・ランズボローの息子を演じた若手俳優オーウェン・ティーグ。



今作も別部族のエイプに村を襲撃され家族を失ったり仲間を失ったり決してシリアスな展開がないわけではありません。でもシーザーのように難しい顔して一人考え込んでなんでも一人で背負って……“自己犠牲”タイプの見ていて辛くなるエイプではなく、まだまだ脆く不完全な部分もあるけど辛いことも乗り越えていくタフさ、そして徐々に語り継がれることを予見させる“英雄”としての片鱗みたいなものが垣間見れるのです。それを今回“鷹使い”という伝統で見せているのですが












鷹使いはもう真田広之か徳川家康レベルなのよ





ほかにも新たな“ノバ”として登場する“ヒトの言葉を話すヒト”との交流に、ポスターにも人一倍デカデカと映る「ヒトの物はオレのもの」を公言する“ジャイアニズムエイプ”












演説だけが取り柄のワンダフルデイ教祖様(笑)





シーザーの名を名乗るなどおこがましいわあああ!!気持ちがいい程に憎まれ役に徹し、そして“ヴィランらしく散る”まさにザ悪役!!の“プロキシマス・シーザー”を演じるのは映画やドラマでよく見るケヴィン・デュランド。この人も猿が……自身はSNSで「イーロン・マスクに似ていると言われる」と公言しておりますが、てことはイーロン・マスクも猿……そりゃ人類の祖先だもんね!?






 

「テンポ」がいいから問題なし?





本編140分越えの長編なのに非常にテンポがいいから体感時間めちゃくちゃ「短く」感じるところも見やすかったです。そしてこれは予めシリーズありきを意識したウェス・ボール監督らしい?「全く完結させる気のない」バリバリ続きに繋げる気満々じゃん!?ホントは色々展開を盛り込めるところを3部作の1部を意識して「全体的に控えめにしてる感」。故に「もうちょっと摘みたい」腹6分目くらいの若干の物足りなさを感じるかもしれません。でもそれは「早く続きが見たくなる」というプラスの面もあって、長編なのに短く感じるから早く続きが見たくなる……



そして「メイズランナー」シリーズを見た方ならわかるかもしれない1作目のラストで「えぇ!?」と我々視聴者を驚かせたウェス・ボール監督のお家芸?同じく3部作予定の本作でも「ドンデン返し」とまでは言いませんが、いやーラスト5分で「めっちゃアゲてくる」じゃん……!?元祖オリジナルと言ったら「衝撃的な展開」が語り草ですが、ウェス・ボール監督はこのシリーズと“相性が良い”かもしれません…??

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