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ジョーカー フォリ・ア・ドゥ(2024)


【原題】Joker: Folie a Deux

【監督】トッド・フィリップス

【出演】ホアキン・フェニックス レディー・ガガ ブレンダン・グリーソンほか

【あらすじ】

理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた女性が現れる。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。(映画.COMより)









 
【感想(ネタバレなし)】

『極論:童◯は夢を見るな』

 




どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ】!!!ついに日本でも先日より公開された「超期待の1本」!!バットマンの永遠の宿敵、これまで何度も役者が代わる代わる“襲名”してきた歌舞伎的存在のDCコミックNo1ヴィラン、ジョーカー。その“単独主演作”として2019年に公開された映画「ジョーカー」は日本でも大ヒットしましたよね??



主演は「グラディエーター」「サイン」のホアキン・フェニックス、監督は当時「ハングオーバー」等、主にコメディ映画専属とも言えるトッド・フィリップス。正直期待はしていませんでした。何せジョーカーと言えば既に故ヒース・レジャーが演じた「ダークナイト」のジョーカーが映画史に強烈な爪痕を残した後だったし、当時同時進行的にジャレット・レトも同じくジョーカーを演じていたし、今度はそのジョーカーを主人公にして生い立ちから何やら丸裸にしてくれるとは言え正直「またか。」という感じだったわけです!?それにアメコミ映画としてこれ以上ないダークなサスペンス映画としてR15指定にもなった映画を、コメディ出身の監督が撮るってのもな〜。



……なんて思っていたら「ジョーカー」はR指定映画としてはじめて10億ドルを超える興行収入を叩き出し第76回ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞、第92回アカデミー賞では最多11部門にノミネートされフェニックスが主演男優賞に輝き、作曲を担当したヒドゥル・グドナドッティルも作曲賞を受賞するという快挙を成し遂げる。思い返せば(後にモキュメンタリー映画の為の演技だったとは言え)2008年に突然「オラさ歌手になるだ」と俳優からラッパーに転向するクレイジー”さに“狂気”をも感じたホアキンと、コメディ映画を極めたからこそ“最高のジョーク”を作り出せるフィリップス監督との化学反応、むしろ上手くいかない理由がなかったのかもしれない!?



そんな映画史に大成功をもたらしめれば?当然“続編”というものが期待されてしまうのがハリウッドの悲しき性……。「いや絶対いらんでしょ」私も思いましたよ!!あんなに“めちゃくちゃキレイなエンディング”で終わったのに続きをやるっての!?“蛇足以上のナニモノでもない”……でも結果今作「フォリ・ア・ドゥ」が“作られてしまった”わけです。いやー今の話をずっと念頭に入れておいてくださいまし。なんだか公開されてから日本でも、早くも“大賛否両論”巻き起こしてるじゃないですか!?ということで拝見させていただいたわけなんですが……












「妥当過ぎる」ラスト。我々の「過度な期待」が本作を「あの結末」に至らしめた、清々しいほどに「因果応報映画」





だったんですね〜!






 




「前作が好きであればあるほど“憎たらしく”思うだろう」__。いやーやってくれましたね!!どうだいどうだい“夢を潰された”ご感想は__??…なんて映画から聞こえてきそうな、観客の“期待”を見事に“ぶち壊してくれた”と言っても過言ではない??否定的な意見もあって結構。そうですよね皆さん「我々が求めていたジョーカーはこうじゃない。」「こんなジョーカーは観たくない」いやーわかりますわかります!!でもさ、そんなこと言うから












コレが「最適解」なんじゃないの?





むしろ“貴方”がそう“求めた”から、だから“こんな映画”になっちゃったんですよ!?ネタバレは控えますがこの映画の“犯人”は「ジョーカー」という作品に“過剰なほど”熱狂し“勝手にハードルを上げて”構えていた我々視聴者そのものだと言うことがよーくわかりました。そもそもフィリップス監督そしてホアキン自身、“続編など作る気なんてこれっぽっちもなかったのではないか?”しかし前作がヒットし社会現象にまで発展したのだから続編を“作らざるを得なくなった”。さらに作品に感化された視聴者の中には“ジョーカー論”を生み出し“模倣”する犯罪者予備軍も生まれるという危惧?もはや自ら生み出したジョーカーという概念が全く関係のない場所で独り歩きする事態になったことで、自らこのジョーカーブームを“終わらせる”という決断に至ったのではないか。その結果が“アレ”なわけです!!そう考えるとエンディングは“アレ以外考えられない”



さらに視聴者をガッカリさせたのは前作は“アーサー・フレック”という一人の道化師がジョーカーになるまでの物語でした。今作はそこからジョーカーがさらに飛躍し世界を巻き込みもう一人の狂気“ハーレイ・クイン”と合流することで?さらに強大なチカラを得る……そんなシナリオを期待していたのではないでしょうか。しかし実際はその逆でした。「ジョーカーからアーサーに“戻る”」お話なんですよね。社会を混沌に陥れた“カリスマ”から一人の“どこにでもいる市民”に戻っていくお話……。



それにもちゃんと理由があるのです。ジョーカーはアーサーという“一人の人間”が作り出した「創作物」である。これが言いたかったのではないか。作中登場する熱狂的なジョーカー信者たち。ハーレイもそのひとり。彼らは皆「創作物」であるジョーカーを愛した。我々もそうだ。映画に感化され「創作物」であるジョーカーを、いつしか現実世界の自分の人生に重ねて共感し愛し崇拝するようになった。フィリップス監督はそんな現実と創作の区別がつかなくなった人へ「目を覚ませ」と強烈なカウンターパンチを仕掛けたかったのでないか??それが“「魔物」を作ってしまった作り手の責任”とでも言うかの如く…。



このジョーカー=アーサーの“表”と“裏”の描き方も素晴らしかったですね。他にも色々不満はあると思いますよ、今作の舞台がほぼ“獄中”と“裁判所”の2パターンしかなかったり、ハーレイの“意外すぎる展開”にハーレイファンとしても落胆したことでしょう。でも作中どこを切り取ってもポストカードになるレベルの徹底した「画」作りには終始ため息が出るくらい見惚れてしまう魔力があったり(一部は「チチカットフォーリーズ」という精神病棟を描いたドキュメンタリー映画を参考にしている)今作は「ミュージカル映画」ですが歌と踊りその全ての構図も完璧で、一周回ってハーレイ役の「レディー・ガガ歌ウマすぎ」と同時にホアキンの“驚くほどの美声”にも酔いしれてしまいました。あと近年稀に見る「愛煙家」映画としても優秀すぎだろ!!前作より吸ってない?どんだけカッコいいんだよ!!



なんだか今作を批判すればするほど、作り手の“思うツボ”に思えてならない。こういう視聴者に“意図的な喧嘩ふっかけ系”映画は大好物であります!!素晴らしい!!よくぞやってくれました。これで間違いなく「ジョーカー」ブームは終焉することでしょう。そして永遠にこのシリーズは語り継がれる作品になるかもしれません……。

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